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{{馬齢新}}
{{競走馬
|名 = アユサン
|画 = [[File:ayusan-20130407.JPG|280px]]
|説 = 第73回[[桜花賞]]優勝時（2013年4月7日）
|英 = {{Lang|en|Ayusan}}<ref name="jbis"/><ref name="JAIRS-アユサン" />
|性 = [[牝馬|牝]]<ref name="jbis"/>
|色 = [[鹿毛]]<ref name="jbis"/>
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|生 = {{生年月日と馬齢|p=0|2010|2|21}}<ref name="jbis"/>
|死 =
|抹 = 2014年12月26日<ref>{{Cite web |title=アユサン引退、繁殖入り｜競馬実況web｜競馬｜ラジオNIKKEI |url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_4983.html |website=ラジオNIKKEI |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref>
|父 = [[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]<ref name="jbis"/>
|母 = バイザキャット<ref name="jbis"/>
|母父 = [[ストームキャット
|国 = {{JPN}}（[[北海道]][[日高町 (北海道)|日高町]]）<ref name="jbis"/>
|
|産 = [[下河辺牧場]]<ref name="JAIRS-アユサン" />
|育 = 下河辺牧場<ref name="ふるさと-桜花賞" />
|主 = [[星野壽市]]<ref name="jbis"/>
|調 = [[手塚貴久]]（[[美浦トレーニングセンター|美浦]]）<ref name="jbis"/>
|厩 = 森信次郎<ref>{{Cite web|publisher=スポーツニッポン|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/04/09/kiji/K20130409005572920.html|title=アユサン凱旋 桜制覇から一夜明け 手塚師「
|助 = 矢嶋大樹<ref>{{Cite web |url=https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/223527 |title=かるた由来馬で勝利を 矢嶋さん（群馬・富岡市出身）出調教師試験に合格 |access-date=2023-3-26 |publisher=[[上毛新聞社]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20221231030725/https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/223527 |archive-date=2022-12-31}}</ref>
|績 = 8戦2勝<ref name="jbis"/>
|金 = 1億5874万5000円<ref name="jbis"/>
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'''アユサン'''（欧字名:{{Lang|en|Ayusan}}、[[2010年]][[2月21日]] - ）は、[[日本]]の[[競走馬]]、[[繁殖牝馬]]<ref name="jbis">{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/sp/horse/0001126009/ |title= アユサン |work=JBISサーチ |publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|accessdate=2022-12-22}}</ref>。
== 経歴 ==
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====
バイザキャットは、1995年に[[アメリカ合衆国]]で生産された牝馬である。父は[[ストームキャット]]、母父[[アファームド]]であり、母は1991年の{{仮リンク|トップフライトハンデキャップ|en|Top Flight Handicap}}（G1）を優勝したバイザファームだった<ref name="優駿-2013-6-99" />。バイザキャットは、そのままアメリカで競走馬となり3戦1勝。引退後は[[繁殖牝馬]]となり、2000年に初仔を得るなど、しばらくアメリカで生産していた<ref name="優駿-2013-6-99" />。
アメリカでは、4頭の仔を産んでおり、いずれも北アメリカで勝ち上がりを果たしている<ref>{{Cite web |title=繁殖牝馬情報：牝系情報｜バイザキャット(USA)｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000839850/broodmare/info/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-03-27}}</ref><ref name="優駿-2013-6-99" />。特に2005年産の3番仔サキトゥミー（父:[[フサイチペガサス]]）は4勝し、[[リステッド競走#LR|リステッド・リストリクテッド・レース]]を勝利など出世していた<ref name="優駿-2013-6-99" />。2006年、[[ティズナウ]]と交配した後のバイザキャットは、[[キーンランド競馬場|キーンランド]]の繁殖牝馬セールに出され、売却が図られていた<ref name="ふるさと-桜花賞" />。
バイザキャットを落札したのは、日本の[[北海道]][[日高町 (北海道)|日高町]]にある生産牧場の[[下河辺牧場]]だった<ref name="ふるさと-桜花賞" />。日本ではこの頃、[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]が競走馬として活躍していた。2005年に無敗で[[中央競馬クラシック三冠|クラシック三冠]]を果たし、翌2006年も活躍。引退までにGI7勝を挙げて、種牡馬としての活躍も期待されていた<ref name="優駿-2013-8-52">『優駿』2013年8月号 52頁</ref>。牧場では、近い将来種牡馬となるディープインパクトには、父ストームキャットの繁殖牝馬と相性が良いのでは、という見当をつけていた<ref name="優駿-2013-8-52" />。このため、父ストームキャットであるバイザキャットを見出していた。下河辺行雄は、初めてバイザキャットを見たとき「いかつい馬体や顔つきなど、父（ストームキャット）の特徴を色濃く受け継いでる（カッコ内加筆者）<ref name="優駿-2013-8-52" />」と感じたと回顧している。
バイザキャットは、2006年に日本に輸入されて、下河辺牧場で生産を開始した<ref name="優駿-2013-6-99" />。ティズナウの仔を産んでから、日本での初年度こそ[[キングカメハメハ]]だったが、2年目から連続して、牧場が狙っていたディープインパクトとの交配が実現する<ref name="優駿-2013-6-99" /><ref name="優駿-2013-8-52" />。2009年が2年目のディープインパクト交配だった。そして翌2010年2月21日、北海道日高町の下河辺牧場にて8番仔である[[鹿毛]]の牝馬（後のアユサン）が誕生する<ref name="優駿-2013-6-99" />。
==== 幼駒時代 ====
