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{{Redirect|リボルバー}}
{{出典の明記|date=2018年11月}}
[[Imageファイル:ColtSAA Autentica5773 oN.jpgJPG|thumb|right|280px|[[コルト・シングル・アクション・アーミー]]]]
{{百科事典的でない|type=NOTOR|date=2020年12月}}
[[Image:Colt Autentica.jpg|thumb|right|280px|[[コルト・シングル・アクション・アーミー]]]]
[[File:Flickr - ~Steve Z~ - Colt Python.jpg|thumb|right|280px|[[コルト・パイソン]]。「シリンダー」と呼ばれる部品を左に振り出したところ。]]
 
'''回転式拳銃'''(かいてんしきけんじゅう)またはリボルバー(revolver)とは、[[回転]]する[[薬室|チャンバー]]{{efn2|[[オックスフォード英語辞典]]の定義文より。理屈の上では最初から「回転するシリンダー」や「回転するシリンダー([[弾倉#回転輪胴|回転輪胴]])にあけられたチャンバー」でも誤りではないが、「回転式弾倉」と言うほうが一般的とされる。英語も同様に「回転するシリンダー」とは言わず、「回転するチャンバー」と言う。}}によって、[[弾丸|弾]]を再装填しなくても数発撃てる[[ピストル]]のこと<ref name="OD">[https://en.oxforddictionaries.com/definition/revolver Oxford Dictionary]</ref>。[[拳銃]]ではなく[[小銃]]の場合は'''回転式小銃'''(かいてんしきしょうじゅう)と言う。
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欧米、特に[[アメリカ合衆国]]や[[中南米]]では犯罪者が[[自動小銃]]や[[機関銃]]などで重武装化する傾向にあり{{efn2|例えば、「[[2017年ラスベガス・ストリップ銃乱射事件]]」では犠牲者58名。犯人は[[AK-47]]系の[[半自動小銃]]などを[[バンプファイア]]で高速連射していた。}}、日常でも銃撃戦に発展することがありがちで、[[アメリカ軍|米国の軍隊]]・[[アメリカ合衆国の警察|警察]]では当局側も対抗上、リボルバーよりも多弾数であり、給弾も素早い[[自動式拳銃]]([[オートマチック]])に取って代わられた。だが、米国でも護身用としての需要は今も高い。
 
欧米とは異なり、[[日本の警察]]では「犯罪者との銃撃戦」で多数の弾が飛び交う、など・無差別乱射といった事態はまず起きないと想定されているため銃の必要性は非常に低く、せいぜい犯罪者が刃物などの凶器を持ち出した場合などに、銃を構えることで犯罪者を威嚇して投降させるのが主の用途で、それでも襲われた場合に護身目的の最終手段として発砲するための物である。よって弾数の少なさよりも構造の単純さが高く評価されており、日本警察では現在でもリボルバーが主流の銃であり、1960年代に[[ニューナンブM60]]が、1990年代に[[S&W M37|M37エアウェイト]]が、2006年には[[S&W M360|M360 SAKURA]]が導入され、[[日本の警察官|警察官]]によって広く用いられている。
 
