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[[Image:JW-Japan-BranchOffice-2016101001.jpg|thumb|[[神奈川県]][[海老名市]]の日本支部]]
[[Image:Bucharest - Jehovah's Witnesses Kingdom Hall.jpg|thumb|[[ブカレスト]]([[ルーマニア]])]]
'''エホバの証人'''(エホバのしょうにん、{{lang-en-short|Jehovah's Witnesses}})は、19世紀に[[アメリカ合衆国]]で[[チャールズ・テイズ・ラッセル]]を中心に発足した[[キリスト教系の新宗教|キリスト教系の宗教]]である{{要出典|date=2022年12月}}。世界本部をニューヨーク州[[:en:Warwick, New York|ウォーウィック]]に置き、ほぼ全世界で[[ものみの塔聖書冊子協会]]などの法人名で活動している{{要出典|date=2022年12月}}
 
== 沿革 ==
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* [[1919年]] -「黄金時代」誌(現・[[目ざめよ!]]誌)を創刊。
* [[1931年]] -「エホバの証人」という名称が採択される。
* [[1933年]] - ドイツの[[ナチス・ドイツ|ナチス]]政権下で布教活動が禁止され、[[第二次世界大戦]]終結まで多数の信者が[[強制収容所]]に収監される(「[[エホバの証人とホロコースト]]」参照)
* [[1950年]] - [[新世界訳聖書]]英語版「クリスチャン・ギリシャ語聖書」が完成。
* [[1961年]] - 新世界訳聖書英語版が全巻完成。
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* [[2014年]] - JW Broadcasting<ref group="証人">ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人) [http://tv.jw.org/ JW Broadcasting]</ref>が開始される。
* [[2016年]] - 世界本部を米国ニューヨーク州ウォーウィックに移転する。
* [[2019年]] - 新世界訳聖書日本語改訂版が発表される。公式サイトの閲覧可能言語数が1,0001000を超える<ref>https://globalbydesign.com/2019/11/04/1000-languages-the-worlds-most-multilingual-website/</ref>。
 
== 組織 ==
{{See also|エホバの証人の組織構造}}
統治体、地帯区、支部、巡回区、各会衆という構造になっており、各々に監督や長老といった管理監督責任を担う信者が存在する。
エホバの証人のいう神権組織では、頂点にエホバ神が存在し、天においてはキリストによる統治が開始されている。そしてその伝達組織はエホバの証人の統治体であるとされている<ref name=":4">{{Cite book|和書|title=近現代日本とエホバの証人 その歴史的展開|date=2022-4-15|year=2022-4-15|publisher=法蔵館|page=64}}</ref>。
 
統治体、地帯区、支部、巡回区、各会衆という構造になっており、各々に監督や長老といった管理監督責任を担う信者が存在する{{要出典|date=2022年12月}}。
 
施設については、前述の'''世界本部'''のほか、'''ものみの塔教育センター'''を米国[[ニューヨーク州]][[パットナム郡 (ニューヨーク州)|パットナム郡]]パタソンに、'''ものみの塔農場'''を米国ニューヨーク州[[アルスター郡 (ニューヨーク州)|アルスター郡]]ウォールキルに有する<ref group="証人">{{Cite web|title=見学: ウォーウィック,ウォールキル,パタソンにあるエホバの証人の事務所|url=https://www.jw.org/ja/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA/%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD/|website=JW.ORG|accessdate=2019-05-02|language=ja}}</ref>。
 
また、世界96か所に支部事務所が、239の国や地域に約11万の会衆が存在する{{要出典|date=2022年12月}}


[[画像:平均伝道者数, 1945年〜2005年 工ホバの証人.png|thumb|平均伝道者数, 1945年〜2005年]]
2020年<ref group="注">2019年9月1日 - 2020年8月31日。エホバの証人の奉仕年度をアメリカの年度に合わせている為である。</ref>の公表値によると、エホバの証人の全世界での伝道者数は約869万人である<ref group="証人" name="Watchtower statistics">{{Cite | title = 2020奉仕年度の報告 エホバの証人の世界的な活動 | publisher = Watchtower Bible and Tract Society | year = 2020| pages = | url= https://www.jw.org/ja/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC/%E6%9C%AC/2020%E5%A5%89%E4%BB%95%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E3%81%AE%E5%A0%B1%E5%91%8A/2020%E5%B9%B4%E3%81%AE%E7%B7%8F%E8%A8%88/}}</ref>。
最多国アメリカ合衆国での信者数は約120万人ほどいるとされている{{要出典|date=2022年12月}}
 
[[日本]]においては2020年度の最高伝道者数は212,683人であり、[[アジア]]諸国では[[フィリピン]]に次いで多い<ref group="証人">{{Cite web|url=https://www.jw.org/ja/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC/%E6%9C%AC/2020%E5%A5%89%E4%BB%95%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E3%81%AE%E5%A0%B1%E5%91%8A/2020-%E5%9B%BD-%E5%9C%B0%E5%9F%9F/|title=エホバの証人 2020年 国や地域からの報告|publisher=JW.ORG|accessdate=2022-08-21}}</ref>。
 
=== 会長 ===
元統治体メンバーのフランズによると、会長は「独裁的な権力を行使し」「世界中のエホバの証人の活動におけるあらゆる事柄が会長の権限下」にあると評される人物である{{Sfn|フランズ|2001|p=91,92}}。歴代会長は[[ものみの塔聖書冊子協会|こちら]]。
 
=== 統治体 ===
教団は統治体がエホバ神を地上に伝達するための唯一の経路だと説明している{{Sfn|山口|2022|p=63}}。
 
フランズはその機能を「事実上、当時の統治体は司法裁判所であり、決定事項が全てのエホバの証人にとっては法律同様になるという意味では立法機関でもあった」と述べて権力の大きさを説明した<ref>{{Cite book|和書|title=良心の危機「エホバの証人」組織中枢での葛藤|date=2001-1-12|year=2001-1-12|publisher=せせらぎ出版|page=69}}</ref>。
 
