「ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
統合後の体裁整理
Dガンダム、他
27行目:
本作の連載と並行して、メカニックデザイン担当の福地による1ページ記事「MS90'S」も連載。本作に登場するオリジナルMS(未登場のものも含む)の設定画やイラスト、関連コラムなどが掲載された。
 
「ガンダムシリーズ」の([[メディアミックス]]ではない単体の)漫画作品としては珍しく、連載終了直後に発行されたバンダイの書籍『ENTERTAINMENT BIBLE (EB)』シリーズや『MS大全集』シリーズに本作登場のオリジナルMSや、年表に関連事項が掲載された。これは[[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]が「映像作品が公式である」という立場を表明する以前のことであるが、その後1999年から2000年にかけて発売されたゲーム『[[SDガンダム GGENERATION]](Gジェネ)』シリーズ(『ZERO』『F』『ギャザービートGATHER BEAT』)にもオリジナルMSやキャラクターが登場し、バンダイからアスキー・メディアワークス、KADOKAWAへと引き継がれた『MS大全集』シリーズでは2022年の最新版に至るまでオリジナルMSが掲載され続けている。
 
=== 連載版サブタイトル ===
54行目:
[[第一次ネオ・ジオン抗争]]終結から1年経過した[[宇宙世紀]]0090年。[[地球連邦]]の傲慢に対する[[スペースノイドとアースノイド|スペースノイド]]の反感は危険水準まで高まっており、各地で[[テロリズム]]へとエスカレートしていた。[[地球連邦]]の主導で本格的なコロニー再建計画がコロニー公社を中心に進められていたが、空きコロニーはテロリストの巣となっている場合が多く、連邦軍の護衛付きの危険な仕事となっていた。
 
[[宇宙世紀の企業#コロニー公社|コロニー公社]]の下請け会社、である[[宇宙世紀の企業#モノトーン・マウス|モノトーン・マウス]] (MM) 社に勤めるダリー・ニエル・ガンズは、自らハジャドメイドの専クMSから作り上げた作業の「[[#Dガンダム「[[|Dガンダム]]」を作に乗上げ"ガンダム・ダリー"の異名を取るほどのガンダム好きである。[[地球連邦軍]]の[[サラミス (ガンダムシリーズ)#サラミス改(Ζガンダム版)|サラミス改級]]巡洋艦アラハスの護衛の下で再建作業に携わっていたダリーをおこなうMM社は、テロリスト集団「カラード」の襲撃を受けるが、Dガンダムでこれを撃退する。その腕を買われ、アラハスに所属することになるダリーだが、なぜか"ガンダム"を付け狙うカラードの女性パイロット、アルヴェニシカ・キーストや復活した[[ネオ・ジオン#新生ネオ・ジオン|新生ネオ・ジオン]]軍の暗躍により、事態は意外な方向へと向かっていく…。
 
== 登場人物 ==
本編ではファーストネームかラストネームのみ、または氏名不詳であるが、『MJ』連載中の扉絵でフルネームが判明している人物が多い(ただし英文表記)<ref name="mj8808">「ACT.2 変則攻撃」扉絵『MJ』1988年8月号、バンダイ。</ref>。一部のカタカナ表記はのちに『データガンダム』で判明している<ref name="dg2-147">岡崎昭行『データガンダム キャラクター列伝[宇宙世紀編II]』角川書店、2010年6月、147頁。</ref>。
 
声の出演は『SDガンダム GGENERATION-GジェネF』による。
 
=== モノトーン・マウス社 ===
138行目:
== 登場メカニック ==
=== Dガンダム ===
本作の主役MS。企画当初は「Jガンダム」(作業用ということで "job" から)という名称であったが、省略すると「Jガン」となり[[ジェガン]]と区別しづらいため、主人公の頭文字である "D" を使用することとなった{{Sfn|MJ04|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}。デザインも[[百式 (ガンダムシリーズ)#百式改|百式改]]の発展型でありジェガンのバージョンアップ版でもあったが{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=117}}、もう少しハンドメイドっぽくとの要望がありリテイクされた{{Sfn|MJ04|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}。福地はこのときの頭部バイザーのデザインを気に入っており{{Sfn|MJ04|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}、Dガンダムにも引き継がれている。
==== Dガンダム・ファースト ====
 
