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{{コンピュータゲーム
|Title= ストリートファイターII
|image=File:Street Fighter II arcade-20061027.jpg
|caption=本作を遊ぶ男性
|Genre= [[対戦型格闘ゲーム|対戦格闘]]
|Plat= [[#コンシューマー移植版|コンシューマー移植版]]を参照
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|etc=
}}
『'''ストリートファイターII'''』(ストリートファイターツー、Street Fighter II)は、[[カプコン]]制作の[[対戦型格闘ゲーム]]であり、『[[ストリートファイター (ゲーム)|ストリートファイター]]』の正統続編にあたる。通称『'''ストII'''』(ストツー)。[[1991年]]に[[アーケードゲーム]]として登場し、爆発的ヒットを記録した。「ゲームで対戦すると楽しい」という事実を突きつけた本作では<ref name=":0">{{Cite book|title=平成の時代に起きたゲームの出来事を振り返る|date=2019年3月31日|year=2019|publisher=株式会社Gzブレイン|page=90}}</ref>、攻撃の強弱を別ボタンに分け、それらを活かすコマンドを用意するなど、後の格闘ゲームでも踏襲される基本要素が初めて搭載された
 
本作は、『ストリートファイター』に抜本的な改作を施したことでゲーム性が大幅に変化した。
== 概要 ==
本作では前作である初代『[[ストリートファイター (ゲーム)|ストリートファイター]]』に抜本的な改作を施したことで大きく異なるゲーム性となったが、本作の時点で今日の対戦型格闘ゲームにおける、コマンド入力により技が出るシステムの確立が最大の功績となり<ref>{{Cite book|和書|title=[[週刊ファミ通]] No.622 対戦格闘ゲームの新時代到来|date=2000年11月17日|year=2000|publisher=株式会社[[エンターブレイン]]|page=88}}</ref>同ジャンルの[[雛形]]となると共に多くのフォロワーを生み出した。また、多くの続編、[[ゲーム機]]への[[移植 (ソフトウェア)|移植]]が行われ、対戦型格闘ゲームブームを引き起こした。特に[[スーパーファミコン]]版は国内販売本数約288万本、世界累計販売本数630万本<ref name="Sales">{{cite web|date=2013-06-30|url=http://www.capcom.co.jp/ir/finance/million.html|title=ミリオンセールスタイトル一覧|publisher=カプコン|accessdate=2019-03-16}}</ref>を記録している。「家でも好きなだけできる」という事でストIIブームに拍車が加わった。<ref name=":0">{{Cite book|title=平成の時代に起きたゲームの出来事を振り返る|date=2019年3月31日|year=2019|publisher=株式会社Gzブレイン|page=90}}</ref>ゲーム以外にもアニメ、実写映画、漫画、ドラマCDなどの幅広いメディアミックス展開が行われた。海外の人気も高く、日本より先に発売されたアメリカでは対戦大会がテレビ中継されており、[[ジャッキー・チェン]]出演で映画化という噂(デマ?)も飛ぶ。<ref name=":1">{{Cite book|和書|title=「ドラクエ」「信長」ソフト産業の崩壊 神話の正体は!?|date=1993年1月30日|year=1993|publisher=光文社|pages=126,127,128,}}</ref>
 
具体的には、攻撃の強弱を別ボタンに分け、それらの組み合わせによるコマンド入力によって技を出せるシステムを確立した<ref name="famitsuNo622P88">{{Cite book|和書|title=[[週刊ファミ通]] No.622 対戦格闘ゲームの新時代到来|date=2000年11月17日|year=2000|publisher=株式会社[[エンターブレイン]]|page=88}}</ref>。
世間はストIIを反射神経型の格闘ゲームと誤解しているが、ストIIの本質は”ケンカのシミュレーション”であり、小手先の技術より戦いの流れに応じた知識が必要とされる。運の要素が微妙にありながら練習した成果が出るといった奥の深さがある。<ref name=":1" />
 
[[1991年]]に[[アーケードゲーム]]として登場して以来、爆発的ヒットを記録したことに加え、多くの続編、[[ゲーム機]]への[[移植 (ソフトウェア)|移植]]が行われ、対戦型格闘ゲームブームを引き起こした。特に[[スーパーファミコン]]版は国内販売本数約288万本、世界累計販売本数630万本<ref name="Sales">{{cite web|date=2013-06-30|url=http://www.capcom.co.jp/ir/finance/million.html|title=ミリオンセールスタイトル一覧|publisher=カプコン|accessdate=2019-03-16}}</ref>を記録している。「家でも好きなだけできる」という事でストIIブームに拍車が加わった。<ref name=":0">{{Cite book|title=平成の時代に起きたゲームの出来事を振り返る|date=2019年3月31日|year=2019|publisher=株式会社Gzブレイン|page=90}}</ref>ゲーム以外にもアニメ、実写映画、漫画、ドラマCDなどの幅広いメディアミックス展開が行われた。
こうしたメディアミックスの結果、本作をプレイしていない層にまでキャラクター人気が波及。マンガ、同人誌もストIIのパロディとなった。<ref name=":1" />特に女性キャラクターである[[春麗]]は男性ハイティーン層に人気を博した。同人マンガ即売会は春麗の[[コスプレ]]の女の子であふれかえった。<ref name=":1" />アニメではこうしたキャラクター先行の人気は珍しいことではないが、ゲームセンター発祥のキャラクターでこの現象が起きたのは春麗が初めてとされている<ref name="MDR" />。
 
現在、[[商標]]などの全ての[[知的財産権|知的所有権]]はカプコンのグループ会社、カプコンUSAが保持している。
小学生から上は若年の社会人に至るまで幅広い年齢層に支持され、『ストリートファイターII』専門店や、設置の大半が『ストリートファイターII』の店が現れるなど、インベーダーブーム以来の様相となった。多くのコンシューマ機にも移植され、専用コントローラが発売されるだけではなく、その後発売されるゲーム機では、格闘用6ボタンを意識した配置のものが多くなった。日本国外ハード以外の日本での移植はカプコン自身が行っており、別な開発会社に丸投げしなかったために各ハードへの移植クオリティは高かった。スーパーファミコン版はアーケード版で魅力を知っていた小中学生を中心に支持された。この低年齢層が後年の格闘ゲームファンとなっていく<ref name="MDR">マーチャンダイジングライツレポート1998年9月号。</ref>。大きく描かれたキャラクターが1対1で対戦する。各キャラクターはプレイヤーの操作により生き生きと動き、またキャラクター間のバランスは続編の『ストリートファイターII'』(以下『II'』と表記)以降、綿密に調整され、対戦をより奥深いものとした。プレイ中の相手に対戦を申し込む「乱入対戦」と、いわゆる「対戦台」のスタイルを確立した作品である。
 
== ゲームシステム ==
初代『ストリートファイターII』(以下『II』)の企画やキャラクターデザインを手がけた[[安田朗]]は、各キャラクターのインサイドストーリーを作ったものの、オープニングやエンディングなどに極力力を注がず、また映画的な手法でも表現しなかったと語っている<ref name="gamestmook17">ゲーメストムックVol.17『カプコンイラストレーションズ カプコンイラスト作品集』 新声社、1996年、11頁。</ref>。その理由は「ゲームの『戦い』の部分にすべてのパワーを注ぎたかったから」「『ゲーム』の部分の他にストーリーはいらなかったから」だとしている<ref name="gamestmook17" />。『II』の劇場アニメ化の際にも「ストーリーに凝るなら、それより『ストリートファイト』という表現をしてほしい。なぜならストIIの登場キャラクターの接点は『ストリートファイト』というもののみだから」と説明している<ref name="gamestmook17" />。
一対一の近接格闘を主体とした本作は、先に相手の体力{{Efn2|name="inst"|アーケード版[[インストラクションカード|インストカード]]上では「気力」と表現されており「立ち上がる気力がなくなると[[ノックアウト|KO]]」とされていた。}}を0にした方が勝利となり、3ラウンド中で2ラウンド先取するとその相手を倒したことになる。
 
各ラウンドには時間制限があり、残り時間がなくなると強制的にラウンドが終了し、残り体力の多い方がラウンドの勝利者となる。残り体力が全く同じ場合や、互いの攻撃が同時に当たってお互いの体力が0より減った場合(相打ち)は引き分けとなる。その際、前者はドロー(Draw Game)、後者はダブルK.O.(Double K.O.)とそれぞれ表示される。3ラウンド目が終了した時点でどちらも2本取っていなければ、ファイナルラウンドとして4ラウンド目が行われる(『II』のみ10ラウンドまで延長可能{{Efn2|なお移植作品ではSFC版『II』のみが唯一例外で『II'』以降と同じ扱いの4ラウンド目がファイナルラウンドとなっている。}})。ファイナルラウンドでも引き分けになった場合は両者ゲームオーバーとなる。
『ストリートファイターII' TURBO』(以下『II' TURBO』)までにおけるオープニングデモに登場した2人の無名キャラクター(白人<ref name="Scott">[http://game.capcom.com/cfn/sfv/column-100906.html キャラ図鑑050:スコット|キャラ図鑑|活動報告書|CAPCOM:シャドルー格闘家研究所]</ref>と黒人<ref name="Max">[http://game.capcom.com/cfn/sfv/column-100887.html キャラ図鑑051:マックス|キャラ図鑑|活動報告書|CAPCOM:シャドルー格闘家研究所]</ref>)がストリートファイトを行っている描写があり、『[[ストリートファイターV]]』の公式ホームページ「シャドルー格闘家研究所」の「キャラ図鑑」にて個人プロフィールが明かされている。
 
1人用のCPU戦では、各ステージが[[世界地図]]として表示され、ステージを転戦しながらゲームを進めていく。また、同モードでは、3人を倒すごとに車、樽、ドラム缶を破壊するボーナスステージが挿入される{{Efn2|『スーパーストリートファイターII』(以下『スパII』)まで。}}。
現在、[[商標]]などの全ての[[知的財産権|知的所有権]]はカプコンのグループ会社、カプコンUSAが保持している。
 
本作のシステムやルールの一部は、前作『ストリートファイター』をもとにしており、たとえば1レバー+6ボタンという操作体系は同作のテーブル筐体に由来している{{R|CapcomInterview}}。レバーはキャラクターの移動やジャンプ、しゃがみに用いられている。一方、6つのボタンはパンチとキックに割り振られており、それぞれ弱・中・強の三段階に分かれている。このほかにも相手をつかんで投げる動作も存在する。その一方で、『ストリートファイター』では隠し要素だったレバーとボタンの入力による必殺技の発動は、本作において基本的なシステムとして組み込まれた。また、本作においては通常技をヒットした瞬間に必殺技のコマンド入力に成功した後、通常技の動作が取り消されて必殺技が発動される「キャンセル」という要素が誕生した<ref name="shadoloo20180514">{{Cite web |title=特別編:ストIIのコンボを100倍楽しむために {{!}} ストゼミ {{!}} 活動報告書 |url=https://game.capcom.com/cfn/sfv/column/131578 |website=CAPCOM:シャドルー格闘家研究所|date=2018-05-14 |access-date=2022-08-18 |publisher=CAPCOM|author=bug}}</ref>。
== ゲームシステム ==
=== 基本的なゲームルール ===
*ゲームスタート時に使用するキャラクターを選択する。格闘試合の相手として順に登場する相手キャラクターの体力を、自分の選択したキャラクターが持つ各種の技を駆使して攻撃し、0(限界)より減らせばそのラウンドに勝利する。逆に相手キャラクターの攻撃により、自分のキャラクターの体力を0より減らされるとラウンド敗北。3本勝負で2本先取するとその相手を倒したことになり、次のキャラクターとの対戦に移る。2本先取されると倒されたことになりゲームオーバー。各ラウンドには時間制限があり、残り時間がなくなると強制的にラウンドが終了し、残り体力の多い方がラウンドの勝利者となる。残り体力が全く同じ場合や、互いの攻撃が同時に当たってお互いの体力が0より減った場合(相打ち)は引き分けとなる。その際、前者はドロー(Draw Game)、後者はダブルK.O.(Double K.O.)とそれぞれ表示される。3ラウンド目が終了した時点でどちらも2本取っていなければ、ファイナルラウンドとして4ラウンド目が行われる(『II』のみ10ラウンドまで延長可能<ref group="注">なお移植作品ではSFC版『II』のみが唯一例外で『II'』以降と同じ扱いの4ラウンド目がファイナルラウンドとなっている。</ref>)。ファイナルラウンドでも引き分けになった場合は両者ゲームオーバー。
*各キャラクターの現時点での体力と残り時間は試合中、常に画面上部に表示されている。
*攻撃を当てるごとに得点が入り、勝利すると残り体力・残り時間に応じてボーナス点が入る。まったくダメージを受けずに勝利すると、パーフェクトボーナスとして3万点(四天王戦ではさらに増え、M・バイソン、バルログ、サガット戦は5万点、ベガ戦は8万点)<ref group="注">対人戦では対戦相手が四天王や豪鬼であってもパーフェクトボーナスは全て一律3万点である。</ref>が入る。『スパII』以降は最初に攻撃をヒットさせた(ガードした場合を除く)、連続コンボを決めた、気絶から攻撃を受けずに回復したなどの事象で随時ボーナス点が入る。ファイナルラウンド(『II』を除く)では攻撃や勝利による得点は獲得できない。
*CPU戦で試合相手として登場するキャラクターは、『II』では7人(使用キャラクター以外)+4人([[ノンプレイヤーキャラクター#RPG以外のゲームにおけるNPC|CPU]]専用キャラクター)の合計11人。『スーパーストリートファイターII』(以下『スパII』)までは3人を倒すごとに車、樽、ドラム缶を破壊するボーナスステージが挿入される。『II'』と『II' TURBO』では初代からの使用可能キャラクター8人(序盤戦)+四天王の4人で合計12人。『スパII』(別名スーパーストII)以降は、序盤戦の8人が四天王以外のキャラクター12人から選ばれ、四天王と合わせて12人になる。また『スーパーストリートファイターII X』(以下『スパII X』)と『ハイパーストリートファイターII』(以下『ハイパーII』)に限り、一定の条件を満たすと最終ステージで隠しキャラクターの豪鬼が乱入し、戦うことになる。序盤戦に登場するキャラクター順は、シリーズによっては完全ランダムであったり、予め設定されたパターンよりコンピューターによって選択されたりする。
*乱入などによる2人でのプレイは全て対戦プレイとなる。例外としてボーナスステージ中の乱入の場合、ボーナスステージを2人でプレイした後に対戦となる。対戦で勝った側は継続して1人プレイを行い、負けた側はゲームオーバー。
**対戦が終わると、『II'TURBO』までは対戦していたステージに所属するキャラクターを、『スパII』以降は対戦で敗れたキャラクターがCPUとして登場するキャラクターのテーブル内にいた場合は、それぞれ1人プレイにおいて倒したことになる<ref group="注">『II'TURBO』まではベガを除く該当するキャラクターカーソルが白黒になるので判別可能。『スパII』以降はコンティニューおよび乱入時でのキャラクターセレクト画面では全てキャラクターカーソルがカラーであるため誰を倒したかはこの画面での判別は不可で、この対戦(=勝利)終了後の次の対戦相手の表示時でそれが判る。</ref>。ただしベガには適用されないためエンディングまでもつれ込むことはない。また、『ハイパーII』では乱入した方(挑戦者)が勝った場合はステージ1からのやり直し・テーブルリセットとなる(その時の対戦で倒したキャラクターがテーブルにいる場合は、すでに倒した状態になる)。
**乱入した側が勝った場合も、乱入された側が行っていた1人プレイを引き継ぐ(スコアはコンティニューしたものとして扱われ、乱入時にコンティニューの証である「1点」が両者に加算されるため、このプレイで出したスコアは有効な記録とは見なされない)。
**『II' TURBO』までは、[[ディップスイッチ]]で乱入を無効にする設定があった。この場合、1人分の料金で対戦プレイをスタートでき、対戦を終えると結果にかかわらず両者がゲームオーバーとなる(コンティニューも不可)。『II』のみ、乱入無効が工場出荷時設定であった。
*「体力」は、アーケード版[[インストラクションカード|インストカード]]上では「気力」と表現されており「立ち上がる気力がなくなると[[ノックアウト|KO]]」とされていた。
* 一部のステージの両端に「看板」や「木箱」などが設置されており、自分か相手どちらかが吹き飛ばされ着地点付近にそれがあると破壊されボーナスが得られる。なお設置されているステージはリュウ(「風林火山の看板」・『II』と『ハイパーII』のみ)、ケン(「ドラム缶」・右側のみで尚且つ『II』と『ハイパーII』のみ「ドラム缶2本と木箱4個」、それ以外は「ドラム缶1本」のみ設置)、ガイル(「木箱」)、ベガ(「銅像」)の4つのステージに設置されている。
 
プレイアブルキャラクターが前作よりも増えた分、戦闘スタイルや必殺技、さらには相手に追い打ちをかける[[コンボ (ゲーム)|連続技(コンボ)]]も多様化した<ref name="Redbull20171019">{{Cite web |title=『ストリートファイター』シリーズがもたらした10の変化|url=https://www.redbull.com/jp-ja/street-fighter-10-ways |publisher=Redbull|access-date=2022-08-19|date=2017年10月19日|first=Damien|last=McFerran}}</ref>。
=== 操作方法 ===
操作系は、各3個のボタンが上下2列に並んだ6ボタン+8方向スティック<ref group="注">前作『ストリートファイター』の[[アーケードゲーム#テーブル筐体|テーブル筐体]]版の流用。</ref>。各ボタンには弱・中・強<ref group="注">本来はこの表記だが、後に『[[ゲーメスト]]』で「小パンチ」「大パンチ」などという言葉が生まれたため「小・中・大」も定着している。</ref>威力のパンチおよびキックが割り当てられている。
 
== 登場キャラクター ==
レバーを左右に倒すと、その方向に歩いて移動。下方向にレバーを倒すと、その場でしゃがむ。上方向にレバーを倒すと、その方向にジャンプする。ジャンプの軌道は高めで、足払いなどの打点の低い技は回避できるが、アッパーカットなど打点の高い攻撃には当たる。またジャンプ中にはガードができない。
=== デフォルトキャラクター ===
『II』でプレイヤーが使用可能なキャラクターは以下の8人。
*[[リュウ (ストリートファイター)|リュウ]](RYU){{Flagicon|JPN}}
*[[ケン・マスターズ|ケン]](KEN){{Flagicon|USA}}
*[[エドモンド本田]](E.HONDA){{Flagicon|JPN}}
*[[春麗]](CHUN-LI){{Flagicon|CHN}}
*[[ブランカ (ストリートファイター)|ブランカ]](BLANKA){{Flagicon|BRA}}
*[[ザンギエフ]](ZANGIEF){{Flagicon|USSR}}<!-- {{Efn2|開発中のキャラクター設定の最存在していたソ連もSFC発売時には崩壊。崩壊後もソ連出身を名乗っている。}} -->
*[[ガイル (ストリートファイター)|ガイル]](GUILE){{Flagicon|USA}}
*[[ダルシム]](DHALSIM){{Flagicon|IND}}
プレイヤーキャラクターが8人もいる点もさることながら、自分が選んだキャラクター以外が敵として登場するというアイディアも当時としては画期的であった。なお、リュウとケンは前作から続投しているので、本作から6人の使用キャラクターが追加されている。
 
=== ボスキャラクター ===
立ち状態やしゃがみ状態、ジャンプ中に各攻撃ボタンを押すと、基本的な攻撃である通常技が出る。立ち状態の通常技は多くの場合、相手との距離が近い時と遠い時とで、同じボタンでも異なる技が出る。またジャンプ攻撃も、垂直ジャンプ時と斜めジャンプ時とで変化するものが多い。しゃがみ状態で出すキック技や一部のパンチ技は足払いとして、立ちガードできない下段技となる。対してジャンプ攻撃はしゃがみガードできない。レバーを入れながらボタンを押すと通常とは違う攻撃になる「特殊技」が設定されている場合もある。
対コンピュータ戦で敵として現れるプレイヤーが選択可能なキャラクター(『II』では自キャラクター以外の7人、『II'』以降は8人)を全て倒すと、以下の4人が順番に登場する。
*[[マイク・バイソン|M・バイソン]](M.BISON){{Flagicon|USA}}
*[[バルログ (ストリートファイター)|バルログ]](BALROG){{Flagicon|ESP}}
*[[サガット]](SAGAT){{Flagicon|THA}}
*[[ベガ (ストリートファイター)|ベガ]](VEGA)
これら4人のボスキャラクターは「四天王」と呼ばれ、続編の『II'』でプレイヤーキャラクターとしての調整を加えた上で使用可能になった。
 
=== 業務用の追加キャラクター ===
キャラクターが右向きのときに左方向(キャラクターの位置が左右逆になり、左向きになった場合は入力方向も左右逆になり、レバー右方向でガード。ガードに限らず、必殺技などの入力コマンドも左向きの場合は左右逆になる)にレバーを入れると、相手の攻撃に対して「ガード」ができる。ガードすれば通常技はダメージを受けず、必殺技はダメージを軽減できる。ガードにはレバーを真左に入れる「立ちガード」と左下に入力する「しゃがみガード」の2種類がある。立ちガードは足元を狙う「下段技」をガードすることができず、逆にしゃがみガードではジャンプからの攻撃<!-- や特定のコマンド入力による「中段技」 -->をガードできない。
『II' TURBO』までは上記の12人であったが、『スパII』では以下の新キャラクター4人が追加されている。この4人はデフォルトで選択可能。
*[[サンダー・ホーク]](T.HAWK){{Flagicon|MEX}}
*[[キャミィ]](CAMMY){{Flagicon|GBR}}
*[[フェイロン]](FEI-LONG){{Flagicon|HKG1959}}
*[[ディージェイ (ストリートファイター)|ディージェイ]](DEE JAY){{Flagicon|JAM}}
 
