「日本のバス」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
130行目:
{{Main|日本における2019年コロナウイルス感染症による社会・経済的影響#バス|2019年コロナウイルス感染症の流行に対する日本の行政の対応|緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置}}
 
== 現況運行形態 ==
運行形態から見たバスの種類には大きく分けて、路線[[乗合バス]]乗合路線バス)、[[貸切バス]](観光バス)、特定輸送バス[[送迎バス]])がある。
=== 運行形態 ===
運行形態から見たバスの種類には、大きく分けて、路線バス(乗合バス)、貸切バス(観光バス)、特定輸送(送迎バス)がある。
 
==== 路線バス ====
{{main|路線バス}}
決められた経路を決められた時刻で運行し、不特定多数の輸送需要に応えるものである。
 
===== 一般路線バス =====
[[File:Toei-bus L-S130 BJG-HU8JLFP.JPG|thumb|[[都営バス]]]]
都市内の輸送や住宅地・集落と最寄[[鉄道駅]]との輸送を担う。大都市部においては[[地下鉄]]網の拡充、郊外や地方においては自家用車の普及や過疎化などにより、利用客が減少し、路線の再編や地域ごとの分社化、さらには路線の廃止が行われている。
147 ⟶ 146行目:
*[[デマンドバス]]系
 
===== 深夜バス =====
{{main|深夜バス|日本の深夜バス}}
深夜時間帯の帰宅の足を確保するバスであり、通勤鉄道の終列車後にそれに沿って走らせるもの(俗に'''深夜急行バス'''と呼ばれる)と、通常の路線を走らせるもの(通常こちらを'''深夜バス'''と呼ぶ事が多い)の2種類がある。深夜急行バスは並行する鉄道よりも数倍高い割高な料金を、深夜バスは通常走る系統の2倍の運賃を取る事が普通である。
 
===== 高速バス =====
[[File:JR-bus-Kanto-D674-00505.jpg|thumb|[[ジェイアールバス関東]]]]
{{Main|高速バス}}
[[高速道路]]を使って、都市間の連絡(数十~数百キロ)を行う路線バスで、昼行便と夜行便がある。なお、所管する国土交通省によった公式な定義はない。一般にこれら高速バスは、鉄道では直行しない都市を結ぶ路線も多いことや、運賃が低廉であるという理由から非常に人気が高く、路線バス事業の中でも採算がとりやすい分野である。しかしながら、大都市の事業者の一部は長距離路線から撤退したところもある。[[首都圏 (日本)|首都圏]]⇔[[京阪神]]など大都市間を結ぶ路線では、後述の観光バス(貸切バス)による低価格の会員制ツアーバスとの競合も見られ、路線バス側でも路線によっては低運賃の便を設定して応戦している。
 
===== 空港連絡バス =====
都市中心部ある地域都市から離れた [[空港]]を結ぶ路線バスである。俗に[[リムジンバス]]とも呼ばれる。空港アクセス鉄道が無い場合や、鉄道が存在しても乗り換えの面倒さなどからバスを利用するケースが見られ、現在では様々なところ地域から路線が設定されるようになってきている。[[空港連絡バス]]専業のバス事業者もある。
 
===== 定期観光バス =====
[[File:Hatobus 894 selega-hybrid.jpg|thumb|[[はとバス]]]]
{{main|定期観光バス}}
[[鉄道駅|駅]]や[[バスターミナル]]などから運行し、観光地を順番に回るバスである。[[東京都]]内で運行されている「[[はとバス]]」が代表的なものである。見かけは観光バスに似ているが、決まった時間に決まった場所を回るため、法的には路線バスの一種とされている。
 
===== コミュニティバス =====
{{Main|コミュニティバス|自治体バス}}
交通空白地帯の住民の足を確保するため、主に自治体が主体となって運行し民間事業者に運行委託する形態のバスである。比較的安価な運賃設定、狭隘区間を含む自由な路線設定、短い間隔の停留所設定、[[バリアフリー]]で小型の車両を利用することなどが特徴とされる。
 
==== 貸切バス ====
{{Main|観光バス}}
チャーター(貸切)されて運行されるバス。運行経路、時刻や輸送人員は事案ごとに個別に計画される。学校・企業・団体での行事や冠婚葬祭など多人数で移動する場合に利用される。旅行会社が観光を主な目的とするツアーを設定する場合もこれにあたる。
学校・企業・団体での行事や冠婚葬祭など多人数で移動する場合に利用される。
旅行会社が観光を主な目的とするツアーを設定する場合もこれにあたる。
 
使用される車両は事案目的ごとに異なるが、一般的には観光バスタイプの貸切専用車両が多く、近距離・少人数の場合は一般路線車やマイクロバス等が用いられることもある。
 
観光地を拠点とするバスの中には[[三重交通]]の[[伊勢志摩]]における[[伊勢二見鳥羽周遊バス|CANばす]]、熊野古道バス、スペイン村バスの様に全面に観光地をイメージしたイラストが描かれている物が多い。
中には一般路線バスと共用を目的とした[[ワンロマ]]車とも呼ばれる車両を持ち、車両数に余裕ある週末に設備に豪華さを求めない安価な日帰りバス旅行を設定している事業者もある([[神奈川中央交通]]・[[東急バス]]など)。
 
