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2022年3月17日 (木) 15:07  Floe~jawiki氏の版まで戻し 注釈を含めて独自研究多数
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{{観点|date=2022年3月}}
{{WikipediaPage||Wikipedia:個人攻撃はしない}}
{{Wiktionary pipe}}
'''誹謗中傷'''(ひぼうちゅうしょう)は、根拠のない[[悪口]]を言いふらして、他人を傷つける行為である<ref>{{Cite web|title=誹謗中傷(ヒボウチュウショウ)とは|url=https://kotobank.jp/word/%E8%AA%B9%E8%AC%97%E4%B8%AD%E5%82%B7-684665|website=コトバンク|accessdate=2020-05-27|language=ja|last=デジタル大辞泉}}</ref><ref name=":2" /><ref name=":3" /><ref group="注釈" name=":4" />。
'''誹謗中傷'''(ひぼうちゅうしょう)は、人や企業の社会的評価を低下させるような根拠のない[[悪口]]や[[デマ]]を言いふらしたり<ref name=":13" /><ref name=":3">{{Cite web |title=「批判と中傷の違い」を説明するマンガがTwitterで話題に (2016年3月16日掲載) |url=https://news.livedoor.com/article/detail/11303279/ |website=ライブドアニュース |accessdate=2021-01-23 |language=ja}}</ref><ref name=":14">{{Cite web |title=なぜネット社会で誹謗中傷が起きるのか。専門家に聞くコメントマナーと、Yahoo!ニュースのAI活用最前線 |url=https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20200818_01 |website=ITをもっと身近に。ソフトバンクニュース |date=1597731917 |accessdate=2022-04-06 |language=ja |last=softbank_news |quote=人格を否定して他人を傷つけることや、根拠のないデマ・フェイクニュースによって、人や企業の社会的評価を低下させること。}}</ref>、それらを投稿<ref name=":8">{{Cite web |title=総務省|教育情報化の推進|#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!) |url=https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/no-heart-no-sns.html |website=総務省 |accessdate=2022-03-17 |language=ja |quote=誹謗(誹謗)中傷 ≠ 批判意見
多くのSNSサービスには「誹謗中傷禁止」という利用規約があります。相手の人格を否定する言葉や言い回しは批判ではなく誹謗中傷です。正しく見極め、安易に投稿・再投稿をしないで。
SNS上で根拠のない悪口を投稿すると、名誉毀損罪や侮辱罪などに問われたり、高額の慰謝料を請求されたりすることがあります。}}</ref>することで家族や所属先を含む相手を傷つけたり<ref name=":13">{{Cite web |title=誹謗中傷(ヒボウチュウショウ)とは |url=https://kotobank.jp/word/%E8%AA%B9%E8%AC%97%E4%B8%AD%E5%82%B7-684665 |website=コトバンク |accessdate=2020-05-27 |language=ja |last=デジタル大辞泉 |quote=根拠のない悪口を言いふらして、他人を傷つけること。}}</ref><ref name=":15">{{Cite web |title=誹謗中傷と批判はどう違う? 日本語学者に聞いてみた「相手の人格を尊重するかどうか」 |url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5ed851f7c5b6ea15610b37ea |website=ハフポスト |date=2020-06-04 |accessdate=2022-04-06 |language=ja |quote=誹謗中傷というのは、ひとことで言うと人格攻撃なんです。相手の人格を否定し、侮辱し、場合によっては危害を加えることをほのめかします。相手本人のみならず、家族や所属先に対する攻撃も含まれます。}}</ref>、[[人格攻撃]]する行為である<ref name=":14" /><ref name=":8" /><ref name=":15" /><ref>{{Cite web |title=SNSの誹謗中傷 あなたが奪うもの、失うもの~#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)~ {{!}} 暮らしに役立つ情報 |url=https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202011/2.html |website=政府広報オンライン |accessdate=2022-03-15 |language=ja |quote=相手の人格を否定または攻撃するような内容は誹謗中傷です。SNSで誹謗中傷の投稿や拡散をした場合には、民事上や刑事上の責任を問われる可能性があります。 |publisher=内閣府大臣官房政府広報室}}</ref>。[[親告罪|親告]]された場合、[[民事訴訟|民事]]的には「[[慰謝料]]の請求」、[[刑事訴訟|刑事]]的には「[[信用毀損罪・業務妨害罪|信用棄損罪・業務妨害罪]]」「[[名誉毀損]]」や「[[侮辱罪]]」に問われる可能性がある<ref name=":9">{{Cite web |title=「誹謗中傷」と「批判」の違いは? 法律の専門家に聞いた“線引き”と悪質投稿なくす解決策 |url=https://encount.press/archives/100566/ |website=ENCOUNT |accessdate=2022-04-06 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=ネットの誹謗中傷 はびこる「凶器」、厳罰化やむなし |url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2203/01/news055.html |website=ITmedia NEWS |date=2022-03-01 |accessdate=2022-03-17 |language=ja |quote=捜査関係者によると、名誉毀損罪の方がハードルが高いため、確実な立件のため侮辱罪が適用されるケースもあるという。ただ、いずれも親告罪であり告訴がなければ立件に至らない。侮辱罪が厳罰化されたとしても、被害者が留飲を下げるには長くて遠い道のりが待っている。}}</ref><ref name=":10">{{Cite web |title=SNSの「バカ」「死ね」「大嫌い」は罪に問えるのか?弁護士に聞いた「批判」と「誹謗中傷」の違い(おおしま りえ) @moneygendai |url=https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84232 |website=マネー現代 |accessdate=2022-03-17 |language=ja |quote=}}</ref>。
 