『スパII』のバージョンアップ版である『スパII X』では条件を満たした時だけベガの代わりに出現する[[隠れキャラクター|隠しボス]]として、以下の新キャラクターが追加された。
ガードを崩す方法として「投げ技」が存在する。相手に接近した状態で、レバーを右または左方向に入れたまま、中または強のパンチボタンを押すことで相手を投げ飛ばす。相手が立ち・しゃがみのガード状態でも投げられるので、ガードばかりする相手には有効だが、密着するぐらいの距離でないと投げることができず、不用意に近づこうとしても打撃技で反撃されるため、簡単に決まるものではない。キャラクターによっては中・強のキックボタンによる投げ技を持つ者や、投げ飛ばす代わりに相手を拘束して何度も打撃を当てる「掴み技」を使う者もいる。<!-- 攻撃を受けている側がレバーを早く動かしたりボタンを連打することで拘束時間を短縮できる --><!-- できましたっけ? -->また一部キャラクターは、相手と空中で接近した時に投げを仕掛ける「空中投げ」を使える。
*[[豪鬼]](GOUKI){{Flagicon|JPN}}
隠しコマンドを入力することでプレイヤーが豪鬼を使用することが可能(能力は幾分調整されている)。また、後期のコンシューマー版では最初から使用できるようになっているものもある。
 
=== 家庭用の追加キャラクター ===
それまでのCPUとの対戦から人間との対戦に主眼が置かれ、ガードの導入により一方的な攻撃でなく防御も有効な手段となり、多彩な駆け引きと攻防を楽しめる。
一部のコンシューマー版の『スパII X』以降のバージョンでは以下の性能違いキャラクターが使用可能。
*[[豪鬼#真・豪鬼|真・豪鬼]](SHIN GOUKI){{Flagicon|JPN}}
 
さらに『ウルトラストリートファイターII』では後のシリーズ作品からの逆輸入として以下の性能違いキャラクター2人が追加。
しゃがみ強キックなどの攻撃を受けるとダウン(転倒)する。ダウンして起き上がるまでの間は全身無敵で攻撃を受け付けないが、相手に自由な時間を与える。逆にダウンさせた側は有利な「起き攻め」を展開できる。
*[[リュウ (ストリートファイター)#殺意の波動に目覚めたリュウ|殺意の波動に目覚めたリュウ]](EVIL RYU){{Flagicon|JPN}}
*[[ケン・マスターズ#洗脳されたケン|洗脳されたケン]](VIOLENT KEN){{Flagicon|USA}}
 
== 開発 ==
短時間に続けて<!-- 一定以上の -->ダメージを受けると強制的にダウンし、起き上がっても頭上に星やヒヨコが旋回している状態で一定時間操作不能の「気絶」状態に陥ることになる{{refnest|group="注"|キャラクターの頭の上を「黄色い星」、「ヒヨコ」、「天使」、「死神」(どれかは毎回ランダム)などのシンボルが回転し、ヒヨコが回ることから「ピヨり」とも呼ばれている<ref>[https://game.capcom.com/cfn/sfv/column-131091.html 10時間目:攻撃の基本 ~ダメージ編その1~ | ストゼミ | 活動報告書 | CAPCOM:シャドルー格闘家研究所]</ref>。後の作品ではこれら気絶は「スタン」と呼ばれるようになっている。なおシンボルの違いによる差異は気絶時間で「星<ヒヨコ<天使<死神」と相対的に長くなり{{要出典|date=2018年11月}}、死神だと相当レバガチャをしないと復帰が困難である。}}。気絶中はまったくの無防備な状態だが、レバーを素早く動かしたりボタンを連打する(「レバガチャ」と呼ばれる)ことで気絶時間を短縮できる。しかし気絶時の起き上がりに重ねるように技を出されると防御や回避が不可能であり、強力な連続技を持つ相手だと一気に勝負を決められることがある。なお、CPUキャラクターは気絶からの回復が早い。
=== 背景・企画 ===
ゲームデザイナー兼ディレクターのNINこと[[西谷亮]]は、初代『ストリートファイター』(大型筐体)の開発バージョンを遊んだ際、感圧式ボタンを叩く強さで攻撃の強弱をつける操作体系や、ジャンプの重さなどを気にしており、この問題を改善したいと考えていた<ref name="igcc20200119">{{Cite web |title=西谷 亮インタビュー Part2 |url=https://igcc.jp/int-nishitani-02/ |website=ゲーム文化保存研究所 |date=2020-01-19 |access-date=2022-08-09}}</ref>。
 
一方、初代『ストリートファイター』がアメリカで人気を博しており、現地法人から続編のオファーを受けたカプコンはそのつもりで西谷らに『[[ファイナルファイト]]』を作らせるも結局は別物になってしまったため、初代『ストリートファイター』における対戦要素を発展させる形に切り替えた<ref name="TVTokyo20181116">{{Citation|title=永遠に「ストII」を作り続けたかもしれない「ストリートファイター」シリーズ30年史(その一部)|website=テレ東プラス|publisher=株式会社テレビ東京-TV TOKYO|url=https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/entertainment/entry/2018/018406.html|date=2018.11.16|access-date=2022-08-09}}</ref>{{R|igcc20200119}}。
=== 必殺技 ===
攻撃ボタンの連打や、レバーの方向入力と組み合わせたボタン入力(いわゆる「コマンド入力」)によって、各キャラクター固有の[[必殺技]]を繰り出す。レバーによるコマンド入力には、特定の順番にレバーを入力していくものと、一定方向にしばらくレバーを入れてから逆方向へ入れる「溜め」と称されるものとがある。打撃型の必殺技は、ガードしても微量のダメージを負う(「削り」と呼ばれる)。後に登場した2D対戦型格闘ゲームのほとんどが、本作で確立された必殺技およびそのコマンド入力方法を踏襲しており、本作で使用された波動拳コマンドや昇龍拳コマンドは、他の対戦型格闘ゲームにおける同様の技コマンドを説明する時にも使われることが多い。
 
西谷亮は、初代『ストリートファイター』のディレクターである[[西山隆志]]からは特にアドバイスもなく、[[岡本吉起]]からは自由にやるように言われたとゲーム文化保存研究所・所長の大堀康祐との対談の中で明かしている<ref name="igcc20200125">{{Cite web |title=西谷 亮インタビュー Part3 |url=https://igcc.jp/int-nishitani-03/ |website=ゲーム文化保存研究所 |date=2020-01-25 |access-date=2022-08-08}}</ref>。
『II』のみ1/512の確率で、攻撃ボタンを押した際にレバー操作とは関係なく、選択したキャラクターの必殺技がランダムに選ばれ発動するようプログラムされている。カプコンによると「必殺技の存在をプレイヤーに意識させる」ために入れられた機能である。この機能は意図しないタイミングで発動して隙を晒すだけとなっているため、『II'』で削除された。
 
=== システム構築 ===
長年公開されていなかった仕様に、必殺技の出しやすさにランダム性が組み込まれているというものがあった。普段問題なく出せる必殺技が時々失敗したり、全然出なかった必殺技が甘い判定になると出る、というものだった{{要出典|date=2018年5月}}。
『ファイナルファイト』で得た知見や西谷たちが遊んできたゲームをヒントにシステムが構築されており{{R|igcc20200125}}、たとえば、操作性やボス戦は西谷らが遊んできた『[[ゲットスター]]』の影響を受けている{{R|igcc20200119}}。
 
開発初期の段階では、弱キックに相当する動作がなく、空振りした場合は技と技の間に沈黙が流れてしまっており、西谷は自分でテストプレイをしていて気持ち悪かったため、『[[ファイナルファイト]]』の連続技をヒントに技の途中を省略して連続技として成立させるようにしたところ爽快感が出たため、弱キックの実装につながった{{R|igcc20200125}}。
なおCPUは何の前触れもなく必殺技を即座に出せるためプレイヤー操作に於ける「溜め」系の必殺技も例外ではなく、例としてガイルの必殺技が仕様上に於いてプレイヤー操作では絶対に不可能な立ち状態や歩き状態から即座に「サマーソルトキック」をCPUは何に躊躇もなく出してくるという場面(通称:「[[イカサマ|イカサマー]]」{{要出典|date=2017年10月}})が存在する。
 
当初は初代『ストリートファイター』(大型筐体)と同様に、感圧スイッチを用いた2ボタンの操作体系にする予定だったが、様々な案が出た末に、同作のテーブル筐体{{Efn2|「ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル」のプロモーションプロデューサーを務めた[[綾野智章]]はテレビ東京とのインタビューの中で、大型筐体を設置できない店舗向けにテーブル筐体が発売されていたと説明している{{R|TVTokyo20181116}}。}}をもとにした6ボタン+ジョイスティックという操作体系に決まった{{R|CapcomInterview}}。
=== 連続技(コンボ) ===
攻撃が当たると相手がのけぞる。のけぞっている間は防御その他の行動が一切できないため、連続して攻撃を入れることが可能で、一度に大きなダメージを与えられる。このように相手が防御不可能な状態で続けざまに攻撃を当てていくことを[[コンボ (ゲーム)|連続技(コンボ)]]という。着地直前のジャンプ攻撃→中パンチ→しゃがみ強キックのようなパターンが『II』ではよく使われ、後述するキャンセル技が事実上使えないブランカや春麗では最も威力のある必殺パターンであった。またガイルの立ち弱パンチなど連打しているだけで大ダメージを与え、さらに気絶状態から再び気絶させるような技も存在した。この頃の連続技は体力ゲージの1/2から2/3を奪い、通常状態で食らえば確実に気絶するため、当たれば一発で勝負が決まることも多々あった。そのため『II'』以降は攻撃力が低く調整される傾向にある。
 
『ストリートファイター』では隠し要素だった必殺技は本作においては基本的なシステムとして導入された{{R|Walkerplus20220721P1|TVTokyo20181116}}。必殺技を出しやすくするため、 「通常技が出掛けたところを必殺技で上書きできる」(つまり、コマンドとボタンの入力に若干のタイムラグがあっても必殺技を発動できるようにする)という設定がゲーム全体に対して施された。その結果、設定フレームよりも発生が速い通常技が当たった後でも必殺技で上書きできるようになった。これは開発者の意図せぬ動作([[バグ]])だったために修正する予定であったが、最終的にこの方が面白いと判断され、「キャンセル」としてシステム化された{{R|shadoloo20180514}}<ref>{{Cite web |title=『ストII』で格闘ゲームを生んだ伝説の男、西谷亮が挑むジャンルの再構築──『FIGHTING EX LAYER』にアリカが社運をかけて臨む理由【聞き手:「鉄拳」原田勝弘】 |url=https://news.denfaminicogamer.jp/interview/171212 |website=電ファミニコゲーマー – ゲームの面白い記事読んでみない? |date=2017-12-12 |access-date=2022-08-19 |language=ja |last=電ファミニコゲーマー編集部}}</ref>。
連続技とも関連する重要なテクニックとして、技のフォロースルーの途中から直接別の動作に移る'''キャンセル'''が発見された。なお、キャンセルしても連続技にはならず、ガードが間に合う場合もある。
 
また、攻撃が当たった際に双方の動きが一瞬止まる「ヒットストップ」は、『脱獄』(1988年)で飛び蹴りをした時の引っ掛かりをヒントに取り入れられた{{R|igcc20200125}}。さらに、「ガード」の概念は、『[[R-TYPE]]』(1987)におけるフォースをヒントに取り入れられた{{R|igcc20200125}}。
;キャンセル必殺技(必殺技によるキャンセル)
:通常技がヒットした瞬間に必殺技コマンドを完成させると、その通常技の動作を「キャンセル」して必殺技が出る。対戦の人気に火がつく前は、ボーナスステージの車壊しを早く終わらせるため、しゃがみアッパー昇龍拳が[[ハイスコアラー]]によって使われていた程度だった。開発者の意図せぬ動作([[バグ]])だったために修正する予定であったが、最終的にこの方が面白いと判断され、残された。厳密にはバグではなく必殺技を出しやすくするための仕様であったが大々的には公開されていなかった。<!-- なおシステムとして最初から組み込まれていない『ストリートファイターII』でも -->通常技を無制限にキャンセルできるわけではなく、キャラクターごとにキャンセル可能な技が決まっている。
;連打キャンセル
:通常技同士でもキャンセルが存在する。一部キャラクターの弱攻撃は連打するとモーションの引き際がキャンセルされ、すぐに次の弱攻撃が出る。しゃがみ弱パンチ→立ち弱パンチのような技を変えた連打キャンセルも成立する。なお弱攻撃→弱攻撃の連打キャンセルをすると、必殺技でキャンセルできなくなる。例えばリュウの場合、しゃがみ弱パンチは必殺技でキャンセル可能だが、しゃがみ弱パンチ→しゃがみ弱パンチ(連打キャンセル)→必殺技(キャンセル必殺技)といった動作はできない。ただし、しゃがみ弱パンチ→立ち弱パンチ(連打キャンセル)→必殺技(キャンセル必殺技)というように別の弱攻撃に変えて繋いだ場合は成立する。
;同時押しキャンセル
:処理の重複を回避するためのパンチ・キックを同時に押した際にパンチを優先する仕様と、連打キャンセルを複合した技。最も有名なのは、しゃがみ弱キックの後に立って弱キック・強パンチを同時押しすると、しゃがみ弱キック→立ち強パンチと連続で繋がる現象である(しゃがみ弱キック→立ち弱キックの連打キャンセルに、パンチを優先させる機能が割り込む)。リュウなどはその強パンチを必殺技でキャンセルできるため、ヒットすると多くの場合そのまま気絶まで持ちこめる。パンチボタンを変えて、しゃがみ弱キック→立ち中パンチやしゃがみ弱キック→立ち弱パンチなども可能。また立ち弱キック→しゃがみ弱キック、しゃがみ強パンチ(または弱パンチ、中パンチ)の連係も可能。広まりだしたのは『II'』後期から『II' TURBO』初期で、リュウ、ケン、ガイルでよく使用されたが、バイソンでも可能。『スパII』や『スパII X』では使用不可だが、『ハイパーII』では当時のシリーズのキャラクターで使用可能。
 
当初はキャラクターの特定の部位に弱点を設けることが検討されていたが、時期尚早だとして見送られた<ref>{{cite tweet|user=nin_arika|author=西谷亮|number=377792518718779393|accessdate=2022-08-05|title=そうですね、部位毎に弱点などを設定できるようにはしていました。|date=2013-09-11|accessdate=2022-08-22}}</ref>
=== 登場キャラクター ===
ところが、リュウだけ検証用の設定のままになっていたため、気絶時の被ダメージが大きくなる事象が発生した<ref>{{cite tweet|user=nin_arika|author=西谷亮|number=377767464404140033|title=リュウがピヨった時にたまに異常なダメージがはいるストⅡ。|date=2013-09-11|accessdate=2022-08-22|link=no}}</ref>。この事象はのちに「病気持ちのリュウ」とも呼ばれた。
==== デフォルトキャラクター ====
『II』でプレイヤーが使用可能なキャラクターは以下の8人。
*[[リュウ (ストリートファイター)|リュウ]] (RYU) {{Flagicon|JPN}}
*[[ケン・マスターズ|ケン]] (KEN) {{Flagicon|USA}}
*[[エドモンド本田]] (E.HONDA) {{Flagicon|JPN}}
*[[春麗]] (CHUN-LI) {{Flagicon|CHN}}
*[[ブランカ (ストリートファイター)|ブランカ]] (BLANKA) {{Flagicon|BRA}}
*[[ザンギエフ]] (ZANGIEF) {{Flagicon|USSR}}<!-- <ref group="注">開発中のキャラクター設定の最存在していたソ連もSFC発売時には崩壊。崩壊後もソ連出身を名乗っている。</ref> -->
*[[ガイル (ストリートファイター)|ガイル]] (GUILE) {{Flagicon|USA}}
*[[ダルシム]] (DHALSIM) {{Flagicon|IND}}
プレイヤーキャラクターが8人もいる点もさることながら、自分が選んだキャラクター以外が敵として登場するというアイディアも当時としては画期的であった。なお、リュウとケンは前作から続投しているので、本作から6人の使用キャラクターが追加されている。
 
==== ボスキャラクターセッティング ====
初代『ストリートファイターII』(以下『II』)の企画やキャラクターデザインを手がけた[[安田朗]]は、各キャラクターのインサイドストーリーを作ったものの、オープニングやエンディングなどに極力力を注がず、また映画的な手法でも表現しなかったと語っている<ref name="gamestmook17">ゲーメストムックVol.17『カプコンイラストレーションズ カプコンイラスト作品集』 新声社、1996年、11頁。</ref>。その理由は「ゲームの『戦い』の部分にすべてのパワーを注ぎたかったから」「『ゲーム』の部分の他にストーリーはいらなかったから」だとしている{{R|gamestmook17}}。『II』の劇場アニメ化の際にも「ストーリーに凝るなら、それより『ストリートファイト』という表現をしてほしい。なぜならストIIの登場キャラクターの接点は『ストリートファイト』というもののみだから」と説明している{{R|gamestmook17}}。このため、キャラクターの詳細な設定の中にはメディアミックスによって付与されたものやファンによる二次創作を初出とするものもある<ref name="Walkerplus20220721P1">{{Cite web |title=春麗が履く“タイツ”へのこだわりとは?格ゲーの金字塔「ストⅠⅠ」開発秘話を当時の制作スタッフに直撃!(1/2)|ウォーカープラス |url=https://www.walkerplus.com/article/1091546/ |website=Walkerplus|date=2022年7月21日 |access-date=2022-08-04 |language=ja}}</ref>。また、西谷の提案で、親近感を持たせるため、キャラクターの身長は低めに設定された{{R|shadolooo20160404}}。さらに、ドット作成に当たっては、細身にならぬよう横に太い量感を出すことが意識された{{R|shadolooo20160404}}。
対コンピュータ戦で敵として現れるプレイヤーが選択可能なキャラクター(『II』では自キャラクター以外の7人、『II'』以降は8人)を全て倒すと、以下の4人が順番に登場する。
*[[マイク・バイソン|M・バイソン]] (M.BISON) {{Flagicon|USA}}
*[[バルログ (ストリートファイター)|バルログ]] (BALROG) {{Flagicon|ESP}}
*[[サガット]] (SAGAT) {{Flagicon|THA}}
*[[ベガ (ストリートファイター)|ベガ]] (VEGA)
これら4人のボスキャラクターは「四天王」と呼ばれ、続編の『II'』でプレイヤーキャラクターとしての調整を加えた上で使用可能になった。
 
本作の登場キャラクターのうち、リュウとケン{{R|Walkerplus20220721P1|TVTokyo20181116}}、ならびにサガットは前作『ストリートファイター』からの続投である。
なお、本作の欧米版を製作する際、四天王のうちサガット以外は「M・バイソン→バルログ (Balrog)」、「バルログ→ベガ (Vega)」、「ベガ→M・バイソン (M. Bison)」と名前が交換された。名称変更の理由は、バイソンの姿と名前が実在するプロボクサーの[[マイク・タイソン]]に酷似しているので[[肖像権]]に配慮したためと、「ベガ」に[[こと座]]のイメージがあり、日本国外のマーケティングから見るとなよなよしているとされ、中性的なバルログにこの名前があてられたためである<ref>[https://web.archive.org/web/20071105080206/http://www.capcom.co.jp/sound/topics/tpcs1_2.html カプコン公式サイト ストリートファイターの歴史・座談会第2回(インターネットアーカイヴに保存されたもの)] - ここで名前の変更の経緯について触れられている。</ref>。[[ベガ (ストリートファイター) #名前]]の項も参照。
 
本作においては、初の女性プレイアブルキャラクターとして春麗が登場している。安田は女性キャラクターを導入した理由について、本来「格闘技世界一決定戦」にいないはずの女性を入れることでより楽しさを演出できると思ったとカプコン公式ホームページ内の『ストリートファイターII』開発者座談会で説明している<ref name="CapcomInterview">{{Cite web |title=ストリートファイターII開発者インタビュー |url=https://game.capcom.com/cfn/sfv/column/132581 |website=シャドルー格闘家研究所 |access-date=2022-08-04 |publisher=CAPCOM}}</ref>。
==== 業務用の追加キャラクター ====
『II' TURBO』までは上記の12人であったが、『スパII』では以下の新キャラクター4人が追加されている。この4人はデフォルトで選択可能。
*[[サンダー・ホーク]] (T.HAWK) {{Flagicon|MEX}}
*[[キャミィ]] (CAMMY) {{Flagicon|GBR}}
*[[フェイロン]] (FEI-LONG) {{Flagicon|HKG1959}}
*[[ディージェイ (ストリートファイター)|ディージェイ]] (DEE JAY) {{Flagicon|JAM}}
 
また、春麗のグラフィックについて、本作のタイトル画面を手掛けた岡野正衛は「春麗のタイツの表現にはとてもこだわっていました。{{Interp|中略}}当時は16色で色合いや質感を表現しており、タイツや立体感の表現にデザイナーの工夫と愛情が込められています」と説明している{{R|Walkerplus20220721P1}}。
『スパII』のバージョンアップ版である『スパII X』では条件を満たした時だけベガの代わりに出現する隠しボスとして、以下の新キャラクターが追加された。
*[[豪鬼]] (GOUKI) {{Flagicon|JPN}}
隠しコマンドを入力することでプレイヤーが豪鬼を使用することが可能(能力は幾分調整されている)。また、後期のコンシューマー版では最初から使用できるようになっているものもある。
 