==== Dガンダムファースト ====
{{機動兵器
|名称=Dガンダムファースト{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=18}}{{Efn2|当初の呼称は「Dガンダム - タイプ1」であった{{Sfn|MJ08|1988|p=35|loc=「MS90'S」}}。}}<br />D GUNDAM FIRST
|名称=Dガンダム・ファースト<br />D-Gundam First
|型式番号=MWS-19051G{{Efn2|当初の型式番号は "MWS19051G" と[[ハイフン]]がなかった{{Sfn|MJ08|1988|p=35|loc=「MS90'S」}}。}}
|型式番号=MWS-19051G
|所属=モノトーン・マウス社
|頭頂高=18.9m
|全高=20.5m{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}
|重量=53.4t
|頭頂高=18.9m{{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}
|全備重量=53.4t
|重量=39.2t{{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}
|出力=1,820kW
|全備重量=53.4t{{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}
|推力=52050~98,350kg
|出力=1,820kW{{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}
|センサー=9,800m<ref name="fase">本記事の機体スペックはバンダイの『機動戦士ガンダム MS大図鑑PART.3 アクシズ戦争編』 (ISBN 9784891890193) 50ページや『MS大全集』シリーズのものだが、ファーストとセカンドのセンサー有効半径のみ『アクシズ戦争編』50ページに記載されていない。</ref>
|推力=52,050kg(通常時){{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}<br />98,350kg(全開時){{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}
|武装=リベットガン<br/>大型トリモチ弾<br/>マグネットアンカー<br/>ドリルガン<br/>各種有線式爆薬<br/>他
|センサー=9,800m{{Sfn|新MS大全集3.0|1992|p=130}}
|搭乗者=[[ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム#ダリー・ニエル・ガンズ|ダリー・ニエル・ガンズ]]
|武装=リベットガン{{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}<br />大型トリモチ弾{{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}<br />マグネットアンカー{{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}<br />ドリルガン{{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}<br />ダミー (MS・岩){{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}<br />各種有線式爆薬{{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}<br />シールド{{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}
|搭乗者=[[#ダリー・ニエル・ガンズ|ダリー・ニエル・ガンズ]]
}}
ダリーがMM社のバックアップを受け{{Sfn|新MS大全集3.0|1992|p=130}}(同社の業務の一環ともいわれる{{Sfn|MS大全集2013|2012|p=299}})、ジャンクMSを集めて製作した作業用MSで{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=112-113}}、外装はダリーの趣味でガンダム・タイプとなっている{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=112-113}}。名称は「ダリーズ・ガンダム」を意味し{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=40-41}}、のちの仕様との区別から「Dファースト」とも呼ばれる{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}。
本作の主役機で、ダリーが製作した作業用MS。「D」はダリーの頭文字で、ガンダムのような外見は彼の趣味によるもの。戦闘用ではないが、作業用「7つ道具」を武器として使う。機体を構成するパーツは全てジャンクパーツだが、パーツに質の良い[[第一次ネオ・ジオン抗争]]時の一級品を使っているため、基本性能は高い。戦闘用ではないため装甲に隙間が多いが、コクピットは気密ブロックである。腕にはナックルクラッシャーが装備されている<ref>『機動戦士ガンダム MS大図鑑PART.3 アクシズ戦争編』112~113ページ。</ref>。また、武器としてビームショットガンの画稿がある<ref name="#1">『機動戦士ガンダム MS大図鑑PART.3 アクシズ戦争編』115ページ。</ref>。
 