== 分類 ==
[[ファイル:642 ls.jpg|thumb|right|250 px|'''スイングアウト'''の一例<br />[[:en:Smith & Wesson Centennial|S&W M642]]。シリンダーラッチレバーを“引いて開ける”[[コルト・ファイヤーアームズ|コルト]]式に対し、[[スミス&ウェッソン]]式は“押して開ける”]]
[[File:Flickr - ~Steve Z~ - Colt Python.jpg|thumb|right|280px250px|[[コルト・パイソン]]。S&W式に対して、コルトのシリンダー」と呼ばれラッチは“引いて開け部品を左に振り出したところ。]]
; 振出式(スイングアウト)
: 現在の回転式拳銃で最も普及している方式。フレームからシリンダーを横に振り出して弾を込める。装填の容易さとフレームの堅牢性をある程度は両立している。
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[[File:Revolver, percussion (AM 616424-1).jpg|thumb|right|250 px|'''ソリッドフレーム'''の一例<br />アダムズ・ダブルアクション・[[:en:Colt Pocket Percussion Revolvers|パーカッション]]リボルバー]]
; 固定式(ソリッドフレーム)
: 文字通りシリンダーが固定されている方式。[[西部開拓時代]]のリボルバー(パーカッション式拳銃やそのコンバージョンガン、コルトSAA)、安物の[[サタデーナイトスペシャル]]に多い。
: 振り出しや中折れができないため、再装填は銃後部のローディングゲートと呼ばれる場所から空薬莢を一発ずつ捨て、それからまた一発ずつ次弾を装填するか、シリンダーそのものを取り外して装填する。
: このため、再装填に長い時間がかかるが(銃撃戦の真っ最中に一発ずつ込め直すような事をしていては命に関わるので、[[ガンマン]]達は銃を[[二丁拳銃|複数挺]]用意して戦いに臨んだりもしていた)、構造が単純なぶん堅牢性は非常に高く、通常より威力の高い弾を使用することができ([[マグナム]]を使用する[[Pfeifer Zeliska|パイファーツェリスカ]]など)、部品点数が少ないことから、分解、洗浄、部品交換も比較的容易である。
{{-}}
 
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20世紀初期には欧米では、リボルバーとは異なる方式の連発式銃の[[自動拳銃]](オートマチック)が普及し始めた。軍隊ではリボルバーからオートマチックへの転換が進んだが、構造的信頼性の高いリボルバーは欧米の[[警察]]などの法執行機関でも引き続き多く採用された。オートマチックとの差別化を図って大口径カートリッジを使用した製品も多くなっていった。しかし犯罪者の重武装化に伴い、90年代を境に多弾数のオートマチックを採用する警察が各国でも増え、欧米の警察ではリボルバーは姿を消していった。
 
欧米の警察・軍隊ではほぼ使われなくなったリボルバーだが、民間の護身用拳銃としては今も現役である。オートマチックより優れた利点や構造を生かし、[[2018年]]現在でもユニークなコンセプトの新製品が各社から発売されている。アメリカのダン・ウェッソン・リボルバーや、フランスのマニューリンMR93、MR96などのように、特殊工具を使用することで銃身が交換できる製品もある。S&Wでは、不可能と思われていた安全装置の組み込みに成功した(インターナル・キーロック・システム。銃とペアになった鍵があり、鍵の保持者が開錠しておかないと撃てない)
 
20世紀中盤以降のリボルバーは、ほぼアメリカのメーカーにより開発、改良がされている。特に、コルトとスミス&ウェッソン(S&W)の2大メーカーはライバル関係として知られている。片方がある銃を開発すればそれを意識した銃を開発し、銃の部品名がことごとく違ったり、構造も正反対であったりする。[[スターム・ルガー]]は、後発ながらも[[スタームルガー・ブラックホーク]]など、安価だが堅実な構造のリボルバーで人気を博し、こちらも一大メーカーとなっている{{sfn|完全版 世界の銃|2010|p=43}}。
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また、「弾づまり」で全く撃てなくなってしまうということが起きず、オートマチック拳銃と比較して信頼性が高い。[[自動拳銃|オートマチック]]のようには排莢しないため、ジャム(装弾不良/排莢不良)が発生しない{{efn2|ただし全く起こさないわけではなく、汚れや部品の破損で起こることはある。それ以外に、軽量な割に強力な弾薬を発射できるリボルバーで、軽い弾頭を持つ弾薬を込めて発射した場合、発射の反動で他の穴に入っていた弾薬の弾頭が少し飛び出し、結果的にシリンダーの回転を阻害することによりジャムが起こることもある{{sfn|小林|2013|pp=18-19}}<ref>{{cite web|url=https://www.usconcealedcarry.com/blog/revolvers-dont-jam-firearms-myths/|title=Revolvers Don’t Jam & Other Firearms Myths|publisher=USCCA|accessdate=2019-9-11}}</ref>。}}。万一不発が発生しても、撃鉄を起こすかもう一度引き金を引くだけで次弾をすばやく発射できるという利点もある{{efn2|近年は自動式拳銃でもダブルアクションを採用したものも多いが、最悪の場合はスライドを操作して不発弾を排出する必要があり、引き金を引くだけで次弾を発射できるリボルバーの利点は不変である。}}。このようにリボルバーはオートマチックよりマルファンクション(故障)の可能性が原理的に低い為、護身用銃としての人気が根強い。他にもオートマチックあるいは[[散弾銃|ショットガン]]等、バネの力で弾薬を押し出す弾倉を有する銃器は、リボルバーに優る装弾数の代償として、装弾したまま長期間放置すると、押し込まれた状態に置かれた弾倉バネが縮んで(ヘタって)給弾不良を生じるリスクがある。リボルバーは装弾した即応状態で保管しておける点も護身用として好まれる。
 