リュウ、ケン以外は「獣人」や「軍人」「相撲取り」といったテーマに沿った草案をもとに、複数のドッターによるじゃんけんで誰が担当するかを決めた{{R|CapcomInterview}}。最初にじゃんけんに勝ったIKUSAN.Zは、もともとプロレスファンだったため、「プロレスラー」(ザンギエフ)を担当することになった。次いで、じゃんけんに勝った女性スタッフのERICHANは「相撲取り」(エドモンド本田)を担当し、最後に残った「獣人」(ブランカ)はPIGMONが担当した{{R|CapcomInterview}}。当初ブランカは肌色だったが、面白みがないということで緑色に変更された{{R|igcc20200125}}<ref name="shadolooo20160404">{{Cite web |title=ROUND 1:安田朗さん 後編 {{!}} ゲスト {{!}} 活動報告書 |url=https://game.capcom.com/cfn/sfv/column/100957 |website=CAPCOM:シャドルー格闘家研究所 |access-date=2022-08-19 |date=2016-04-04|publisher=CAPCOM}}</ref>。
==== 家庭用の追加キャラクター ====
一部のコンシューマー版の『スパII X』以降のバージョンでは以下の性能違いキャラクターが使用可能。
*[[豪鬼#真・豪鬼|真・豪鬼]] (SHIN GOUKI) {{Flagicon|JPN}}
 
さらに『ウルトラストリートファイターII』では後のシリーズ作品からの逆輸入として以下の性能違いキャラクター2人が追加。
*[[リュウ (ストリートファイター)#殺意の波動に目覚めたリュウ|殺意の波動に目覚めたリュウ]] (EVIL RYU) {{Flagicon|JPN}}
*[[ケン・マスターズ#洗脳されたケン|洗脳されたケン]] (VIOLENT KEN) {{Flagicon|USA}}
 
<!--草案には技の名前などの記載はあったものの、具体的な内容はドッターに任せられていた。-->
=== 追加されたゲームシステム ===
 
; キャラクターのカラー変更(『II'』以降)
(初代の時点では)非プレイアブルのボスキャラクターとしてシャドルー四天王を登場させた理由として、西谷はアクションゲームとしての遊び方を考えた際に、必要なボリューム数を満たすため、キャラクター選択画面で表示されている以外のキャラクターがいた方がよいと考えたと座談会の中で話している{{R|CapcomInterview}}。
: 同キャラ対戦の導入に伴い、スタートボタンでキャラクターを決定するとキャラクターのカラーリングを変更できるようになった。『スパII』では6個の攻撃ボタンとスタートボタンおよび任意のボタンを押しっ放しにすることによって8種類のカラーリングを選べる。『スパII X』では、キャラクター決定後に隠しコマンドの入力で『スパII』に準拠した性能のキャラクターも選べるため、2種類のカラーリングが追加され全10種類である。
前作『ストリートファイター』のボス・サガットを登場させるつもりではあったものの、それだけではつまらないため人数を増やした{{R|CapcomInterview}}。
; ゲームスピード(『II' TURBO』以降)
 
: 『II' TURBO』ではゲームスピードが高速になり、ゲーム性も大きく変化した。『スパII』では『II'』と同じスピードに戻ったが、『スパII X』などゲームスピードを変更できる作品もある(プレイヤーが選択可能な場合と、オペレータが設定したスピードに固定される場合がある)。
シャドルー四天王のうち、バルログのドットはKATURAGIが担当した{{R|CapcomInterview}}。KATAGIRIは後から開発チームに入った際、安田から「スペインまたはタイの忍者を描いてほしい」と言われ、後者の内容で描いたところ「『[[北斗の拳]]』の修羅の国編の序盤に出てくるようなスペインの忍者にしてほしい」と言われ、デザインを変更した{{R|CapcomInterview}}。ラスボスのベガは、春麗が戦う理由と関連づけるために「悪の帝王」として設定された{{R|shadolooo20160404}}。また、安田は開発当時タイが世界一格闘技の強い国であるという印象を抱いており、「悪の組織が資金力を用いて格闘技に特化した勢力を作った」という設定を持たせた。安田は2016年のインタビューの中で、ゲームの中にベガを登場させた際、ベガの身体が予想より小さい事に気づくと同時に、かっこいいと感じたとも振り返っている{{R|shadolooo20160404}}。
; ラウンド中のボーナス点(『スパII』以降)
 
: ラウンド中に特定のアクションを成功させると、ボーナス点を得る。
なお、本作の欧米版を製作する際、四天王のうち『ストリートファイター』からの続投であるサガット以外は、「M・バイソン→バルログ(Balrog)」、「バルログ→ベガ(Vega)」、「ベガ→M・バイソン(M. Bison)」と名前が交換された{{R|IGN20170602}}。名称変更の理由は、バイソンの姿と名前が実在するプロボクサーの[[マイク・タイソン]]に酷似しているので[[肖像権]]に配慮したため{{R|IGN20170602}}と、「ベガ」に[[こと座]]のイメージがあり、日本国外のマーケティングから見るとなよなよしているとされ、中性的なバルログにこの名前があてられたためである<ref>[https://web.archive.org/web/20071105080206/http://www.capcom.co.jp/sound/topics/tpcs1_2.html カプコン公式サイト ストリートファイターの歴史・座談会第2回(インターネットアーカイヴに保存されたもの)] - ここで名前の変更の経緯について触れられている。</ref>。
:* ファーストアタックボーナス - ラウンド開始後、最初に攻撃をヒットさせる。3000点。
 
:* リカバリーボーナス - 気絶状態から攻撃を受ける前に回復する。1000点。
本作に登場するキャラクターの音声やラウンドコールは声優ではなくすべてカプコンの社員が担当しており、たとえば春麗の声はERICHANが担当した{{R|Walkerplus20220721P1}}{{Efn2|ただし、IGNは宝島社の「ストリートファイター15周年最強読本」のスタッフインタビューおよびユーザからの情報を根拠として、ERICHANとは別の人物も春麗の声を当てていたと指摘している<ref name="IGN20170602">{{Cite web |title=30年の「ストリートファイター」、気になる20の裏話 |url=https://jp.ign.com/street-fighter-30-years/13920/feature/3020 |website=IGN Japan |date=2017-06-02 |access-date=2022-08-07 |author=クラベ・エスラ }}</ref>。}}。
:* リバーサルアタックボーナス - 硬直状態が解けた直後に必殺技を出す。1000点。
また、声の良さを見込まれて他の部署から呼ばれたケースもあった{{R|Walkerplus20220721P1}}。
:* コンボボーナス - 連続攻撃を成功させる(コンボ数が表示される)。得点は連続技によって異なる。
このようなこともあって、キャラクターのイメージと実際の音声が異なると指摘する者もおり、たとえば、前述の春麗の場合、険しい顔つきや筋肉質な脚部とは裏腹に、勝利デモでは「ヤッター」とかわいい声をあげている{{R|Walkerplus20220721P1}}。
:* スーパーコンボボーナス(『スパII X』以降) - スーパーコンボをヒットさせる。得点はヒット数によって異なる。
 
; スーパーコンボ(『スパII X』以降)
『ストリートファイターII' TURBO』(以下『II' TURBO』)までにおけるオープニングデモに登場した2人の無名キャラクター(白人<ref name="Scott">[http://game.capcom.com/cfn/sfv/column-100906.html キャラ図鑑050:スコット|キャラ図鑑|活動報告書|CAPCOM:シャドルー格闘家研究所]</ref>と黒人<ref name="Max">[http://game.capcom.com/cfn/sfv/column-100887.html キャラ図鑑051:マックス|キャラ図鑑|活動報告書|CAPCOM:シャドルー格闘家研究所]</ref>)がストリートファイトを行っている描写があり、『[[ストリートファイターV]]』の公式ホームページ「シャドルー格闘家研究所」の「キャラ図鑑」にて個人プロフィールが明かされている。
: 略称'''スパコン'''。既存の必殺技により構成される連続攻撃である。
 
: 攻撃を当てたり、必殺技を出したりすると画面下にあるスーパーコンボゲージが溜まる。最大まで溜まると「SUPER」と表示され、その状態でコマンドを入力すると、ゲージを全て消費してスーパーコンボを出す。後の作品のようにスーパーコンボで必殺技をキャンセルすることはできないが、通常技のキャンセルで連続技に組み込むことは可能。
シリーズの派生作品を発売するたびにデザインを変えて区別をつけてきたものの、キャラクターの配色には特に苦労したと岡野は振り返っている{{R|Walkerplus20220721P1}}。
: スーパーコンボで相手を倒した場合、背景に旭日が光り輝くような「あけぼのフィニッシュ」と呼ばれる演出が入る。
たとえば、ガイルの場合、着用している迷彩服の一部に肌と同じ色が用いられているため、服の色を変えたつもりが肌の色まで変わってしまい、開発スタッフから「ゾンビガイル」というあだ名がついたこともあったという{{R|Walkerplus20220721P1}}。
; 投げ受け身(『スパII X』以降)
 
: 投げられた瞬間にこちらからも投げコマンドを入力すると、投げ飛ばされてもダウンせずに着地し、ダメージを軽減できる。ただし投げ飛ばさない掴み技には効果がない。
=== 音楽 ===
: 『ハイパーII』では、双方共に『スパII X』の性能のキャラクターを選択した場合のみ、投げ受け身ができる。
BGM担当者の一人である阿部功は、本作での作曲方法について、イメージをシーケンサーで作った後に「五線譜エディター」と呼ばれるツール向けに改作していたと座談会の中で説明している<ref name="CapcomSound3">[https://web.archive.org/web/20071111064148/http://www.capcom.co.jp/sound/topics/tpcs1_3.html カプコン公式サイト ストリートファイターの歴史・座談会第3回(インターネットアーカイヴに保存されたもの)]</ref>。「五線譜エディター」にはサウンド再生機能がないため、筐体に入れるROMへの書き込みを繰り返しながら試行錯誤していったと阿部は振り返っている{{R|CapcomSound3}}。
: 技後の硬直中であっても投げ受け身は可能である(代表的な例として挙げるなら「昇龍拳」など上昇系必殺技後の着地を狙われた状況など)。
 
; 空中コンボ(『スパII X』以降)
また、初代『ストII』(アーケード版)ではFM音源だったのに対し、それ以降の作品ではPCM音源が採用された{{R|CapcomSound3}}。阿部はもともとFM音源になれており、(スーパーファミコン版『ストII-』の音楽も手掛けていたとはいえ)、アーケード向けのPCM音源の不安定さなどに戸惑ったと座談会で振り返っている{{R|CapcomSound3}}。
: 『スパII』までは原則として空中では一度しか攻撃を食らうことがなかったが、『スパII X』で追加された一部の通常技・必殺技やスーパーコンボは空中コンボ判定を持ち、空中で複数回ヒットする。ヒットさせると相手が着地するまでに空中コンボ判定の技で1-2ヒット追撃可能な状態になる。
 
: リュウやベガの斜めジャンプ中パンチ、春麗の天昇脚、ディージェイのジャックナイフマキシマムなどが該当。
もう一人のBGM担当者である[[下村陽子]]はもともと家庭用ゲーム機用ソフト志望だったが先輩の勧めでアーケードゲームの作曲にかかわった経緯があり、その流れで本作に参加した<ref name="Niconico20180709">{{Cite web |title=『ストリートファイターII』作曲者・下村陽子が明かす「ブランカのテーマ」制作秘話…誕生のヒントは“黄緑の紙袋”にあった |url=https://originalnews.nico/111619 |website=ニコニコニュース オリジナル |access-date=2022-08-07 |date=2018年7月9日}}</ref>。下村は、6月26日放送の『THE JASRAC SHOW!』のvol.68内で行われた[[大森俊之]]との対談の中で、最初にキャラクターのテーマソングを作るという話を気化された際は、そのような経験がなかったため不安だったと振り返っている{{R|Niconico20180709}}。この時点でゲームのグラフィック制作はある程度進んでおり、その内容が世界各国のステレオタイプに近かったため、「日本人がイメージした○○」というコンセプトで制作した{{R|Niconico20180709}}。また、カプコン社内には[[民族音楽]]に関する資料もあったため、それをもとに味わいを持たせたと振り返っている{{R|Niconico20180709}}。下村が手掛けた曲のうち、ブランカのテーマ曲は「アマゾンの奥地で育った野生児」というキャラクター設定から、[[コンガ]]をはじめとする[[パーカッション]]を主体としたリズム構成はすぐできたものの、それに載せるためのメロディがなかなか思い浮かばなかった{{R|Niconico20180709}}。そんな中、電車の網棚に乗っていた黄緑色の紙袋からメロディを思いついたと下村は振り返っている{{R|Niconico20180709}}。
 
== シリーズ(アーケード版) ==
=== ストリートファイターII -The World Warrior- ===
; ([[1991年]]3月<ref name="AA">{{Cite book|和書|year=2000-09-15|title=ALL ABOUT カプコン対戦格闘ゲーム 1987-2000|page=14-27|publisher=[[電波新聞社]]|isbn=978-4-8855-4676-1}}</ref>)
: アーケードゲーム基板[[CPシステム]]用ゲームソフト第14弾。発売当時は今までの対戦型格闘ゲーム(特に前作)同様、CPU戦を中心に制作されており、対戦はそれほど考慮されていなかった。そのためキャラクターの相性が極端であったり<!--、ガード状態から投げることも出来たり -->、気絶状態になるまで弱攻撃が連続で入り続けたりした。また、前述の「病気持ちのリュウ」に加え、ガイルの「[[ガイル (ストリートファイター) #バグ技|真空投げ]]」{{Efn2|一定の間合いに入れば、相手の状態に関係なく投げが成立する事象<ref>{{Cite web |title=「ストリートファイター」シリーズ12タイトルが集結! 一足先に海外版をプレイ! 「Street Fighter 30th Anniversary Collection」 Street Fighter 30th Anniversary Collection |url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/review/1128183.html |website=GAME Watch |date=2018-06-19 |access-date=2022-08-04 |publisher=インプレス}}</ref>。初期に生産された[[アーケードゲーム基板|基板]]のみ存在。}}と呼ばれるバグ技をはじめ、システムや演出面においても粗があった。
: タイトルロゴのカラーは上から黄色 - 赤色([[グラデーション]]以下同じ)を基調としている。
: また、システムや演出面で以下のような粗もあった。
: なお、サブタイトルは『The World Warrior』だが、ROM内のキャラクターデータは『The World Warri'''e'''r』と綴りを間違えている。西谷はロケテスト開始前の時点でこのミスに気付いていたものの見て見ぬふりをしていたが、最終マスターアップの3日前に判明したため修正が行われ、タイトル画面に表示する際は「e」の上に別のデータを重ねることで「o」に見えるようにして無理やり対応している<ref>月刊ゲーメスト増刊『ストリートファイターII』、1991年10月1日発行、新声社。</ref>。
:*「[[ガイル (ストリートファイター) #バグ技|真空投げ]]」と呼ばれるバグ技の存在(初期に生産された[[アーケードゲーム基板|基板]]のみ)。
:*勝利・エンディングのメッセージが全て平仮名、濁点も1文字扱い(『II'』以降は漢字・片仮名混じりになったが、濁点の1文字扱いは『II' TURBO』まで続く)。
:*スタッフロールで流れるBGMがコンティニュー時のもの(『II'』以降は専用のBGMが用意された)。
:*残り体力0でもパーフェクトボーナスが得られる場合がある。残り時間が僅か、残り体力も僅か(投げ1回でKOになる程度)な状況で、体力の少ない側が、発動からダメージ発生までに時間のかかる技(主に投げ)を仕掛ける。すると体力が0未満となるが、時間切れによる判定勝ちと見なされて体力0で勝利する場合、この現象が起こる。
:*一部キャラクターの必殺技や特定状態時に、反撃を受けるとそのダメージが通常よりも大きくなる(カウンター)ものが存在する。『II'』以降ではこの現象はなくなっている。
:**カウンターを受ける必殺技および特定状態: ブランカのローリングアタック(技中)、M・バイソンのターンパンチ(体を捻っている間)、バルログのフライングバルセロナアタック(空中にいる間)、サガットのタイガーアッパーカット(技中)、ベガのサイコクラッシャー(突進時のみ。出かかりや着地時はない)。リュウのスタン(気絶)状態(AC版のみでSFC版は適用外。また体が「前のめり」になっているモーションのみで「後ずさり」モーションは適用外)<ref group="注">『ハイパーストリートファイターII』でのNORMAL仕様キャラクターでも当該キャラクター(リュウ・ブランカのみで、NORMAL仕様の四天王は選択および使用不可であるため実証は不可)には当時と同じくカウンターが適用されている。</ref>。
:*相打ちや引き分けが続いた場合、最大10ラウンドまでプレイできる。10ラウンド目はファイナルラウンド (F.ROUND) と呼ばれ、それまでの勝ち状況にかかわらず双方1本ずつ取った状態でラウンドが始まり、それでも引き分けて決着がつかなかった場合は双方ゲームオーバーとなる<ref group="注">ディップスイッチでコンティニュー不可に設定されていなければ両者ともコンティニュー可能。コンティニュー画面の演出には1Pの顔グラフィックのみが表示される。ただし、初代『II』に限り、2クレジットを投入して2Pスタートボタンでゲーム開始していた場合(乱入なしに対戦になる)は、設定にかかわらずコンティニュー不可設定と同じ演出となり即ゲームオーバーとなる。</ref>。ところが、8ラウンド目まで相打ちや引き分けが続き、9ラウンド目で1P側が勝利し(この場合、10ラウンド目が双方1本ずつ取った状態にならない)10ラウンド目で2P側が勝利すると、リセットが掛かる。また、家庭用移植版では4ラウンド目に変更されている。
:*CPU戦で春麗使用時のみ、タイムオーバー後に敵を踏み続ける[[永久パターン]]が構築された。
:*技表の必殺技コマンドや技名の誤記があった。
:*本作のみプレイヤーキャラクターを除く他のキャラクターが全てCPU対戦相手として登場し、自分以外の選択可能な7人+選択不可能(四天王)な4人の計11人に勝てばエンディングとなる。
:*コンティニュー後もしくは乱入時でのキャラクターセレクト画面では既に倒しているキャラクターカーソルが[[モノクローム|白黒]]になっているが問題なく選択可能で、プレイヤー決定時には該当するキャラクターは白黒から元のカラーに戻る(『II' TURBO』まで共通)。
: タイトルロゴのカラーは上から黄色〜赤色([[グラデーション]]以下同じ)を基調としている。
: なお、サブタイトルは『The World Warrior』だが、ROM内のキャラクターデータは『The World Warri'''e'''r』と綴りを間違えている。ゲームデザイナーのNIN([[西谷亮]])はロケテスト開始前の時点でこのミスに気付いていたが、黙っていた。しかし最終マスターアップの3日前にバレたため修正が行われ、タイトル画面に表示する際は「e」の上に別のデータを重ねることで「o」に見えるようにして無理やり対応している<ref>月刊ゲーメスト増刊『ストリートファイターII』、1991年10月1日発行、新声社。</ref>。
 
