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{{財政}}
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'''中央銀行'''(ちゅうおうぎんこう、{{Lang-en-short|Central bank}})とは、[[国家]]や一定の地域の金融システムの中核となる機関である。[[通貨]]価値の安定化などの[[金融政策]]も司るために「通貨の番人」とも呼ばれる。中央銀行は、その国・地域で通貨として利用される[[紙幣|銀行券]]を発行し(発券銀行)<ref name="deflahukyo9">田中秀臣 『デフレ不況 日本銀行の大罪』 朝日新聞出版、2010年、9頁。</ref>、また、[[市中銀行]]に対しては預金を受け入れるとともに「[[最後の貸し手]]」として[[資本|資金]]を貸し出す(銀行の銀行)とともに、国の預金を受け入れることで政府の資金を管理する(政府の銀行)。銀行券を発行する中央銀行は、金融政策を通じた物価の安定に対して責任を負っている<ref name="deflahukyo9" />。中央銀行の政策の基本となるのは、[[マクロ経済学]]である<ref>田中秀臣 『デフレ不況 日本銀行の大罪』 朝日新聞出版、2010年、206頁。</ref>。[[政策金利]]の決定など中央銀行の政策内容は、どの国も機密保持がされている<ref>田中秀臣 『デフレ不況 日本銀行の大罪』 朝日新聞出版、2010年、200頁。</ref>
 
== 中央銀行の業務 ==
中央銀行は、その国・地域で通貨として利用される[[紙幣|銀行券]]を発行し(発券銀行)<ref name="deflahukyo9">田中秀臣 『デフレ不況 日本銀行の大罪』 朝日新聞出版、2010年、9頁。</ref>、また、[[市中銀行]]に対しては預金を受け入れるとともに「[[最後の貸し手]]」として[[資本|資金]]を貸し出す(銀行の銀行)とともに、国の預金を受け入れることで政府の資金を管理する(政府の銀行)。
 
銀行券を発行する中央銀行は、金融政策を通じた物価の安定に対して責任を負っている<ref name="deflahukyo9" />。中央銀行の政策の基本となるのは、[[マクロ経済学]]である<ref>田中秀臣 『デフレ不況 日本銀行の大罪』 朝日新聞出版、2010年、206頁。</ref>。[[政策金利]]の決定など中央銀行の政策内容は、どの国も機密保持がされている<ref>田中秀臣 『デフレ不況 日本銀行の大罪』 朝日新聞出版、2010年、200頁。</ref>。
 
現金・預貯金の量は、民間の経済主体の活動によって決まるため、中央銀行が直接[[マネーサプライ]]の水準を決めることはできない<ref>田中秀臣 『ベン・バーナンキ 世界経済の新皇帝』 講談社〈講談社BIZ〉、2006年、62頁。</ref>。そのため、中央銀行はマネーサプライに影響を与えるために、[[マネタリーベース]]を利用する<ref name="benbernanke63">田中秀臣 『ベン・バーナンキ 世界経済の新皇帝』 講談社〈講談社BIZ〉、2006年、63頁。</ref>。中央銀行はマネタリーベースの操作によって、民間銀行の貨幣量の[[乗数効果]]を通じ経済全体のマネーサプライを操作する<ref name="benbernanke63" />。
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元[[連邦準備制度|FRB]]議長の[[ベン・バーナンキ]]は、中央銀行は市場に対し、その政策の目的・予測を伝えることで市場の反応を確認し、柔軟に対応すべきであるとしている<ref>田中秀臣 『デフレ不況 日本銀行の大罪』 朝日新聞出版、2010年、82頁。</ref>。また、バーナンキは「中央銀行は名目金利だけではなく、インフレ期待の形成を通じて[[実質金利]]も操作できる」と指摘している<ref>田中秀臣 『デフレ不況 日本銀行の大罪』 朝日新聞出版、2010年、226頁。</ref>。
 
== 中央銀行の起源 ==
世界最古の中央銀行は[[1668年]]に設立された[[スウェーデン]]の[[スウェーデン国立銀行|リクスバンク]]であるとされる。[[1694年]]には[[イギリス]]の[[イングランド銀行]]が設立された。イングランド銀行は対[[フランス]]戦のための資金調達目的で設立された[[王国]]政府の銀行であったが、[[19世紀]]初頭までは単なる大銀行の1つの位置付けであり、当時は特権認可された複数の銀行が独自の銀行券を発行していた。イギリスでは19世紀の初頭に金融[[恐慌]]が頻発し、多くの銀行が[[破綻]]して銀行券が無価値になる混乱が発生したため、[[1844年]]にイギリス[[首相]][[ロバート・ピール]]の名を冠した[[銀行条例 (ピール条例)|ピール銀行条例]](正式名称:イングランド銀行設立特許状の修正法)が制定され、イングランド銀行以外の銀行による発行業務が禁止された。
 
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詳細については[[銀行#銀行の起源]]を参照。
 
== 中央銀行の独立性 ==
中央銀行は政府から独立しており、金融に関して独自の判断をするという位置づけを与えられている<ref>竹中平蔵 『竹中平蔵の「日本が生きる」経済学』 ぎょうせい・第2版、2001年、179頁。</ref>。政府から独立した存在であることが求められるのは、政府が通貨価値の保持を怠り、目先の諸問題に対応することを避けるためである<ref>高橋洋一 『高橋教授の経済超入門』 アスペクト、2011年、18頁。</ref>。中央銀行は通常は一つの通貨に対して一つ存在する。中央銀行はこの通貨量を調整する権限を持つため大きな影響力を持つ。
 
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元日銀審議委員の[[中原伸之]]は「日銀の独立性は戦前の陸軍の[[統帥権]]と似ている。統帥権は[[明治憲法]]に根拠があるが、日銀の独立は憲法に根拠がない。独立を保証するのは実績のはずだが、実際には日銀の独立性が高まるにつれて円高が進み日本経済は沈んだ<ref>[http://jp.reuters.com/article/vcJPboj/idJPTYE8AT07B20121130 次期政権は日銀法改正し、雇用最大化を目標に=中原元日銀審議委員]Reuters 2012年11月30日</ref>」「独立とは自分の手で勝ち取るもの。(デフレ脱却など)実績も上げていないのに、偉そうな顔で独立性を主張しても認められない<ref>[https://web.archive.org/web/20130202181834/http://mainichi.jp/select/news/20130117ddm008010136000c.html アベノミクス・安倍経済政策:期待と課題 金融緩和まだ足りぬ 元日銀審議委員・中原伸之氏]毎日jp(毎日新聞) 2013年1月17日(2013年2月2日のインターネットアーカイブ)</ref>」と述べている。
 
== 世界各国の中央銀行一覧 ==
[[File:Marriner S. Eccles Federal Reserve Board Building.jpg|thumb|200px|[[連邦準備制度|FRS]]のあるエクルズ・ビル]]
[[File:London.bankofengland.arp.jpg|thumb|200px|[[イングランド銀行]]]]