[[ムーバブルフレーム#ガンダムシリーズ|ムーバブル・フレーム]]やジェネレーターは第一次ネオ・ジオン抗争時の一線級のMSから流用しているため、基本性能は作業用としては異常に高い{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=112-113}}。装甲にもジャンクパーツが多数使用され{{Sfn|MJ09|1988|p=43|loc=「MS90'S」}}、戦闘用ではないため隙間が多いが、コックピットは気密ブロックとなっている{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=112-113}}。
コロニー修復作業中にカラードの襲撃に居合わせ戦闘に参加。装甲などのパーツを囮に使用され起動不可能となったのち、セカンドに改修された。
{{-}}
 
戦闘用ではないため、作業用の「7つ道具」を武器として使用する{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=112-113}}。ほかに、両前腕部甲に拳に被さるようにして使用するナックルクラッシャーを装備している{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=112-113}}。また劇中では未使用だが、設定画では専用のビーム・ショットガン{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=114-115}}を携行している。
==== Dガンダム・セカンド ====
 
テキサス・コロニーの修復作業で運用されるが、カラードの襲撃を受け迎撃に参加。[[ガザC#ガザC改|ガザC改]]をワイヤーを介してコロニーのミラーに固定して戦闘用不能にする。その後、[[#アルヴェニシカ・キースト|アニー]]の[[ズサ#ズサ・カスタム|ズサ・カスタム]]と交戦し劣勢となるが、アニーが本機をアラハスに呼び戻し、頭部や肩部などの装甲を外して無人のプチモビに取り付け、囮として射出する。
 
『Gジェネ』では『F』と『GATHER BEAT (GB)』に登場。ドリルガン、マグネットアンカー、有線爆弾(以上『F』のみ)、リベットガン(『GB』のみ)、ナックルクラッシャー(両方)が使用可能。また『GB』では、「ハイクリアランスパーツ」を組み合わせることで「Dガンダム改」を開発することができる。防御力の低さは変わらないが回避能力が非常に高くなり、ナックルクラッシャーの使用回数が無制限となり威力も大幅に向上する。ただし、同パーツが入手できるのはゲーム終盤である。外観(グラフィック)に変化はない。
{{clear}}
 
==== Dガンダムセカンド ====
{{機動兵器
|名称=Dガンダムセカンド{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=18}}<br />D-Gundam SecondGUNDAM SECOND
|型式番号=MWS-19051G-2
|所属=モノトーン・マウス社<br />地球連邦軍
|頭頂高=18.9m
|全高=20.5m{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}
|重量=42.2t
|頭頂高=18.9m{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}
|全備重量=52.8t
|重量=42.2t{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}
|出力=2,002kW
|全備重量=52.8t{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}
|推力=53580~99,510kg
|出力=2,002kW{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}
|センサー=11,700m<ref name="fase" />
|推力=53,580kg(通常時){{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}<br />99,510kg(全開時){{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}
|装甲=[[ガンダリウム合金]](一部)
|センサー=11,700m{{Sfn|新MS大全集3.0|1992|p=131}}
|武装=コードコネクテッド・[[ビームライフル (ガンダムシリーズ)|ビームライフル]]<br/>[[ビームサーベル]]<br/>Dセカンドバズーカ<br/>各種有線式爆薬<br/>他
|装甲=ガンダリウム・コンポジット{{Sfn|MS大全集2013|2012|p=66}}
|搭乗者=[[ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム#ダリー・ニエル・ガンズ|ダリー・ニエル・ガンズ]]
|武装=コードコネクテッド・ライフル{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}<br/>ビーム・サーベル×2{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}<br />バズーカ{{Sfn|MS大全集2013|2012|p=66}}<br />ほか
|搭乗者=ダリー・ニエル・ガンズ
}}
作中での登場に先駆けて、「MS90'S」でイラストが公開された。「予想図」としているが、作中登場版との相違点はない{{Sfn|MJ08|1988|p=35|loc=「MS90'S」}}。
 