フランズは信者たちが統治体に対して深い信頼を寄せていると述べている{{Sfn|フランズ|2001|p=60}}。
 
一方、統治体は実質的に存在せず(合議制が機能していなかったという意味)、意思決定の内容は実質的に会長の独裁であったとも述べている{{Sfn|フランズ|2001|p=69,92}}。
 
統治体では、例えば以下のような信者の相談について教団方針の決定を行う<ref>{{Cite book|和書|title=良心の危機「エホバの証人」組織中枢での葛藤|date=2001-1-12|year=2001-1-12|publisher=せせらぎ出版|pages=57-58}}</ref>。
 
* 子どもが高等教育を受ける親に長老としての資格があるのか
* 仕事の都合で教団の集会にでられない人に長老としての資格があるのか
* 信者はストライキに参加できるのか
* (教団が考える)普通ではない性行為を行った信者の処分
 
統治体は十数名の男性信者によって構成されている<ref name=":4" />。
 
==教義==
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全てのものには創造者(神)がいる([[インテリジェント・デザイン]]論を支持している)。神は唯一神[[ヤハウェ|エホバ]]([[ヤハウェ]])である。[[キリスト]]は神の子であって神そのものではない<ref name="dendou">[[ウィリアム・ウッド]]『[エホバの証人]への伝道ハンドブック』[[いのちのことば社]]、1987年</ref>。天使長[[ミカエル]]と同一である<ref group="証人" name="tensi">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E8%81%96%E6%9B%B8%E3%81%AE%E6%95%99%E3%81%88/%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E5%A4%A9%E4%BD%BF%E9%95%B7%E3%83%9F%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%83%AB/ |title=天使長ミカエルとはだれのことですか - エホバの証人公式サイト |accessdate=2017-9-20}}</ref>。当初、神は[[アダム]]と[[イブ]]に地上で永遠に生きられる命を与えた<ref group="証人">[https://www.jw.org/ja/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC/%E3%83%93%E3%83%87%E3%82%AA/#ja/mediaitems/VODMinistryTeachings/docid-502017855_1_VIDEO 神はなぜ地球を創造しましたか]</ref>。二人が神に反逆し、天使[[サタン]](「サタン」は「反逆者」という意味)に従ったため、二人とその子孫である人類は永遠の命の権利を失った<ref group="証人">[https://www.jw.org/ja/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC/%E6%9C%AC/%E8%81%96%E6%9B%B8%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B9%E3%83%B3/%E7%A5%9E%E3%81%AE%E7%B4%84%E6%9D%9F/ 神はどんなことを考えて人間を造ったか]</ref>。それ以来、世界と人類は[[サタン]]の支配下にあるが<ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E5%87%BA%E7%89%88%E7%89%A9/%E6%9C%AC/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AF%E3%81%A0%E3%82%8C%E3%81%AE%E6%94%AF%E9%85%8D%E4%B8%8B%E3%81%AB-%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88/%E3%81%93%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AF%E3%81%A0%E3%82%8C%E3%81%AE%E6%94%AF%E9%85%8D%E4%B8%8B%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%8B/ |title=この世界はだれの支配下にあるか - エホバの証人公式サイト |accessdate=2017-9-21}}</ref>、聖書予言は今が世界の[[終わりの時]]であることを示しており<ref group="証人">[https://www.jw.org/ja/%E8%81%96%E6%9B%B8%E3%81%AE%E6%95%99%E3%81%88/%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%82%8A-%E6%99%82-%E9%A0%90%E8%A8%80-%E3%81%97%E3%82%8B%E3%81%97/ 「終わりの日」のしるしとは何ですか]</ref>、間もなくキリスト率いる神の軍団が大戦争([[ハルマゲドン]])により[[サタン]]による支配を終わらせ、地球に[[楽園 (宗教)|パラダイス]]と神の名誉を回復させる。その時、神に従う人間は[[イエス・キリスト]]が地上に来て捧げた[[贖い]]の犠牲により、[[アダム]]から受け継いだ罪が許され、死んだ人たちも[[復活 (キリスト教)|復活]]させられて神の教育を受け、神に従うことを選ぶなら永遠に生きる機会を得る
<ref group="証人">[https://www.jw.org/ja/%E8%81%96%E6%9B%B8%E3%81%AE%E6%95%99%E3%81%88/%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E7%A5%9E%E3%81%AE%E7%8E%8B%E5%9B%BD%E3%81%8C%E8%A1%8C%E3%81%AA%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8/ 神の王国は何を行ないますか]</ref><ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA/%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E5%90%8D%E5%89%8D/ |title=どうして「エホバの証人」と言うのですか - エホバの証人公式サイト |accessdate=2017-9-20}}</ref>。 
 
=== 教団組織が神の意思の伝達機関 ===
教団は、信者と神が直接結びつくことを否定する一方、神の意思が教団組織(統治体)に伝達され、出版物を経由して信者に届くという。このように教団組織への忠節を求める理由について、預言(ハルマゲドン)の失敗の度に信者の離反を防ぐために、教団組織を神聖化し教団組織への忠節を目的とする教義(ハルマゲドンでの信者救済を目的としない)となったと分析されている{{Sfn|山口|2022|p=64}}。
 
=== ハルマゲドン ===
エホバの証人の公式サイトの定義によれば、「ハルマゲドン」の定義は以下の様なものである。
 
<blockquote>
ハルマゲドンの戦いとは,世界中の政府と神との間の最終的な戦争のことです。それらの政府と支持者たちは現在でも神に敵対していて,神の統治に従うことを拒んでいます。ハルマゲドンの戦いにより,人間による支配は終わりを告げることになります<ref>{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E8%81%96%E6%9B%B8%E3%81%AE%E6%95%99%E3%81%88/%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%B2%E3%83%89%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84/ |title=ハルマゲドンの戦いとは何ですか |access-date=2022年12月14日 |publisher=Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania}}</ref>。
</blockquote>
 