生まれた直後の8番仔は、牝馬にしては恵まれた体格の持ち主だった<ref name="優駿-2013-8-52" />。父ディープインパクトに似て、少し細い肉付きだったが、食欲旺盛で大きく成長し、体格に見合った馬体を手に入れていた<ref name="優駿-2013-8-52" />。また歩きも柔らかく、落ち着いた気性の持ち主でもあり、牧場内の評価は高かった<ref name="優駿-2013-8-52" />。1歳秋には、同じ下河辺牧場の育成部門に移り、育成調教が施された。人が跨っても評価は揺るぐことなく高かった<ref name="優駿-2013-8-52" />。ただ一つ、後ろ脚の成長が遅く、他の部位よりも未熟な状態で牧場を巣立っていた<ref name="ふるさと-桜花賞" />。馬体の本格的な成長は、厩舎に入ってからだった<ref>{{Cite web |url=http://daily.co.jp/horse/2013/04/08/0005881590.shtml |title=【桜花賞】生産者・下河辺氏「すごい」 |access-date=2023-3-27 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130408124418/http://daily.co.jp/horse/2013/04/08/0005881590.shtml |archive-date=2013-4-8}}</ref>。
8番仔は、'''[[群馬県]]'''[[高崎市]]で建設関係の会社を営む馬主の[[星野壽市]]の所有となる<ref name="FM群馬-星野" />。昔、[[高崎競馬場|高崎競馬]]の馬主をしていた星野は、本業専念のために諦めていたが、孫の一言がきっかけとなって馬主を再開し、中央競馬にも参戦するようになっていた<ref name="FM群馬-星野" />。星野は、初め孫や子供など、家族の名前を所有馬に与えていた<ref name="FM群馬-星野">{{Cite web |url=https://gunma-cgc.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/03/feae7497c387c1b76223d0498c36b094.pdf |title=チャレンジ・ザ・ドリーム～群馬の明日をひらく～ |access-date=2023-3-27 |publisher=FM GUNMA × 群馬県信用保証協会 |archive-url=https://web.archive.org/web/20210617234722/https://gunma-cgc.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/03/feae7497c387c1b76223d0498c36b094.pdf |archive-date=2021-7-17}}</ref>。しかしある時、その家族の名前を一通り使用し、命名案が尽きていた。そこで「銀座のおねえちゃん」の名前に手を出していた<ref name="FM群馬-星野" />。8番仔は「銀座のおねえちゃん{{Efn|星野は、命名元の「銀座のおねえちゃん」を桜花賞に臨場させていた。<ref>{{Cite web |title=【桜花賞】アユサン星野オーナー、悲願GI |url=https://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=29598 |website=競馬予想のウマニティ |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref>}}」の名前「'''アユ'''」に、呼称「'''さん'''」を加えた「'''アユサン'''」と命名される<ref name="JAIRS-アユサン" />。
星野はアユサンを、[[美浦トレーニングセンター]]所属の[[調教師]]で'''[[栃木県]]'''[[足利市]]出身の[[手塚貴久]]に託した。手塚の父は、栃木県足利市、[[足利競馬場|足利競馬]]の調教師であり、同じ北関東の縁で託していた<ref>{{Cite web |title=馬三郎タイムズ ニュース 桜花賞・追い切り情報(2)アユサン 2013年04月05日 |url=https://uma36.com/?pid=news_view&news_id=15685 |website=uma36.com |access-date=2023-03-27}}</ref>。そして後になって定まる主戦騎手には、'''群馬県'''[[伊勢崎市]]出身の[[丸山元気]]が起用されることになる。丸山の父は、高崎競馬の騎手であり、同じく北関東の縁で丸山に託していた<ref name="デイリー-星野" />。星野、手塚、丸山はしめて北関東をルーツに持っていた。この3人は「'''北関東ライン'''<ref name="デイリー-星野" />」（デイリースポーツ）などと呼称された。アユサンは、体質が弱かった。このため調教が細心の注意を払う必要があった<ref name="報知-桜花賞-追い切り3">{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130404-OHT1T00209.htm |title=【桜花賞】アユサン12秒7!やっと順調 |access-date=2023-3-26 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130407125630/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130404-OHT1T00209.htm |archive-date=2013-4-17}}</ref>。デビュー直前には発熱したり、デビューしてからも様々な障害に直面することになる<ref name="報知-桜花賞-追い切り3" />。
=== 競走馬時代 ===
==== クラシックまで道程 ====
10月6日、[[東京競馬場]]の[[新馬戦]]（芝1400メートル）に[[蛯名正義]]が騎乗してデビューを果たす。単勝オッズ2.8倍の1番人気だった。スタートで後手を踏み、後方追走となったが、直線で外側に持ち出してから追い上げて、すべて差し切り、突き放していた<ref name="ウマニティ-新馬">{{Cite web |title=【２歳新馬】スタート後手も何の！アユサン完勝 |url=https://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=24475 |website=競馬予想のウマニティ |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref><ref name="スポニチ-新馬">{{Cite web |title=【東京５Ｒ新馬戦】アユサン 直線差し切り１馬身３／４差快勝で新馬戦を飾る！ - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/10/06/kiji/K20121006004269800.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref>。以降は、蛯名が手綱を緩めて、三度振り返る余裕を見せながら独走、ヒシラストガイに1馬身4分の3差をつけて決勝を通過し、初出走初勝利を果たした<ref name="ウマニティ-新馬" /><ref name="スポニチ-新馬" />。