=== ストリートファイターII'(ダッシュ) -CHAMPION EDITION- ===
; ([[1992年]]4月<ref name="{{R|AA"/>}}
: 対戦部分での改良とバランス調整に主眼を置いて開発された。初代ではCPU専用だった四天王がプレイヤーキャラクターとして使用可能になり、同キャラクター対戦も可能になった他、リュウとケンの性能も異なるようになった。本格的な新作ではなかったため仕様変更の苦労が多く、例えば四天王のアニメパターンの追加でメモリ容量を空けるために、ボーナス一部ステージ(樽壊し)機械オブジェクトサガットステージの椰子の木のグラフィック、リュウステージの「風林火山」の看板がカットされた。これ以外にもキャラクターの顔グラフィック(ポーズは同じであるが、ケンと初代『ストII』でのCPU時代も含むサガット以外のほとんどのキャラクターは顔表情が前と異なっている)、技モーションのグラフィック(ガイルの中足払いのグラフィックなど)、ステージの背景色やエンディングのグラフィック(特にケンステージは前作と顕著である)など、多くの修正が入った。本作以降はファイナルラウンドが第4ラウンド目に変更され(前作では10ラウンド目だったためまず起こりえなかった。そのため雑誌などでは本作の新要素として紹介された)、プレイ内容がいかなるものであっても1点も得点が加算されなくなった。また、必殺技でKOすると通常の3倍の得点が入るようになった<ref>{{Cite book|和書|title=[[ファミ通|増刊ファミコン通信]] 攻略スペシャル|year=1993-06-11|publisher=株式会社アスキー|page=172-173}}</ref>
;開発
: 『II'』においてもハメ技は多く、ベガのダブルニーハメやサイコ投げなどはその代表例であり、これらの永久パターンが対戦台に水を差すなど、ゲームセンターによっては「ベガ使用禁止」の制限はあったが、対戦台はどこでも人だかりができる大変な人気で、お互いが別々の筐体同士で戦う形態での対戦台も広く普及した。
:対戦部分での改良とバランス調整に主眼を置いて開発された。西谷は大堀とのインタビューの中で、『ストII』の好評を受けてバージョンアップ版の発売を認められた際はうれしかったが、少し技を変えただけの基板を発売することに罪悪感を感じたため、四天王のプレイアブル化などの要素を追加したと振り返っている{{R|igcc20200125}}。
:* 前作からの変更点として、本作以降は同キャラ戦が可能となっており、エンディングまでに要するCPU対戦相手は同キャラ戦が加わった計12人となっている。CPUの初戦の相手は初代同様ランダムで決定されるが、登場順はキャラクター選択画面の並び順通り(世界地図を左回りする順番)という1パターンのみとなった(上列のリュウからガイル、下列のケンからダルシムの順でループ、全員倒すと四天王)。ベガ以外のキャラクターは対戦で倒されるとCPUも倒された扱い(=前作同様キャラクターカーソルが白黒になる)となり、登場順が飛ばされる。
;反響
:* 細かな部分では、体力ゲージのキャラクター名称表示が2Pカラー選択時は青色(1Pカラー選択時は前作同様赤色)となっており、次作『II' TURBO』も同様。
: 『II'』においてもハメ技は多く存在しており、特にベガはダブルニーハメ{{Efn2|ダブルニープレスと特定の動作を延々と続け、相手に何もさせないようにする戦法 {{R|Inside20220227}}。}}やサイコ投げ{{Efn2|サイコクラッシャーアタックで接近し、強制的に投げを狙う戦法<ref name="Inside20220227">{{Cite web |title=画面ではベガが飛び、リアルでは灰皿が飛ぶ!?『ストII』初期のベガがエグいくらいに強かった |url=https://www.inside-games.jp/article/2022/02/27/137028.html |website=インサイド |access-date=2022-08-05 |date=2022.2.27|author=蚩尤}}</ref>}}といったハメ技により、一部のゲームセンターでは使用を禁じられていた{{R|Inside20220227}}。
:*(ピヨり)気絶しにくくなっており、攻撃力も全体的に小さくなっている。
:タイトルロゴのカラーは上から黄色 - 黄緑色 - 緑色 - 青色を基調としている。
:*相手にダメージを与える部分や相手からダメージを受ける判定部分が細かく設定し直されている。
:;海賊版
:*相手を必殺技でKOすると3倍の得点が入る<ref>{{Cite book|和書|title=[[ファミ通|増刊ファミコン通信]] 攻略スペシャル|year=1993-06-11|publisher=株式会社アスキー|page=172-173}}</ref>。
::本バージョンは違法に改造した[[海賊版]]が出回っており、カプコンが業界紙「[[ゲームマシン]]」(1993年1月発行)に注意喚起広告を出すほどだった<ref>{{Cite news|和書|title=謹告|newspaper=ゲームマシン|url=https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19930101p.pdf|format=PDF|agency=[[アミューズメント通信社]]|issue=441|page=8|date=1993-01-01,15|accessdate=2021-03-11}}</ref>{{Efn2|ライターのDamien McFerranはレッドブルに寄せた記事の中で、初代『ストII』の時点から海賊版が存在していたと指摘しており、その中にはシャドルー四天王を操作できるものもあったことから、『II'』の登場自体も海賊版対策だったと推測している{{R|Redbull20171019}}。}}。
:* 多くのステージがカラーパレットを変更しており、時間帯や色調のイメージを変えている。
::この海賊版は「レインボー」{{Efn2|タイトルロゴが虹色であることに由来する{{R|excite20181127}}。}}、「スーパー」や「ハイパー」といった様々な呼称が存在していた<ref name="excite20181127">{{Cite web |title=ストリートファイターII’(ダッシュ)にはその昔、レインボーと名付けられた海賊版が存在した |url=https://www.excite.co.jp/news/article/E1542886821269/ |website=エキサイトニュース |access-date=2022-08-06 |date=2018年11月27日}}</ref>。これらの海賊版の主な特徴としては、バトル途中にキャラクターを変更できることや、飛び道具を持っていないキャラクターが技を繰り広げる際に、別のキャラクターの飛び道具も一緒になって飛んでくること{{Efn2|例えば、ザンギエフのダブルラリアットで波動拳が飛んでくる{{R|excite20181127}}。}}が挙げられる{{R|excite20181127}}。
:* タイトルロゴのカラーは上から黄色〜黄緑色〜緑色〜青色を基調としている。
 
=== ストリートファイターII' TURBO(ダッシュターボ) -HYPER FIGHTING- ===
; (1992年12月<ref name="{{R|AA"/>}}
: 『ストリートファイターII'』は違法に改造した[[海賊版、特に『{{仮リンク|不正品(海賊版)ストリートファイターII レインボー|en|Street Fighter II: Rainbow Edition}}』対策のために作られた[[バージョン]]が出回ったといわれる<ref name="PolygonSF2OralHistory4">{{Citecite web news|和書last1=Leone |titlefirst1=謹告Matt |newspapertitle=ゲームマシンStreet Fighter 2: An Oral History|url=https://onitamawww.tvpolygon.com/gamemachinea/pdfstreet-fighter-2-oral-history/19930101p.pdfchapter-4 |format=PDF|agencywebsite=[[アミューズメント通信社Polygon]]|issue=441|page=8|date=1993-01-01,15 |accessdate=20212022-0308-1118}}</ref>ため、それを一掃するために作られた[[バージョン]]といわれる。『II』から『II'』へ改良された時ほどではないが、更に対戦のバランス調整に手が加えられているためキャラクターの強さは『II'』の時と違っている。外見より内容の洗練に力を入れたマイナーチェンジ版<ref>{{Cite book|title=電撃王|date=1993年3月1日|year=1993|publisher=メディアワークス|page=142}}</ref>『ゲーメスト』増刊『スーパーストリートファイターII』ムックの開発者コメントには「開発開始は次の『スーパーストリートファイターII』の方が先であった」とある。開発は日本で行われたが、販売は日本国外の方が先であった。
: 当時同時押しキャンセルというテクニックが発見され、相手に行動の余地を与えずに技と技をつなぐ一つの強力なコンボ(連続攻撃)が使われるようになった<ref>{{Cite book|和書|title=週刊ファミ通4月23日号|publisher=株式会社エンターブレイン|date=2004-04-09|page=133}}</ref>。
: 『II'』から一部キャラクターに新必殺技を追加、キャラクター間のバランスが調整され、ゲーム全体のスピードが高速化された{{R|igcc20200125}}。また本作以降は全体的に攻撃力が低めに調整されるようになった。本作のみベガ以外のキャラクターは2Pカラー(『II'』のものとも異なる)がデフォルトとなっている。
:;開発
: タイトルロゴのカラーは上から桃色〜黄色を基調となっており、「TURBO」は全て赤一色となっている。なお家庭用移植版では「TURBO」はタイトルロゴと同じ上から桃色〜黄色となっている。
::西谷は『II' TURBO』の開発にはかかわっていないとしつつも、当初ゲームスピードの高速化には反対していたが、いざ遊んでみたら刺激的だったと大堀とのインタビューの中で振り返っている{{R|igcc20200125}}
: タイトルロゴのカラーは上から桃色 - 黄色を基調としており、「TURBO」は全て赤一色となっている。なお家庭用移植版では「TURBO」はタイトルロゴと同じ上から桃色 - 黄色となっている。
: 日本国外版のタイトル名は「TURBO」が付かない『[[:en:Street Fighter II|Street Fighter II' -HYPER FIGHTING-]]』(ストリートファイターツーダッシュ ハイパーファイティング)となっている。
 
=== スーパーストリートファイターII -The New Challengers- ===
; ([[1993年]]10月<ref name="{{R|AA"/>}}
: 新キャラクターとして、T・ホーク、フェイロン、キャミィ、ディージェイの4人が追加され、カラーも8色に増えた。なお前作(『II' TURBO』)までのキャラクターのカラーは弱パンチがデフォルトカラー、中パンチがダッシュカラー(ただしガイルのみ色が違う)、強パンチがターボカラー(ただしM・バイソンのみ色が違う)となっていて、それ以外ボタンの5色は本作で追加されたカラーとなる。
: 新キャラクターの4人(T・ホーク、フェイロン、キャミィ、ディージェイ)が追加され、カラーも8色に増えた。なお前作(『II' TURBO』)までのキャラクターのカラーは弱パンチがデフォルトカラー、中パンチがダッシュカラー(ただしガイルのみ色が違う)、強パンチがターボカラー(ただしM・バイソンのみ色が違う)となっていて、それ以外ボタンの5色は本作で追加されたカラーとなる。本作から基板に[[CPシステムII]]を採用し、それに合わせてグラフィック、サウンド(Qサウンド採用)なども改めて作り直された。BGMは1、2ラウンド間は止まらずに通しで流れるように変更され、一部を除くキャラクターの声が一新され(例としてリュウ、ケンなど前作までほとんどの男性キャラクターで共通になっていたボイスが区別化された)、またラウンドコールなどのアナウンスボイスも改めて新録された。前作(『II' TURBO』)以前で投げ技を仕掛けた際に気合ボイスが無かったキャラクターにも今作(スーパー)以後は全て気合ボイスを発するように変更されている(ガイル、ダルシム、ベガなど)。また投げ技を仕掛けた際の気合ボイスは前作以前では一律掴んだ瞬間であったのが一部を除き投げ飛ばす時にタイミングが変更されている(例えばリュウの場合、『II' TURBO』以前では投げ成立瞬間に気合ボイスを発していたが、『スパII』以降は放り投げる時に気合ボイスを発するなど)。なおCPUダルシムとCPUベガのみ掴んだ瞬間に気合ボイスを発する(プレイヤー操作版では投げ飛ばす時に気合ボイスを発する)。前作までの一部のキャラクターの技グラフィックが新たに修正・変更されている(主に四天王全般で、特にバルログとサガットのジャンプ攻撃が両者共パンチボタンによる攻撃が全てキック技であったことや、バイソンとベガの技モーション全てが同じで速度や持続のみ異なっていただけであったのが本作以降は各技毎に専用モーションとなっているなど大幅にリニューアルされている)。波動拳やソニックブームなどの飛び道具を撃つ際に風切り効果音が出るようになった。気絶が発生すると、前作までは一度ダウンして起き上がった時に気絶を知らせるエフェクトが出ていたが、本作以降は吹き飛んだ時点で気絶を知らせるエフェクトが出るように変更されている。特定アクションによるボーナス点や、コンボの際のコンボ数の表示が導入され、4ラウンド目(最終ラウンド)でもコンボなどのテクニカルボーナスは加算されるようになった(通常の得点は入らない)。キャラクターの動作速度は『II』『II'』の頃に戻った。
:本作から基板に[[CPシステムII]]を採用し、それに合わせてグラフィック、サウンド(Qサウンド採用)なども改めて作り直された。BGMは1、2ラウンド間は止まらずに通しで流れるように変更され、一部を除くキャラクターの声が一新され(例としてリュウ、ケンなど前作までほとんどの男性キャラクターで共通になっていたボイスが区別化された)、またラウンドコールなどのアナウンスボイスも改めて新録された。
:*エンディングまでに要するCPU対戦相手はこれまで通り計12人で、初代から選択可能な8人は原則的に同キャラ戦が無く、本作から参戦したキャラクターおよび四天王のみ同キャラ戦が発生する<ref group="注">ただしコンティニューなどで該当するキャラクターに変更した場合のみ同キャラ戦が発生する。</ref>。
:前作までの一部のキャラクターの技グラフィックが新たに修正・変更されている。気絶が発生すると、前作までは一度ダウンして起き上がった時に気絶を知らせるエフェクトが出ていたが、本作以降は吹き飛んだ時点で気絶を知らせるエフェクトが出るように変更されている。特定アクションによるボーナス点や、コンボの際のコンボ数の表示が導入され、4ラウンド目(最終ラウンド)でもコンボなどのテクニカルボーナスは加算されるようになった(通常の得点は入らない)。キャラクターの動作速度は『II』『II'』の頃に戻った。
: 専用の基板<ref group="注">『スーパーストリートファイターII -The Tournament Battle-』([[CPシステムII#概要|Bボード]])『スパII』のBボードとしても使用できた。出荷数が少なく、現在入手は非常に困難。</ref>を4枚接続して設定すれば、CPUを含めて8人での[[スイス式トーナメント|スイスドロー]]方式による[[トーナメント方式|トーナメント戦]]ができたが、席移動をしなければいけなかったり、最高でも5ラウンド戦っただけでゲームオーバーになるなどの理由で、ほとんど普及しなかった<ref group="注">『スパII』の開発中期に急遽仕様に追加され、後期になっても仕様変更が続いたとのこと。出典は『スーパーストリートファイターII アーケード ゲームトラック』 (SONY RECORDS SRCL-2822) の添付ブックレット。</ref>。
:*エンディングまでに要するCPU対戦相手はこれまで通り計12人で、初代から選択可能な8人は原則的に同キャラ戦が無く、本作から参戦したキャラクターおよび四天王のみ同キャラ戦が発生する{{Efn2|ただしコンティニューなどで該当するキャラクターに変更した場合のみ同キャラ戦が発生する。}}。
: タイトルロゴのカラーは初代『II』と同様上から黄色〜赤色で「SUPER」は赤い炎となっている。
: タイトルロゴのカラーは初代『II』と同様上から黄色 - 赤色で、「SUPER」は赤い炎となっている。
:;開発
::安田は2016年のインタビューの中で、開発当初はキャラクターを4人追加すべきだと主張していたものの、フェイロンとディージェイについては難産だったと振り返っている{{R|shadolooo20160404}}。これらのキャラクター群について、安田は『ストII』よりリアルな設定にしようとしたため、どこか面白みに欠けるとも述べている{{R|shadolooo20160404}}。
::ブランカのドッター<!--PIGMONのこと?-->がカプコンを退社したため、安田が代行した{{R|shadolooo20160404}}。
::また、開発中期に専用の基板{{Efn2|『スーパーストリートファイターII -The Tournament Battle-』([[CPシステムII#概要|Bボード]])『スパII』のBボードとしても使用できた。出荷数が少なく、現在入手は非常に困難。}}を4枚接続して設定すれば、CPUを含めて8人での[[スイス式トーナメント|スイスドロー]]方式による[[トーナメント方式|トーナメント戦]]が急遽導入された、後期になっても仕様変更が続いた<ref name="SRCL-2822">『スーパーストリートファイターII アーケード ゲームトラック』 (SONY RECORDS SRCL-2822) の添付ブックレット。</ref>。
:;反響
::専用基板によるスイスドロー方式のトーナメント戦は、席移動を要したり、最高でも5ラウンド戦っただけでゲームオーバーになるなどの理由で、ほとんど普及しなかった{{R|SRCL-2822}}。
::対戦型格闘ゲームとして内容がよく練られてあり、営業成績でもそこそこの結果を出した。しかし、CPシステムII自体の開発と平行して製作されていたという事情もあり、同時期に[[SNK (1978年設立の企業)|SNK]]よりリリースされた『[[餓狼伝説スペシャル]]』など同カテゴリーの他作品と比較すると、相対的には視覚効果が最も地味な作品となった。その現状を[[岡本吉起]]は「こりゃまずいな」と感じたと後のインタビューで語っている{{要出典|date=2022年8月}}。
 
=== スーパーストリートファイターII X -Grand Master Challenge- ===
; ([[1994年]]3月{{R|AA}}{{Efn2|ゲーム専門サイト「インサイド」の「あけぼのフィニッシュ」の記事では1994年4月に発売されたと記載されている<ref name="Inside20140826">{{Cite web |title=【今日のゲーム用語】「あけぼのフィニッシュ」とは ─ 出来ればこれで勝ちたい、爽快感極まる演出 |url=https://www.inside-games.jp/article/2014/08/26/79838.html |website=インサイド |access-date=2022-08-20 |date=2014.8.26 |author=臥待 弦}}</ref>。}})
; ([[1994年]]3月<ref name="AA"/>)
: 『スパII』からわずか半年での新作となり、これまで『スパII』を稼働させていたゲームセンターのほとんどが『スパII X』に入れ替えられた。
:多くのキャラクターで通常技・必殺技が追加・変更され、さらに本作よりスーパーコンボや空中コンボ属性、投げ受身(『スパII』仕様では不可)が登場した。このうち、新キャラクターの豪鬼も隠しボスとして登場<ref group="注">した{{Efn2|最終ステージに到達した時点で、それまでの各ラウンド終了までに要した時間の総和や得点などの条件を満たした場合、ベガの代わりに登場。なおCPUの豪鬼(後に真・豪鬼と呼ばれた)とプレイヤー仕様の豪鬼とでは、キャラクター能力が若干異なる。</ref>}}。ゲームスピードを変更でき、しかもゲームスピードをプレイヤーが選択可能なようにオペレーターが設定できる(選択可能な設定で営業使用された場合が多かった)。また、ボーナスステージが削除された。細かな部分で
:演出面においては、体力ゲジの下にキャラクタの顔グラフィックが表示されるようになった(豪鬼のみ黒塗り)。キャラクター選択時のBGMは「TURBO」まコンボのオープニングのBGMのキー相手変え倒しもの背景が更されてい化す。勝利メ「あけぼのフィニセージ画面がこれまで黒一色だったのが紫色で「SUPERシュの文字流れる背景に変更導入された{{R|Inside20140826}}
: 上記のような大幅な仕様変更に、カプコン最終デバッグチームによる執拗なまでのテストプレイの連続が結実して、ゲーム『ハイパーII』が稼働開始されるまでは現役で[[ゲームセンター]]で稼動していた。プレイヤーのカラーパターンは通常の8色と『スパII』仕様の2色(実際には『スパII』のものとも微妙に異なる)の合計10色。前作(『スパII』)での弱パンチ(デフォルト)カラーのみ変更されており、それらは『スパII』仕様を選択した場合に使用ができる。
: アーケードゲームとしては異例の<ref group="注">{{Efn2|業務用ゲームに関わるCMは、多くが自主規制の対象であり、また費用対効果が期待できないため、現在でも深夜帯以外の放送は困難(アミューズメント施設に関しても、当時は深夜帯以外は放送することが難しかった)。ただしCPシステムが登場した当時、深夜帯を中心に企業広告 (CI) として、直接ゲームに触れず部分的にフィーチャーする形で、業務用ゲーム機を扱ったCMを出したことはある。</ref>}}テレビCMが放映された。日本国外版タイトルは『[[:en:Super Street Fighter II Turbo|Super Street Fighter II TURBO]]』。
: タイトルロゴのカラーは『II' TURBO』とは逆に上から黄色 - 桃色で「SUPER」は青い炎となっている。
 
=== ハイパーストリートファイターII -The Anniversary Edition- ===
; ([[2004年]]10月19日配信開始<ref name="famitsu20141009">{{Cite web |title=『ハイパーストリートファイターII』が“カプコン格ゲー復刻プロジェクト”第1弾として配信スタート |url=https://www.capcom-gamesfamitsu.com/cfcnews/ja-jp/title201410/hsf209063185.html |titlewebsite=カプコンファイティングコレクション公式サイトミ通.com |publisher=CAPCOM|accessdateaccess-date=2022-0708-0418 |date= 2014.10.09 }}</ref>)
: システムは『スパII X』に準拠し、『II』から『スパII X』までの全シリーズ(下から順にNORMAL、DASH、TURBO、SUPER、SUPERXが選択、日本国外ではNORMAL、CHAMP、TURBO、SUPER、SUPERTの順)の最終バージョンにおけるキャラクターを使用できる({{Efn2|一部修正が入ったキャラクターもいる。}}を使用可能であり、「初代『ストII』のリュウと『スパII』のケン」というように、作品の垣根を超えたキャラクター同士の対戦も可能である{{R|famitsu20141009}}{{Efn2|『II'』の2Pカラーと『スパII』の中パンチボタンカラーの同時選択および『II' TURBO』の1Pカラーと『スパII』の強パンチボタンカラーの同時選択は不可能である。またNORMALの1P、『II'』の1P、『II' TURBO』の2P、『スパII』の1Pと『スパIIX』準拠の『スパII』キャラクターの1Pカラーの同時選択、そしてNORMALの2P、スーパーの2PとX準拠のスーパーキャラクターの2Pカラーの同時選択も不可能である。}}。『スパII』『スパIIX』のキャラクターカラーは前作と同じで、『II'』『II' TURBO』のキャラクターカラーはオリジナルに準拠している。またキャラクターボイスは『II』(ノーマル) - 『II' TURBO』と『スパII』『スパIIX』の2種類で各仕様選択時に各々決定され、同様に攻撃を繰り出した際のヒット音やガード時の効果音、投げ技などの気合ボイス(『II' TURBO』以前で無言の場合はそれに準する)も先述の通りになる。ただし攻撃を繰り出した際の風切り音はスーパー以降の音に統一されている。また、キャラクター選択画面で『II' TURBO』以前を選択後の決定音は『II' TURBO』以前の音になるが、カーソル移動音は『スパII』以降のままである。
: システム面以外での『スパII X』との相違点としてオープニングデモとキャラクターセレクト時のBGMが『スパII』時のものに戻されている。また顔合わせや勝利メッセージ画面の背景「SUPER」の文字が「HYPER」に変更されている。初代『ストII』のリュウステージにあった「風林火山」の看板が復活していたり、ケンステージのドラム缶が初代『ストII』同様の「ドラム缶2本と木箱4個」となっている。『II』のカラーは「ノーマル」と名称が付き、2Pカラー(『スパII』仕様の2Pと同じ色)も存在するが、ノーマル仕様の同キャラ戦は不可能。2Pカラーに関しては当時の配色となる(例:ガイルの場合は『II' 』の2Pカラー〈服装がオレンジ色に近い茶色〉と『スパII』の中パンチボタンのカラー〈服装が真茶色〉、バイソンの場合は『II' TURBO』の1Pカラー〈オレンジ色の服と赤色グローブ)と『スパII』の強パンチボタンのカラー〈『II' TURBO』よりも肌が濃い褐色と緑色グローブ〉が違うなど。なおこれらのカラー同士で対戦することは後述の仕様により不可能)。
: CPU豪鬼の乱入は、乱入無しのものと同様にベガステージBGMとマントを羽織った状態にてCPUベガが現れ、「ROUND1 FIGHT!」コールがされた後に、CPU豪鬼が出現する(ただし、体力ゲージにある顔と名前は既に豪鬼のものになっている)。BGMは豪鬼のものに切り替わり、暗転が明けた時にはベガは既に仰向けに倒れている。
: 香港の国旗がイギリス統治時代の旗([[香港旗]])から[[中華人民共和国の国旗]]になった[[1997年]]にイギリスから中国へ返還されたため)が、ザンギエフのものは[[ソビエト連邦の国旗]]のままである(下記の『ウルトラストリートファイターII』からは[[ロシアの国旗]]に変更)。
: 『II'』の2Pカラーと『スパII』の中パンチボタンカラーの同時選択および『II' TURBO』の1Pカラーと『スパII』の強パンチボタンカラーの同時選択は不可能である。またNORMALの1P、『II'』の1P、『II' TURBO』の2P、『スパII』の1Pと『スパIIX』準拠の『スパII』キャラクターの1Pカラーの同時選択、そしてNORMALの2P、スーパーの2PとX準拠のスーパーキャラクターの2Pカラーの同時選択も不可能である。
: 香港の国旗がイギリス統治時代の旗([[香港旗]])から[[中華人民共和国の国旗]]になった([[1997年]]にイギリスから中国へ返還されたため)が、ザンギエフのものは[[ソビエト連邦の国旗]]のままである(下記の『ウルトラストリートファイターII』からは[[ロシアの国旗]]に変更)。
: アーケード版『ストリートファイターII』シリーズの中で、唯一1本先取から3本先取までオペレーターが設定を変更できる。本作ではピンチ時のBGMがビハインド側にとって負けたら最終ラウンドになる場合でのみ切り替わる仕様となっている。なおリード側がそのラウンドを落としてもまだ次がある場合はリード側がピンチになってもBGMは切り替わらない。また両者共々最終ラウンドになる場合は従来通りどちらかが先にピンチになればBGMは切り替わる。
: 『スパII X』のシステムに準拠していることから、これまで『スパII X』を現役で稼働させていたゲームセンターのほとんどが、この『ハイパーII』に入れ替えている。
: 1人プレイ時の乱入可能状態の表示がこれまで「PUSH START」であったのが家庭用版移植作品同様の「PRESS START」に変更されている。
: 本作は日本国外版のみ通常のCPシステムII向けBボードでリリースされ、日本国内では主にリース用に使用されていた1枚基板タイプのCPシステムII(黒いケースで包まれており、フラッシュROMを使用)としてリリースされている。
: タイトルロゴのカラーは初代『II』や『スパII』同様上から黄色 - 赤色で「HYPER」は青い炎となっている。
 