=== 特定バス ===
1990年代以降、貸切バス業者が[[旅行会社]]と組んで大都市間を結ぶ会員制[[ツアーバス]]が増えている。これは路線バスではないが、都市間を結ぶツアーを片道でも乗車可能にして企画した旅行商品であり、不特定多数の乗り合いによる移動という点で路線バス(高速バス)と類似した効果を発揮している。利用経路によっては高速路線バスより設備が劣る(その代り代金が安い)車両から路線車両をはるかに凌ぐ好居住性を誇る車両を選択できることや、路線バスと比較すると低運賃であり、競合することが多くなっている。これらツアーバスの台頭の背景には、観光バスを利用した団体旅行(社内旅行、慰安旅行など)が減少したことによる、貸切バス事業者の稼働率を高める意図があるものと推察される。
道路運送法に基づく「特定旅客自動車運送事業」。最寄駅から工場や学校への通勤・通学輸送、ホテルや病院などへの利用客の[[送迎バス]]など、一定の範囲に限定された旅客の輸送に特化したもので、目的地にある会社や組織等がバス事業者に運行委託・運用する場合が多い。なお、の「特定輸送」れに道路運送法に基づく「特定旅客自動車運送事業」であり、[[自家用バス|自家用車]](白ナンバー)による送迎バス]]は該当しない。
 
==== 特定輸送(送迎バス){{Anchors|特定輸送|送迎バス}} ====
最寄駅から工場や学校への通勤・通学輸送、ホテルや病院などへの利用客の送迎など、一定の範囲に限定された旅客の輸送に特化したもの。目的地にある会社や組織等が、事業者に委託・運用する場合が多い。なお、この「特定輸送」は道路運送法に基づく「特定旅客自動車運送事業」であり、[[自家用バス|自家用車による送迎バス]]は該当しない。
{{-}}
 
== バス事業者 ==
''各バス事業者の詳細については[[:Category:日本のバス事業者]]を参照。''
 
199 ⟶ 193行目:
保有車両30両以上の事業者で見た場合、[[2007年]]度は民営バス事業者では黒字66に対し赤字162、公営バス事業者では黒字3に対し赤字25<ref>国土交通省「バス産業勉強会報告書」pp.40-41、2009年4月。</ref>と、いずれも経常赤字の事業者が多い。
 
==== 事業者名の表示 ====
観光バス・路線バスともに[[日本語]]表記で車体のどこかに会社名が記されているが、これは[[道路運送法]]に基づき表記しなければならないものである<ref>道路運送法第95条第1項(自動車に関する表示)…自動車(軽自動車たる自家用自動車、乗車定員十人以下の乗用の自家用自動車、特殊自動車たる自家用自動車その他国土交通省令で定めるものを除く。)を使用する者は、その自動車の外側に、使用者の氏名、名称又は記号その他の国土交通省令で定める事項を見やすいように表示しなければならない。</ref>。
 
一般的には車体の後部下方(リアタイヤの後ろ)や前後ドア間に「○○バス」などと表記されるが、[[北海道北見バス]]の路線バスのように側面は英文字表記、車体後部に日本語表記している事業者もある(観光バスタイプは後部下方にも日本語表記)。
 
=== 分類 ===
==== 民営(株式会社、有限会社、合資会社)バス ====
日本のバス事業者の中で一般的に見られるもので法人としては株式会社、有限会社、合資会社などの形態をとる。
#バス専業事業者
#鉄軌道系事業者
#近年の規制緩和による異業種からの参入事業者
#*特に、貸切バスやタクシー、トラック運送業からの路線バス事業への参入
に分類する事ができる。
 
バス専業事業者のほか、鉄軌道系事業者などがある。2000年代の規制緩和以降は、貸切バス事業者やタクシー事業者、トラック運送業からの乗合バス事業への参入が増えている。
==== 公営 ====
 
==== 公営バス ====
[[地方公営企業法]]に定義された[[地方公営企業]](交通局)によって運行が行われているものを指す。なお、地方公営企業でない自治体運営のバスはここには該当しない。「市民の足」という前程なので路線バスが主体で、それに貸切バスが加わる程度だが、長崎県のみ設立目的が観光輸送だったため長距離高速バスを運行している。多くは市町村が運行しているが、[[長崎県]]([[長崎県交通局|長崎県営バス]])と[[東京都]]([[都営バス]])は都道府県が運行する珍しい形態である。詳しくは[[公営バス]]を参照されたい。
 
===== 地方自治体直営バス =====
地方自治体が運行を行う路線バス。公営交通との違いは、上記の道路運送法の第78条(旧第80条)の定義による運行であり、車輌は白ナンバー(自家用車)になることである。過疎地の路線バスが、この形態をとることが多い。なお、[[京都市]]の[[水尾]]自治会バスのように地方自治体の直営ではない78条バスもある。詳しくは、[[廃止代替バス]]、[[自治体バス]]を参考にされたい。
 
===== 第三セクター=====
{{Main|第三セクター}}
地方自治体が株式会社に出資しているケースである。鉄道では国鉄赤字ローカル線の存続方法として主に用いられた手法であるが、バスではあまり用いられてはいない。
 
事例としては、経営合理化による一部分社の際に、地元自治体に資本参加を求めたケースがほとんどである。このケースに該当するのは、[[ふらのバス]](もと旭川電気軌道)、[[東頸バス]](もと頸城自動車)、仁多交通(現在の[[奥出雲交通]]、もと一畑電気鉄道)である。また、公営交通を民営に移管した場合などで、移管先のバス事業者に地方自治体が資本参加する形で発生するケースもある。この場合、函館市営バスを引き受けた[[函館バス]]のように既存事業者に地方自治体が資本参加して第三セクター化する例と、尾道市交通局を民営化した[[おのみちバス]]のように第三セクター会社を新設する例がある。