続いて11月3日、[[アルテミスステークス]]（新設重賞）に4番人気で[[重賞]]初挑戦となる。丸山に乗り替わり臨み、以後引退まで主戦であり続ける。後方追走から直線外側から追い込み、先に抜け出した1番人気[[コレクターアイテム]]で末脚を用いて接近した<ref name="報知-アルテミス">{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20121103-OHT1T00233.htm |title=コレクターアイテム初代女王!2歳コースレコード…アルテミスS |access-date=2023-3-26 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20121105010131/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20121103-OHT1T00233.htm |archive-date=2012-11-5}}</ref>。並びかけてゴール手前を迎えたが、コレクターアイテムに寸前で粘られて、半馬身突き放された2着だった<ref name="報知-アルテミス" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=vHT8BMIA8mI&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2012年 阪神ジュベナイルフィリーズ（{{GI}}）<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}そして12月9日、[[阪神ジュベナイルフィリーズ]]（GI）でGI初挑戦を果たした。前走敗れたコレクターアイテム、[[芙蓉ステークス]]優勝のサンブルエミューズ、[[ファンタジーステークス]]優勝の[[サウンドリアーナ]]に次ぐ4番人気で臨んだが、5番人気に[[ローブティサージュ]]優勝を許す7着だった。大外枠からのスタートや初の右回りが、そして両前脚のソエが祟った大敗だった<ref name="桜花賞追い切り-報知">{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130227-OHT1T00139.htm |title=アユサン、桜出走権へ順調…チューリップ賞追い切り |access-date=2023-3-26 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130301014505/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130227-OHT1T00139.htm |archive-date=2013-3-1}}</ref><ref name="報知-丸山舞い戻り">{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130513-OHT1T00155.htm |title=【オークス】丸山、アユサンを2冠に導く! |access-date=2023-3-26 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130522131131/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130513-OHT1T00155.htm |archive-date=2013-5-22}}</ref><ref name="nikkei-チューリップ賞">{{Cite web |title=【チューリップ賞】美浦レポート～アユサン｜競馬実況web｜競馬｜ラジオNIKKEI |url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/entry-227251.html |website=ラジオNIKKEI |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref>。
年をまたいで3歳、2013年は[[クイーンカップ]]での始動を予定したが、[[寝違え]]たために出走を見送った<ref name="桜花賞追い切り-報知" />。寝違えによる受傷の程度は軽く、すぐに調教を再開して3月2日、[[桜花賞]]の[[トライアル競走]]である[[チューリップ賞]]（GIII）で再始動となる<ref name="桜花賞追い切り-報知" /><ref name="nikkei-チューリップ賞" />。[[紅梅ステークス]]優勝のレッドオーヴァル、阪神ジュベナイルフィリーズ優勝のローブティサージュと2着の[[クロフネサプライズ]]など関西馬が待ち受ける中、唯一の関東馬として参戦し、その3頭に次ぐ4番人気だった<ref name="優駿-2013-5-90">『優駿』2013年5月号 90頁</ref>。
クロフネサプライズが逃げる3番手を追走し、直線で追い上げたが突き抜けることができず、反対にクロフネサプライズには千切られた<ref name="優駿-2013-5-90" />。また2番手追走のウインプリメーラにも及ばなかった。伸びあぐねたアユサンは、後続勢の接近を許し、3着が危ぶまれた<ref name="優駿-2013-5-90" />。ヴィルジニア、グッドレインボー、[[ウリウリ (競走馬)|ウリウリ]]、レッドオーヴァルなどが迫り来て、横一線の争いとなった。しかしアユサンは、クビ差だけ守っていた<ref name="優駿-2013-5-90" />。3着を確保して[[優先出走権]]獲得に成功した<ref>『優駿』2013年5月号 91頁</ref>。
==== 桜花賞 ====
関西に遠征して前哨戦をこなしたアユサンは、この後、美浦に戻らなかった。栗東トレーニングセンターに滞在しながら、関西で行われる本番の桜花賞に備えた。美浦所属の丸山が、わざわざ2週間続けて栗東に出向いて調教に騎乗<ref name="優駿-2013-5-65">『優駿』2013年5月号 65頁</ref>。前哨戦を叩き台にしたこともあって仕上がり、これまでは実現していなかった不安のない万全な状態での出走を叶える<ref name="優駿-2013-5-65" /><ref name="報知-丸山舞い戻り" /><ref name="ヤフー-桜花賞">{{Cite web |title=史上初の兄弟騎手ＧIワンツー! デムーロ弟が兄撃破=桜花賞（2頁） |url=https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201304070005-spnavi?p=2 |website=スポーツナビ |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref>。そして主戦の丸山と臨むはずだった。しかし丸山は、その前日、[[福島競馬場]]の3歳未勝利戦で先頭に出た途端に、馬の突然の外側逃避を受けて落馬していた。たちまち地面に叩きつけられて失神し、[[脳震盪]]や腰部[[打撲]]、[[腰椎]]横突起[[骨折]]と診断されて騎乗不能という判断{{Efn|実際のところは、診察と異なり、骨折には至っていなかったという。丸山は、桜花賞数日後の火曜日から業務を再開している<ref name="netkeiba-丸山">{{Cite web |title=【丸山元気×藤岡佑介】第4回『どうしても…どうしても早くGIを勝ちたい理由がある』 - 藤岡佑介 {{!}} 競馬コラム |url=https://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=45245 |website=netkeiba.com |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref>。}}がなされた<ref name="競馬ブック-デムーロ乗り替わり">{{Cite web |title=アユサンはＣ.デムーロ騎手に乗り替わり――桜花賞 |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/58078 |website=競馬ブック |access-date=2023-03-26}}</ref><ref>{{Cite web |title=福島で丸山元気騎手が落馬負傷、アユサンはC.デムーロ騎手に乗り替わり {{!}} 競馬ニュース |url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=74260 |website=netkeiba.com |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref>。このために乗り替わりとなり、短期免許を行使して来日中のイタリア人騎手である[[クリスチャン・デムーロ]]が新たに起用される<ref name="競馬ブック-デムーロ乗り替わり" />。デムーロは、乗り替わりが決まった後に失神から回復した丸山から、助言を託されての初騎乗、代打となった<ref name="netkeiba-丸山" /><ref name="ヤフー-桜花賞" />。