山口瑞穂によれば、以下の様なものである。
 
<blockquote>「終わりの日」のクライマックスとなる全地球的な規模の裁き(ハルマゲドン){{Sfn|山口|2022|p=56}}。</blockquote>
 
=== 神の名 ===
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聖書にみられる唯一神[[エホバ]]([[ヤハウェ]])を崇拝の対象とする。
原文に近い聖書写本には、神の固有の名としてテトラグラマトンの四文字語{{Lang|he|יהוה}}と記述されており、YHWHもしくはJHVHに相当する。
もっとも、神の名をどう発音するかではなく、神の名を敬意を込めて用いることが重要である{{要出典|date=2022年12月}}
 
=== 神の概念 ===
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エホバの証人は神の王国について次のように説明している。ダニエル4章の預言に基づく年代計算から、神の王国は[[1914年]]に、天でイエス・キリストを王として設立されたことが分かる<ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E8%81%96%E6%9B%B8%E3%81%AE%E6%95%99%E3%81%88/%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E3%83%80%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%AB-%E8%81%96%E6%9B%B8%E3%81%AE%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E8%A8%88%E7%AE%97-1914/ |title=聖書の年代計算は1914年について何を明らかにしていますかーエホバの証人公式サイト |accessdate=2017-11-28}}</ref> 。そのキリストの[[再臨]]は「しるし」であり目には見えないが、予告された社会現象により識別できる([[マタイによる福音書]]24章3節から25章46節および[[ルカによる福音書]]21章5節から36節参照)<ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E8%81%96%E6%9B%B8%E3%81%AE%E6%95%99%E3%81%88/%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%B9-%E5%88%B0%E6%9D%A5/ |title=キリストの到来とは何のことですかーエホバの証人公式サイト |accessdate=2017-11-28}}</ref>。新しい社会を実現する政府である<ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E5%87%BA%E7%89%88%E7%89%A9/%E6%9C%AC/%E7%A5%9E%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E8%89%AF%E3%81%84%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/%E7%A5%9E%E3%81%AE%E7%8E%8B%E5%9B%BD%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8B/%E7%A5%9E%E3%81%AE%E7%8E%8B%E5%9B%BD%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B/ |title=神の王国とは何ですかーエホバの証人公式サイト |accessdate=2017-11-28}}</ref>。ハルマゲドン後、地上は千年の時を経てかつて[[創世記]]に記述されているような楽園に回復される<ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E8%81%96%E6%9B%B8%E3%81%AE%E6%95%99%E3%81%88/%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E5%A4%A7%E6%82%A3%E9%9B%A3%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B/ |title=大患難とは何ですかーエホバの証人公式サイト |accessdate=2017-11-28}}</ref><ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E8%81%96%E6%9B%B8%E3%81%AE%E6%95%99%E3%81%88/%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E7%A5%9E%E3%81%AE%E7%8E%8B%E5%9B%BD%E3%81%8C%E8%A1%8C%E3%81%AA%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8/ |title=神の王国は何を行ないますかーエホバの証人公式サイト |accessdate=2017-11-28}}</ref>。楽園を回復する作業を行うのは、ハルマゲドンを生き残った者と復活させられた者たちである。
 
=== 自由な脱会を妨げる ===
猪瀬によれば、信者の自由な脱会を以下の教義により妨げる。
 
簡単にいえば、伝道や集会に欠かさず出る、輸血を拒否するなど、正しいエホバの証人として行為しないと、「ハルマゲドンが来たときに滅ぼされる」というものである。また、正しい行為をしなかった場合、「霊性が低い」とされ、ハルマゲドンで生き残る可能性が低くなるばかりでなく、会衆内から非難される可能性が高い<ref name="猪瀬 2002" />。
 
== 活動 ==
=== 年間行事 ===
* 毎年3月または4月に[[主の記念式|キリストの死の記念式典]]を行う。([[主の晩餐]]に相当){{要出典|date=2022年12月}}
* 週に2回、集会を行う。(週末:公開聖書講演会・「ものみの塔」研究、週中:クリスチャンとしての生活と奉仕の集会){{要出典|date=2022年12月}}
* 上記以外に地区大会(年1回)、巡回大会(年2回)が催される。{{要出典|date=2022年12月}}
* 毎回の大会において、認められた人に対し[[洗礼|バプテスマ]]が行われる。{{要出典|date=2022年12月}}
 
=== 布教戦略 ===
エホバの証人の世界本部は宣教(伝道、布教と意味は同じ)に励むように信者を動員し、宣教時間ひいては訪問件数を増やす布教戦略をとっている。「日本全体が徹底的な布教を受けるためにはさらに大勢の開拓者(特に多くの時間を宣教に充てる信者)が必要である」と教団の出版物に記載された{{Sfn|山口|2022|p=122}}。
 
組織内で定められた時間は月90時間(現在は70時間)の布教活動である<ref name=":9" />。
 
=== 伝道活動 ===
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エホバの証人は街頭、駅前、戸別の家庭訪問などの熱心な伝道を世界各地で行っている<ref>[https://www.theguardian.com/world/2015/jul/14/jehovahs-witnesses-evangelism-church-god-armageddon Jehovah’s Witnesses take to streets as busy heathens are rarely home World news The Guardian]</ref>。略礼装の男女が「無言で駅前・街頭にてパンフレットを掲げる」伝道スタイルが、[[:en:Ben H. Winters|ベン・H・ウィンタース]]の小説『地上最後の刑事』の中に登場している<ref>[https://books.google.co.jp/books?id=HFq9BgAAQBAJ&pg=PT133&lpg=PT133&dq=%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%80%80%E7%84%A1%E8%A8%80&source=bl&ots=K-aIKoMg2N&sig=rTn2vg5Ql7dd3vpG7esADQfn9xo&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwiG1qKEhPLWAhUBvpQKHaRRCoUQ6AEIXTAJ#v=onepage&q=%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%80%80%E7%84%A1%E8%A8%80&f=false 『地上最後の刑事』 - ベン・H・ウィンタース - Google ブックス]</ref>。
 
