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元来は[[農耕]]や[[戦争]]、[[統治]]のため、各地の[[情報]]を[[調査]]しまとめるための研究領域として成立した。
 
== 地理学の歴史 ==
[[ファイル:AvHumboldt.jpg|thumb|150px|right|「近代地理学の父」[[アレクサンダー・フォン・フンボルト|フンボルト]]]]
{{Main|地理学の歴史}}
地理学誕生の地は、[[古代ギリシア]]である。学問としては、[[博物学]]の部門に属した。その源流は、各地の様子を記載する[[地誌学]]的なものと、[[気候]]や[[海洋]]について研究する[[地球科学]]的なものとに見ることができる。<!--ここから出典あり-->中世では停滞していた{{Sfn|中村ほか|1988|p=174}}ものの、[[ルネサンス]]期における[[地誌]]の拡大{{Sfn|中村ほか|1988|p=174}}や、[[18世紀]]以降、[[産業革命]]後の[[自然科学]]の発達と観測機器の発達は近代地理学の成立へと導いた{{Sfn|野間ほか|2017|p=212}}。現在見ることのできる科学的な地理学の源流は[[19世紀]]初頭の[[ドイツ]]でおこり、[[アレクサンダー・フォン・フンボルト]]と[[カール・リッター]]により成立した{{Sfn|野間ほか|2017|p=213}}。彼らは「近代地理学の父」とされている{{Sfn|中村ほか|1988|p=174}}。彼らは地誌的な記述ばかりではなく、様々な地理的な現象に内的連関を認め、地理学においてその解明の重要性を説いた。
 
19世紀後半には、地理学者ら{{誰|date=2018年7月}}によって各種[[系統地理学]]が整備され、[[日本]]など世界各国に地理学が移入された。[[1950年]]以降、[[アメリカ合衆国]]が中心になって[[コンピュータ]]や統計データなどを用いて、計量的な地理学が世界中に急速に普及した{{Sfn|野間ほか|2017|p=216}}が、[[1970年代]]後半以降、この様な研究は他の分野{{何の|date=2018年7月}}[[土木工学]]や[[経済学]]との競争に敗れ、<!--ここから出典あり-->北米を中心に一旦は衰退したが、[[地理情報システム]] (GIS) (GIS)や[[地球環境]]に関連した応用的な研究が盛んになった<ref name="ajg18" />。
{{-}}
 
== 地理学の諸下位分野 ==
地理学は、大きく[[系統地理学]]と[[地誌学]]に分類され、系統地理学はさらに[[自然地理学]]と[[人文地理学]]に分けられ{{Sfn|中村ほか|1988|p=ii}}{{Sfn|野間ほか|2017|p=52}}、それぞれがまた細かく分類される。ただし、自然地理学の諸分野は[[地球科学]]の影響を受け、その中でも時に[[生態学]]や[[気象学]]、[[地質学]]などと連携されることが多い。人文地理学は[[歴史学]]・[[社会学]]・[[経済学]]などの近隣分野の影響を受け、それらの知識ならびに隣接分野の理論の十分な理解が要求される学問である。また、自然地理学・人文地理学ともに現地調査([[フィールドワーク]])や[[エクスカーション]](巡検とも呼ぶ)を実施し、実地調査に基づく観察を重視する傾向があるのが特徴である。
 
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: [[社会階層]]や[[社会構造]]など[[社会学]]に関するテーマに対する地理学。具体的には、[[民族]]問題や[[過疎]]・過密、[[女性]]問題や[[コミュニティ]]の問題などを扱う。
; [[政治地理学]]
: [[政治]]に関する地理学。過去には、[[軍事]]侵略や[[植民地]]に関するテーマを扱っていた。現在は、学区域の問題や[[国政]]や地方行政や[[国際関係]]と地理との関係を主流にする。最近では、地理学で政治を扱うと、学問の性質上、[[地方自治]]にスポット焦点があてられることが多いので、この分野を敢えて[[行政地理学]]という表現をすることもあったが、近年では、グローバル国際的な政治の問題も、新しい[[地政学]]などとしてしばしば取り上げられる。
; [[都市地理学]]
: [[都市]]特有の現象を扱う地理学。[[交通網]]・移動、[[犯罪]]・[[非行]]や、[[都心]]・[[郊外]]に関するテーマなどを扱う。経済地理学・社会地理学と連携を密にすることが多い。また、[[都市計画学]]、[[都市工学]]、[[都市社会学]]などの分野ともしばしば連携される。
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地理学では地域差があるものを取り扱うため、[[地図]]が必須であるとともに、地図を用いて事象の分析や原因の考察を行うことができる{{Sfn|中村ほか|1988|p=1}}{{refnest|group=注釈|[[アレクサンダー・フォン・フンボルト|フンボルト]]は気象や植生が高度により遷移することを観察し、縦軸を高度、横軸を緯度として[[分布 (生物)#水平分布と垂直分布|垂直分布]]を図化して表現した。また、世界中の約58地点の年平均気温の情報をもとに[[等温線]]をひき、等温線と[[緯線]]が平行ではない理由を考察する研究課題を提示した。[[中村和郎]]によると、地理学の考察における[[等値線]]の導入は非常に有意義なことと言及していて、また[[等値線図]]は[[地形図]](標高)や[[天気図]](気圧配置)などでも利用されている{{Sfn|中村ほか|1988|p=7}}。}}。事物の分布を考察するにあたって、[[分布図]]の作成が挙げられる。分布図では、事物の位置や多寡、偏りの程度が表現されるため、分布について深く考察するうえで有効であり、このことによって地理的事象の[[地域性]]や一般性の解明につながる{{Sfn|中村ほか|1988|p=23-24}}。分布の性質を分析してきた研究の代表例として、[[高橋伸夫 (地理学者)|高橋伸夫]]は『地理学への招待』にて[[チューネン]]の[[孤立国]]と[[クリスタラー]]の[[中心地理論]]を提示している{{Sfn|中村ほか|1988|p=25}}。
 
