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[[ファイル:MyersBriggsTypes.png|サムネイル|4つの二分法と16の性格類型を示した図表 ]]
 
=== MBTI®はテストや診断ツールではない ===
'''MBTI'''({{En|'''M'''yers–'''B'''riggs '''T'''ype '''I'''ndicator}}、'''マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標''')は、個人がどう[[世界観|世界を認識]]し、[[判断力|物事への決定]]を下すかについての[[心理学]]的な選好を示すことを目的とした、[[内観#心理学研究の方法としての内観|内観]]的な自己申告型診断テストである<ref name="basics">{{Cite web|title=MBTI® Basics|url=https://www.myersbriggs.org/my-mbti-personality-type/mbti-basics/|website=The Myers & Briggs Foundation|accessdate=2021-11-08|language=en}}</ref><ref name=0-89106-074-X>{{Cite book|和書|title=Gifts Differing: Understanding Personality Type|publisher=Davies-Black Publishing|location=[[マウンテンビュー|Mountain View, CA]]|origyear=1980|year=1995|isbn=0-89106-074-X|author=Myers, Isabel Briggs|author2=Peter B. Myers}}</ref><ref>[https://www.cpp.com/en-US/Products-and-Services/Myers-Briggs Myers-Briggsタイプ指標(MBTI)] 、''CPP.com''、メンローパーク、カリフォルニア州、2014年、2014年6月18日閲覧。</ref>。被験者は、[[外向性と内向性|外向型・内向型]]、感覚型・直観型、思考型・感情型、判断型・認知型の4つの[[二分法]]を掛け合わせた16の性格類型に分類される([[#診断]]を参照)。
MBTIはテスト(性格を査定するもの)でも診断ツール(性格を評価するもの)でもありません。また従来の心理・性格検査とも異なります。受けた本人が自分の心について理解を深める指針となるツール/メソッドです。受けた本人に回答結果を返し、本人がその結果をきっかけとして、しっくりくるタイプ(ベストフィットタイプ)を見つけていく過程が大切で、受検者をタイプに分類することを目的としていません。したがって、実施者(MBTI認定ユーザーと呼ばれる)は、受検者がベストフィットを見出していく過程を適切に支援することが義務付けられています。そのため、実施者は、MBTI及びその関連事項について、十分な知識と訓練を必要とします。またMBTIは能力やスキルや適性を見るものではありませんので、当然、MBTIを自分や他者を診断するためにつかったり、選別や評価の場面での利用することもできません。あくまでのMBTIを受けた本人が、自分を適切に分析するための指針としての支援ツールです。
 
MBTIは、米国ではAPA(American Psychological Association)の倫理規程(テストスタンダード)に則って、米国の出版社TMBC社においては、レベルBの検査と位置付けられ、購入や利用方法が限定されています。諸外国においても、それに倣ったテストスタンダードに則って普及され、活用されています。現在MBTIは世界で年間500万人が受検しているなど、世界でも最も利用されている性格検査(Personality Inventory)にカテゴライズされるツールです。ただし、他の性格検査とは一線を画します。それは、MBTIは特性論ではなく、タイプ論を理論背景にしているということと、100%受検者のために開発されたものであるということです。そして一定の訓練を受け、国際基準を満たした有資格者の支援のもと実施、結果の検証がなされることがマストであるということです。日本においても、国際規格のもと一般社団法人日本MBTI協会(Japan MBTI Association)主催のMBTIトレーニング講座を受講し、資格取得試験に合格、資格を取得した人だけに、MBTIの購入と実施を限っています。
 
=== MBTIは特性論ではなく、タイプ論を理論背景にしている ===
前述の通り、MBTIは、ユングの心理学的タイプ論(Type Theory)をもとに開発された検査(Indicator)です。MBTIは特性論(Trait Theory)を背景にした検査ではありません。したがって、検査で用いられる用語、検査の母集団、得点、採点方法などの内容や意味が特性論を背景にした、従来の検査とは異なります。当然、開発の経緯もMBTI独自の方法を用いています。MBTIは性格の特徴の程度を測定するものではなく、個人一人ひとりの心の指向(Preference)を指し示す(Indicate)ものです。そのため、万が一MBTIを特性論の検査として利用したり、回答結果を特性論で解釈した場合は誰の利益にもならないだけでなく、害になる可能性を含んでいます。現在MBTIに似た16タイプが「診断」できる無料のサイトがあるようですが、それはMBTIではなく、似て非なるものです。偽物は本物に近づけることを目的としますが、本物はそれがなしうる最大の結果を出すという目標がある、という視点をもって、人の心をあつかうツールであり、慎重に真偽を見分けるようにする必要があるでしょう。
 