== コンシューマー移植版 ==
日本での移植はカプコン自身が手掛けた一方、日本国外のゲーム機に向けた移植はカプコン以外の企業が担当している。
=== 家庭用ゲーム機 ===
==== スーパーファミコン ====
;ストリートファイターII([[1992年]][[6月10日]]<ref>{{Cite web |title=SFC『ストリートファイターII』30周年。下R上L…なんだっけ?【今日は何の日:6月10日】 |url=https://dengekionline.com/articles/136199 |website=電撃オンライン |access-date=2022-08-18 |date=2022年06月10日}}</ref>)
;ストリートファイターII([[1992年]][[6月10日]])
;販売本数 国内:約288万本(第5位)<ref name="natsukashi">[http://qbq.jp/ 株式会社QBQ]編『[http://diapress.jp/archives/7402.html 懐かしスーパーファミコン パーフェクトガイド]』[http://www.magazinebox.co.jp/ マガジンボックス](M.B.ムック)、2016年。ISBN 9784866400082 p8</ref> 世界:630万本
:スーパーファミコン初の16MBit[[ロムカセット]]で発売。ハード性能と、およびメディア容量の関係でアーケード版と異なる部分があり、簡略化されている部分がある。一方、隠しコマンドでアーケードでは不可能だった「同キャラ対戦」が可能になる。2Pキャラクターのカラーは四天王も含めてすでに稼動していた『II'』に準じる。ただし四天王は使用不可。{{Efn2|スーパーファミコン版において、四天王を使用できる裏技が存在すると言うニセ情報が多く出回り、一部のゲーム雑誌で検証されたこともあった{{要出典|date=2022年8月}}。}}
:隠しコマンド(「CAPCOM」ロゴが出ている間に1P側〈2P側では無効〉で「下、R、上、L、Y、B、X、A」と入力し、成功すると効果音が鳴る)でアーケードでは不可能だった「同キャラ対戦」が可能になる。2Pキャラクターのカラーは四天王も含めてすでに稼動していた『II'』に準じる。ただし四天王は使用不可。
:アーケード版との違いは以下の通り。
:*1人プレイ時の乱入可能状態の表示がAC版では「PUSH START」であったのが「PRESS START」になっている(以降のスーパーファミコン版、メガドライブ版などの移植作に共通)。
:*タイトルデモの殴りあう白人と黒人のアニメーションがない(『ターボ』も同様)。
:*各キャラクターパターンと必殺技などの声の微妙な省略。例として強属性技の動作においてアニメーション枚数がアーケード版では6枚のグラフィックで構成されていたものが4枚のグラフィックで構成されている(例:本来なら「1→2→3→4→5→6」と順番にアニメーションするのが「1→3→4→6」と順番をコマ飛ばしになっているなど。特に顕著となっているのが、ガイルのしゃがみ強キックで、ACオリジナルでは全部で11枚(1→2→3→4→5→6→7→8→9→10→11)のアニメーションで構成されていたのが、移植版では6枚(1→3→5→7→9→11)のアニメーションで構成されているなど。それにより原作アーケード版ではできなかったコンボが成立・不成立という不具合が生じる)。またはフォロースルーのグラフィックが別のアニメーションになっている(例:ガイルのサマーソルトキックの終了後の下降モーションやエンディング時のベガの襟首を掴み上げているモーション<ref group="注">AC版本来はジュードースルー(中パンチボタン投げ)のモーションであるが、SFC版などではボディーアッパーカット(近立強パンチ)のモーションになっている。</ref>がアーケード版と異なっている)など(以降のスーパーファミコン版、メガドライブ版などの移植作に共通)。
:*投げなどの掛け声がアーケード版と異なる。AC版では「フン」であったのが本作では「ハッ」になっているなど。このボイスは、ガイルやダルシムが投げ技を仕掛けた時にも発する(アーケード版では終始無言)。
:*KO時のボイスが男性キャラクターの場合3種類に分かれており、主に重量系キャラクターの場合キーが低くそれ以外はキーが高い。ブランカのみ専用ボイスになっている。また、KOした瞬間に障害物を壊しても音声がかき消されなくなった。またアーケード版『II』〜『II'TURBO』まで一部の投げ技(主にスープレックスなど地面に叩きつける系)で相手を倒した場合KOボイスを発しなかったが、以降のスーパーファミコン版、メガドライブ版などの移植作に共通で発する仕様になっており、アーケード版『スパII』以降も発する仕様に変更されている。
:*必殺技の強弱によって声の高さが違う。なおキーをアーケード版基準とした場合、中が原音で、弱は低く、強は高いとなっているが、原作アーケード版と比べるとやや早口表現である。<!--例として波動拳の場合、AC版では「はど〜〜〜けん」であるのに対しSFC版では「はどーけん」と言っているなど。-->
:*試合前の顔合わせ画面(○○ VS △△)は、通常時はアーケード版と同様の黒背景だが、先述の隠しコマンドを入力した場合青背景になる。また「VS」ロゴマークも異なり、アーケード版では黄色とゴシック体のロゴ文字にヒビ割れが入って赤色のスパークが入っているが、スーパーファミコン版は金色で字体もアーケード版と異なる。
:*積んであるドラムカンを破壊するボーナスステージが、レンガを破壊するものに差し替えられた(以降のスーパーファミコン版、メガドライブ版の2作〈後述〉も同様)。また本作のみ樽を破壊するステージが入っておらず、ボーナスステージは4ステージ間となっている。アーケード版本来なら全3つある内2つのみとなっている。
:;開発
:*BGMの音色がアレンジされているだけでなく、ピンチ時専用BGMがアーケード版では原曲をアレンジした専用曲(基本メロディの1フレーズを4段階に[[転調]])なのに対し、原曲のテンポを上げただけのものになった(以降のスーパーファミコン版、メガドライブ版などの移植作に共通)。
::本作開発時点におけるカプコンは家庭用ゲーム機部門とアーケードゲーム機部門に分かれていたが、この時点で『II』はカプコンにとっても大型タイトルへと成長していたため、岡本の勧めもあって、西谷が開発に参加した{{R|igcc20200125}}。
:*一部のキャラクターの技がアーケード版で本来あるはずの通常技・特殊技が削除されている(例:通常技では春麗の近距離立ち中パンチ、ブランカのしゃがみ中パンチ、ダルシムのヨガキック<ref group="注">初代(NORMAL)およびX(SUPER X)のみ。</ref>(近距離しゃがみ弱キック)、また特殊技ではガイルのニーパット(近距離レバー入れ中キック)など)。
::元々西谷はアーケードゲームからの移植とは名ばかりのゲームが多いことに不満を感じており、家庭用への移植には抵抗がなく、プレイ感覚を近づけようと考えた{{R|igcc20200125}}。
:*各キャラクターの前進移動時と後退移動時のグラフィックがそれぞれ専用であったものが全て前進移動時のグラフィックに統一されている(以降のスーパーファミコン版、メガドライブ版などの移植作に共通)。ただし四天王はアーケードオリジナルから元々動作が前進移動時と同じなのでそのまま。
::最初の課題はアーケードゲームとスーパーファミコンの処理能力の差異であり、これを解決するために、画面の上下を切り取った{{R|igcc20200125}}。
:*リュウステージの空背景にAC版では本来あるはずの月と雲の流れが無くなっている(次作『ターボ』も同様、『スーパー』にて復活)。
::また、容量節約のため、似た複数の攻撃を一つのグラフィックにまとめる措置が取られ、それに合わせて攻撃判定も変更された{{R|igcc20200125}}。
:*ケンステージの右端に設置されている「ドラム缶」はAC版では「ドラム缶2本と木箱4個」であったのが「ドラム缶2本」のみとなっている(次作『ターボ』以降は「ドラム缶1本」)。
::その一方で、それぞれのキャラクターのエンディングに固有のグラフィックが用意された。大堀は西谷との対談の中で、サンプルROMの時点ではキャラクターの攻撃モーションが流用されていた{{Efn2|たとえばブランカの場合、母親と抱き合う場面では噛みつき攻撃のグラフィックが流用されている{{R|igcc20200125}}。}}が、完成版のROMでは一枚絵に差し替えられていたと話している{{R|igcc20200125}}。これに対し、西谷はそのサンプルROMを見たことがないとしつつも、なんとか似たグラフィックパターンを探してエンディングを制作したものの、このままではまずいと思って一枚絵に差し替えたのだろうと推測している{{R|igcc20200125}}。
:*ガイルステージの左端にAC版では本来いるはずの男女1組のギャラリーがいない(次作『ターボ』も同様、『スーパー』にて復活)。
:;テレビCM
:*ダルシムステージの象の頭数がAC版では左右にそれぞれ3頭づつ計6頭であったのが、左右にそれぞれ2頭づつ計4頭に減っている(以降のスーパーファミコン版、メガドライブ版などの移植作に共通)。
:本作はコンシューマ向けの本格作品ということで、俳優による実写映像がCMとして用いられた。リュウ役のRYOと、春麗役の[[水野美紀]]{{R|famitsu 20220610}}はいずれも新人である。ベガを[[軍司眞人]]が演じた。なお、CMのキャッチコピーは「'''俺より強いヤツに会いに行く。'''」<ref name="famitsu 20220610">{{Cite web |title=SFC『ストリートファイターII』が発売30周年。全世界で630万本売り上げた格闘ゲームの金字塔。本作の登場が追い風となり、ブームがさらにヒートアップ【今日は何の日?】 {{!}} ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com |url=https://www.famitsu.com/news/202206/10264190.html |website=ファミ通.com |access-date=2022-08-18 |date= 2022.06.10 }}</ref>で、CMソングは[[筋肉少女帯]]の『[[バトル野郎〜100万人の兄貴〜]]』だった。
:*サガットステージのヤシの木がなくなった(アーケード版の『II'』以降も同様)。
:;出版
:*国名や試合終了時のアナウンス(「YOU WIN」、「YOU LOSE」、「PERFECT」<ref group="注">これらアナウンスボイスは本作のみ無いが、パーフェクト勝利時に「PERFECT」のテロップ表示が本作のみボーナスステージ以外でも出る。</ref>等)およびコンティニュー時のカウントなどの読み上げが省略。また、コンティニュー画面のカウント表示もアーケード版と異なっている。
:*またコンティニュー画面のカウントダウン中のキャラクターの顔の動作が無く、アドバイスメッセージの表示も無い(以降のスーパーファミコン版共通)。顔の向きもアーケードとは逆になっており、ケンやダルシムなど一部のキャラクターに至ってはコンティニューした時のボイスも異なる(こちらはSFC版ターボで修正されている)。またコンティニューした時はアーケード版では全て一律「負傷はそのままで表情が若干変わりキャラクターの眼が光る」という仕様であったが、本作のみ「白くフラッシュして負傷が瞬時に完治し元の顔に戻る」となっている。
:*試合終了後のメッセージ画面で負けた側のキャラクター顔グラフィックが四天王以外は2種類あり、どちらか毎回ランダムで表示されていたのが、1種類<ref group="注">例としてブランカの場合、「怯んだ顔」と「目玉が飛び出たような顔」の2種類あるが、この場合前者の「怯んだ顔」に固定。</ref>のみとなっている(以降のスーパーファミコン版共通)。
:*ベガの帽子の徽章がAC版では「星型」であったのが、シャドルーの[[紋章]]である「翼の付いた[[髑髏]]」になっている(以降のスーパーファミコン版、メガドライブ版などの移植作に共通)。
:*一部キャラクターのエンディングがアーケード版と若干違う(グラフィックや台詞など)。ガイルの娘であるクリスという名前も本作のみ会話中に挙げられている。
:*ガイルのエンディング直前の規定本数クリア時にAC版では勝利ポーズを取らなかったのが、勝利ポーズを取る他BGMの鳴るタイミングが「倒れているベガに駆け寄る場面」から「家族が揃って家にいる場面」に変更(次作『ターボ』も同様、『スーパー』にて一部修正)。
:*試合終了時の各キャラクターの台詞やエンディングの台詞はアーケード版では「ひらがな」のみであったのが、「ひらがな、カタカナ」の2種類になっている。
:本作はコンシューマ向けの本格作品ということで、実写で俳優が専用のCM映像を撮影。当時としては珍しいことで、しかもゲームに配慮した渋い内容の実写映像だったため話題になった{{要出典|date=2018年11月}}。リュウを当時新人俳優のRYO、春麗を当時新人であり、17歳の高校生だった[[水野美紀]]、ベガを[[軍司眞人]]が演じた。なお、CMのキャッチコピーは「'''俺より強いヤツに会いに行く。'''」で、CMソングは[[筋肉少女帯]]の『[[バトル野郎〜100万人の兄貴〜]]』だった。
:画面はシネスコサイズとなり上下を黒くマスクして、ゲーム画面本体の縦方向の長さを縮めている(PCエンジン版・メガドライブ版も同様)。これはキャラクター全体の大きさをオリジナルより小さくしてグラフィックデータを減らしながら、それをプレイヤーに感じさせない工夫だった。
:スーパーファミコン版の攻略本は[[徳間書店]]が独占的な出版権を確保した。大ヒットを記録したこの攻略本の著者(数名のゲームライター)はそれぞれ1千万円を超える印税を手にしており、当時マスコミでも話題となっている{{要出典|date=2018年11月}}。なお攻略本については[[エンターブレイン|アスキー]]や[[宝島社|JICC出版局]]でも企画されていた。このうちJICC出版局は徳間書店の権利を侵害しない形式を模索の上、当時スーパーファミコンで発売されていたいくつかの格闘ゲームの攻略を特集した『[[ファミコン必勝本|HIPPON SUPER!]]』の増刊号として実質的な攻略本の発行を実現している。この増刊号のメインとして巻頭を飾った、『ストII』の攻略記事を担当したのは[[手塚一郎]]だった。
 
;ストリートファイターIIターボ([[1993年]][[7月11日]]{{Efn2|1993年7月10日との表記もある<ref>{{Cite web|title=ストリートファイターII ターボ|publisher=ファミ通.com|url=https://s.famitsu.com/games/t/7006/|accessdate=2022-07-20}}</ref>。}}
;販売本数 国内:約210万本 世界:410万本<ref name="{{R|Sales"/>}}
:前作のマイナーチェンジ。前作を超える20MBitロムカセットを採用した。
:キャラクターは前作の8人に四天王を加えた12人が操作可能。各キャラクターの設定パラメーターを修正し、よりアーケード版に近いプレイ感覚で遊ぶことができる
:「ノーマルモード」を選ぶとアーケード版の『II'』仕様になり、「ターボモード」を選ぶと『II' TURBO』仕様になる。速度が変えられるのはターボモードのみ。前作に近い速度が1、アーケード版に近い速度は3<ref>{{Cite book|和書|title=[[ファミコン必勝本|HIPPON SUPER!]] 136号|year=1993-08-03|publisher=株式会社[[宝島社]]|page=65}}</ref>。
:また、前作と同じに引き続き隠しコマンドが導入されており、速度設定が増えたりの追加(デフォルト時は0 - 4の5段階で解禁後は0 - 10まで11段階設定可能)、必殺技使えなくなったり用の制限、対戦モードで技を使えるようにするかしないか設定制限することができる。
:なお入力タイミングは、
:*1・前作と同じ「CAPCOM」ロゴが出ている間に1P側(2P側は無効)で入力すると「全ての必殺技が使用不可」(ただしCPUには適用されない)
:*2・タイトル画面の「TURBO」の流れ文字が出ている間に2P側(1P側は無効)で入力すると「速度設定」
:*3・対戦モードのキャラクター決定後のステージ選択画面中に2P側(1P側は無効)で入力すると「各々必殺技ON/OFF設定」(ただしサガットの「タイガークラッシュ」のみ設定切替がノーマル〈=AC版準拠ダッシュ〉モードでは不可能<ref group="注">ノーマルモードでは設定項目に「タイガークラッシュ」が表示されないためであり、ターボモードでは「タイガークラッシュ」が表示されるので設定可能。</ref>。ターボ〈=AC版準拠ダッシュターボ〉モードでは切替可)となっている。
:前作から修正・変更された点は以下の通り。
:*クレジット音・キャラクター決定音が微妙に異なっている。
:*レベル設定項目の表示が、前作では「0〜7」の表示であったのが、本作以降は☆の数表示(☆*1〜☆*8)に変更されている。
:*前作の「必殺技の強弱によって声の高さが違う」仕様や「KOボイスのキーの高さがキャラクターごとに違う」仕様の撤廃。
:*前作で削除されていた樽のボーナスステージ(ただし順番はアーケード版では「1『車』→2『樽』→3『ドラム缶』」の順に対し、今作は「1『車』→2『レンガ』→3『樽』」の順番となっている。またこれは後発の『スパII』も同じである)や国名の音声読み上げや試合終了時のコール(「YOU WIN」、「YOU LOSE」、「PERFECT」)などが再現。
:*コンティニュー画面のうちカウント表示とカウント読み上げ並びにコンティニュー成立時のキャラクターの表情動作はアーケード版に近くなったが、背景は色付きのままである(アーケード版は黒)。またコンティニュー成立時は本作のみ即座にBGMが停止する(前作『ストII』及び次作『スパII』ではBGMは停止しない)。
:*前作で投げ技時に気合ボイスを発していたガイルやダルシムは本作ではアーケード版同様終始無言となっていたり、投げ技などの気合ボイスがAC版準拠に修正。
:*各キャラクターのエンディングならびに試合前の顔合わせ画面などもアーケード版に準拠したグラフィック・台詞に変更、ただしアーケード版では「ひらがな、カタカナ、漢字」の3種類であったのが、漢字が無く「ひらがな、カタカナ」の2種類のみ(これは後発の『スパII』も同じ)。
:*ラウンドが終わると歓声(ダルシムステージでは象の鳴き声<ref group="注">アーケード版では全作(初代〜『ハイパーII』まで全バージョン)において終始常時鳴く。</ref>)が起こるようになった(アーケード版で没になった要素)。この歓声は『スパII』(アーケード版、スーパーファミコン版)でも使われた。
:*攻撃をガードさせて硬直が解けた瞬間に投げるいわゆる「当て投げ」が、CPUのレベルがMAXだと確実に投げ返される。
:*本作のみオプションで時間制限を無制限設定している場合に限り、相手または自分どちらかがK.O.した瞬間のみタイマー表示∞が数字に変わる。
:AC版との相違点は以下の通り。
:*レベル最大(☆*8)でノーコンティニュー&ノーミスクリア時のスタッフロール画面はAC版と同様の各キャラクターが「ドラム缶or木箱」のどちらかランダムで破壊するものとなっているが、SFC版では全て「木箱」固定となっている。またAC版では各キャラクターの技「ボイス」や「風切り音」を発していたが、SFC版ではそれらが全く無く「木箱を破壊した音」のみが鳴る。
:*相手をK.O.させると即座にBGMが停止し、勝利ポーズをとる際ほんの一瞬であるが画面全体(ステージ背景の観客などの動作)が停止する現象があり、ごく稀であるがそのままフリーズすることもある。これは後発の『スパII』(スーパーファミコン版)も同様。
:CMは『II』と同様、実写CMであり、ロケは[[タイ王国|タイ]]の[[バンコク]]で撮影し、春麗は水野美紀、ベガは軍司眞人、ガイルはジェフ・ライベングッドが演じた<ref>1993年AUTUMN増刊号CLUB CAPCOM、「ストIIターボCM道中記INタイ」より。このCLUB CAPCOMはゲームのアンケート葉書を送った人限定に無料配布された限定本である。</ref>。CMソングは『II』同様、筋肉少女帯が担当した『[[蜘蛛の糸 (筋肉少女帯の曲)|1,000,000人の少女]]』である。
 