教団によれば、直接エホバの証人に尋ねるか、公式サイトJW.ORGより、無料の聖書レッスンを申し込める。毎週オンラインや電話でレッスンを行い聖書を学べる<ref group="証人">{{Cite web|url=https://www.jw.org/ja/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA/%E8%A8%AA%E5%95%8F%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%94%B3%E3%81%97%E8%BE%BC%E3%81%BF/|title=エホバの証人/訪問のお申し込み|publisher=JW.ORG|accessdate=2022-08-21}}</ref>。
 
=== 主な行動様式 ===
* キリスト教徒が重視する[[十字架]]や正教会が重視する[[イコン]]なども偶像とみなし崇拝の対象としない{{要出典|date=2022年12月}}
* [[政治]]への参加(選挙への立候補および[[投票]]など)は行わず、政治的に中立である{{要出典|date=2022年12月}}
* 「敵を愛せよ」「人を殺してはならない」という聖書の教えに従い[[戦争]]に参加せず兵役につかない([[良心的兵役拒否]]){{要出典|date=2022年12月}}。人を傷つける[[格闘技]]を行わない{{要出典|date=2022年12月}}
* [[国旗]]敬礼、[[国歌]]斉唱に加わらない。国旗への敬礼、国歌斉唱は、国家崇拝に該当すると判断している{{要出典|date=2022年12月}}。また[[国旗]]・[[国歌]]は偶像であり、これへの敬礼は[[偶像崇拝]]であるとする。ただ、国旗に対する毀損行為、国旗掲揚や国歌斉唱への妨害行為は行わない{{要出典|date=2022年12月}}
* 信者間を[[称号]]で呼ぶことはなく、互いを兄弟または姉妹と呼ぶ{{要出典|date=2022年12月}}
* 他の宗教の[[冠婚葬祭]]に出席するか否かは「個人の良心」として各信者に委ねられているが、宗教行為には参加しない{{要出典|date=2022年12月}}。一時退席し、その様な行為の関係しない場には参加する事もある<ref group="証人">{{Cite web |url=https://wol.jw.org/ja/wol/d/r7/lp-j/2014844?p=par |title=すべての行状において聖なる者でなければならない - エホバの証人公式サイト|accessdate=2017-11-30}}</ref>。
* 次のような行事は反聖書的・異教由来とみなして祝わない{{要出典|date=2022年12月}}。誕生日の祝い、[[クリスマス]]、昇天祭、[[ハヌカー]]、[[贖罪の日]]の行事、[[ラマダン]]の断食、[[ハローウィン]]、[[感謝祭]]、[[聖人]]の日の祝い、[[聖霊降臨祭]]、新年の祝い、[[七夕]]、[[節分]]、[[ひな祭り]]、各国の[[国家の日|ナショナル・デー]](建国記念日や独立記念日、革命記念日の祝い)、政党の記念日の行事、戦勝記念日や停戦記念日、終戦記念日の行事など{{要出典|date=2022年12月}}
* 宗教系の[[保育所]]や[[福祉施設]]・[[病院]]などの利用については、信者個々の良心上の問題とされている{{要出典|date=2022年12月}}
* [[淫行]]、[[姦淫]]、[[マスターベーション]]などを汚れた行為と見なしている{{要出典|date=2022年12月}}
* [[喫煙]]、医療目的外の[[麻薬]]・[[薬物]]使用は汚れとして禁じられている{{要出典|date=2022年12月}}
* 適度の[[飲酒]]は個人の自由であるが、泥酔は禁じている{{要出典|date=2022年12月}}
* 原則として信者以外とは結婚しない<ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E5%87%BA%E7%89%88%E7%89%A9/%E6%9C%AC/%E7%A5%9E-%E6%84%9B/%E7%B5%90%E5%A9%9A-%E7%A5%9E-%E8%B3%9C%E7%89%A9/ |title=結婚 ― 愛ある神からの賜物 - エホバの証人公式サイト |accessdate=2017-11-28}}9節</ref>。
* 原則、[[離婚]]およびそれに伴う[[再婚]]は禁止。ただし、[[配偶者]]の[[不倫]]による離婚、配偶者との死別による再婚は認められている。なお、身に危険が及ぶ暴力行為がある場合は別居することがある{{要出典|date=2022年12月}}
* 教義に著しく反し、かつ悔い改めが認められない場合は、除名や[[破門]]に相当する[[エホバの証人の組織構造#排斥(除名)|排斥]]措置が執られる{{要出典|date=2022年12月}}
* [[生物]]の起源について、一般のキリスト教同様に唯一神、万物の創造者を信仰しているため、[[進化論]]ではなく[[創造論]]を支持している{{要出典|date=2022年12月}}
* 親が子どもをしつける際にお尻をたたいていたという児童への[[体罰]]を指摘する書籍<ref name=":5">{{Cite book|和書|title=坂根真実『解毒  エホバの証人の洗脳から脱出したある女性の手記|url=https://www.worldcat.org/oclc/935894759|isbn=978-4-04-103709-6|oclc=935894759|first=真実|last=坂根|year=2016|publisher=[[角川書店]]}}、2016年</ref><ref>佐藤典雅『ドアの向こうのカルト ---9歳から35歳まで過ごしたエホバの証人の記録』、[[河出書房新社]]、2013年、ISBN 978-4-309-02155-3</ref><ref>たもさん『カルト宗教信じてました。 「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由』[[彩図社]]、2018年、ISBN 978-4-8013-0300-3</ref>もあるが、[[日本基督教団]]の{{harvtxt|川島堅二|2019}} は<q>こうした行為は「[[正統教義|正統]]」とされる教会でも起こっているから、この団体固有の問題とは言えない</q>と指摘する{{要出典|date=2022年12月}}。エホバの証人の資料では、聖書における「むち棒」の語は<q>懲罰のために用いる文字通りのむち棒を含めたあらゆる形態の懲らしめを象徴して</q>おり<q>親は実際、このむち棒を行使して子供を監督する責任を神のみ前で負ってい</q>るとする一方で<ref group="証人">{{Cite web|title=棒,杖,むち棒|website=ものみの塔 オンライン・ライブラリー|publisher=Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania|url=https://wol.jw.org/ja/wol/d/r7/lp-j/1200003754#h=12|accessdate=2021-10-10}}</ref>、その語を<q>もっぱら体罰を意味するとみなす必要は</q>なく、言葉などを含む<q>矯正の手段を意味している</q>としている<ref group="証人">
{{Cite web|title=親の皆さん—お子さんの必要を満たしてください!|website=ものみの塔 オンライン・ライブラリー|publisher=Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania|url=https://wol.jw.org/ja/wol/d/r7/lp-j/2001925#h=4|accessdate=2021-10-10}}</ref>。
 