保護されるべき[[批判]]や非難と混同されやすいが、批判とは「相手の行動や主張に対する判定・評価、相手への反論」であり、主観的または客観的に良い点と悪い点を判別し判定・評価すること、またはこのように直すべきとした建設的な指摘やアドバイスすることである。非難は(アドバイスなど提案的な内容を伴わない)落ち度や過失・欠点などを指摘して責めとがめること<ref group="注釈">非難は批判と異なり、なぜ問題なのか、どうすれば改善できるのかなどの提案的な内容を含まない。問題点と指摘されたものが実は問題とは言えず、指摘した側の単なる思い込みであるというケースもある。</ref>である<ref>{{Cite web|title=「批判」と「非難」の違いとは 後者は欠点を指摘するだけ|url=https://news.livedoor.com/article/detail/14856063/|website=ライブドアニュース|accessdate=2021-01-23|language=ja}}</ref><ref name=":2">{{Cite web|title=「誹謗中傷」と「批判」の違いは? 法律の専門家に聞いた“線引き”と悪質投稿なくす解決策(ENCOUNT)|url=https://encount.press/archives/100566/|website=ENCOUNTス|accessdate=2021-12-15|language=ja}}</ref><ref name=":3">{{Cite web|title=「批判と中傷の違い」を説明するマンガがTwitterで話題に (2016年3月16日掲載)|url=https://news.livedoor.com/article/detail/11303279/|website=ライブドアニュース|accessdate=2021-01-23|language=ja}}</ref>。
== 概要 ==
=== 批判との相違点 ===
誹謗中傷か批判の司法判断は、「人格攻撃の有無」で判断されることが多い<ref name=":6" />。「人格攻撃」のある誹謗中傷と'''[[批判]]'''は違う<ref name=":8" /><ref name=":4">{{Cite web |title=誹謗中傷と批判はどう違う? 日本語学者に聞いてみた「相手の人格を尊重するかどうか」 |url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5ed851f7c5b6ea15610b37ea |website=ハフポスト |date=2020-06-04 |accessdate=2022-03-15 |language=ja}}</ref>ものの、「人格攻撃」と見なされるかは、言われた相手との関係性、[[タイミング]]、前後の文脈によって変化することもあるため、言葉の使い方に気をつける必要がある<ref name=":5">{{Cite web |title=「誹謗中傷」と「批判」の違いを意識しよう -モバプリの知っ得![119] |url=https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-1283145.html |website=琉球新報Style |accessdate=2022-03-15 |language=ja |publisher=琉球新報社 |quote=※1 誹謗中傷 … 「消えろ」「クズ」など、相手を傷つける悪口。「名誉毀損」や「侮辱罪」に問われることもあります。誹謗中傷と「批判」は違うものの、関係性やタイミング、前後の文脈によって変化するため、言葉の使い方に気をつけないといけません。}}</ref>。言語学者の[[飯間浩明]]によると、研究者たちの集まる[[学会]]の[[質疑応答]]では「この研究発表は水準が低い」と思っても質問者は発表者に「あなたはバカですね」「ゴミみたいな研究ですね」などと言う人格攻撃という誹謗中傷は行わず、質問者は相手を尊重しながら相手の論理の適・不適を問う「批判」がきちんと行われている<ref name=":4" />。批判と混同されやすいが、批判とは「相手の行動や主張に対する評価、相手への反論」<ref name=":9" />、「相手の誤った箇所や悪い部分に対して、根拠を示し論理的に指摘、改善を求めること」<ref name=":6" />、またはこのように直すべきとした建設的な指摘やアドバイスすることである。つまり、「相手の誤った箇所や悪い部分に対して、根拠を示し論理的に指摘、改善を求めること」で必ずしも[[マイナス]]の意味を持っていない。根拠そのものに[[瑕疵]]がある場合、更には客観的事実を含む批判であっても[[脅迫]]又は容姿へのネガティブな指摘など批判の対象とすべきではない内容を含む場合は、相手の[[親告罪|親告]]を受けて起訴された際には罪に問われる可能性がある<ref name=":2" /><ref name=":7" /><ref name=":6">{{Cite web |title=インターネット上の誹謗中傷と批判・非難の違いは?法的な線引きについて |url=https://amata-lawoffice.com/deletion-request/difference-between-slander-and-criticism-blame/ |website=弁護士法人天田法律事務所(東京弁護士会所属) |accessdate=2022-03-15}}</ref>。
=== 非難との相違点 ===
'''非難'''は「改善点を提案することではなく、単にダメ出しをして相手を責めること」を意味する<ref name=":6" />。 アドバイスなど建設的な提案内容を伴なわずに、相手の落ち度や過失・欠点などを指摘して責め咎めること<ref group="注釈">非難は批判と異なり、なぜ問題なのか、どうすれば改善できるのかなどの提案的な内容を含まない。問題点と指摘されたものが実は問題とは言えず、指摘した側の単なる思い込みであるというケースもある。</ref>である<ref name=":7">{{Cite web|title=「批判」と「非難」の違いとは 後者は欠点を指摘するだけ|url=https://news.livedoor.com/article/detail/14856063/|website=ライブドアニュース|accessdate=2021-01-23|language=ja}}</ref><ref name=":2">{{Cite web|title=「誹謗中傷」と「批判」の違いは? 法律の専門家に聞いた“線引き”と悪質投稿なくす解決策(ENCOUNT)|url=https://encount.press/archives/100566/|website=ENCOUNTス|accessdate=2021-12-15|language=ja}}</ref>。相手の親告を受けて起訴された際に'''非難の度が過ぎている場合'''には名誉毀損罪が成立し<ref name=":11">{{Cite web |title=「誹謗中傷」と「批判」の違いとは何か? 美術批評の視点から |url=https://bijutsutecho.com/magazine/insight/22089 |website=美術手帖 |accessdate=2022-04-06 |language=ja |quote=批評家の価値判断を述べた「論評」は完全に自由なのかというと、そうではない。刑事罰の対象としての名誉毀損の場合には、「事実情報」だけが問題となるのだが、民事裁判の対象となる名誉毀損のほうは、論評も名誉毀損の問題となる。その場合には、その論評が前提としている事実のところを見て、そこが虚偽であれば論評全体が名誉毀損となり、真実なら、その論評の表現が個人攻撃にあたる場合にのみ、名誉毀損となる。したがって、盗作ないし剽窃と思われる作品を告発的に批判した場合でさえも、仮に内容が事実だったとしても、非難の言葉が度を越してしまうと名誉毀損か侮辱のどちらかに問われることになってしまう可能性があり、非難の度が過ぎている表現の例としては、「ダニ」「チビ」「ブス」「バカ」「鬼畜」などの表現が名誉毀損となった例がある。「殺す」「放火する」などは脅迫、「死ね」などは自殺教唆にあたる可能性があり、美術への論評にかこつけたとしても法的に許容されない。}}</ref>、事実情報ではない場合に企業などからは[[信用毀損罪・業務妨害罪]]<ref>{{Cite web |title=信用毀損行為(不競法2条1項21号) - 弁護士法人クラフトマン IT・技術・特許・商標に強い法律事務所(東京丸の内・横浜)  |url=https://www.ishioroshi.com/biz/kaisetu/fukyouhou/index/fuseikyousou_21gou/ |website=www.ishioroshi.com |accessdate=2022-04-06 |quote=さらに、行為者が、当該告知や流布の内容について、虚偽であることを知っていた場合はもちろん、真実であると誤解していたからといってそれだけで信用毀損行為の成立が免れるわけではありません。}}</ref>、個人からは民事裁判の名誉毀損罪を問われる可能性がある<ref name=":11" />。 
 