;スーパーストリートファイターII([[1994年]][[6月25日]]<ref>{{Cite web |title=今日は何の日? 東芝設立(1904)、スーパーストリートファイターII発売(1994) |url=https://weekly.ascii.jp/elem/000/002/616/2616344/ |website=週刊アスキー |access-date=2022-08-19 |language=ja |last=ASCII}}</ref>
;販売本数 国内:約129万本 世界:200万本<ref name="{{R|Sales"/>}}
:メガドライブ版と同時に発売。32MBitロムカセット採用。アニメ映画とのタイアップで、パッケージはアニメ映画のデザインで描かれており、アーケード版のイラストは使われなかった。
:前作まで削除されていたオープニングが再現されているほか、ステージやエンディングなどの内容が一部変更された一方、隠しコマンドによる追加要素やサウンドテストも削除された。
:前作から修正・変更された点は以下の通り。
:[[XBAND]]で通信対戦できる。『ストリートファイターコレクション』収録の同タイトルには無い、グループバトル、トーナメント、タイムチャレンジが収録されている反面、ハード性能の限界でBGMや効果音が無くなっていたり貧弱なものに差し替えられている<ref name="natsumega">株式会社QBQ編『懐かしのメガドライブ 蘇れメガドライバー!!』マイウェイ出版発行、2018年。ISBN 9784865118704 p36-37</ref>。
:*前作まで削除されていたオープニングが再現されている。
:アーケード版ではスピード調整は無かったが、すでに稼働中である『スパIIX』同様0 - 3まで4段階にスピード調整が可能となっている(☆*0 - ☆*3)。
:*リュウステージの背景に「月と雲の流れ」が追加。
:*ガイルステージの左端にいる「男女1組のギャラリー」が追加。
:*コンティニュー画面の背景は「黒」に修正。
:*隠しコマンド入力による追加要素の削除。
:*オプション画面のサウンド(BGMや効果音や各キャラクターのボイスなど)テストの削除。
:*前作での対CPUへの「当て投げ返し」耐性が少し緩くなり投げ返される確率は5分5分に落ち着いた。
:*ダルシムステージでの象の鳴き声が前作では試合終了以降でしか鳴かなかったのが、終始常時鳴くように修正された。
:*ケンステージでのトンビの鳴き声がアーケード版では終始常時鳴いていたのが、試合終了以降でしか鳴かなくなった。
:*各キャラクターのエンディング(☆*3以上)後のスタッフロール画面(☆*6以上)でのスタッフのテロップ表示が一切無い。
:*一部キャラクターのエンディングの1枚絵が省略もしくは変更されている。ただし文章・台詞に変更は無い。
:**リュウのEDで表彰台後の「リュウの1枚絵の顔アップ」<ref name="sfc super end">前作ターボにはあった。 </ref>が無い。
:**ブランカのEDで「母サマンサが息子のアンクレットを確認する1枚絵のアップ」<ref name="sfc super end"/>が無い。
:**ガイルのEDでBGMの鳴るタイミングが「倒れているベガに駆け寄る場面」から「ユリアとクリスが駆け付ける場面」に変更。
:**春麗のEDで「父の墓参りしている1枚絵のアップ」<ref name="sfc super end"/>が無い。
:**ザンギエフのEDで「ゴロバチョフの1枚絵の顔アップ」<ref name="sfc super end"/>が無い。
:**ダルシムのEDで「ダルシムがコダルに乗って帰路に向かう」<ref name="sfc super end"/>シーンが無く代わりに「ヨガテレポートで瞬間移動する」シーンに変更。
:**ディージェイのEDで最初の「専用の1枚絵のアップ」が無く代わりに「マラカスを振る勝利ポーズとキャラセレ時の顔アップ」に変更。
:**M・バイソンのEDで最初の「専用の1枚絵のアップ」が無く代わりに「表彰台で勝利ポーズを取る」に変更。
:**バルログのEDで最初の「仮面を外し爪を構えた1枚絵のアップ」が無い。
:**ベガのEDで「ベガが最初は口を閉ざしていて、燃えさかる街がスクロールインする際に徐々に口を広げて嘲笑する」という描写が無く、「最初から口を広げて嘲笑している」状態となっている。
:[[XBAND]]で通信対戦できる。『ストリートファイターコレクション』収録の同タイトルには無い、グループバトル、トーナメント、タイムチャレンジが収録されている反面、ハード性能の限界でBGMや効果音が無くなっていたり貧弱なものに差し替えられている<ref name="natsumega">株式会社QBQ編『懐かしのメガドライブ 蘇れメガドライバー!!』マイウェイ出版発行、2018年。ISBN 9784865118704 p36-37</ref>。また一部のキャラクターのボイスが異なっており、主に投げ技時の気合ボイスが2種類以上存在するキャラクター(例:ガイルの場合、アーケード版では「ハッ」「フン」と2種類あるが、スーパーファミコン版では「フン」の1種類のみなど)はどちらか1種類に統一されていたり、特にダルシムの場合、敵を投げる時(アーケード版では「ハッ」〈リュウのボイス〉、スーパーファミコン版では「ヨガ」)やK.O.時のボイスがアーケード版ではリュウのボイスの使い回しであったのが独自のものとなっている。
:北米 (SNES) 版ではリュウの投げ技時に掛け声ボイスが『ターボ』以前のもの(「フン」、ただしキーは高い)となっている。
:ブランカのしゃがみ中パンチがアーケード版と異なり(前2作と同じ)、しゃがみ強パンチのモーションと同じ(=流用)となっているが、硬直時間が尋常ではない位異常に長く、逆にしゃがみ強パンチの方がスキが小さい。
:ダルシムの「ヨガファイヤー」や「ヨガフレイム」、もしくはベガの「サイコクラッシャーアタック」を受けた側の炎上グラフィックが『ターボ』以前では全キャラクター一律(ベガの吹き飛びモーションベース)同一であり、AC版『スパII』以降は体格の大きいザンギエフとサンダー・ホークの2者のみ炎上グラフィックがザンギエフの吹き飛びモーションをベースにしたグラフィックに変更されていたが、本作ではこれら2者も『ターボ』以前のままで若干グラフィックが拡大されたものになっている。
:バイソンステージの中央のロゴ表示がAC版や他機種版は「NIN NIN HALL」であったのが「GOLD WIN」に変わっている(スーパーファミコン版のみ)。
:ボーナスメッセージのリバーサル成功時の表示がアーケード版では「REVERSAL ATTACK」と表示されていたのが「REVERSE」に変更されている。
:ラウンド開始前の「ROUND ○(ラウンド数)」、「FINAL ROUND」、「FIGHT」の読み上げ(前作および前々作では再現されていた要素)が省略されていたり、2P対戦時での決着時に「○○(キャラクター名)WINS」のコールが「YOU WIN」<ref group="注">ただし北米 (SNES) 版ではアーケード版と同様「○○(キャラクター名)WINS」とコールする。また北米 (SNES) 版「TOURNAMENT BATTLEモード時」の顔合わせ画面(○○ VS △△)にナレーションがある。</ref>のボイスになっている。
:アーケード版ではスピード調整は無かったが、すでに稼働中である『スパIIX』同様0〜3まで4段階にスピード調整が可能となっている(☆*0〜☆*3)。
:スピード調整時には、タイトルロゴの色がそれぞれ変化する仕様となっており、☆*0だと初代『II』と同じ上から黄色→赤色、☆*1だと『II'』と同じ上から黄緑色→緑色、☆*2だと本作オリジナルカラーの上から黄色→紫色、☆*3だと『スパIIX』と同じ上から黄色→桃色となる。
:CMは2か月後に公開された劇場アニメ『[[ストリートファイターII MOVIE]]』に合わせたもので、メガドライブ版とも合わせて作られた。
:また先述の『ストIIターボ』同様にラウンド終了時に一瞬停止する現象が本作でも発生するためアーケード版本来のラウンド間のBGM継続が不可能となり、ラウンドごとに最初から鳴動し直す仕様となっている。ただし第1ラウンドのみピンチになった際のBGM変化が無い。
:コンティニュー画面などに出てくる男性キャラクターの敗北時の流血表現がほとんど削除され、[[痣]]などで代用されている。
:CMのキャッチコピーは「'''超えられるか、俺を。'''」。CMは2か月後に公開された劇場アニメ『[[ストリートファイターII MOVIE]]』に合わせたもので、メガドライブ版とも合わせて作られた。
 
==== PCエンジン ====
;ストリートファイターIIダッシュ([[1993年]][[6月12日]]、カプコン制作、[[日本電気ホームエレクトロニクス|NECホームエレクトロニクス]]販売)
:当時すでに[[CD-ROM2|CD-ROM<sup>2</sup>]]や[[SUPER CD-ROM2|SUPER CD-ROM<sup>2</sup>]]が全盛だったPCエンジンだが、20MBitの大容量[[HuCARD]]を採用している。また、PCエンジンの[[ゲームパッド|パッド]]は2ボタンが標準だったが、この作品にあわせて6ボタン仕様のパッドが発売された。2ボタンパッドでもプレイ可能だが、その場合RUNボタン・Iボタン・IIボタンにパンチ・キックを2種類振り分け、セレクトボタンを押して切り替えるシステムであった。また、[[PCエンジンGT]]などの[[携帯型ゲーム|携帯型ゲーム機]]でもプレイできる。
:1993年3月末に各ゲーム雑誌にて、画面写真とともに同年6月発売予定と発表された。
:移植度自体は非常に高く、スーパーファミコン版『II』では削除されていた樽のボーナスステージ(ただしAC版基準でいう「6人目を倒した後の第2回目」となるボーナスステージが入っておらず、AC版本来の「ドラム缶破壊」もしくは他機種移植版での代替となる「レンガ破壊」が収録されていない)や、決着後の「YOU WIN/LOSE」「PERFECT」、国名、カウントダウン、インドステージの象の鳴き声といった音声も『ターボ』に先駆けて再現されている。当時すでに[[CD-ROM2|CD-ROM<sup>2</sup>]]や[[SUPER CD-ROM2|SUPER CD-ROM<sup>2</sup>]]が全盛だったPCエンジンだが、20MBitの大容量[[HuCARD]]を採用している。
:PCエンジンの[[ゲームパッド|パッド]]は2ボタンが標準だったが、この作品にあわせて6ボタン仕様のパッドが発売された。2ボタンパッドでもプレイ可能だが、その場合RUNボタン・Iボタン・IIボタンにパンチ・キックを2種類振り分け、セレクトボタンを押して切り替えるシステムであった。2ボタンパッドでは本来のプレイは不可能だが、[[PCエンジンGT]]などの[[携帯型ゲーム|携帯型ゲーム機]]でもプレイできる。環境を揃えればまともに『ストII』として遊べる唯一の8ビットゲーム機向けソフトでもある。
:なお、初回分の購入で[[山下章]]の漫画や攻略本、コラムなどが収録された「春麗 FANBOOK」と「ミニうちわ」が当たるキャンペーンが行われた。
 
==== メガドライブ ====
;ストリートファイターIIダッシュプラス([[1993年]][[9月28日]]{{Sfn|レトロゲーム愛好会|2020|p=122|loc=ストリートファイターIIダッシュプラス}}
;全世界販売本数165万本<ref name="{{R|Sales"/>}}
:24MBitロムカセット採用。容量の増加により『II' TURBO』までの家庭用への移植では唯一、オープニングデモのストリートファイトのシーンが再現されていた{{Sfn|レトロゲーム愛好会|2020|p=122|loc=ストリートファイターIIダッシュプラス}}。
:24MBitロムカセット採用。容量の増加により『II' TURBO』までの家庭用への移植では唯一、オープニングデモのストリートファイトのシーンが再現されていたり、コンティニュー画面でキャラクターの顔が動作する他、試合終了後のメッセージ画面で負けた側のキャラクター顔グラフィックが2種類ランダム<ref>スーパーファミコン版他での移植作品版では見られなかったブランカの「目玉が飛び出た顔」も本作では見られる。</ref>で表示される(ただし四天王はアーケードオリジナルから元々動作が無い他、顔グラフィックも1種類しかないのでそのまま)。当初はPCエンジン版『ダッシュ』と同時期に『ストリートファイターIIダッシュ』として発表されたが、公開された画面写真は画面上部の背景部分が黒くカットされ、その部分に体力ゲージやキャラクター名が表示されていた。その後、販売時期を延期し当初の予定よりも大容量のROMへと変更の上、他機種版と同様の画面構成に作り直し、PCエンジン版『ダッシュ』やスーパーファミコン版『ターボ』の販売にやや遅れを取ったもののゲーム内容は『II'』の移植から、スーパーファミコン版『ターボ』とほとんど同じものへと変更されたことから商品名を『ダッシュ'''プラス'''』とした。本作の発売に先駆けて同年1月には6ボタンパッドも発売された。従来の3ボタンパッドでもプレイ可能だが、その際は、スタートボタンを押して弱〜強のパンチ、キックに切り替えるシステムとなっている。これにより、3ボタンパッドではポーズをかけることができない(これは、下記のスパIIでも同様)。
:当初はPCエンジン版『ダッシュ』と同時期に『ストリートファイターIIダッシュ』として発表されたが、公開された画面写真は画面上部の背景部分が黒くカットされ、その部分に体力ゲージやキャラクター名が表示されていた<ref name="GameWatch20190917">{{Cite web |title=【特集】【メガドラミニ全タイトルレビュー︕】「ストリートファイターII ダッシュプラス CHAMPION EDITION」 |url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/feature/1207585.html |website=GAME Watch |date=2019-09-17 |access-date=2022-07-11 |publisher=インプレス}}</ref>。その後、販売時期を延期し当初の予定よりも大容量のROMへと変更の上、他機種版と同様の画面構成に作り直し、家庭用ゲーム機向け移植版の中では最後発となったものの、ゲーム内容は『II'』の移植から、スーパーファミコン版『ターボ』とほとんど同じものへと変更されたことから商品名を『ダッシュ'''プラス'''』とした{{R|GameWatch20190917}}。本作の発売に先駆けて同年1月には6ボタンパッドも発売された。従来の3ボタンパッドでもプレイ可能だが、その際は、スタートボタンを押して弱 - 強のパンチ、キックに切り替えるシステムとなっている。これにより、3ボタンパッドではポーズをかけることができない(これは、下記のスパIIでも同様)。
:スーパーファミコン版での「ノーマルモード」を「ダッシュモード」、「ターボモード」を「エキサイトモード」と呼ぶ以外はほぼ同じ。スーパーファミコン版『TURBO』では裏技でのみ速度を10段階まで選択できたが、本作のエキサイトモードでは最初から10段階まで選択できるほか、隠しコマンドでダッシュモードでも速度変更が可能になる。
:CMでは、CMデビュー作となった[[セイン・カミュ]]がバルログを演じた。またソフトに付属しているアンケートはがきを応募をすると、『ダッシュプラス』のTVコマーシャルメイキングビデオが当たるキャンペーンが行われていた。
:[[2019年]][[9月19日]]にはセガゲームスが自ら手掛けリリースされる復刻系ゲーム機・[[メガドライブ ミニ]]にプリインストール(本体にあらかじめインストール)される42作品の一つとして収録された{{R|GameWatch20190917}}。メガドライブミニ開発スタッフの奥成洋輔は同作を収録した理由について、「せっかく6ボタンあるコントローラなのだから、いつでも遊べる対戦格闘ゲームの金字塔としてあるべきだと判断して収録させていただいたものです。」とファミ通とのインタビューの中で明かしている<ref>{{Cite web |title=メガドライブミニ2インタビュー。追加発表タイトルや、『ふしぎの海のナディア』などの許諾の苦労、奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは? |url=https://www.famitsu.com/news/202206/24265731.html |website=ファミ通.com |access-date=2022-07-11 |language=ja}}</ref>
:ソフトに付属しているアンケートはがきを応募をすると、『ダッシュプラス』のTVコマーシャルメイキングビデオが当たるキャンペーンが行われていた。
:[[2019年]][[9月19日]]にはセガゲームスが自ら手掛けリリースされる復刻系ゲーム機・[[メガドライブ ミニ]]にプリインストール(本体にあらかじめインストール)される42作品の一つとして収録された。
 
;スーパーストリートファイターII([[1994年]][[6月25日]])
:スーパーファミコン版と同日発売。ハード性能が異なるため画質と音質は劣るものの、40MBitロムカセット採用により、スーパーファミコン版では省略された一部のグラフィック(オープニングでのリュウの動作、一部キャラクターのEDの1枚絵)や音声(ラウンドコールなど)が再現されている。ゲーム内容はほぼ同じだが、1ラウンドでの獲得スコアを競う「スコアチャレンジ」が追加されたほか、オプション内の「スーパーモード」を「エキスパート」に設定することで、1人プレイ時に戦う人数が12人ではなく16人全員になる。さらに、スピード調整が0〜4の5段階に増えていたり(そのかわり変更時にタイトルロゴの色が変化しない)、ラウンド間でBGMが途切れず流れる仕様が再現されているなど、随所に細かい差異がある。なお波動拳やソニックブームなどの飛び道具を発射した時の風切り効果音が入っていない、リュウステージの雲と月の流れが再現されていない(逆にスーパーファミコン版ではこれらは再現されている)。より優れた対戦環境を求めてソフトとパッド2つを購入すると発売当時の小売価格にして15900円もの予算を費やすこととなったが、好意的な意見としては「それだけ払っても惜しくない魅力があったのだ」という声がある<ref name="natsumega"/>。
 
;スーパーストリートファイターII([[1994年]][[6月25日]]{{Sfn|レトロゲーム愛好会|2020|p=148|loc=スーパーストリートファイターII}})
:スーパーファミコン版と同日発売。40MBitロムカセット採用により、スーパーファミコン版では省略された一部のグラフィックや音声(ラウンドコールなど)が再現されている。ゲーム内容はほぼ同じ{{Sfn|レトロゲーム愛好会|2020|p=148|loc=スーパーストリートファイターII}}だが、1ラウンドでの獲得スコアを競う「スコアチャレンジ」が追加されたほか、オプション内の「スーパーモード」を「エキスパート」に設定することで、1人プレイ時に戦う人数が12人ではなく16人全員になる。さらに、スピード調整が0 - 4の5段階に増えているなど、随所に細かい差異がある{{Sfn|レトロゲーム愛好会|2020|p=148|loc=スーパーストリートファイターII}}。
:より優れた対戦環境を求めてソフトとパッド2つを購入すると発売当時の小売価格にして15900円もの予算を費やすこととなったが、好意的な意見としては「それだけ払っても惜しくない魅力があったのだ」という声がある{{R|natsumega}}。
:スーパーファミコン版や日本国外メガドライブ版ではオンライン通信対戦がサポートされていたが、国内ではメガドライブ版XBANDが発売されなかったため、オンライン通信対戦は不可能。Wiiのバーチャルコンソール版では[[ニンテンドーWi-Fiコネクション]]対応で、同国内のユーザーのみという制限付きながらオンライン通信対戦が可能となっていた。ただし[[2014年]][[5月20日]]をもってニンテンドーWi-Fiコネクションの無料サービスの提供は終了しており、現在は利用できない。
:[[2022年]][[10月27日]]にはメガドライブ ミニの続編としてセガからリリースされる復刻系ゲーム機・[[メガドライブ ミニ2]]にプリインストールされる60作品の一つとして収録される。
 
==== 3DO ====
;スーパーストリートファイターII X([[1994年]][[11月13日]])
:アーケード版からの移植。BGMにはアレンジされたバージョンが使われており、のちに家庭用『ハイパー』や『[[ストリートファイターZERO ファイターズ ジェネレーション]]』、『[[カプコン クラシックス コレクション]]』でも使用されている。
:移植度としては、画面の鮮明さはこれまでのスーパーファミコン移植版などよりは良いが、アーケード版では動いていたステージの一部ギャラリーが動かず、連続技による点数加算方法や一人プレイモードでの対戦キャラクターの登場順などが完全には再現されていなかった。またBGMもアレンジされている。[[CD-ROM]]媒体にしてはロードが少ないという長所はあったが、キャラクターのジャンプ時など激しい動きをした時の処理落ちが顕著で(特に双方キャラクターの同時ジャンプ時など)、操作感覚に影響を及ぼすこともあった。一部通常技のグラフィックも異なる(T.ホークのしゃがみ中パンチが弱パンチと同じ、など)。
:アレンジされたBGMは、家庭用『ハイパー』や『[[ストリートファイターZERO ファイターズ ジェネレーション]]』、『[[カプコン クラシックス コレクション]]』でも使用されている。
:なお、『ターボ』以前まで存在していた同時押しが存在している。
 