== JW Library ==
== 教団の信者に対する指導及びこれに対する批判 ==
統合電子メディア閲覧アプリ「JW Library」が一般公開されており、各種スマートフォン、タブレット端末、パソコンなどにインストールし、誰でも利用することができる。聖書(英語版は[[欽定訳聖書]]・[[アメリカ標準版聖書]]含む)、各種資料、音楽、動画、王国会館(教会)の場所、集会の開催時間などが閲覧できる。
 
== JW.ORG(公式サイト)==
=== 教団による虐待の推奨 ===
2021年12月時点で、[[手話]]の100言語を含めて1,046言語に翻訳され、世界で最も多くの言語に翻訳されたサイトである<ref>https://globalbydesign.com/2019/11/04/1000-languages-the-worlds-most-multilingual-website/</ref>。
エホバの証人は、[[鞭]]による体罰を教団の出版物で推奨していた<ref name=":9">{{Cite web |title=信者家族「たたかれた子」と親の間の埋まらない溝 |url=https://toyokeizai.net/articles/-/624091?page=2 |website=東洋経済オンライン |date=2022-10-08 |access-date=2022-12-10 |language=ja |page=2}}</ref>。鞭による虐待は[[体罰]]([[暴行罪]])に該当する<ref>{{Cite web |url=https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/minnadekosodate.pdf |title=体罰等によらない子育てのために: みんなで育児を支える社会に |access-date=2022年12月13日 |publisher=厚生労働省 |pages=5, 19}}</ref>。鞭は電源コードやベルトなどが使われる<ref>{{Cite web |title=「エホバの証人の活動のなかで、最もつらかったこと」元信者が告白 |url=http://gendai.media/articles/-/54012?page=2 |website=現代ビジネス |access-date=2022-12-10 |language=ja |page=2 |author=いしいさや}}</ref>。宗教2世で鞭を受けた被害者による証言がある<ref name=":5" /><ref name=":9" /><ref name=":0">{{Cite web |title=調査・研究成果 |url=https://www.sra-chiki-lab.com/reaserch-result/ |website=chikilab-ac ページ! |access-date=2022-12-10 |language=ja-JP}}</ref><ref>{{Cite web |title=ムチを打てない人は「子どもをサタンから守れない人」 “エホバの証人”元二世が明かす異常な“懲らしめ”の実態 |url=https://bunshun.jp/articles/-/44074 |website=文春オンライン |access-date=2022-12-13 |first=米本 |last=和広}}</ref>。社会調査支援機構チキラボの調査では、エホバの証人2世のうち8割以上が「家族からの体罰を経験した」と回答した<ref name=":8">{{Cite web |url=https://www.sra-chiki-lab.com/app/download/11967348221/%E3%80%8C%E5%AE%97%E6%95%99%EF%BC%92%E4%B8%96%E3%80%8D%E5%BD%93%E4%BA%8B%E8%80%85%E3%81%AE%E5%AE%9F%E6%85%8B%E8%AA%BF%E6%9F%BB.pdf |title=「宗教2世」当事者の実態調査 |access-date=2022-12-14 |publisher=社会調査支援機構チキラボ |page=4}}</ref>。
 
== 特筆的な事柄 ==
一方、教団は毎日新聞の取材に対して「方法は各家庭で決めることだが、体罰をしていた親がいたとすれば残念なことだ。教えを強制することもしていない」とコメントしている<ref name=":3">{{Cite web |title=「親から体罰、希望していた受験もできず」 エホバの証人3世訴え |url=https://mainichi.jp/articles/20221107/k00/00m/040/126000c |website=毎日新聞 |access-date=2022-12-10 |language=ja}}</ref>。他方、このような教団側の態度を無責任と考える元2世信者が謝罪要求をするなどしている<ref>{{Cite web |title=長年エホバの証人でなされて来た子供への鞭体罰教育を否定した教団広報にコメントの全言撤回と鞭被害者への謝罪を求めます |url=https://www.change.org/p/%E9%95%B7%E5%B9%B4%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%81%A7%E3%81%AA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E6%9D%A5%E3%81%9F%E5%AD%90%E4%BE%9B%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%9E%AD%E4%BD%93%E7%BD%B0%E6%95%99%E8%82%B2%E3%82%92%E5%90%A6%E5%AE%9A%E3%81%97%E3%81%9F%E6%95%99%E5%9B%A3%E5%BA%83%E5%A0%B1%E3%81%AB%E3%82%B3%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E5%85%A8%E8%A8%80%E6%92%A4%E5%9B%9E%E3%81%A8%E9%9E%AD%E8%A2%AB%E5%AE%B3%E8%80%85%E3%81%B8%E3%81%AE%E8%AC%9D%E7%BD%AA%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%99-734d0ee4-1df0-4515-ac0e-b2da7e45896b |website=Change.org |access-date=2022-12-12 |language=en-US}}</ref>。
=== 輸血拒否と無輸血治療 ===
 