アラハスのファクトリー・チームが、Dファーストを戦闘用に改修した機体{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=114-115}}。ムーバブル・フレームの構造材と装甲が強化され、前面の装甲を中心にガンダリウム合金を使用したものに交換されている{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}。スラスターもチューンアップされて推力が向上しており、バックパックのメイン・ノズルは収納式で全開時のみ露出する{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=114-115}}。ジェネレーターも高性能化され、ビーム・ライフルの使用が可能になっている{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}。
連邦軍所属艦アラハスで戦闘用に改造された姿。前面装甲がガンダリウム・コンポジットに換装され、スラスターとジェネレータを強化されている。武装は出力3.8kWの連射が可能なコードコネクテッド・ビームライフルと、ビームサーベル、バズーカが設定されているが、7つ道具も引き続き使用する<ref>『機動戦士ガンダム MS大図鑑PART.3 アクシズ戦争編』114~115ページ。</ref>。なお、セカンドの時点でモノトーン・マウス社から軍が買い上げた機体であるとしている<ref>『機動戦士ガンダム MS大図鑑PART.3 アクシズ戦争編』116ページ Dガンダムサードの設定中で言及。</ref>。
 
主兵装のコードコネクテッド・(ビーム・)ライフルは出力3.8MWで、連射が可能。銃身下部にグレネード・ランチャーを装備する。作中では使用されていないが、専用のバズーカ(装弾数5発)も用意されている。ナックルクラッシャーも引き続き装備。パイロットのダリーが戦闘訓練を受けていないため、「7つ道具」の一部も引き続き携帯している{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=114-115}}。
劇中では作業用として使われており、コロニー内での戦闘に参加した。
{{-}}
 
引き続きサイド2でコロニー修復作業に従事するが、ふたたびカラードの襲撃に遭い迎撃に参加。[[#エルデスコ・バイエ|エルデスコ]]の[[ザクIII#ザクIII後期|ザクIII後期型]]に対し有線式爆薬を投擲するが、割って入ったズサ・カスタムを撃破する。ほかに武器をもっておらず、激昂するエルデスコに対して窮地におちいるが、味方機からライフルを受け取ることで形勢逆転し撤退に追い込む。
==== Dガンダム・サード ====
 
『Gジェネ』では『F』にのみ登場。「7つ道具」とナックルクラッシャー以外のすべての武装(グレネード含む)が使用できる。
{{clear}}
 
==== Dガンダムサード ====
{{機動兵器
|名称=Dガンダムサード{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=18}}<br />D-Gundam ThirdGUNDAM THIRD
|型式番号=RGX-D3
|所属=地球連邦軍
|頭頂高=19.1m
|全高=21.2m{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}
|重量=41.5t
|頭頂高=19.5m{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}} / 19.1m{{Sfn|新MS大全集3.0|1992|p=131}}
|全備重量=55.5t
|重量=41.5t{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}
|出力=2,528kW
|全備重量=55.5t{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}
|推力=64,296~119,412kg
|出力=2,528kW{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}
|センサー=14,200m
|推力=64,296kg(通常時){{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}<br />119,412kg(全開時){{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}
|装甲=ガンダリウム合金
|センサー=14,200m{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}
|武装=バスターショット<br/>ビームサーベル<br/>シールドライフル<br/>Dサードバズーカ<br/>Gブラストナックル<br/>他
|装甲=[[ガンダリウム合金]]{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}
|搭乗者=[[ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム#ダリー・ニエル・ガンズ|ダリー・ニエル・ガンズ]]
|武装=ビーム・ライフル{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}<br />ビーム・サーベル{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}×2{{Sfn|MS大全集2013|2012|p=66}}<br />Gブラストナックル{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}<br />ほか
|搭乗者=ダリー・ニエル・ガンズ
}}
アラハスではDガンダムの「外見だけのガンダム効果」に注目しつつ、量産機ベースの低コストカスタム機の研究を本格化させる。当時は[[リ・ガズィ]]の量産化が中止され、特殊部隊用の上級機の開発が急務とされていた{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}。
[[宇宙世紀の施設と地名#グラナダ|グラナダ]]の連邦軍兵器開発局のプランに従って、Dガンダム・セカンドが更に改造され、完全な軍用MSに生まれ変わった機体で、RGX-D3の型式番号を連邦軍から得ている。装甲は全てガンダリウム合金製となり、ジェネレーター、スラスター、フレームその他全てが最新型に交換され、元のDガンダム・ファースト時のパーツの含有量は3割にも満たないとされている。ナックルは電磁粉砕方式のGブラストナックルに改良された<ref>『機動戦士ガンダム MS大図鑑PART.3 アクシズ戦争編』116ページ。</ref>。武装はバスターショット、バズーカと、シールドが変形するシールドライフルがある<ref name="#1"/>。
 