オートマチックは、発射の反作用で作動するため、ほぼ銃に推奨される弾薬以外使用できないが{{efn2|装薬量の変化、弾頭の交換、銃身長の変化、サプレッサーの装着のみならず、構えが悪く反動を十分に受け止められなかった場合も作動不良の原因になる。}}、リボルバーの場合はシリンダーの穴と同じ径であれば、比較的弾薬の融通が利くという利点もある(例として、[[マグナム弾]]対応の銃は同じ口径の一般弾も撃てる。この逆は無理で、一般弾専用の銃でマグナムを撃つのは故障の原因になるので命の遣り取りをしている場合でなければやるべきではない){{sfn|完全版 世界の銃|2010|p=149}}。
 
;欠点
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1950年代に[[自動式拳銃]](オートマチック)が普及するようになると、人によっては「自動式拳銃と比較すれば装弾数が少ない」「弾薬の再装填に時間が掛る」などの点を挙げる場合もある。ただし後者の「再装填時間」に関しては、[[1910年代]]になると、まず3発の実包をまとめた半月型の「ハーフムーンクリップ」、6発の実包をまとめた円盤形の「フルムーンクリップ」と呼ばれる[[挿弾子#ムーン/ハーフムーン型|金属製挿弾子]]で一気に装填する方法が開発され、またさらに「[[スピードローダー]]」と呼ばれる専用の装填器具を用いれば大幅に短縮することができるようになっていたので、それらを活用する場合、再装填時間に関しては自動式拳銃(オートマチック)と比べてさほど遜色はない。
 
弾倉が回転する都合上、銃身と薬室との間に隙間(シリンダーギャップ)があり、高温・高圧の発射ガスがそこから漏れてエネルギーのロスが生じ{{efn2|急燃性の発射薬を用いることで、弾丸がシリンダーギャップを通過する時点ですでに最高弾速を得ることが可能であり、ガス漏れによる初速低下を防げる。}}、発射ガスが吹き付けることでフレームが損傷したり弾倉の軸周辺が汚れたりするおそれがあり、発砲音も大きくなる。このためリボルバーに[[サプレッサー|消音器]]を使用しても減音効果はほとんど期待できない{{efn2|[[ナガンM1895|一部の機種]]はシリンダーギャップを埋める構造を持っていたが構造が複雑で普及しなかった。}}。銃の持ち方によっては、ガスで手を焼く危険もある(故に[[西部開拓時代]]の銃撃戦では手袋が必須だった)。また発射時に銃身内腔と薬室との間で芯ずれ(軸のズレ)が起きる可能性がある{{efn2|銃身の後端内側には面取り加工が施されており、弾丸がスムーズに銃腔へ進入できるよう配慮されているため、実用上の精度は自動拳銃に劣るものではない。}}。
 
なお回転輪胴の構造上、排夾不良は起こらないが、遅発(ハングファイアー)に関して危険な面もあり、遅発を不発と思い込んで次弾を発射しようとした時点で当初の弾丸が遅れて発射され、銃身他の前方構造物に当たって危険なことがある。もし不発が起きても次弾を直ぐに発射せずに、射撃姿勢を保ったまま数十秒様子を見るのが肝要である。