=== 村八分(排斥、忌避)制度による家族の分裂 ===
「排斥」という名称で村八分を行う。教団出版物では、「わたしたち​は、排斥​さ​れ​た​人​と​は​霊的​な​交わり​も​親睦​の​交わり​も​持ち​ませ​ん」「簡単な挨拶もしない」としている<ref name=":1">{{Cite web |title=排斥された人にどう対応すべきか {{!}} 神の愛 |url=https://www.jw.org/ja/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC/%E6%9C%AC/%E7%A5%9E-%E6%84%9B/%E6%8E%92%E6%96%A5%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E4%BA%BA/ |website=JW.ORG |access-date=2022-12-10 |language=ja}}</ref>。排斥の程度について、教団は出版物内で「''徹底​的​に​避ける​こと​は​本当​に​必要​か。''その​とおり​です」と表記している<ref name=":1" />。
 
脱会したエホバの証人は、たとえ親きょうだいであっても、「背教者」として認識され、話をすることも否定される。この特徴は、信者が教団から離れることを困難にする<ref name="猪瀬 2002" />。
 
実際に、信者である母からの絶縁宣言がされた息子がいるとの証言がある<ref name=":0" />。
 
=== 大学進学の自由を認めない ===
教団は、[[1992年]]以前は明確に大学進学を否定しており<ref>{{Cite web |title=エホバの証人の高等教育と社会的地位について - エホバの証人情報センター保管庫 |url=http://www.jwic.info/educatio.htm |website=www.jwic.info |access-date=2022-12-11}}</ref>、[[1992年]]に教義を変更して大学進学を否定しないとする立場を取るようになった<ref>{{Cite web |title=エホバの証人の高等教育と社会的地位について - エホバの証人情報センター保管庫 |url=http://www.jwic.info/educatio.htm#3 |website=www.jwic.info |access-date=2022-12-11}}</ref>。ただ、[[2022年]]の調査でも「大学進学を止めるよう教団内の指導的立場の人間から圧力をかけられた」「大学進学ができなかった」とする証言があり<ref name=":0" /><ref name=":8" /><ref name=":3" />、エホバの証人の進学率は低い<ref name=":0" />。調査によると、[[学士|学士号]]を持つ信者は9%にとどまる<ref name=":2">{{Cite news|和書 |title=Lack Of Education Leads To Lost Dreams And Low Income For Many Jehovah's Witnesses |url=https://www.npr.org/2017/02/19/510585965/poor-education-leads-to-lost-dreams-and-low-income-for-many-jehovahs-witnesses |work=[[NPR]] |access-date=2022-12-14 |language=en |date=2017-02-19}}</ref>。信者の間では、[[高等教育]]が宗教的に危険であるという考えが広く共有されている<ref name=":2" />。
 
高等教育の機会を奪われた結果、信者の職業選択の幅が狭くなり、高所得の職業に就くことが難しくなるという問題が指摘されている<ref name=":2" />。
 
=== 情報統制 ===
「背教的な情報があふれている」としてインターネットの使用自体に否定的な指導が行われていた。インターネットで他人と接触することを危険視するアナウンスが教団内で繰り返されてきた。インターネット上に存在する情報に接触することは「霊的な死」とされ、信者の心理的なハードルを高くしている{{Sfn|山口|2022|p=187}}。
 
=== 兵役拒否 ===
兵役を拒否する<ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA/%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%AB%E8%A1%8C%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%81%8B/ |title=エホバの証人が戦争に行かないのはなぜですか - エホバの証人公式サイト |accessdate=2017-9-20}}</ref>。[[徴兵制度]]の国々で[[軍隊]]から問題視されることがある。徴兵拒否でエホバの証人所属者らが投獄されたケースについて、エホバの証人は「信仰ゆえに投獄された」と主張している<ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E6%B3%95%E7%9A%84%E9%80%B2%E5%B1%95/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E5%88%A5/%E4%B8%96%E7%95%8C/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA-%E6%8A%95%E7%8D%84/ |title=信仰ゆえに投獄されているエホバの証人 国別データ |publisher=JW.org |accessdate=2022-08-21}}</ref>。
 
近年では、[[良心的兵役拒否]]が[[人権]]の一つとして認識されるようになってきたことから、社会奉仕活動への参加を義務付けることによって、兵役の義務の代替行為とする事例も増えている{{要出典|date=2022年12月}}。
 
== 預言(ハルマゲドン)の変更 ==
 
=== 預言の変遷 ===
エホバの証人の創始者チャールズ・テイズ・ラッセルは様々な年代預言をしたが一つとして当たったものはない{{Sfn|フランズ|2001|p=223}}。
 
山口瑞穂によると、ハルマゲドン(全地球的な規模の裁き)の年代預言を以下のように度々変更している。
 
基本的には、[[1914年]]を始点として「一世代」が過ぎるうちに、ハルマゲドンが来るとしていた{{Sfn|山口|2022|p=184}}。
 
* 前記「一世代」として30〜40年として、1940年代から1950年代前半にハルマゲドンが来るとしていた。
* 1950年代には、1914年+70〜80年後にハルマゲドンが来るとしていた。
* 1966年には1975年にハルマゲドンが来るとしていた。
* 1980年代には1914年に生きていた「一世代」が存命中にハルマゲドンが来るとしていた。
* 1995年頃には、計算が不可能として、現在ではいつ来るかわからないものとなっている{{Sfn|山口|2022|p=184}}。
 