==== セガサターン ====
;ストリートファイターコレクション([[1997年]][[9月18日]])
:『スパII』『スパII X』のCD-ROMと『[[ストリートファイターZERO|ストリートファイターZERO2']]』のCD-ROMの2枚組。
:『スパII』『スパII X』『[[ストリートファイターZERO|ストリートファイターZERO2']]』がセットになったもの。『スパII』『スパII X』のCD-ROMと『ZERO2'』のCD-ROMの2枚組。『スパII X』の移植度は非常に良好であったが、一部ステージで接近戦になると微妙な処理落ちが起こり操作性が少々悪化することや、ガイルの「ソニックブーム」を2発同時に出せるなどのバグも見られた。メディアの都合上、BGMの開始がワンテンポ遅れたりもする。セガサターンは2D格闘ゲームが多くリリースされていたが、『ストリートファイター』シリーズの発売は『ストリートファイター リアルバトル オン フィルム』や当時ゲームセンターで稼動していた『ストリートファイターZERO』が先となり、すでに旧作であった『II』シリーズは後回しとされていた。
;[[カプコン クラシックス コレクション#カプコンジェネレーション|カプコンジェネレーション]]・第5集〜格闘家たち〜([[1998年]][[12月3日]])
:カプコンの旧作タイトルを当時の現行機種にて低価格リリースするシリーズで、『II』『II'』『II' TURBO』がセット。ほぼアーケード版の完全移植といった出来栄えで、スーパーファミコン版などで再現できなかった要素も完全再現されている。また、アーケード版にあったいくつものバグ技の中から、ガイルの真空投げのみ可能となっている。
:オプションにてBGMをオリジナル (CPS1) 音源と[[3DO]]版のアレンジ音源との2種類から選択可能となっている。
:移植度は随一高いが、AC版との決定的違いがあり、
::*スコア表示がAC版では1Pスコア、ハイスコア、2Pスコアが同じ高さ(Y軸)であったものが、CS版(SS・PS版)ではハイスコアの表示が一段上に上がっている。
::AC版 1P 2345001 HI 2345001 2P 1935001
::CS版 HI 2345001
:: 1P 2345001 2P 1935001
::*またボーナスステージでの加算スコア表示がAC版では残りタイム表示と同じフォントであったものが、CS版(SS・PS版)では1P (2P) スコア表示と同じフォントになっている。
::*勝利時または敗北時のナレーション「YOU WIN」、「YOU LOSE」、「PERFECT」(ボーナスステージのみ表示)のロゴ表示の文字間隔がAC版と比較して狭く詰め寄った表示となっている。
::AC版 「Y O U W I N」
::CS版 「YOU WIN」
::*『II' TURBO』のタイトルロゴ「TURBO」の文字色がAC版では真っ赤だったが、CS版(SS・PS版)ではSTREET FIGHTER IIのロゴと同じ色になっている。
::*ノーコンティニューでラウンドを1回以上落とした場合<ref group="注">ラウンドを1回も落とさなかった場合のスタッフロールはAC版と完全に同じ。</ref>のスタッフロール画面でのキャラクターが戦うシーンにおいてAC版では「シーン毎に登場キャラクターが入れ替わり各キャラクター全員が1回ずつ登場する」のが、CS版(SS・PS版)では「最初のランダムで2人(例として、リュウとケンが登場した場合)だけとなり、以後シーンが切り替わっても最後まで(リュウとケン)その2人のままで進み」それ以外の他のキャラクターは一切登場しない。なおこの仕様は上記ストリートファイターコレクションの『スパII』『スパII X』も同様となっている。
:オプションにてBGMをオリジナル (CPS1) 音源と[[3DO]]版のアレンジ音源との2種類から選択可能となっている。またアレンジ音源を選ぶと一部のキャラクターのボイスのキーが高くなったり、波動拳やソニックブームなどの飛び道具を出した時の風切り効果音(『スパII』以降に追加された要素)が出るようになる。
:一定の条件を満たすと『II』『II'』『II' TURBO』のキャラクターで対戦が可能となる対人戦専用モード「SUPER VS. MODE」が出現する。作品ごとに性能が異なるキャラクター同士の対戦が可能。『II』仕様の同キャラ対戦も可能になっており、この場合の2Pカラーは『II'』と同じカラーになる。なおその際、『II』の2Pカラーと『II'』の2Pカラーの同時選択は不可能である。また『II』および『II'』の1Pと『II'TURBO』の2Pカラーの同時選択も不可能である(例:リュウの場合、赤ハチマキ白道着カラーが従来カラーであるが、どちらかが先にこのカラーを選択した場合にはもう一方は『II'』カラーである青ハチマキ黒道着か『II'TURBO』カラーである白ハチマキ白道着のどちらかしか選べなくなる)。
:全モード共通でトレーニングモードおよび対戦相手をCPUにした1人プレイ専用のCPUバトルモードが追加されている。
:『II』仕様の四天王はプレイヤー操作キャラクターとして選択は不可能あるがきない一方、トレーニングモードおよびCPUバトルモードでの対戦相手側としての選択は可能である。
:PlayStation版と比べると試合開始前の読み込みがVS画面のBGMが終わるのとほぼ同じ時間で完了する。
 
==== PlayStation ====
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==== セガ・マスターシステム ====
;ストリートファイターIIダッシュ([[1997年]])
:テックトイからブラジルでのみ発売された{{Sfn|レトロゲーム愛好会|2020|pp=276-277|loc=海外版ソフト紹介<Master System>}}。使用キャラクターはリュウ、ケン、春麗、ガイル、ブランカ、バイソン(現地での名前はバルログ)、サガット、ベガ(現地での名前はM.バイソン)のみ。キャラクター選択画面のイラストは『スパII』のもの。8ビット機ゆえ制約のある内容となっており、たとえばリュウとケンから昇竜拳が削除されている{{Sfn|レトロゲーム愛好会|2020|pp=276-277|loc=海外版ソフト紹介<Master System>}}
 
==== ドリームキャスト ====
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:アナログ回線専用通信対戦システム「マッチングサービス」に対応した商品で、通販のみでの販売。マッチングサービスは2003年9月1日に終了しているが、単体で遊ぶことは現在も可能。アーケード版では削除されたボーナスステージが復活している(設定でなしにすることも可能)。
:PS版やSS版のようにスコア表示位置の相違が本作では一切ない。
:一定の条件を満たすと、高い性能を誇る真・豪鬼も使用可能になる。さらにスーパーコンボ「[[瞬獄殺]]」を使うことができる真・豪鬼も使用可能。また、特定の操作で選択できる「EXオプション」、特定条件を満たすことで選択可能になる「シークレットオプション」が存在し、多様な項目の変更が可能。
:後の『[[ヴァンパイア ダークストーカーズコレクション]]』『[[ストリートファイターZERO ファイターズ ジェネレーション]]』にも同様の項目が存在する。
 
==== PlayStation 2 ====
;ハイパーストリートファイターII 〜アニバーサリーエディション〜([[2003年]][[12月18日]])
:『ハイパーII』の移植(家庭用の方が先に発売しており、この後にアーケード版が稼動)。本作だけ限定のおまけとして、アニメ映画『[[ストリートファイターII MOVIE]]』が収録されているが、ゲームソフトの一部としてのおまけなので、[[ソニー]]のゲームガイドラインに従い、春麗のシャワーシーンはカットされている。[[コンピュータエンターテインメントレーティング機構|CERO]]レーティング15歳以上対象。
:キャラクターの動きの一部に、オリジナルと違う部分がある(アーケード版では解消されている)。[[カプコレ]]版ではサガットの硬直が長いバグなどが修正されている他、波動拳やソニックブームなどの飛び道具を撃つ際に出る風切り効果音がこれまで「SUPER」「SUPER X」モードのみであったのが、モード不問で全て出るように修正された(アーケード版では「SUPER」「SUPER X」モードのみ風切り効果音が出る)。
:[[2008年]][[9月18日]]には『'''ハイパーストリートファイターII アニバーサリーエディション [[ヴァンパイア ダークストーカーズコレクション]] バリューパック'''』として、本作と『[[ヴァンパイア (ゲーム)|ヴァンパイア]]』のカップリング作品が発売。先着購入特典としてDVD「ストリートファイターII&ヴァンパイア アーケードエンディングギャラリー」が配布。
431 ⟶ 343行目:
:アメリカなどの[[Xbox Live]] アーケードで配信されているソフト。ダウンロード数はLiveアーケード1位の3万本を記録。ネット通信対戦対応。日本向けには配信されていない。
;Super Street Fighter II Turbo HD Remix
:日本国外版『スパIIX』のリメイク版。アメリカなどのXbox Live アーケードで[[2008年]][[11月26日]]より配信 (1200MSP)された{{Efn2|Game Dudeが「Game Watch」に連載した記事では2008年11月27日と記載されている}}一方、日本向けには配信されていない<ref name="Game Watch20081216">{{Cite web |title=Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」 「Super Street Fighter II Turbo』のリメイク版である。[[ HD Remix」 |url=https:en:Backbone//game.watch.impress.co.jp/docs/20081216/kaigai34.htm|website=Game EntertainmentWatch|Backboneauthor=Game Entertainment]]と[[:en:UdonDude|date=2008年12月16日 Entertainment|UDON]]が開発access-date=2022-08-19}}</ref>。タイトルの「HD」が示すように、全てのグラフィックが高解像度で描画しなおされている{{R|Game Watch20081216}}。オリジナル版を再現したモードと、ゲームバランスを再調整したモードを選択可能である。ゲーム中のBGMも[[:en:OverClocked ReMix|OverClocked ReMix]]によって新たにアレンジ版が製作されている。キャラクターボイスや効果音は日本国外版『スパIIX』のものが使用されているが、ガイルのみ一部のボイスが『II'TURBO』までのものに差し替えられている。ネット通信対戦対応。日本向けには配信されていない。背景のギミックは全撤廃されているため終始背景の変化は起こらない{{R|Game Watch20081216}}
:本作はいずれもカナダに拠点を置く{{仮リンク|バックボーン・エンタテインメント|en|Backbone Entertainment}}と[[ウドン・エンターテインメント]]が開発し、BGMは、ゲームミュージック愛好家のコミュニティ・[[OverClocked ReMix]]による新規アレンジ版が用いられている{{R|Game Watch20081216}}。
 
==== PlayStation 3 ====
;Super Street Fighter II Turbo HD Remix
:アメリカなどの[[PSN]]で[[2008年]][[11月26日]]より配信{{R|Game Watch20081216}}。内容はXbox 360版と同じ{{R|Game Watch20081216}}。日本向けには配信されていない{{R|Game Watch20081216}}
 
==== Wii U ====
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==== Nintendo Switch ====
;ウルトラストリートファイターII -The Final Challengers-([[2017年]][[5月26日]])
: [[Nintendo Switch]]専用ソフト。『スパIIX』の使用キャラクター17人に加え、新たに[[殺意の波動に目覚めたリュウ]]と[[ケン・マスターズ#洗脳されたケン|洗脳されたケン]]が使用できるようになった{{R|4Gamer.net20170525}}
: ネット対戦に対応し、アーケードモードでの待ち受けにも対応。対戦グラフィックは『スパIIX』を再現した「クラシックジェネレーション」と日本国外の『スパIITURBO HD』のグラフィックを使用した「ニュージェネレーション」から選択でき、これとは別にBGMも従来の「クラシックジェネレーション」と新規アレンジの「ニュージェネレーション」を選択できる。後者はボイスが『[[ストリートファイターIV]]』シリーズのものになる(担当声優は後述)。ゲームシステムは『スパIIX』のものをベースに、投げ受け身が「投げ抜け」(技後の硬直中は不可)に変更、豪鬼もスーパーコンボを使えるなどのバランス調整が行われている。『ハパII』とは違い、旧キャラクターの性能は『スパIIX』準拠のもの1種類で固定となっており、『スパII』性能への切り替えも削除されている。顔合わせや勝利メッセージ画面の背景文字「SUPER」が「ULTRA」に変更されている。
:ガイルのみ上記の『スパIITURBO HD』同様、一部のボイスが『II'TURBO』までのものに差し替えられている。また、ザンギエフの出身国がソビエト連邦から[[ロシア]]に変更されている。これに伴いラウンドコールなどのアナウンスボイスは今回改めて新録された。
:キャラクターセレクトや体力表示などは『スパIIX』のものをベースにHD画質となっており、豪鬼は正式に豪鬼の名前が表示されるようになり、顔アイコンのシルエットが外され敗北時の表情もハッキリしたものとなっている。キャラクターセレクトはプレイヤー用に性能が調整された豪鬼が正式に追加されたほか、殺意の波動に目覚めたリュウ、洗脳されたケンに加えランダムセレクトが追加され全20枠となった。また特定の操作をすることで、性能が調整されていないCPU用の豪鬼が、真・豪鬼として使用できる。
:なお、ベガ戦にて乱入する豪鬼は真・豪鬼の性能だが、名前は豪鬼のままである。通常の豪鬼はCPUとしては出現しない。
:モードは「アーケード」、コンピューターとの対戦にも対応した「バーサス」、「トレーニング」のほか、新モードとして協力プレイで2on1形式のバトルを行う「バディファイト」、「カラーエディット」、リュウになりきって襲ってくるシャドルー兵を倒していくモード「放て!波Do拳」が収録されている<ref name="4Gamer.net20170525">{{Cite web |title=ストIIとは何だったのか。初代「ストリートファイター」からNintendo Switch「ウルトラストリートファイターII」まで,ストIIシリーズの歴史を辿る |url=https://www.4gamer.net/games/368/G036842/20170520002/ |website=4Gamer.net |access-date=2022-07-11 |publisher=Aetas |date=2017/05/25}}</ref>
: これまでの本『II』シリーズ作品では相手をK.O.勝利ならびにタイムオーバー時では生き残っている側は、勝利ポーズを取るまでの間はニュートラル動作が完全硬直するが、本作のみ他作品(『ZERO』シリーズや『III』シリーズ)同様ニュートラル動作が動く仕様となっている。
: [[コンピュータエンターテインメントレーティング機構|CERO]]レーティング12歳以上対象。
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:* キャミィ - [[沢城みゆき]]
:* 豪鬼、真・豪鬼 - [[武虎]]
;{{仮リンク|ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル|en|Street Fighter 30th Anniversary Collection}}([[2018年]][[10月25日]]<ref>{{Cite web |title=「ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル」レビュー 幻の初代「ストリートファイター」から傑作「ストIII 3rd STRIKE」まで網羅した30年の歴史が詰まった究極のファンアイテム ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル |url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/review/1149379.html |website=GAME Watch |date=2018-10-24 |access-date=2022-07-11 |publisher=株式会社インプレス}}</ref>
:開発はDIGITAL ECLIPSE。アーケード版12タイトルの中に『II』『II'』『II' TURBO』『スパII』『スパIIX』を収録。『カプコンジェネレーション』や『ストリートファイターコレクション』のものとは違い、完全にアーケード版そのままとなっている。そのためアーケード版のバグ技もそのまま使用可能となっている。パッケージ版のみ特典として「[[ALL ABOUTシリーズ|ALL ABOUT]] ストリートファイター 30周年復刻版」が同梱される。
;[[カプコンアーケードスタジアム]]([[2021年]][[2月18日]])
:ダウンロード販売。アーケード版『II』『II' TURBO』『スパIIX』を配信。
;[[カプコン ファイティング コレクション]]([[2022年]][[6月26日]])
:アーケード版『ハイパーII』を収録。日本国外版への切り替えも可能。
;[[カプコンアーケード2ndスタジアム]](2022年[[7月22日]])
:ダウンロード販売。アーケード版『ハイパーII』を配信。
 
==== PlayStation 4 ====
483 ⟶ 398行目:
;カプコンアーケードスタジアム(2021年[[5月25日]])
;カプコンファイティングコレクション(2022年6月26日)
;カプコンアーケード2ndスタジアム(2022年7月22日)
:いずれも内容はNintedo Switchと同じ。
 
491 ⟶ 407行目:
:内容はNintendo Switchと同じ。
;カプコンファイティングコレクション(2022年6月26日)
:内容はNintedo Switchと同じ。
;カプコンアーケード2ndスタジアム(2022年7月22日)
:内容はNintedo Switchと同じ。
 
496 ⟶ 414行目:
==== ゲームボーイ ====
;ストリートファイターII([[1995年]][[8月11日]])
:使用キャラクターはリュウ、ケン、春麗、ガイル、ブランカ、ザンギエフ、バイソン、サガット、ベガのみ。キャラクターイラストとステージ背景は『スパII』のものが使われており、春麗の気功拳やリュウのファイヤー波動拳の他、ブランカのアマゾンリバーランなど、技の一部には『スパII X』で見られるのも登場する。コンシュ
:通常のモマーゲームとしてドに加え、サバイバルモード、VSモードが用意されている。2ボタンのため、パンチとキックの強弱はボタンを押している時間の長さで変化する。ただしキャラクターの色分けはされていないため、[[スーパーゲームボーイ]]などで同キャラ対戦すると見分けがつかなくなる。4Mソフトで操作性は悪く、それにより一部のコマンド技は発動するのが不可能に近い<ref name="natsukashiGB">M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、30ページ</ref>。それにもかかわらず、CPUは間合いを見定めて正確に必殺技を繰り出してくる。それらのことからカプコンの歴史的失敗作とも評される<ref name="gbkuso">株式会社QBQ編『ゲームボーイクソゲー番付』マイウェイ出版発行、2017年。ISBN 9784865117790 p8-9</ref>。
:CMには当時人気と知名度が急上昇中であった[[篠原涼子]]を起用したが、それだけに「予算の無駄遣い」などとゲーム評論家筋から散々な評価を受けた<ref>株式会社QBQ編『ゲームボーイクソゲー番付』マイウェイ出版発行、2017年。ISBN 9784865117790 p119</ref>。
:開発元はカプコンの下請けであるさんえる<ref name="{{R|gbkuso"/>}}
 
==== ゲームボーイアドバンス ====
;スーパーストリートファイターII Xリバイバル([[2001年]][[7月13日]]<ref name="gamewatch20010713">{{Cite web |title=GBAゲームレビュー「スーパーストリートファイターIIX リバイバル」 |url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/20010718/st2.htm |website=game.watch.impress.co.jp |access-date=2022-08-18|date=2001年7月18日}}</ref>
:『スパII X』の移植作品だが、各キャラクターのイラストやタイトル画面などが新規になっているが、基本的に『スパII X』移植作品。ハードが4ボタンなで、4ボタンで遊びやすいようカスタマイズ変更されている{{R|gamewatch20010713}}。携帯ゲーム機とはいえ移植度は良く、モードも豊富{{R|gamewatch20010713}}
:ハードの仕様に合わせ操作体系が4ボタンに変更されているほか、オプションでL/Rボタンを含めた6ボタンの操作体系に変更できる{{R|gamewatch20010713}}。
:試合中にSELECTボタンを押すことで、必殺技やスーパーコンボが簡単に出せる「カンタンコマンドモード」が搭載されており、試合中いつでも切替が可能となっているが、タメ技系のキャラクターである場合タメ無しで必殺技やスーパーコンボが出せるよう(=先述したCPUガイルが立ちや歩き状態で「サマーソルトキック」を繰り出してくる場面がプレイヤー操作にてそれが可能)になるなど、後の『ストリートファイターIV』シリーズの[[ニンテンドー3DS|3DS]]移植版の「LITE入力」モードに似た仕様がある。
:また、試合中にSELECTボタンを押すことで、必殺技やスーパーコンボが簡単に出せる「カンタンコマンドモード」が搭載されている{{R|gamewatch20010713}}。
:グラフィックなどは基本的にスーパーファミコン版(以下SFC)に準拠しており、『スパII X』から新たに加わった技にはアーケード版(以下AC)と同じサイズのグラフィックとアニメーション枚数が使われている。このため、ガイルが立ち強キック(遠・近共)を出した時、一回り大きくなるという現象が起きる。また後退時の歩行グラフィックが前進時の歩行グラフィックと同じであるのもSFC版のままであるが、豪鬼のみ後退時の歩行グラフィックがAC版同様の専用グラフィックである。
:ケン、ガイル、ベガの各ステージ背景が新規となり、リュウのステージは『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』ベースに、春麗のステージは『ZERO2』、ザンギエフは『II』と『ZERO3』を合わせたもの、バイソンのステージは『ZERO3』のステージに差し替えられている。リュウの新ステージの色変えで、豪鬼のステージも存在。また、リュウのみボイスが『II』のものになっているが、他のキャラクターのボイスやエフェクトなどはオリジナル版『スパII X』と同じ。なお、豪鬼のボイスは他のキャラクターの掛け声の流用だったが、本作では『ZERO』シリーズでの[[西村知道]]のボイスになっている。BGMの質はオリジナル版より劣るが、ピンチ時の専用BGMがAC版と同様、原曲をアレンジした専用曲(基本メロディの1フレーズを4段階に[[転調]])となっている。また、『スパII X』で削除されたボーナスステージの車破壊と樽破壊が復活した。
:『スパII X』でスーパーコンボが用意されていなかった豪鬼も、スーパーコンボ「瞬獄殺」が使用可能となっている。豪鬼が使用可能になった後、さらに特定の条件を満たすと、圧倒的より強力性能を誇る真・豪鬼が使用可能となる。
: [[2015年]][[7月1日]]には[[Wii U]]のレトロゲーム配信サービス・[[バーチャルコンソール]]で配信開始。
 
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==== 携帯アプリ ====
;ストリートファイターII([[NTTドコモ|docomo]] - [[2004年]][[11月1日]]<ref>{{Cite web |title=携帯で「ストII」配信開始~「天地を喰らう」も |url=https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0411/01/news028.html |website=ITmedia Mobile |access-date=2022-08-20 |language=ja}}</ref>]、[[au (携帯電話)|au]] - [[2005年]][[7月28日]]、[[ソフトバンクモバイル|Softbank]] - [[2005年]][[11月1日]])
:携帯電話機であることを考慮したアレンジが施されているのが特徴。容量の問題により、ステージ背景が一部のキャラクターのものしか収録されておらず、ボーナスゲームも削除されている。技の強弱、必殺技のタメが存在せず、斜めが含まれているコマンドについては、斜め押ししなくても必殺技が出せるようになっている。オートガード機能、1ボタン必殺技も追加されているが、1ボタン必殺技は使用した場合パーフェクト時のボーナスが減らされる措置がとられている。
:エンディングはアプリ内に存在せず、全クリア時に専用ウェブサイトへ接続できるようになっている。
:[[GREE]]では、使用できるキャラクターが限られ、ネットランキングに対応したカスタマイズ版が配信されている。こちらはGREEの会員登録をすれば無料でダウンロード、プレイができる。
:;開発
::2004年9月24日に行われた「[[東京ゲームショウ]]2004」のデモ出展時のスタッフによると、アプリ版『ストII』では、オリジナルと同様のソースが用いられているとされている<ref name="ITmediaMobile20040924">{{Cite web |title=ワンボタンで昇龍拳が~携帯版「ストII」を試す |url=https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0409/24/news112.html |website=ITmedia Mobile |access-date=2022-08-20 |date=2004年9月24日}}</ref>。当初は操作体系もオリジナルに合わせる予定だったが、携帯電話が壊れてしまう恐れがあったため、別個のものが用いられた{{R|ITmediaMobile20040924}}。
 