== 地理学を学べる日本国内大学地理教育 ==
{{Main|地理学科}}
日本では[[文学部]]に設置されている大学が多い{{Sfn|野間ほか|2017|p=24}}が、[[東日本]]の国公立大学では[[理学部]]に設置されていることも多い{{Sfn|野間ほか|2017|p=23}}。この他[[教育学部]]に設置されている大学もある{{Sfn|野間ほか|2017|p=23}}。ただし、文学部設置の大学でも自然地理学の研究も行われているうえ、理学部設置の大学でも研究や教育が自然地理学に限定されているわけでもない{{Sfn|野間ほか|2017|p=24}}。また、この他の学部でも地理学に関するコースが存在する大学もある{{Sfn|野間ほか|2017|p=25}}。
 
=== 高等教育上の問題点 ===
{{Main|地理学科|地学科}}
日本では主に[[文学部]]で地理学が教育・研究されている{{Sfn|野間ほか|2017|p=24}}。[[東日本]]の国公立大学では[[理学部]]で教育・研究を行う大学もある{{Sfn|野間ほか|2017|p=23}}。また、[[教養学部]]([[文理学部]])や[[教育学部]]にも設置されている{{Sfn|野間ほか|2017|p=23}}。
 
日本では[[文学部]]に設置されている大学が多い{{Sfn|野間ほか|2017|p=24}}が、[[東日本]]の国公立大学では[[理学部]]に設置されていることも多い{{Sfn|野間ほか|2017|p=23}}。この他[[教育学部]]に設置されている大学もある{{Sfn|野間ほか|2017|p=23}}。ただし、文学部設置の大学でも[[自然地理学]]の研究も行われているうえ、理学部設置の大学でも研究や教育が自然地理学に限定されているわけでもない{{Sfn|野間ほか|2017|p=24}}。また、この他の学部でも地理学に関するコースが存在する大学もある{{Sfn|野間ほか|2017|p=25}}。
 
地理学がカバーする範囲は極めて広く、大学において「地理学科」や「地学科」という名称でなくても改称したり分野別に再編したりして実質的に地理学教育を行っている学科・専攻は少なくない。
 
地理学の特徴は「時空間的かつ学際的に地域を理解すること」であり性から、[[大学院生]]や[[大学教員]]レベルになると複数の[[学会]]に所属している者が多い。近年は {{Lang|en|GIS}} [[地理情報システム]](GIS)を用いた解析や一部モデリングが盛んに行われているほか、社会的課題が複雑化する中において地域を多角的・総合的に理解する学問分野として注目されている。
 
=== 中等教育 ===
{{Main|地理教育}}
現在の日本の[[高等学校]]においては、[[1989年]]告示の[[学習指導要領]]以降、「[[地理 (科目)|地理]]」が必修でなくなり、「[[世界史]]」が必修になった影響で「地理」を選択する生徒が減少し、地理学へ興味・関心を持つ機会が減少している。しかし、「大都市圏への一極集中と地方の過疎化」「農業のグローバル化」「新興国(中国やインド)の発展による世界情勢の変化」「地球温暖化による異常気象・ヒートアイランド現象」「自然災害(地震や津波、洪水)」など地理学がカバーする範囲は極めて広く、大学において「地理学科」や「地学科」という名称でなくても改称したり分野別に再編したりして実質的に地理学教育を行っている学科・専攻は少なくない。
 
 
地理学の特徴は「時空間的かつ学際的に地域を理解すること」であり、[[大学院生]]や[[大学教員]]レベルになると複数の[[学会]]に所属している者が多い。近年は {{Lang|en|GIS}} を用いた解析や一部モデリングが盛んに行われているほか、社会的課題が複雑化する中において地域を多角的・総合的に理解する学問分野として注目されている。
現在の日本の[[高等学校]]においては、2022年4月より再び「地理」が必修化された。
 
[[1989年]]告示の[[学習指導要領]]以降、「[[地理 (科目)|地理]]」が必修でなくなり、「[[世界史]]」が必修になった影響で「地理」を選択する生徒が減少し、地理学へ興味・関心を持つ機会が減少していた。
 
== 脚注 ==