=== 預言の変遷に関する教団の立場 ===
教団は出版物において「エホバの証人が教理上の見解の根拠としているのは、聖書です。それで、聖書の理解が深まると、教理上の見解を変更することがあります」とし、預言の変更についても理解が深まったためのものとしている<ref>{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA/%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA-%E6%95%99%E7%90%86-%E5%A4%89%E6%9B%B4/ |title=エホバの証人が教理上の見解を変更することがあるのはなぜですか |access-date=2022年12月11日 |publisher=Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania}}</ref>。
 
一方、内実を知る元統治体メンバーのフランズは、預言の変更に関する教団の解釈について「疑問を差し挟む者は神に文句を言うものであるとしてこれを(預言の変更に異を唱える信者を)攻撃対象にしている」と述べている{{Sfn|フランズ|2001|p=244}}。山口は、「年代預言の失敗・更新・喧伝が繰り返されるうちに、組織の正当化が先鋭化した」と分析している{{Sfn|山口|2022|p=63}}。
 
=== 預言の変遷が信者に与える影響 ===
ハルマゲドン(世界の終わり)が来るために、会社を辞める、家を売却するなどして組織内で定められた月90時間(現在は70時間)の布教活動をするような意思決定をする信者がいる<ref name=":9" />。また、「ハルマゲドンが来るから大学は必要ない」などという働きかけを幹部信者や親から受け、進学を諦める2世信者がいる<ref name=":0" />。このように、預言をもとに進路やライフイベントに関する意思決定をしたにもかかわらず、預言されていた終わりが来ないため、その後経済的な問題が生じることがある<ref name=":0" />。
 
== 公式サイト ==
教団はjw.orgという公式サイトを運営している。2021年12月時点で、[[手話]]の100言語を含めて1,046言語に翻訳され、世界で最も多くの言語に翻訳されたサイトである<ref>https://globalbydesign.com/2019/11/04/1000-languages-the-worlds-most-multilingual-website/</ref>。
 
== 輸血拒否と無輸血治療 ==
{{See also|輸血拒否|エホバの証人輸血拒否事件}}
エホバの証人は'''[[輸血]]を拒否'''し、代替療法として'''[[無輸血治療]]'''を選択する。<br>
 
==== 輸血拒否 ====
226 ⟶ 136行目:
 
==== 無輸血治療の選択 ====
輸血拒否により多くの信者が死亡しているとの見解に対してエホバの証人側は、<q>複雑な外科的処置が無輸血で施されることは少なく</q>なく、<q>子どもを含め、輸血をしなかった患者の術後の経過は多くの場合、輸血をした人と変わらないか、それよりも良好で</q>あると回答している<ref group="証人" name="輸血" />。{{harvtxt|Milligan|Bellamy|2004|pp=36 & 39}} は<q>イギリスでは輸血量を減らすための技術的経験が増加しつつあり</q>、輸血用血液の重大な不足が懸念される現状を踏まえると、<q>エホバの証人の患者への使用のために開発された多くの技術は、血液のストックを節約し輸血の必要性を減らすための努力において、来る数年のうちに標準的な実践となるだろう</q>としている。エホバの証人はこれを、<q>エホバの証人に対して用いるために開発された技術の多くは今後、標準的な手法となってゆくだろう</q>という形で引き、2010年の''Heart, Lung and Circulation''誌からの<q>“無輸血手術”は,エホバの証人に限るのではなく,通常の手術の際にも普通に用いるべきものである</q>との引用とともに、無輸血医療に対する否定的な見方は近年変わりつつあることの根拠として挙げている<ref group="証人" name="輸血" />。エホバの証人は世界各国に約1700の'''「エホバの証人の医療機関連絡委員会」'''を設置しており、医療機関、司法関係者と連携している。信者が無輸血治療を必要としている場合は、連携している医療機関を紹介されることになる{{要出典|date=2022年12月}}
 
=== 兵役拒否 ===
== 教団の社会学的特徴 ==
兵役を拒否する<ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA/%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%AB%E8%A1%8C%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%81%8B/ |title=エホバの証人が戦争に行かないのはなぜですか - エホバの証人公式サイト |accessdate=2017-9-20}}</ref>。[[徴兵制度]]の国々で[[軍隊]]から問題視されることがある。徴兵拒否でエホバの証人所属者らが投獄されたケースについて、エホバの証人は「信仰ゆえに投獄された」と主張している<ref group="証人">{{Cite web|url=https://www.jw.org/ja/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E6%B3%95%E7%9A%84%E9%80%B2%E5%B1%95/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E5%88%A5/%E4%B8%96%E7%95%8C/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA-%E6%8A%95%E7%8D%84/|title=信仰ゆえに投獄されているエホバの証人 国別データ|publisher=JW.org|accessdate=2022-08-21}}</ref>。
社会学者の猪瀬優里は、教団の特徴について、教団から離れたら不幸になるという脅迫的教義や、脱会者との会話禁止などの教義、一般社会との価値観の相違が大きいことにあるという。また、教団の内と外を明確に分け、メンバーシップを失ったものに対する厳しい制裁が教理 ・組織の両面で見出される、とも述べている<ref name="猪瀬 2002">{{Cite journal|author=猪瀬優里|year=2002|title=脱会プロセスとその後: ものみの塔聖書冊子協会の脱会者を事例に|journal=宗教と社会|volume=8|pages=19-37|url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/religionandsociety/8/0/8_KJ00006476757/_pdf|doi=10.20594/religionandsociety.8.0_19}}</ref>。
 
近年では、[[良心的兵役拒否]]が[[人権]]の一つとして認識されるようになってきたことから、社会奉仕活動への参加を義務付けることによって、兵役の義務の代替行為とする事例も増えている。
社会学者の山口瑞穂は、「海外発祥」「宗教的な源泉がキリスト教」「新宗教」という側面を持つ宗教運動であると説明している{{Sfn|山口|2022|p=5}}。
 