[[ファイル:Christian-Demuro20120129.jpg|サムネイル|231x231ピクセル|[[クリスチャン・デムーロ]]]]
デムーロにとって、桜花賞騎乗は悲願だった。前年、桜花賞の有力馬を得ながら、参戦できなかった経験があった。前年、短期免許の期限が目前に迫ったチューリップ賞に[[ハナズゴール]]で臨み、[[ジョワドヴィーヴル]]や[[ジェンティルドンナ]]らを破り、それらに2馬身半差をつけて優勝<ref name="優駿-2013-5-65" />。本番桜花賞の有力馬を得ていたが、申請した短期免許の期間には、桜花賞当日は含まれていなかった。チューリップ賞直後に期間満了となり、その後は母国のイタリアで騎乗する予定、約束が存在したため、当日は騎乗できないと思われていた<ref name="スポニチ-ハナズゴール-桜花賞">{{Cite web |title=Ｃ・デムーロ、ハナズゴールで桜花賞参戦！ - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/03/11/kiji/K20120311002802260.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref>。しかしデムーロは、参戦を熱望していた。ハナズゴールのためだけに短期免許を再取得し、イタリアの関係者と調整をしたうえで参戦を叶えていた<ref>{{Cite web |title=ハナズゴール、Ｃデムーロで「桜」濃厚 |url=https://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=21022 |website=競馬予想のウマニティ |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref><ref name="スポニチ-ハナズゴール-桜花賞" />。ところがハナズゴール自身が直前で負傷し、桜花賞を回避<ref name="平松-デムーロ">{{Cite web |title=コロナに負けるな!! 先週Ｇ１勝ちのイタリア人騎手と桜花賞とのエピソード（平松さとし） - 個人 |url=https://news.yahoo.co.jp/byline/satoshihiramatsu/20200409-00172228 |website=Yahoo!ニュース |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref>。結局、デムーロの桜花賞参戦は叶わず、ハナズゴールのためのあらゆる行動や短期免許が無駄になっていた<ref name="優駿-2013-5-65" />。
それから1年が経過した2013年、この年のデムーロは、エバーブロッサムの騎乗依頼を受け入れていた<ref>{{Cite web |url=http://daily.co.jp/horse/2013/04/08/1p_0005881583.shtml |title=【桜花賞】デムーロGI初兄弟ワンツー（2頁） |access-date=2023-3-26 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130408131739/http://daily.co.jp/horse/2013/04/08/1p_0005881583.shtml |archive-date=2013-4-8}}</ref>。しかしエバーブロッサムは、賞金不足で除外となる<ref name="優駿-2013-6-99">『優駿』2013年6月号 99頁</ref><ref name="平松-デムーロ" />。前年に続いて再び桜花賞参戦が叶わないと思われたその矢先、丸山が騎乗不能となり、アユサンの騎乗依頼が届いていた。
18頭立てとなる中、突然の騎手変更で臨むアユサンは、単勝オッズ18.0倍の7番人気だった<ref name="優駿-2013-6-98">『優駿』2013年6月号 98頁</ref>。前哨戦優勝のクロフネサプライズや[[メイショウマンボ]]、無敗のトーセンソレイユ、前哨戦優勝かつ無敗の[[クラウンロゼ]]、大敗からの巻き返しを狙うレッドオーヴァルやコレクターアイテムには及ばない信頼だった<ref name="優駿-2013-6-98" />。トライアル競走の重賞を制したクロフネサプライズとメイショウマンボの2頭の有力馬には、それぞれ[[武豊]]、[[武幸四郎]]が起用されていた。このため桜花賞を舞台にした武兄弟による対決に大きな注目が集まっていた<ref name="優駿-2013-6-98" />。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=n-jfTx_Wgeg&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2013年 桜花賞（{{GI}}）<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}スタートからサマリーズがクロフネサプライズらを制してハナを奪い、ハイペースを刻む一方<ref name="優駿-2013-6-98" />、アユサンは中団馬群の中を追走した<ref>{{Cite web |url=http://daily.co.jp/horse/2013/04/08/0005881583.shtml |title=【桜花賞】デムーロGI初兄弟ワンツー |access-date=2023-3-26 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130408115413/http://daily.co.jp/horse/2013/04/08/0005881583.shtml |archive-date=2013-4-8}}</ref>。最終コーナーに差し掛かるとサマリーズが垂れて、クロフネサプライズが先頭となり直線に差し掛かっていた<ref name="ヤフー-桜花賞" />。アユサンは、クロフネサプライズの背後から追い上げる形となった。馬群から進路を見出して抜け出し、クロフネサプライズの外側に持ち出して、末脚を発揮して接近。直線半ばで捉えて差し切り、先頭を奪取していた<ref>{{Cite web |url=http://daily.co.jp/newsflash/horse/2013/04/07/0005880715.shtml |title=競馬の桜花賞、アユサンが優勝 |access-date=2023-3-26 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130408123915/http://daily.co.jp/newsflash/horse/2013/04/07/0005880715.shtml |archive-date=2013-4-8}}</ref>。残り200メートルまで先頭を守っていた<ref name="スポニチ-桜花賞-デムーロ" />。
[[ファイル:Mirco Demuro IMG 6109-20 20171202.jpg|サムネイル|258x258ピクセル|[[ミルコ・デムーロ]]]]