;ストリートファイターII'(docomo - [[2005年]][[6月1日]]<ref>{{Cite web |title=カプコン、iモード「カプコンパーティ」にて、「ソンソン」、「ストリートファイター II'」を配信 |url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/20050601/capk.htm |website=game.watch.impress.co.jp |access-date=2022-08-20}}</ref>、au - [[2006年]][[6月15日]]、Softbank - [[2006年]][[8月16日]])
:キャラクター選択時に決定キーを長押しすることで色違いのキャラクターを選択できる。エンディングはアプリ内に内包され、ステージ背景も全キャラクター分用意された。アプリの大容量化により、アプリの制限容量を超える分については外部データという形で供給されている。
 
533 ⟶ 455行目:
::PlayStation版をベースとした移植がされている。必殺技ボタンが追加され、各キャラクターに割り振られた必殺技1つを1ボタンで出すことができる。画面の大きさが足りないことから、中パンチ・中キックボタンと必殺技ボタンはいずれか片方しか使用できない仕様になっている。これらは設定で選択でき、画面内のレバーやボタンの配置はある程度自由に変更が可能。
:;ストリートファイターII'(2010年[[12月16日]])
:;ストリートファイターII' TURBO([[2011年]][[7月28日]]のアップデートにて追加<ref>{{Cite web |title=カプコン、iPhone/iPod touch「ファイナルファイト@カプコンアーケード」 「ストリートファイターII'ターボ」と「マジックソード」を追加 |url=http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/463957.html |website=GAME Watch |date=2011-07-29 |access-date=2022-08-20 |publisher=インプレス}}</ref>)
:;ストリートファイターII' TURBO([[2011年]][[7月28日]])
;ストリートファイターIIコレクション(2011年[[9月15日]])
:『II』『II'』『II' TURBO』を収録。『カプコンアーケード』に収録されたものをベースに、操作性を改善している。必殺技ボタンが弱・中・強の3つになり、レバーと組み合わせて押すことで複数の必殺技を出すことができる。また、必殺技ボタンと中パンチ・中キックボタンを両立することができる。
540 ⟶ 462行目:
==== X68000 ====
;ストリートファイターIIダッシュ
:グラフィックやサウンドのクオリティはアーケード版とほぼ同様で、移植度もほぼ完璧であったが、キャラクターやステージが変わるたびに[[フロッピーディスク]]交換を強いられする必要があった([[ハードディスクドライブ|ハードディスク]]にインストールするか、メモリーを6MByteほど増設すれば、回避できる)。コンシューマー用の公式[[ジョイスティック]]であるCPSファイターを接続するCPSアダプターが付属していた。X68030以上で起動すると、多重[[パルス符号変調|PCM]]ドライバがインストールされ、アーケード版と同等の[[適応的差分パルス符号変調|ADPCM]]4和音で音声が再生される。[[MIDI]]対応(GMレベル1)、[[チェルノブ#移植版|チェルノブアダプタ]]対応(非公式)。
;スーパーストリートファイターII
:こちらもX68000特有のグラフィックパワーを生かし、グラフィックレベルでは一部を除き完璧だった(PUSH STARTや求む対戦者の表示のアニメーションと、リュウのステージで月が一周して来たりキャミィのステージでオーロラの色の変わり方が違うなど)。音声面では、CPシステムII独特のエコー処理や空間処理がすべて削除されている。『ダッシュ』同様、X68030以上で多重PCMドライバがインストールされる。またBGMなどのADPCMが収録されたファイル内に、サウンドチームのメッセージのようなものが埋め込まれている。MIDI対応(GM1レベル)、CPSアダプター対応、チェルノブアダプタ対応(非公式)。
 
==== FM TOWNS ====
;スーパーストリートファイターII
:プレイヤーキャラクターに関してはほぼアーケード版に近い再現度だったが一方、背景は多重スクロールが省略され、移植度は低。BGMはQサウンドが再現されており、オリジナル版とアレンジ版が選択可能だった。オプションにRGBによるカラーエディットモード搭載。専用パッドを同梱したパッケージも発売された。
 
==== PC/AT互換機 ====
;ストリートファイターII(販売 [[U.S. Gold]])
:日本国外で流通。他社販売ながらもこれが世界初の移植だったが、完成度は低い[[MS-DOS|DOS]]用。1 - 2ボタン仕様で、後ろ方向、ニュートラル、前方向の組み合わせで弱中強の振り分けをする。[[MS-DOS|DOS]]用。当初は日本国外向けに発売されていたが、後に日本の書店で旧作PCソフトを販売するSOFBOXブランドにて書店販売された。
;スーパーストリートファイターII(移植 Ronzer Labs Software Group Inc.)
:DOS用。日本国外で流通。グラフィックは基本的にSFC版やMD版と同一。移植度は比較的良好だが、解像度の関係で横幅が長く、ラウンド開始時の互いの距離の開きが大きいなどの違いがある。DOS用
;スーパーストリートファイターII TURBO(1995年5月、移植 Eurocom Entertainment Software<ref>[https://web.archive.org/web/20110930060449/http://www.eurocom.co.uk/index.php/video-games/super-street-fighter-2-turbo Eurocom Entertainment Software](2011年9月30日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])。</ref>、販売 [[:en:GameTek|GameTek]])
:DOS用。北米版を移植したものなのでタイトルが「ターボ」となっているが、内容は『スパII X』と同等。移植度は比較的良好。3DO以外では当時唯一の移植で、6ボタンにも対応している。また隠し要素のノーマルカラーや、3DOではメモリの関係で削除(統合)された技がすべて入っている。オプションメニューも充実していて、ロースペックの機種用に背景の多重スクロールを固定する機能なども用意されていた。最も目立つ相違点は[[解像度]]の違いで、PC/AT互換機版では320×200の解像度で製作されているにもかかわらず、グラフィックデータはアーケード版のオリジナルを単純に形式変換したまま使用しているので、全体的にキャラクターが大きく画面が狭い。その影響で試合開始時のキャラクター同士の間合いなども狭くなっている。さらに初期のバージョンではジャンプを基本技で落とすとダウンする(本来なら立て直して着地する)など不具合がいくつも指摘された模様。
:修正パッチファイルが数度配布され、上記の不具合はv1.5で修正された。修正パッチファイルはv1.6までリリースされた模様である。DOS用。[[Microsoft Windows 95|Windows 95]]版がgamebank([[ソフトバンク]])より発売される予定だったが、発売は中止されている。
 
==== Amiga ====
;ストリートファイターII(1992年、販売 U.S. Gold)
:日本国外のみ流通。基本的にはPC/AT互換機版と同じで、マニュアルには同社販売の複数機種版(コモドール64/128、SPECTRAM、AMSTRAD CPC 6128、ATARI ST/AMIGA、PC & COMPATIBLES)がまとめて記されている<ref>STREET FIGHTER II マニュアル(U.S. Gold 配布)</ref>。
:アーケード版のオープニングデモのストリートファイトのシーンが再現されているものの、BGMが少なく割り振りも異なる<ref group="注">タイトル画面とプレイヤーセレクト画面では「タイトルデモ」、ステージBGMなどでは「アメリカ(ケン)」、「プレイヤーセレクト」、「日本(リュウ)」、「アメリカ(M.バイソン)」4曲、ボーナスステージでは「エンディング(ザンギエフ)」。</ref>、グラフィック差異やや劣化していなど、移植度は低い
:日本国外版にもかかわらずオープニングデモで白人<ref name="Scott" />が黒人<ref name="Max" />を殴るシーンが修正されていない。
:ケンの「昇龍拳」がしゃがみアッパーのグラフィックになっている。1 - 2ボタン仕様。
;スーパーストリートファイターII(1994年、販売 U.S. Gold)
:日本国外のみ流通。PC/AT互換機版と同じくSFC版やMD版のグラフィックを使用している。大まかな挙動は再現されており、BGMも全16ステージのものを収録しているが、ラウンド開始時の互いの距離がさらに大きい、体力が多い、制限時間が長い、背景のアニメーションが無いなど削除されたほかPC/AT互換機版と比べると移植度は劣っキャラクターの声が削減され、一部の声が複数のキャラクターで共有されている。
:キャラクターの声が削減され、一部の声が複数のキャラクターで共有されている。このうちKOされた時の声はケン、春麗(ピッチを上げたものを使用)、ブランカ、ディージェイ、ホーク、バルログ、サガットがリュウ、ダルシムと同じ声に統一されているが、バイソンとベガはホークの声が使用されている。
 
== ゲーム以外のメディア展開 ==
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=== テレビアニメ ===
* [[ストリートファイターII V]]([[1995年]]、日本)
* {{仮リンク|ストリートファイター USA|en|Street Fighter (TV series)}}([[1995年]] - [[1997年]]、アメリカ)
*:主人公のガイルが正義の格闘家チーム「ストリートファイター」を率いて悪の組織シャドルーと戦う内容。日本では2019年に日本語版字幕付きで動画配信サービスで配信開始<ref>[http://www3.cinematopics.com/archives/108050 誕生から30周年を迎えた「ストリートファイターシリーズ」! 幻のTVアニメ『ストリートファイター USA』が遂に日本上陸!!!](シネマトピックス、2019年3月14日)</ref>。
 
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: 作者の中平正彦はこの作品を端緒として、後もストリートファイターシリーズのコミカライズを手がけている。
; SUPER STREET FIGHTERII X 外伝
: [[伊藤真美]]作。新声社『[[コミックゲーメスト]]』1995年7月号 - 1996年3月まで連載。8話のオムニバス。単行本は1巻<ref group="注">{{Efn2|単行本に○に「1」と記載あり。</ref>}}だけ発行しているが、フェイロンが主役の漫画があった2巻以降は発行していない。
: 括弧内のキャラクター名は作品の主役。
:* 第一話:闘いの予感(リュウ)
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=== その他 ===
[[File:Rare odditity (2060587599).jpg|thumb|拳聖土竜]]
;拳聖土竜(けんせいもぐら)
:本作をモチーフにした[[モグラ叩き]]ゲーム。[[トーゴ (企業)|トーゴ]]、[[アドアーズ|シグマ]]との共同開発作品<ref>{{Cite web |title=上野事業所レポート {{!}} The Vault {{!}} Activity Reports |url=https://game.capcom.com/cfn/sfv/column/132588 |website=CAPCOM:Shadaloo C.R.I. |access-date=2022-08-07 |publisher=CAPCOM}}</ref>
:6箇所から顔を出すベガを叩くと、モニターに表示されるリュウや春麗が必殺技を出す。この作品で春麗の声を担当した[[宮村優子 (声優)|宮村優子]]は、『[[ストリートファイターZERO|ZERO]]』シリーズや『[[X-MEN VS. STREET FIGHTER]]』を始めとする[[VSシリーズ]]でも春麗の声を担当することになった。
;[[CRフィーバーストII]]
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:十字キーと2つのボタンが付いたコントローラーを操作して、時間内に規定数の必殺技を出すという内容の玩具。音と操作感覚のみで楽しむため、テレビへの接続はできない。全3種類あり、それぞれ収録されているキャラクターが異なる。なお音声はスーパーファミコン版のものが用いられている。
 
== TIPS反響 ==
本作は小学生から上は若年の社会人に至るまで幅広い年齢層に支持され、本作の筐体を多く設置する店や、本作のみを設置した店が現れるなど、インベーダーブーム以来の様相となった。本作は多くのコンシューマ機にも移植され、専用コントローラが発売されるだけではなく、その後発売されるゲーム機では、格闘用6ボタンを意識した配置のものが多くなった。このうち、スーパーファミコン版はアーケード版で魅力を知っていた小中学生を中心に支持された。この低年齢層が後年の格闘ゲームファンとなっていく<ref name="MDR">マーチャンダイジングライツレポート1998年9月号。</ref>。大きく描かれたキャラクターが1対1で対戦する。各キャラクターはプレイヤーの操作により生き生きと動き、またキャラクター間のバランスは続編の『ストリートファイターII'』(以下『II'』と表記)以降、綿密に調整され、対戦をより奥深いものとした。プレイ中の相手に対戦を申し込む「乱入対戦」と、いわゆる「対戦台」のスタイルを確立した作品である。
{{雑多な内容の箇条書き|date=2013年8月16日(金)|section=1}}
{{独自研究|date=2013年8月16日(金)|section=1}}
 
こうしたメディアミックスの結果、本作をプレイしていない層にまでキャラクター人気が波及。本作をパロディ化したマンガや同人誌も登場し<ref name=":1">{{Cite book|和書|title=「ドラクエ」「信長」ソフト産業の崩壊 神話の正体は!?|date=1993年1月30日|year=1993|publisher=光文社|pages=126,127,128,}}</ref>、特に女性キャラクターである[[春麗]]は男性ハイティーン層に人気を博した。同人マンガ即売会は春麗の[[コスプレ]]の女の子であふれかえった{{R|:1}}。アニメではこうしたキャラクター先行の人気は珍しいことではないが、ゲームセンター発祥のキャラクターでこの現象が起きたのは春麗が初めてとされている{{R|MDR}}。
=== ストリートファイターII ===
* リュウとケンは前作『ストリートファイター』に引き続き、『II』においては同キャラ対戦用に準備された。しかし開発上のミスでリュウの方が気絶しやすく、気絶時に打撃技に対して非常に大きなダメージを受ける設定で「病気持ちのリュウ」とも呼ばれた。
* 前作『ストリートファイター』では必殺技入力のタイミングが厳しく設定されていたが、『II』では大幅に技を出しやすくしたことでゲームの楽しみの幅が広がった。
* アーケード版は[[ディップスイッチ]]の設定によって、ゲーム中のキャラクターの動きなどを『II' TURBO』よりも速く設定できる。そのため『II' TURBO』発売後にはその設定で『II' TURBO』もどきとして営業使用していたロケーションもあった。
* スーパーファミコン版の同キャラ対戦モードは、当時のテストチームにも知らされていなかった機能であり、テストチームが動作確認せずに市場に出た。もっともテスト段階の不具合で、ある操作により同キャラ対戦が可能になっており、同キャラ対戦のバランス調整もしておいてくれ、との指示がテストチームに対して発せられていたため、コマンドは別として同キャラ対戦の調整も行われてはいた。
* 必殺技同様、1/512の確率で自動ガードが発動するようにプログラムされている。技を出している最中に自動ガードが発動すると、技のモーションがキャンセルされ、ガードモーションに移行する。
* スーパーファミコン版において、四天王を使用できる裏技が存在すると言うニセ情報が多く出回り、一部のゲーム雑誌で検証されたこともあった。
* 漫画『[[ハイスコアガール]]』などでも見られるように、『II』が発売された1991年時に筐体背合わせによる対戦台が導入され、対戦プレイが流行っているような記述が多く見られるが、実際に背合わせ型の対戦筐体が普及して対戦プレイが流行したのは1992年に発売された『II'』が発売されて暫く経過してからの時期で、そもそも『II』が稼動していた1991年の時点で日本国内では対戦プレイはほとんど流行っていなかった。事実、『[[ゲーメスト]]』の発行元であった[[新声社]]主催による1991年8月に開催された「ゲーメスト杯ストIIチャンピオンシップ」では対戦型筐体を一切導入しておらず、そもそもこの大会を開いた趣旨も「対戦プレイが面白いゲームにもかかわらず流行っていないので、対戦プレイの面白さを広めたかった」というのがひとつの目的であったからである。
 
海外の人気も高く、日本より先に発売されたアメリカでは対戦大会がテレビ中継されており、[[ジャッキー・チェン]]出演で映画化という噂(デマ?)も飛ぶ{{R|:1}}。
=== ストリートファイターII' ===
* 開発時の仮称は『スーパーストリートファイターII』。
* キャラクター同士が試合するデモ画面が表示されている間に、2P側のコンパネで[[コナミコマンド]](最後の2つは中パンチ、小パンチと入力)を打ち込むと、体力ゲージの下あたりに3桁の数字が横一列に12個表示される。これはその筐体に電源が入れられてから各々のキャラクターがプレイヤーに何回選択されたかを表す。
* メガドライブ版『ダッシュプラス』が雑誌上で発表された当初はロムカセットの容量が16MBitと表記されており、容量不足のためキャラクターや背景などの描写が多少チープなものとなっていた。この状態でも開発はかなりの段階まで進んでいたらしく『[[ドリームキャストFAN|メガドライブFAN]]』では付録としてこのバージョンのロムを使用した攻略小冊子を作成していたほどだったが、後に容量が24MBitに変更され、他機種版に見劣りしない内容に作り直された。
* 通常メガドライブ向けのゲームカートリッジはセガが生産しているが、メガドライブ版『ダッシュプラス』はカプコンが生産したらしく、カートリッジに「SEGA」ではなく「CAPCOM」の刻印が施されており、形状もわずかに違う(メガドライブ版『スパII』、同社のアクションゲーム『[[ロックマンメガワールド]]』も同様)。
 
=== 他作品への影響 ===
=== ストリートファイターII' TURBO ===
{{See also|カプコン対データイースト裁判}}
* ロケテスト版では、リュウの2Pカラーの道着はオレンジ色だった。
コマンド入力をはじめとするシステムは今日における対戦型格闘ゲームの[[雛形]]となると共に多くのフォロワーを生み出している。このような作品が多数生まれた背景についてライターの仁科十蔵は、『ストII』の人気が高すぎて筐体の前に長蛇の列ができてしまい、仕方なくほかの格闘ゲームに流れていったためだと推測している<ref name="IGCC20180508">{{Cite web |title=怒涛の攻めからの気絶が楽しかった対戦格闘ゲーム『ファイターズヒストリー』 |url=https://igcc.jp/%e3%83%95%e3%82%a1%e3%82%a4%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%83%92%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%aa%e3%83%bc/ |website=ゲーム文化保存研究所 |date=2018-05-08 |access-date=2022-08-07}}</ref>。このうち、データイーストの『ファイターズヒストリー』に対して、カプコンは[[カプコン対データイースト裁判|訴訟]]を起こしており、最終的には和解している{{R|IGCC20180508}}<ref name="GameMachine485">{{Cite news|title=カプコン対データイースト著作権訴訟|newspaper=ゲームマシン|url=https://onitama.tv/gamemachine/pdf/19941201p.pdf|publisher=アミューズメント通信社|volume=485|year=1994|month=12|page=1|accessdate=2022-08-07}}</ref>。
 
=== スーパーストリートファイターII ===
* ロケテスト版のバルログのカラーリングの一つに、非常に顔色の悪いものがあり、これは通称「ゾンビバルログ」と呼ばれた。正式発売版ではこのカラーリングは手直しされた。
* 対戦型格闘ゲームとして内容がよく練られてあり、営業成績でもそこそこの結果を出した。しかし、CPシステムII自体の開発と平行して製作されていたという事情もあり、同時期に[[SNK (1978年設立の企業)|SNK]]よりリリースされた『[[餓狼伝説スペシャル]]』など同カテゴリーの他作品と比較すると、相対的には視覚効果が最も地味な作品となった。その現状を[[岡本吉起]]は「こりゃまずいな」と感じたと後のインタビューで語っている。
 
=== スーパーストリートファイターII X ===
* テレビCM撮影用バージョンやロケテスト版では、通常の必殺技で相手を倒した時にも「あけぼのフィニッシュ」の画面効果が入るよう製作されていた。
* 3DO版には、ザンギエフの空中デッドリードライブ(空中パンチ投げ)が相手の体力を半分以上も減らすバグがあった。
 
== ゲーメストビデオ ==
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{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}
{{Reflist|group=注}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}
 
== 参考文献 ==
*{{Cite book |和書 |author=レトロゲーム愛好会 |date=2020-08-28|title=メガドライブコンプリートガイドデラックス With マークIII|publisher=主婦の友インフォス |isbn=978-4-07-442206-7|ref={{SfnRef|レトロゲーム愛好会|2020}} }}
 
== 関連項目 ==
* [[対戦型格闘ゲーム一覧]]
* [[ALPH LYLA|アルフ・ライラ]]
 
== 外部リンク ==
* [https://web.archive.org/web/20110812045032/http://www.capcom.co.jp/newproducts/consumer/gbasf2ad/ スーパーストリートファイターIIX リバイバル] - [[ゲームボーイアドバンス]]
* [http://www.capcom.co.jp/hyper_sf2/ ハイパーストリートファイターII公式サイト]
* [http://capcom.nesica.net/hsf2/ ハイパーストリートファイターII for NESICAxLive 公式サイト]
* {{Wiiバーチャルコンソール|sf2|ストリートファイターII ザ ワールド ウォーリアー(スーパーファミコン版)}}
819 ⟶ 724行目:
* [http://vc.sega.jp/vc_ssf2/ バーチャルコンソール スーパーストリートファイターII(メガドライブ版)]
* [http://www.capcom.co.jp/usf2/ ULTRA STREET FIGHTER II The Final Challengers] - [[Nintendo Switch]]
* [http://www.capcom.co.jp/keitai/action/action19.html 携帯電話アプリ版 ストリートファイターII]
* [http://www.capcom.co.jp/keitai/action/action20.html 携帯電話アプリ版 ストリートファイターII ダッシュ]
*[http://www.capcom.co.jp/sf30ac/ ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル]