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A選考での指摘点について加筆。
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名古屋モスクは4階建ての鉄筋コンクリート製の建物である。2階に女性用礼拝室、3階と4階に男性用礼拝室が設けられている。また、名古屋モスクは礼拝といった宗教活動のほかに、イスラームにまつわる資料の配布や見学者の受け入れを行っている。このほか、女性や若いムスリムを対象とする勉強会やお茶会を開いている。
 
名古屋モスクには宗派のこだわりはなく、ムスリムでさえあれば良いため、[[シーア派]]の信者も利用するという{{sfn|店田|岡井|2008|p=51}}。
 
== 所在地 ==
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モスクの候補地としては、(1).留学生の利便を考え、名古屋大学から移動しやすい[[名古屋市営地下鉄東山線]]の沿線から徒歩で通えること、(2).近隣住民の不安を招かないように、住宅地ではなく大通り沿いであること、の2つが条件であった{{sfn|クレシ|2021|p=249}}。名古屋大学の最寄り駅だった[[本山駅 (愛知県)|本山駅]]から順に1駅ずつ土地探しが続けられ、土地探しが始まってから4年後の1997年にこれらの2つの条件に合致する土地が見つかった{{sfn|クレシ|2020|p=33}}。
 
1997年4月には名古屋イスラム協会に名古屋モスクプロジェクトが組織され、その責任委員としてAを含むパキスタン人など7人が選出された{{sfn|クレシ|2020|pp=32, 33}}。また、この頃には、1990年に開設されたモスク基金口座にすでに約1200万円が集っていた{{sfn|クレシ|2020|p=33}}が、国内外のムスリムや諸団体に寄付を募るため、会員が奔走し、10年にわたる募金活動の末、最終的には土地購入と建築に必要な約6780 万円を調達した{{sfn|朝日新聞|1998|p=3}}{{sfn|クレシ|2020|p=33}}{{sfn|クレシ|2021|p=249}}。{{Refnest|group="注釈"|なお、寄付の呼び掛けを行ったのは名古屋近辺のみであり、政府機関等へは行っていない{{sfn|店田|岡井|2008|p=52}}。}}
 
法人登記されていない団体は、法律上の権利義務の主体になれないため<ref name="文化庁月報540">{{cite journal|author=文化庁文化部宗務課| title= 解説 宗教法人制度の概要と宗務行政の現|journal=文化庁月報|year=2013|number=540|publisher=文化庁|url=https://www.bunka.go.jp/pr/publish/bunkachou_geppou/2013_09/special_04/special_04.html|access-date=2022-05-15|ref="文化庁月報540"}}</ref>、土地の売買契約は、名古屋モスクプロジェクト責任委員のうち3人が共同名義で締結した{{sfn|クレシ|2020|p=33}}。
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== 活動 ==
2019年現在、名古屋モスクは礼拝のほか、イスラームにまつわる資料の配布や入信の手続き、アラビア語教室や講演、勉強会を行っている{{sfn|朝日新聞|2019|p=22}}。2019年までに名古屋モスクは1,041件の入信の手続きを、700件の結婚を執り行った{{sfn|クレシ|2021|p=259}}。また、葬儀の手配も行っている{{sfn|クレシ|2021|p=259}}{{sfn|店田|岡井|2008|p=53}}。このほか、[[ラマダーン]]月のイフタール{{Refnest|group="注釈"|イフタールとはラマダン期間における日中の断食後の日没後一回目の食事である{{Sfn|ナイトアブドゥラウアリー|2019}}。}}の提供とタラウィーフ{{Refnest|group="注釈"|タラウィーフとは、ラマダン期間において[[サラート|夜の礼拝]]の後に行われる祈りで、平均1時間ほど続く{{Sfn|ナイトアブドゥラウアリー|2019}}。}}なども設立以来継続して行っている{{sfn|クレシ|2021|p=259}}。
 
名古屋モスクは見学者も受け入れており、年間300人から400人ほどが訪れている{{sfn|朝日新聞|2019|p=22}}。モスクの見学は2014年までは年に数十人程度であったが、2014年にモスクのウェブサイトに見学者受け入れの案内を掲載してからは見学者が増加したという{{sfn|クレシ|2020|p=35}}{{Refnest|group="注釈"|{{harvtxt|クレシ|2020}}は、日本人に向けた発信に注力していることは名古屋モスクの大きな特色であるとしている{{sfn|クレシ|2020|p=35}}。また、{{harvtxt|店田|2015}}は、日本語で充実した情報があり、日本社会への発信を意図していることがうかがえるとするウェブサイトのひとつに名古屋モスクを挙げている{{sfn|店田|2015|p=90}}。}}。また、入り口にはモスクの設立経緯やイスラームについての説明を記したパンフレットを置いている。このことから{{harvtxt|桜井|2004}}は、日本人にも理解してもらうための工夫を行っているとしている{{sfn|桜井|2004|p=122}}。
 
名古屋モスクには宗派のこだわりはなく、ムスリムでさえあれば良いため、[[シーア派]]の信者も利用するという{{sfn|店田|岡井|2008|p=51}}。
 
=== 自主グループ ===
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; 幼児クラス
: 未就学児を持つ母親らによって2014年に始められた母子参加の幼児向け教室。塗り絵や工作、絵本や紙芝居などでイスラームの世界観に楽しく触れる工夫が行われれているという{{sfn|クレシ|2021|p=56256}}。
 
; SYM名古屋モスク
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; SYMにほんごクラブ
: 日本語を母語としない中高生を対象として2019年に立ち上げられた学習支援教室。大学生が講師を務め、作文の添削や学校の宿題の手伝い、また、進路相談が行われている{{sfn|クレシ|2021|p=257}}。
 
== 地域交流と情報発信 ==
2017年5 月現在,日本全国に存在する98のモスクの中で、活発な地域交流を行っているモスクは名古屋モスクを含む数ヶ所だけであり、多くのモスクでは日本人のための窓口もないのが現状である{{sfn|子島|服部|2019|p=60}}。本来モスクは礼拝の場であり、地域交流などのコミュニティ活動が企画・実施される必然性はない{{sfn|子島|服部|2019|p=60}}{{sfn|三木|2012|pp=894-895}}が、名古屋モスクでは近隣の住人たちと活発な交流を行っている{{sfn|子島|服部|2019|p=61}}。前節で解説した自主グループによる各種の活動も、ムスリムでない人に対しても開かれており{{sfn|子島|服部|2019|p=61}}、興味をもった非ムスリムの日本人が参加している勉強会もある{{sfn|三木|2012|pp=895}}。日本人にあるイスラムへの偏見や誤解はムスリムの子どもたちが葛藤や周縁化を深める一因となるが、彼らが暮らしやすい環境を育むために、日本社会とモスクが多くの接点を持つことが重要である、という考えにより、当モスクでは、対外活動、情報発信、地域交流に力を入れている{{sfn|クレシ|2021|p=260}}。2014年以降は、企業や自治体や教育機関への出張講演や、自治体との連携なども行うようになった{{sfn|クレシ|2020|p=35}}。
 
名古屋モスクは見学者も受け入れており、年間300人から400人ほどが訪れている{{sfn|朝日新聞|2019|p=22}}。モスクの見学は2014年までは年に数十人程度であったが、2014年にモスクのウェブサイトに見学者受け入れの案内を掲載してからは見学者が増加したという{{sfn|クレシ|2020|p=35}}{{Refnest|group="注釈"|。また、モスク入り口にはモスクの設立経緯やイスラームについての説明を記したパンフレットを置いている。このことから{{harvtxt|クレシ桜井|20202004}}は、日本人に向けた発信に注力も理解てもらうための工夫を行っていることは名古屋モスクの大きな特色であるとしている{{sfn|クレシ桜井|20202004|p=35122}}。また、{{harvtxt|店田|2015}}は、日本語で充実した情報があり、日本社会への発信を意図していることがうかがえるとするウェブサイトのひとつに名古屋モスクを挙げている{{sfn|店田|2015|p=90}}。}}。また、入り口にはモスクの設立経緯やイスラームについての説明を記したパンフレットを置いている。このことから{{harvtxt|桜井クレシ|20042020}}は、日本人にも理解向けた発信に注力てもらうための工夫を行っていることは名古屋モスクの大きな特色であるとしている{{sfn|桜井クレシ|20042020|p=12235}}。
 
== アクセス ==
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| ref = {{SfnRef|安田|2015}}
}}
* {{cite journal|和書
|author=アミナ・ナイトアブドゥラウアリー
|title=イスラム教の文化:ラマダンを知っていますか?〜モロッコのラマダンと女性〜
| journal=中東協力センターニュース
| date=2019-06
| pages=26-30
| publisher=一般財団法人 中東協力センター
| url=https://www.jccme.or.jp/11/pdf/2019-09/know-1906.pdf
| access-date=2022-05-18
|ref={{SfnRef|ナイトアブドゥラウアリー|2019}}
}}
 
 
== 外部リンク ==