しかし直後に大外から追い込むレッドオーヴァルに接近された。レッドオーヴァルには、クリスチャン・デムーロの兄である[[ミルコ・デムーロ]]が騎乗していた。すなわち兄弟横並びとなっていた。横並びとなった直後は、レッドオーヴァルの末脚が鋭く、残り100メートルというところで先頭を明け渡し<ref name="優駿-2013-5-64">『優駿』2013年5月号 64頁</ref>、半馬身のリードを許した<ref name="報知-桜花賞-デムーロ" />。しかしクリスチャン・デムーロがムチを振るって促すと、アユサンはもう一伸びを開始していた。ビハインドを盛り返して並びかけ、さらにはゴール寸前で突き出ていた。レッドオーヴァルよりクビ差だけ先に決勝線に到達<ref name="優駿-2013-6-98" />。入線直後クリスチャンは、左手を空に掲げてから、アユサンに抱きつき、そして隣を走行するミルコとタッチしていた<ref name="優駿-2013-5-64" />。
桜花賞戴冠を成し遂げる。1948年ハマカゼ、1954年ヤマイチ、1980年[[ハギノトップレディ]]、1995年[[ワンダーパヒューム]]に続いて1946年以降{{Efn|2歳戦が整備されて以降。}}史上5頭目となる1勝馬による戴冠、1986年[[メジロラモーヌ]]以来史上5頭目となる東京デビューからの戴冠を果たした<ref name="スポニチ-桜花賞-デムーロ">{{Cite web |title=【桜花賞】アユサン差し返した！デムーロ兄弟、史上初Ｇ１ワンツー - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/04/08/kiji/K20130408005566130.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref><ref name="競馬ブック-桜花賞アラカルト">{{Cite web |title=桜花賞アラカルト |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/58086 |website=競馬ブック |access-date=2023-03-26}}</ref>。またクリスチャン・デムーロは、JRAGI初勝利<ref name="優駿-2013-6-99" />、GI級競走初勝利<ref name="スポニチ-桜花賞-デムーロ" />。また史上初めてとなる外国人騎手による桜花賞優勝を果たしている<ref name="競馬ブック-桜花賞アラカルト" />。さらに、1984年の[[グレード制]]導入以降'''史上初めてとなる出馬表確定後に騎手変更となりながらのGI優勝'''、史上12回目となる騎手変更となりながらの重賞優勝だった<ref name="優駿-2013-6-99" /><ref name="報知-桜花賞-デムーロ">{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130407-OHT1T00182.htm |title=【桜花賞】アユサン桜冠!史上初デムーロ弟兄ワンツー |access-date=2023-3-26 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130408134050/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130407-OHT1T00182.htm |archive-date=2013-4-8}}</ref>。
注目された武兄弟ではなく、デムーロ兄弟によるワンツーフィニッシュだった。2009年[[福島記念]]（GIII）の[[サニーサンデー]]と[[吉田隼人 (競馬)|吉田隼人]]、トウショウシロッコと[[吉田豊 (競馬)|吉田豊]]以来となる兄弟騎手JRA重賞ワンツーであり、史上初めてとなる兄弟騎手JRAGIワンツーを成し遂げていた<ref name="報知-桜花賞-デムーロ" /><ref name="競馬ブック-桜花賞アラカルト" />。デムーロは「レース前、（丸山）元気が『出来はいい。中団で我慢すれば必ず最後は脚を使う』とアドバイスしてくれた。彼にもお礼を言いたい（カッコ内加筆者）<ref name="優駿-2013-5-65" />」と述べている。
さらに手塚は、前年、[[フィリーズレビュー]]優勝から、栗東滞在を経て臨んだ[[アイムユアーズ]]での3着敗退を乗り越えた初めての桜花賞優勝、クラシックも初めての優勝だった<ref name="優駿-2013-6-99" />。星野は、アユサンの2回の挑戦で実り、JRAGI2回目で初優勝だった<ref name="デイリー-星野">{{Cite web |url=http://daily.co.jp/horse/2013/04/08/0005881591.shtml |title=【桜花賞】星野オーナー「声が出た」 |access-date=2023-3-26 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130408124403/http://daily.co.jp/horse/2013/04/08/0005881591.shtml |archive-date=2013-4-8}}</ref>。また下河辺牧場は、[[ダイワエルシエーロ]]で制した2004年優駿牝馬（オークス）以来となるJRAGI優勝だった<ref name="ふるさと-桜花賞">{{Cite web |title=2013年04月07日 桜花賞 Ｇ１ {{!}} 重賞ウィナーレポート {{!}} 競走馬のふるさと案内所 |url=https://uma-furusato.com/winner_info/72185.html |website=uma-furusato.com |access-date=2023-03-26}}</ref>。
==== 桜花賞以後 ====
桜花賞の後は牝馬クラシック第二弾、5月19日の優駿牝馬（オークス）（GI）に参戦した。出走2週間前には歯変わりが起こって効率的に食事ができるようになり、良い状態で臨むことができた<ref name="報知-桜花賞-追い切り2">{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130516-OHT1T00168.htm |title=【オークス】アユサン１２秒８！２冠へ仕上がった！ |access-date=2023-3-26 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130521125905/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130516-OHT1T00168.htm |archive-date=2013-5-21}}</ref>。癒えた丸山が舞い戻り、導いたデムーロはライバルのレッドオーヴァルに騎乗していた<ref>{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130515-OHT1T00161.htm |title=【オークス】C・デムーロ、レッドオーヴァルに「グッド!」桜2着の雪辱へ |access-date=2023-3-26 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130521125949/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130515-OHT1T00161.htm |archive-date=2013-5-21}}</ref>。丸山は、自身のJRAGI初勝利がかかっていた<ref name="報知-桜花賞-追い切り2" />。二冠を目指して[[デニムアンドルビー]]、レッドオーヴァルに次ぐ3番人気という支持だった<ref name="優駿-2013-7-104">『優駿』2013年7月号 104頁</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=mzrJ11eLe0k&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2013年 優駿牝馬（オークス）（{{GI}}）<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}スタートから中団馬群の中を追走して、直線で馬群から脱していたが、一足先に9番人気メイショウマンボには及ばなかった<ref>{{Cite web |title=【オークス】アユサンは４着 ２冠制覇は失敗 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/05/19/kiji/K20130519005837930.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref>。牝馬二冠叶わず、メイショウマンボに3馬身以上後れを取る4着だった<ref name="優駿-2013-7-104" />。戦前の装鞍所までは良かったが、パドックで入れ込んでしまっており「調教が強すぎた<ref>{{Cite web |url=http://daily.co.jp/horse/2013/05/20/1p_0006003753.shtml |title=【オークス】アユサン丸山「悔しい」 |access-date=2023-3-27 |publisher=[[デイリースポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130521004556/http://daily.co.jp/horse/2013/05/20/1p_0006003753.shtml |archive-date=2013-5-21}}</ref>」と回顧している。
この後は、牧場に戻らず厩舎に留まって夏を過ごした<ref>{{Cite web |title=桜花賞馬アユサン 放牧せず厩舎で調整、秋華賞に備える - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/05/30/kiji/K20130530005905550.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref>。秋は、牝馬三冠競走最終戦の秋華賞を目指して、前哨戦のローズステークスから始動する予定だった<ref name="ウマニティ-ローズS回避">{{Cite web |title=桜花賞馬アユサン、脚部不安で秋全休 |url=https://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=33545 |website=競馬予想のウマニティ |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref>。しかし8月下旬に馬房内で負傷、左前脚の球節が腫れたために、ローズステークスを断念<ref>{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130829-OHT1T00205.htm |title=桜花賞馬アユサン球節負傷で年内休養 |access-date=2023-3-27 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130830123625/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130829-OHT1T00205.htm |archive-date=2013-8-30}}</ref>。さらに左前脚の腱周囲炎のために秋華賞の参戦も断念し、年内出走を断念した<ref>{{Cite web |url=https://www.daily.co.jp/horse/2013/08/30/0006293781.shtml |title=アユサン秋華賞断念…年内休養へ |access-date=2023-3-27 |publisher=[[デイリースポーツ]]}}</ref>。手塚は「馬房で雷に驚いてぶつけたのかもしれないが、正直、原因は分からない。<ref>{{Cite web |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/08/30/kiji/K20130830006510430.html |title=桜花賞馬アユサン 左前下肢部炎症で秋全休、手塚師「本当に残念」 |access-date=2023-3-27 |publisher=[[スポーツニッポン]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20140309111916/https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/08/30/kiji/K20130830006510430.html |archive-date=2014-3-9}}</ref>」と述べている。下河辺牧場で放牧となった<ref name="ウマニティ-ローズS回避" />。放牧中は、歯の治療もこなし、暮れに厩舎に帰還した<ref name="報知-中山記念">{{Cite web |url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20140227-OHT1T00143.htm |title=【中山記念】アユサン格下2頭に遅れても「いい雰囲気」 |access-date=2023-3-27 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-date=2014-2-28 |archive-url=https://web.archive.org/web/20140228153839/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20140227-OHT1T00143.htm}}</ref>。
年をまたいで2014年は、5月の[[ヴィクトリアマイル]]を目指し、[[東京新聞杯]]から始動する予定だった。放牧中の歯の治療もあって、疲労が解消せず、調整に遅れが生じた<ref>{{Cite web |title=【中山記念】美浦レポート～アユサン｜競馬実況web｜競馬｜ラジオNIKKEI |url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_2760.html |website=ラジオNIKKEI |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref><ref name="報知-中山記念" />。このため始動は先送りとなり、3月2日の[[中山記念]]（GII）で始動、最下位の15着だった。続いて4月6日、[[ダービー卿チャレンジトロフィー]]（GIII）にも参戦したが11着だった。そして目標のヴィクトリアマイル参戦を予定したが、その1週間前の追い切りで左前肢に跛行をきたして回避となった<ref>{{Cite web |title=【ヴィクトリアＭ】アユサン回避濃厚 追い切り後に脚部不安発症 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/05/08/kiji/K20140508008117000.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=アユサンが脚部不安でヴィクトリアマイルを回避 {{!}} 競馬ニュース |url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=86843 |website=netkeiba.com |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref>。この後、復帰叶わないまま、2014年末に競走馬引退となる<ref>{{Cite web |title=昨年の桜花賞馬アユサンが引退 繁殖入り {{!}} 競馬ニュース {{!}} 競馬ラボ |url=https://www.keibalab.jp/topics/25543/ |website=www.keibalab.jp |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref>。12月26日付で日本中央競馬会の競走馬登録が抹消された<ref name="スポニチ-引退">{{Cite web |title=桜花賞馬アユサンが引退…北海道下河辺牧場で繁殖入り - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/12/27/kiji/K20141227009527060.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-03-27 |language=ja}}</ref>。
=== 繁殖牝馬時代 ===
競走馬引退後は、生まれ故郷の下河辺牧場で[[繁殖牝馬]]となった<ref name="スポニチ-引退" />。初年度となる2015年から2019年までの5年間で[[キングカメハメハ]]と[[ルーラーシップ]]が交配され続け、5頭の仔を得ている。初仔は、競走馬とならないままに繁殖牝馬となったが、2番仔から5番仔までの4頭は、中央競馬でデビューを果たした。そして3番仔アップストリーム（父:キングカメハメハ）が初めて勝ち上がった。また4番仔エンギダルマ（父:ルーラーシップ）は、同じく星野、手塚、丸山の北関東ラインが再結成し、2022年[[スプリングステークス]]（GII）出走を果たしている。クラシック第一弾・[[皐月賞]]の優先出走権を目指したが、[[ビーアストニッシド]]に敗れる4着で、出走権獲得を逃している<ref>{{Cite web |title=【スプリングＳ・敗者の弁】エンギダルマは皐月賞切符届かず４着 丸山元気騎手「一瞬伸びかけたけど…」 |url=https://umatoku.hochi.co.jp/articles/20220320-OHT1T51158.html |website=UMATOKU {{!}} 馬トク - スポーツ報知' |date=2022-03-20JST17:21:00+0900 |access-date=2023-03-26 |language=ja-JP}}</ref>。
[[ファイル:Dolce More Asahi Hai Futurity Stakes 2022(IMG1).jpg|サムネイル|230x230ピクセル|[[ドルチェモア]]]]
そして5番仔[[ドルチェモア]]（父:ルーラーシップ）は、2022年夏、[[札幌競馬場]]の新馬戦で初勝利を挙げた後<ref>{{Cite web |title=【２歳新馬】桜花賞馬アユサンの子ドルチェモアが逃げ切りＶ 横山和「いいものを持っているのは見せてくれました」 |url=https://tospo-keiba.jp/breaking_news/18733 |website=東スポ競馬 |date=2022-08-20 |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref>、10月の[[サウジアラビアロイヤルカップ]]（GIII）で連勝し重賞初勝利を挙げた<ref>{{Cite web |title=【サウジアラビアRC】アユサンの息子、ドルチェモア差し切った！ 無傷2連勝で重賞初制覇 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル |url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2022/10/08/kiji/20221008s00004048385000c.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref>。さらに暮れ、アユサンが桜花賞を制した舞台である阪神芝マイルで行われる[[朝日杯フューチュリティステークス]]（GI）では、1番人気の支持に応えて3連勝、GI初勝利を挙げて母仔GI優勝を果たしている<ref>{{Cite web |title=【朝日杯ＦＳ】ドルチェモア 無敗戴冠 アユサンと同じ舞台で母子Ｇ１制覇！/デイリースポーツ online |url=https://www.daily.co.jp/horse/2022/12/19/0015901729.shtml |website=デイリースポーツ online |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=ドルチェモア生産者の下河辺牧場、母アユサンが桜花賞を制した舞台での勝利に喜び【朝日杯FS】：中日スポーツ・東京中日スポーツ |url=https://www.chunichi.co.jp/article/603222 |website=中日スポーツ・東京中日スポーツ |access-date=2023-03-26 |language=ja}}</ref>。またこの年の[[JRA賞]]では、[[JRA賞最優秀2歳牡馬]]を受賞している<ref name="JBIS-ドルチェモア">{{Cite web |title=ドルチェモア｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001322918/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-03-26}}</ref>。
== 競走成績 ==
以下の内容は、[[netkeiba.com]]
{| style="border-collapse:collapse; font-size:
!競走日
!競馬場
!競走名
!格
!距離（馬場）
!頭
数
!枠
番
!馬
番
!オッズ
（人気）
!着順
!タイム
（上がり3F）
!着差
!騎手
!斤量
[kg]
!1着馬（2着馬）
!馬体重
[kg]
|-
|[[2012年|2012]].[[10月6日|10.{{0}}6]]
|[[東京競馬場|東京]]
|[[新馬|2歳新馬]]
60 ⟶ 133行目:
|54
|（ヒシラストガイ）
|494
|-
|{{0|0000.}}[[11月3日|11.{{0}}3]]
|東京
|[[アルテミスステークス|アルテミスS]]
76 ⟶ 150行目:
|54
|[[コレクターアイテム]]
|494
|-
|{{0|0000.}}[[12月9日|12.{{0}}9]]
|[[阪神競馬場|阪神]]
|[[阪神ジュベナイルフィリーズ|阪神
|{{GI}}
|芝1600m（良）
92 ⟶ 167行目:
|54
|[[ローブティサージュ]]
|496
|-
|[[2013年|2013]].{{0}}[[3月2日|3.{{0}}2]]
|阪神
|[[チューリップ賞]]
108 ⟶ 184行目:
|54
|[[クロフネサプライズ]]
|496
|-
|{{0|0000.}}{{0}}[[4月7日|4.{{0}}7]]
|阪神
|[[桜花賞]]
124 ⟶ 201行目:
|55
|（レッドオーヴァル）
|484
|-
|{{0|0000.}}{{0}}[[5月19日|5.19]]
|東京
|[[優駿牝馬]]
140 ⟶ 218行目:
|55
|[[メイショウマンボ]]
|486
|-
|[[2014年|2014]].{{0}}[[3月2日|3.{{0}}2]]
|[[中山競馬場|中山]]
|[[中山記念]]
156 ⟶ 235行目:
|55
|[[ジャスタウェイ]]
|488
|-
|{{0|0000.}}{{0}}[[4月6日|4.{{0}}6]]
|中山
|[[ダービー卿チャレンジトロフィー|ダービー卿CT]]
172 ⟶ 252行目:
|55
|[[カレンブラックヒル]]
|494
|}
== 繁殖
{| class="wikitable" border="1" style="font-size: 66%"
!
!生年
!馬名
!性
!毛色
!父
!馬主
!管理調教師
!戦績
!主な
!供用
!出典
|-
|初仔
|[[2016年]]
|アストランティア
|牝
|[[栗毛]]
|[[キングカメハメハ]]
|
|
|不出走
|
|繁殖
|<ref>{{Cite web |title=アストランティア｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001222515/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-03-26}}</ref>
|-
|2番仔
|[[2017年]]
|アプローズユウ
|牝
|鹿毛
|[[ルーラーシップ]]
|星野壽市
| rowspan="3" |[[美浦トレーニングセンター|美浦]]・[[手塚貴久]]
|4戦0勝
|
|繁殖
|<ref>{{Cite web |title=アプローズユウ｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001236147/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-03-26}}</ref>
|-
|3番仔
|[[2018年]]
|アップストリーム
|牝
|黒鹿毛
|キングカメハメハ
|下河辺隆行
|
|
|現役
|<ref>{{Cite web |title=アップストリーム｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001268111/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-03-26}}</ref>
|-
|4番仔
|[[2019年]]
|エンギダルマ
|牡
|鹿毛
| rowspan="2" |ルーラーシップ
|星野壽市
|
|2022年[[スプリングS]]（GII）4着
|現役
|<ref>{{Cite web |title=エンギダルマ｜JBISサーチ（JBIS-Search） |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001309582/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-03-26}}</ref>
|-
|5番仔
|[[2020年]]
|[[ドルチェモア]]
|牡
|鹿毛
|スリーエイチR
|[[栗東トレーニングセンター|栗東]]・[[須貝尚介]]
|3戦3勝
|2022年[[サウジアラビアロイヤルカップ|サウジアラビアRC]]（GIII）<br />2022年'''[[朝日杯フューチュリティステークス|朝日杯FS]]'''（GI）
|現役
|<ref name="JBIS-ドルチェモア" />
|-
|
|2021年
|（不受胎）
|
|
259 ⟶ 343行目:
|
|
|<ref name="JAIRS-アユサン">{{Cite web |url=https://www.studbook.jp/users/ja/Honba.php?sid=879233049 |title=アユサン（JPN） |access-date=2023-3-26 |publisher=公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル |archive-url=https://web.archive.org/web/20230326012839/https://www.studbook.jp/users/ja/Honba.php?sid=879233049 |archive-date=2023-3-26}}</ref>
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|6番仔
|2022年
|アユサンの2022
|牡
|黒鹿毛
268 ⟶ 353行目:
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|デビュー前
|<ref>{{Cite web |title=アユサンの2022 |url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001355312/ |website=www.jbis.or.jp |access-date=2023-03-26}}</ref>
|-
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|2023年
|（受胎済み）
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283 ⟶ 369行目:
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|<ref name="JAIRS-アユサン" />
|}
* 情報は、2022年3月26日現在
== 血統
{{競走馬血統表
|name = アユサン
328 ⟶ 415行目:
|ref4 = <ref name="ped"/>
}}
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
<references group="注釈" />
=== 出典 ===
{{Reflist}}
== 参考文献 ==
* 『うまレター』（株式会社ドリームストーリー）
** 2022年11月号（185号）
*** 浜近英史「[https://umaletter.meclib.jp/umaletter185/book/#target/page_no=5 【ファームレポート】ロンドンブランとドルチェモアのふるさとを訪ねて。下河辺牧場 日高町福満]」
* 『[[優駿]]』（[[日本中央競馬会]]）
**2013年5月号
***岡本光男（[[日刊スポーツ]]）「【第73回桜花賞】アユサン それぞれの想いが花開いた瞬間」
***「【重賞プレイバック】第20回チューリップ賞（GIII）クロフネサプライズ」
**2013年6月号
***「【重賞プレイバック】第73回桜花賞（GI）アユサン」
**2013年7月号
***「【重賞プレイバック】第74回優駿牝馬（オークス）（GI）メイショウマンボ」
**2013年8月号
***篠原美穂子「【3歳GIホース 牧場時代の素顔】桜花賞優勝馬アユサン 当歳の夏に急成長を遂げ、体形も変化 スタッフの間で"なにか気になる存在"に」
== 外部リンク ==
{{桜花賞勝ち馬}}
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