批判と非難と称しても、根拠そのものに[[瑕疵]]がある場合、非難の度が過ぎている場合、更には客観的事実であっても脅迫的又は批判の対象とすべきではない内容(容姿へのネガティブな指摘など)の場合は、起訴された際には誹謗中傷と同様に罪に問われる<ref group="注釈" name=":4">刑事的には、個人に対する誹謗中傷では「名誉毀損罪」「侮辱罪」、企業や組織に対するものでは「信用毀損罪」「業務妨害罪」が該当する。一方で、民事上は不法行為に基づく損害賠償や慰謝料を請求される場合がある。例えば、誹謗中傷を書き込んだ場合では数十万円の賠償金、執拗に書き込みを続けるなど悪質性が認められるケースでは100~200万円の賠償金もあり得る。また、「死ね」「死ねばいいのに」「消えろ」といった誹謗中傷では「自殺教唆罪」が該当する。相手の容姿に関する「ブス」「太っている」「老けている」といった誹謗中傷を名指し又は相手のSNSのコメント欄に投稿した場合は、責任を問われる可能性がある。</ref><ref name=":2" />。デマの安易な流布による誹謗中傷被害が[[インターネット]]の一般普及以降から拡大傾向にあり、[[人権]]問題となっている<ref>{{Cite web|title=出来心では済まされないネットでの誹謗中傷の大きな代償|url=https://securitynews.so-net.ne.jp/topics/sec_20054.html|website=セキュリティ通信|accessdate=2020-05-27|language=ja}}</ref>。特に[[Twitter]]や[[Instagram]]、[[LINE (アプリケーション)|LINE]]など、インターネット上で展開される諸外国の[[ソーシャル・ネットワーキング・サービス|ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)]]などの事業者が誹謗中傷や殺傷脅迫者逮捕のための警察による開示要請さえも無視していることが問題になっている<ref>{{Cite web|title=プロバイダー法改正でも放置されるネットの誹謗中傷(時事通信)|url=https://www.jiji.com/jc/v4?id=20210430netchusho0001|website=時事ドットコムニュース|accessdate=2021-12-15|language=ja}}</ref>。
===誹謗中傷への該当法===
 
== 概要 ==
刑法的には、個人に対する誹謗中傷では「名誉毀損罪」「侮辱罪」、企業や自営業者などに対する誹謗中傷は「信用毀損罪」「業務妨害罪」に該当するケースがあり、民法では不法行為に基づく損害賠償や慰謝料を請求される場合がある<ref name=":4" /><ref name=":10" />。例えば、誹謗中傷を書き込んだ場合では数十万円の賠償金、執拗に書き込みを続けるなど悪質性が認められるケースでは100~200万円の賠償金もあり得る<ref name=":2" />。また、「ダニ」「チビ・ブス」「バカ市長」「鬼畜」との非難は名誉毀損となった判例がある<ref name=":11" />。更には「殺す」「放火する」などは脅迫罪に<ref name=":11" />、「気持ち悪い」といった表現をした際には侮辱罪に<ref name=":10" />、又は「死ねよ」と言った表現は自殺教唆罪が該当する可能がある<ref name=":16">{{Cite web |title=交際女性に自殺教唆の疑い 慶大生を逮捕 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2101F_R20C14A2CC0000/ |website=日本経済新聞 |date=2014-02-21 |accessdate=2022-04-06 |language=ja |quote=交際相手の女性に携帯電話から「死ねよ」などとメッセージを送り、飛び降り自殺させたとして、容疑者を自殺教唆の疑いで逮捕した。}}</ref><ref>{{Cite web |title=「死ね」は脅迫罪やその他の犯罪に当たらないの?弁護士が解説 |url=https://wakailaw.com/kyouhaku/4876 |website=恐喝・脅迫弁護士ナビ |accessdate=2022-04-06 |language=ja}}</ref><ref name=":11" />。「死ね」は繰り返しした場合は脅迫罪<ref name=":11" />、侮辱罪に問われる可能性もあり<ref>{{Cite web |title=SNSの「バカ」「死ね」「大嫌い」は罪に問えるのか?弁護士に聞いた「批判」と「誹謗中傷」の違い(おおしま りえ) @moneygendai |url=https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84232 |website=マネー現代 |accessdate=2022-04-06 |language=ja |quote=『死ね』『気持ち悪い』などの批判は個人的感情であり、事実ではないので名誉毀損罪は成立しません。ただ、侮辱罪に該当する可能性はあります。}}</ref>、また実際にメッセージで相手が言われた後に自殺をしようとした場合には自殺教唆で逮捕される<ref name=":16" />。
 
相手の容姿に関する「ブス」「太っている」「老けている」といった誹謗中傷を名指し又は相手のSNSのコメント欄に投稿した場合も、責任を問われる可能性がある<ref name=":10" />。
 
== 由来 ==
{{Wiktionary|誹謗|中傷}}
「誹謗中傷」は、「誹謗」と「中傷」を合わせた言葉である。
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これら二語が並列して「誹謗中傷」と表現されることがある。「誹謗中傷」が動詞化して([[サ行変格活用|サ変]]動詞化して)「誹謗中傷する」という用法も見られる。
 
== マスメディアによる誹謗中傷 ==
{{See also|虚偽報道}}
{{See also|報道被害}}
 
== インターネットにおけで可視化される誹謗中傷 ==
{{国際化|section=1|date=2022年3月}}
{{See also|ネットいじめ}}
[[インターネット]]上での書き込みは[[匿名]]性が高く、自分の意見を発することが他のメディアよりも容易である。この事は、書き込みを読む側の気持ちに配慮せず、無思慮に掲示板やホームページに誹謗中傷を含んだ文言を書き込む、といった行為に繋がりかねない。
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12月には、ツイッターで木村を中傷する内容の投稿をした侮辱容疑で男が書類送検される方針であることが明らかになった<ref name=":1">{{Cite web|title=木村花さん中傷、書類送検へ 20代男が投稿、侮辱容疑―警視庁:時事ドットコム|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2020121600736&g=soc|website=時事ドットコム|accessdate=2020-12-16|language=ja}}</ref>。中傷の内容は「生きている価値あるのかね」「いつ死ぬの?」といった内容で、いずれもツイッターで木村への返信の形でされたものだった<ref>{{Cite web|title=【独自】「テラハ」木村花さん自殺、「いつ死ぬの?」と中傷した男を書類送検へ : 社会 : ニュース|url=https://www.yomiuri.co.jp/national/20201216-OYT1T50188/|website=読売新聞オンライン|date=2020-12-16|accessdate=2020-12-16|language=ja}}</ref>。
 
=== 指殺人・悪プル ===
[[大韓民国|韓国]]では、SNSで誹謗中傷を書き込み、特にその対象となりやすい著名人を自死に追い込むことを示す「指殺人」という俗語がある。悪質な書き込みは、パソコンのキーボードや携帯電話を「指」で操作して簡単に行えるためこの用語がある<ref>{{Cite web|title=「ネットいじめ」「指殺人」世界でも問題視 法整備求める声も|url=https://www.sankeibiz.jp/workstyle/news/200525/cpd2005251930003-n1.htm|website=SankeiBiz|date=2020-05-25|accessdate=2022-01-09|language=ja|first=SANKEI DIGITAL|last=INC}}</ref>。また、悪質なリプライ(返信)を意味する「悪プル」という言葉も定着している<ref>{{Cite web|title=ハラさん犠牲「指殺人」「悪プル」死に追いやった誹謗中傷“ネット強国”韓国が抱える闇 - スポニチ Sponichi Annex 芸能|url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/12/22/kiji/20191221s00041000381000c.html|website=スポニチ Sponichi Annex|accessdate=2022-01-09|language=ja}}</ref>。
 
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加害者になりやすい層についての見解は、専門家の間でも様々であるが「無職者や休職中であるなど、時間があり、社会に対して恨みを持つ低所得者」([[田代光輝]]・服部哲『情報倫理』2013年)<ref name="吉野2018" />、「属性や社会的立場は様々であるが、共通して暇で、劣等感がある人物が多い」(小木曽健・2021年)<ref>{{Cite journal|和書|author=小木曽健|title=SNS「誹謗中傷」に負けないために|url=https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202110_02.pdf|journal=国民生活|issue=110|pages=5-7|publisher=国民生活センター|date=2021-10}}</ref>といったものがある。誹謗中傷事件を扱う弁護士の[[清水陽平]]は「男性が若干多いものの、女性も相当数誹謗中傷を行っていること、定職についていないなど年収が低く安定していない人が多く、精神疾患を抱えている人も多い」との見解を示す<ref name="吉野2018" />。一方、[[計量経済学]]者の[[田中辰雄 (経済学者)|田中辰雄]]と[[山口真一]]はネット炎上参加者のデータ分析から、「男性」「若年」「子供と同居」「高い年収」「ラジオ利用時間」「ソーシャルメディア利用時間」などの属性が統計的に[[有意]]と示し<ref>{{Cite web|url=https://www.glocom.ac.jp/wp-content/uploads/2016/04/20160510_Yamaguchi.pdf|title=ネット炎上の研究:「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」|author=山口真一|date=2016|accessdate=2022-3-16}}</ref>、また山口は主任・係長クラス以上の者が多いこと(炎上参加者で31%、非参加者で18%)を示す<ref>{{Cite web|url=https://toyokeizai.net/articles/-/378777|title=ネット炎上参加者「実は高年収」という仰天実態|work=東洋経済オンライン|publisher=東洋経済新報社|date=2020-10-7|accessdate=2022-3-16}}</ref>。社会学者の吉野ヒロ子はこうした報告ごとのギャップについて「炎上について投稿したことがあるというレベルの参加者と、被害者が法的措置を取らざるを得ないような悪質な誹謗中傷を行っている参加者との違いと考えられる」と指摘する<ref name="吉野2018">{{Citation|author=吉野ヒロ子|title=ネット炎上を生み出すメディア環境と炎上参加者の特徴の研究|chapter=1.3.2 誰がなぜ参加しているのか|pages=19-20|date=2018|id={{NDLJP|11167888}}}}</ref>。
=== 海外SNS企業の捜査協力拒否問題 ===
デマの安易な流布による誹謗中傷被害が[[インターネット]]の一般普及以降から拡大傾向にあり、[[人権]]問題となっている<ref>{{Cite web|title=出来心では済まされないネットでの誹謗中傷の大きな代償|url=https://securitynews.so-net.ne.jp/topics/sec_20054.html|website=セキュリティ通信|accessdate=2020-05-27|language=ja}}</ref>。時事通信は「巨大SNSは「[[治外法権]]」か」と特に米国に本社を置く[[Twitter]]が、日本の警察による開示要請さえも無視していることを問題視している<ref name=":12">{{Cite web|title=プロバイダー法改正でも放置されるネットの誹謗中傷(時事通信)|url=https://www.jiji.com/jc/v4?id=20210430netchusho0001|website=時事ドットコムニュース|accessdate=2021-12-15|language=ja}}</ref>。時事通信は日本は脅迫や名誉毀損での対応を求めても、[[フェイスブック]]と共にアメリカのSNS運営会社には無力で、「これら巨大企業に治外法権を認めているに等しい。」とし、「捜査権が及ばない限りは、被害者が自分で汗をかくしかない」状況だと報道している。更には時事通信はtwitter社に自社による「被害の実情と日本の捜査機関からの協力依頼を無視することについて見解」穂問い合わせへの回答も無視されたことを明かし、日本でツイッター上で犯罪がやりたい放題だと批判している。日本政府に対しても、日本国民の生命と民主主義を危惧させている海外の巨大SNS企業への監督と取締対応に遅れていて、現行のままでは「日本は治外法権を認め、主権を放棄しているとさえ言える。」と結論づけた<ref name=":12" />。
 
=== 誹謗中傷者心理分析 ===
コラムニストの[[尾藤克之]]は米国社会学者[[ピーター・サロベイ]]の論文を引用し誹謗中傷は妬みによって引き起こされると解説した。<ref>[https://otonanswer.jp/post/98765/ 人はなぜ、「悪口」をやめられないのか?(オトナンサー)].2021年10月29日閲覧。</ref>
 
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* [[名誉毀損]]
* [[メディア・リテラシー]]
* [[ネット・リテラシー]]
* [[ルサンチマン]]