=== フィードバックは必ず対面交流形式(Face To Face)で行う ===
MBTIの実施者(MBTI認定ユーザー/MBTI Qualified User)は、MBTIを受けた本人(受検者)に必ずフィードバック(タイプの検証)をする義務があります。そのため、フィードバックの形式は実際に受検者と接しての対面交流形式行います(ただし、リアルタイムで双方向のやりとりができるオンラインを通じてのフィードバックはFace To Faceの構造が守られると判断された場合に限り、許される)。また、検査の結果は受検者本人のものですので、実施者が受検者の承諾なしにその家族や上司など第三者に渡したり、本人以外にフィードバックしたり、人事情報として回答結果を人事が一括して保存することなども厳禁です。
 
また他者のタイプをその人の許可なく開示することもPrivacyの侵害と同等の扱いになります。
 
なお、回答結果を本人にフィードバックしないでよい場面は、研究としてマス単位でデータを使用するときのみに限られます。ただ被検者がフィードバックを希望した場合は実施する義務が研究者側にあります。
 
また、MBTIはフィードバックした後、受検者が実際の日常生活にMBTIという枠組み(フレームワーク)を持ち帰ることで、さらに洞察が深まったり、疑問が出てきたりします。そのような場合を考えて、実施者は何らかの形でフォローが可能なようにしておく必要があります。たとえばメールアドレスを伝えておくなど、です。
 
=== MBTIは人の成長にかかわるすべての場面で活用できる国際規格のツール・メソッドである ===
MBTIは性格検査ですが、利用方法は一つではありません。MBTIの考え方は、ユングの心の発達モデルを背景にしているので、応用は多岐にわたり、人の心の成長にかかわるすべての場面で活用できます。特にタイプダイナミクスの観点まで理解し分析を深められると、自分自身を成長させる指針となります。すでにMBTIを用いた多くの実績のある諸外国においても、健全な職場づくり、キャリアカウンセリング、コンサルティング、リーダーシップ開発、チームビルディング、エグゼクティブコーチング、教育者や面接者の訓練及び異文化や多文化の研究などの用途に活用されており、各分野での多くの研究も発表されています。
 
<small>(R)MBTI is registered trademark of The Myers & Briggs Foundation in the United States and other countries.</small>
 
'''MBTI'''({{En|'''M'''yers–'''B'''riggs '''T'''ype '''I'''ndicator}}、'''マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標''')は、個人がどう[[世界観|世界を認識]]し、[[判断力|物事への決定]]を下すかについての[[心理学]]的な選好を示すことを目的とした、[[内観#心理学研究の方法としての内観|内観]]的な自己申告型診断テストである<ref name="basics">{{Cite web|title=MBTI® Basics|url=https://www.myersbriggs.org/my-mbti-personality-type/mbti-basics/|website=The Myers & Briggs Foundation|accessdate=2021-11-08|language=en}}</ref><ref name="0-89106-074-X">{{Cite book|和書|title=Gifts Differing: Understanding Personality Type|publisher=Davies-Black Publishing|location=[[マウンテンビュー|Mountain View, CA]]|origyear=1980|year=1995|isbn=0-89106-074-X|author=Myers, Isabel Briggs|author2=Peter B. Myers}}</ref><ref>[https://www.cpp.com/en-US/Products-and-Services/Myers-Briggs Myers-Briggsタイプ指標(MBTI)] 、''CPP.com''、メンローパーク、カリフォルニア州、2014年、2014年6月18日閲覧。</ref>。被験者は、[[外向性と内向性|外向型・内向型]]、感覚型・直観型、思考型・感情型、判断型・認知型の4つの[[二分法]]を掛け合わせた16の性格類型に分類される([[#診断]]を参照)。
 
[[スイス]]人[[心理学者]]の[[カール・グスタフ・ユング]]が[[1921年]]に出版した著書『心理学的類型』に基づいて<ref>{{Cite book|last=Jung|first=Carl Gustav|date=August 1, 1971|chapter=Psychological Types|title=Collected Works of C.G. Jung|volume=6|publisher=[[Princeton University Press]]|isbn=0-691-09770-4}}</ref>、1962年に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]人著者のキャサリン・クック・ブリッグスと[[娘]]のイザベル・ブリッグス・マイヤーズによって初版が完成した<ref name="NPR_The Personality Brokers">{{Cite news|last=Block|first=Melissa|title=How The Myers-Briggs Personality Test Began In A Mother's Living Room Lab|url=https://www.npr.org/2018/09/22/650019038/how-the-myers-briggs-personality-test-began-in-a-mothers-living-room-lab|accessdate=23 September 2018|newspaper=NPR|date=September 22, 2018}}</ref>。尚、ユングは、人が4つの主要な心理学的機能である感覚、直観、感情、思考を用いて世界を経験しており、生涯のほぼすべてにおいてこれら4つの機能の内の1つが支配的であると推測していた<ref>[{{Google books|rzckDwAAQBAJ|page=34|plainurl=yes}} page 34] in {{Cite book|last=Huber|first=Daniel|last2=Kaufmann|first2=Heiner|last3=Steinmann|first3=Martin|year=2017|chapter=The Missing Link: The Innovation Gap|title=Bridging the Innovation Gap|pages=21–41|doi=10.1007/978-3-319-55498-3_3|series=Management for Professionals|isbn=978-3-319-55497-6}}</ref>。