== 聖書 ==
275 ⟶ 185行目:
 
その後[[1988年]](昭和63年)、裁判所は「輸血をしても命は助からなかった」と判断、略式命令が下され児童の両親は無罪、運転手が業務上過失致死罪で起訴され罰金15万円の有罪となった(川崎簡略式 昭和63.8.20)。[[2000年]](平成12年)[[2月19日]]には、[[エホバの証人輸血拒否事件]]について[[最高裁判所 (日本)|最高裁判所]]は「宗教上の理由で輸血を拒否する意思決定を行う権利は[[人格権]]の一内容として尊重される」と認め、「無断で輸血を行った医師と病院はこれを侵害した」として患者の遺族(患者は一審判決後に死去)に55万円の支払いを命じる判決を下した。
 
なおこの事件では、マスコミによる[[偏向報道#一方的なバッシング・過度の肩入れ|執拗なバッシングが行われた]]<ref group="証人">{{Cite web|url=https://wol.jw.org/ja/wol/d/r7/lp-j/101986010#h=8|title=血に関する神の律法に敬意を示す ― 日本からの報告|publisher=ものみの塔 オンライン・ライブラリー|accessdate=2020-06-03}}</ref>。
 
=== 神戸高専剣道実技拒否事件 ===
286 ⟶ 198行目:
兵役や国家に対する忠誠の拒否などで処罰されたものある。
 
エホバの証人は「彼らはそのつるぎを打ちかえてすきとし、そのやりを打ちかえてかまとし、国は国にむかってつるぎをあげず、彼らはもはや戦いのことを学ばない」(イザヤ書2章4節)という聖書の記述に従っているためであるが、当該国の軍事当局から見れば従軍拒否などはあくまでも法令違反とされる場合がある。代表的な事例として、[[ナチス・ドイツ]]において兵役を拒否したためにより強制収容所に送致され多くが処刑された出来事などが挙げられる(「[[エホバの証人とホロコースト]]」参照)。
 
[[Image: Purple Triangle.JPG |thumb|強制収容所で身に着けるよう要求された標章(通称パープルトライアングル)]]
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=== コミック ===
*『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』いしいさや著。 - [[ヤングマガジンサード]]([[講談社]])にて2017年6月より連載開始した自伝漫画。いしいがツイッターで自主発表した8ページの本作が、わずか2日間で3万リツイートを超える大反響を呼んだ<ref name="yokusyu">[httpshttp://magazine.yanmaga.jp/ccontents/yokushukyo 漫画『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』公式ページ] 作品中にエホバの証人の施設「王国会館」が登場する。</ref><ref name="natari">[https://natalie.mu/comic/news/235656 マツリ新作「HUMINT」&元二世信者の自伝マンガ、ヤンマガサードで始動 - コミックナタリー]</ref>。約半年後にあたる2017年[[12月20日]]には[[講談社の漫画レーベル#雑誌に依存しないレーベル|KCデラックス]]より単行本第1巻(ISBN 978-4-06-510538-2)が発売されている。本書によれば、<q>この漫画は、作者自身の体験をもとに事実を再構成したもの</q>であり、主人公''さやちゃん''は少女時代のいしいであると思われる。帯の<cite>裏表紙</cite>側には''さやちゃん''がエホバの証人の虐待を受ける場面が2カット引用されており、それぞれ衣服の一部または大部分を着けない状態で、衣料品のベルトでおしりを打たれる、友達のプレゼントであるかわいいお洋服の破棄を強いられるなどが描かれている。ただし、上記の記述にあるように日本基督教団の川島堅二は'''「こうした行為は「[[正統教義|正統]]」とされる教会でも起こっているから、この団体固有の問題とは言えない」'''と指摘しており、個々の家庭の問題である部分もある。
*『カルト宗教信じてました。 「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由』たもさん著。 - 10歳の時に母親に連れられてカルト宗教に入信。進学や夢、友人関係など、多くのものを宗教による制限のために諦めてきたが、結婚してやっと生まれたひとり息子が、「輸血」を必要とする病だったことをきっかけにカルト宗教への違和感を強め35歳の時に脱退。体験をコミックエッセイとして描いている。{{r|tamo}}
 
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* {{Cite web|date=2018-08|title=B-6. エホバの証人と輸血|work=医の倫理の基礎知識 2018年版|website=日本医師会|publisher=日本医師会|url=https://www.med.or.jp/doctor/rinri/i_rinri/b06.html|accessdate=2021-09-14|ref=harv|year=2018}}
* {{Cite web|date=2019-03-11|last=川島|first=堅二|title=「異端」の線引き|work=宗教リテラシー向上委員会|website=Kirishin|publisher=[[キリスト新聞社]]|url=http://www.kirishin.com/2019/03/10/23803/|accessdate=2021-10-09|ref=harv|year=2019}}
* {{Cite book|和書|title=近現代日本とエホバの証人 その歴史的展開|url=https://www.worldcat.org/oclc/1322177280|isbn=978-4-8318-5724-8|oclc=1322177280|first=瑞穂|last=山口|year=2022|publisher=[[法藏館]]|ref=harv}}
*{{Citation|和書|title=良心の機器 「エホバの証人」組織中枢での葛藤|last=フランズ|first=レイモンド|year=2001-1-12|publisher=せせらぎ出版|isbn=ISBN4-88416-102-5}}
 
== 関連項目 ==
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{{Normdaten}}
== 外部リンク ==
* [https://www.jw.org/ JW.ORG / エホバの証人の公式ウェブサイト][https://web.archive.org/web/20061215093634/http://www.watchtower.org/languages/japanese/index.html]ものみの塔聖書冊子協会('''エホバの証人''')
* [https://web.archive.org/web/20081009075001/http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/8769/kagaku/top.htm エホバの証人と科学]
* {{kotobank}}