連邦軍はMM社からDセカンドを買い上げ{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=116}}、アラハスで再改修をおこなう。Dファーストからの部品が3割以下となり、これまでの実戦データから[[宇宙世紀の施設と地名#グラナダ|グラナダ]]の連邦軍兵器開発局が作成したプランにしたがって製作されているため、連邦軍の制式な型式番号で承認されている{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=116}}。装甲はすべてガンダリウム合金に換装され、ジェネレーターやスラスター、ムーバブル・フレームのアビオニクスも最新のものに交換されている{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=116}}。これらの改修により、当時の連邦軍の量産機と同等以上の性能をもつに至る{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=40-41}}。
作品後半のダリーの乗機として使用され、コクピットを破壊されながらも戦闘中止まで健在だった。設定画と漫画でデザインがかなり異なる。
{{-}}
 
主兵装のビーム・ライフルは「バスターショット」とも呼ばれ、ビームの口径、射線軸、連射間隔が調整可能{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}。銃身下部にビーム・サーベルを装備しており、ビーム銃剣となる{{Sfn|MJ02|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}。シールドは変形して「シールドライフル」(グレネード1発装備)となる{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=114-115}}。作中では使用されていないが、専用バズーカ(装弾数8発)も用意されている{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=114-115}}。ナックルクラッシャーは改良され、電磁粉砕式のGブラストナックルとなる。
==== Dガンダム&Gクルーザー ====
『模型情報1989年4月号』43頁が初出で、本編には未登場(型式番号 RGX-D4)。プランだけが存在した「Dフォース」であり、デザイナーの[[福地仁]]によれば、Gクルーザーは「増加装甲方式のブースター」としている。『機動戦士ガンダム MS大図鑑PART.3 アクシズ戦争編』には「増加装甲の発展型」と記載されている。設定画はGクルーザーと一体化したものだけが存在しており、MSの姿のDフォースは公開されていない。「Dガンダムフォース」としての機体スペックと武装は『MS大図鑑PART.3 アクシズ戦争編』の50ページに掲載されており、Gクルーザーも武装として記載されている。
 
作中ではデザインがかなり異なる。連邦軍に転属となったダリーの乗機となり、宇宙で新生ネオ・ジオンと合流したカラードのアニーの[[ズサ#ズサ・ダイン|ズサ・ダイン]]と交戦。その後、ネオ・ジオンの[[#ジェダ・ジェスカリオト|ジェダ]]の[[ヤクト・ドーガ]]との交戦でコックピットを貫かれるが、ダリーは奇跡的に無事であり、本機も支障なく稼働している{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=116}}。
==== Dガンダム改 ====
 
ゲーム『[[SDガンダム GGENERATION#SDガンダム GGENERATION GATHER BEAT|SDガンダム GGENERATION GATHER BEAT]]』に登場するゲームオリジナル機。
『Gジェネ』では『F』にのみ登場。ライフル、サーベル、Gブラストナックルのほか、シールドは変形ではなく2分割して2丁の銃となる「シールドショット」として使用する。
{{clear}}
 
==== Dガンダムフォース ====
{{機動兵器
|名称=Dガンダムフォース{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}<br />D GUNDAM FOURTH
|型式番号=RGX-D4
|所属=地球連邦軍
|全高=21.2m{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}
|頭頂高=19.1m{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}
|重量=41.2t{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}
|全備重量=96.8t{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}
|出力=2,763kW{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}
|推力=72,658kg(通常時){{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}<br />137,251kg(全開時){{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}
|センサー=14,200m{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}
|装甲=
|武装=ビーム・ライフル{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}<br />ビーム・サーベル{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}<br />Gクルーザー・ユニット{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}<br />ほか
|搭乗者=
}}
本作未登場で、「MS90'S」で「Dフォース Gクルーザー」として初出。Dフォース単体のデザインは確認されていない。福地によれば、シルエットの派手なハッタリの効いた機体をデザインしたくて、増加装甲方式のブースターで変形ものっぽい形状を試してみたという。また、シーズン2度目の[[スキー]]に行ったためにこのようなデザインになったとのこと{{Sfn|MJ04|1989|p=43|loc=「MS90'S」}}。
 
プランだけに終わった{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=117}}、Dガンダムの最終型{{Sfn|新MS大全集3.0|1992|p=130}}。作戦行動中における機動性の向上を主眼とし、ジェネレーターを強化{{Sfn|新MS大全集3.0|1992|p=130}}。さらに、増加装甲の発展型である{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=117}}長距離航行用の{{Sfn|MS大全集2013|2012|p=299}}Gクルーザーの開発も同時に進められる{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=117}}。Gクルーザーの武装は、メガ・キャノンとビーム砲が各2門{{Sfn|EBアクシズ戦争編|1989|p=50-51}}。
Dガンダムにあるパーツを組み合わせることで開発することができる。防御力は非常に低いが回避能力が非常に高く、さらにDガンダムでは弾数制限のあったナックルクラッシャーの弾数制限が解除され威力も大幅に向上するなど戦闘能力が大幅に向上している。ただし、開発に必要なパーツが終盤にならないと手に入らないため、開発が可能になるのは終盤である。
{{clear}}
 
=== モノトーン・マウス社の機体 ===
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* 書籍
** {{Cite book|和書 |date=1989-06-20 |title=ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】 |publisher=バンダイ |isbn=4-89189-019-3 |ref={{SfnRef|EBアクシズ戦争編|1989}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1998-05-15 |title=Dセレクション 機動戦士ガンダム MS大全集98 |publisher=メディアワークス |isbn=4-07-308519-0 |ref={{SfnRef|MS大全集98|1998}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2000-09-11 |title=SDガンダム GGENERATION-F データブック2 MSコレクション |publisher=ソニーマガジンズ |isbn=4-7897-1604-X |ref={{SfnRef|GジェネF MSコレクション|2000}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2012-12-25 |title=機動戦士ガンダム MS大全集2013[+線画設定集] |publisher=アスキー・メディアワークス |isbn=978-4-04-891215-0 |ref={{SfnRef|MS大全集2013|2012}} }}
 
* ムック
** {{Cite book|和書 |date=1988-02-10 |title=B-CLUB SPECIAL15 機動戦士ガンダム MS大全集 |publisher=バンダイ |isbn=4-89189-336-2 |ref={{SfnRef|MS大全集|1988}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1992-06-30 |title=B-CLUB SPECIAL 機動戦士ガンダム 新MS大全集Ver.3.0 |publisher=バンダイ |isbn=4-89189-225-0 |ref={{SfnRef|新MS大全集3.0|1992}} }}
 
* 雑誌
** {{Cite journal|和書 |journal=エムジェイ |issue=1988年8月号 |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|MJ08|1988}} }}
** {{Cite journal|和書 |journal=エムジェイ |issue=1988年9月号 |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|MJ09|1988}} }}
** {{Cite journal|和書 |journal=エムジェイ |issue=1988年12月号 |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|MJ12|1988}} }}
** {{Cite journal|和書 |journal=エムジェイ |issue=1989年2月号 |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|MJ02|1989}} }}
** {{Cite journal|和書 |journal=エムジェイ |issue=1989年3月号 |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|MJ03|1989}} }}
** {{Cite journal|和書 |journal=エムジェイ |issue=1989年4月号 |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|MJ04|1989}} }}
 
{{宇宙世紀|作品}}
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[[Category:月刊コミック電撃大王の漫画作品]]