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{{Infobox whisky distillery
| Name = 白州蒸溜所<br />Hakushu distillery
| Type = japan
| Image = File:Suntory-hakushu-distillery.jpg
| Image size = 300
| Caption = {{Infobox mapframe|zoom=13|frame-width=300|type=point|id=Q3125870}}
| Location = {{JPN}}, [[山梨県]][[北杜市]][[白州町]]鳥原2913-1<ref>{{Cite web|url=https://www.suntory.co.jp/factory/hakushu/access/ |title=アクセス|サントリー白州蒸溜所 |publisher=suntory.co.jp |date= |accessdate=2023-05-23|lnguage=ja}}</ref>
| coordinates = {{Coord|35|49|36|N|138|18|1|E|region:JP-19_type:landmark|display=inline,title}}
| Owner = [[サントリー]]{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=158}}
| founded = 1973年{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=158}}
| founder = [[サントリー]]{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=158}}
| architect =
| Status = 稼働中
| Source = [[甲斐駒ケ岳]]の[[伏流水]]{{sfn|土屋守|2007|p=256}}
| Mothballed =
| Stills = {{Ubl|[[スコッチ・ウイスキー#蒸留|初留器]] 8基{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}|[[スコッチ・ウイスキー#蒸留|再留器]] 8基{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}|{{仮リンク|カフェ式連続蒸留器|en|Column_still#Aeneas_Coffey}} 1塔{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}}}
| Capacity =
| Brand 1 =
| Type 1 =
| Age 1 =
| Cask 1 =
| ABV 1 =
}}
'''白州蒸溜所'''(はくしゅうじょうりゅうじょ、'''Hakushu Distillery''')は、[[山梨県]][[北杜市]][[白州町]]にある[[ジャパニーズ・ウイスキー]]の蒸留所。[[サントリー]]が[[山崎蒸溜所]]に次いで二番目に設立したウイスキー蒸留所であり、周囲を森林で囲まれていることから「森の蒸留所」と称されている。
== 歴史 ==
=== 設立の背景 ===
[[File:Suntory Hakushu Distillery Aerial Photograph.jpg|thumb|right|270px|1976年(昭和51年)撮影の白州蒸溜所付近の空中写真。画像下部を左から右に流れる、神宮川左岸に開けた[[扇状地]]上に立地している。2011年現在、施設は更に拡張している。{{国土航空写真}}]]
白州蒸溜所は1973年に設立された。1973年は[[山崎蒸溜所]]の創業から50周年の年であり、[[サントリー]]2代目社長[[佐治敬三]]の指揮のもと、山崎に次ぐ二つ目の[[モルトウイスキー]]蒸溜所として設立された{{sfn|土屋守|2007|p=256}}{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=104}}。建設の背景として、当時の日本は[[サントリーオールド]]や[[トリスウイスキー]]に端を発する[[ウイスキー]]ブームのさなかであり、それらの原酒の確保が設立の目的であった{{sfn|Whisky World|2015-8|p=13}}。
蒸留所の立地は[[南アルプス]]・[[甲斐駒ケ岳]]の麓、[[海抜]]708メートルに位置し{{Refnest|group="注釈"|山崎は海抜25メートル{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=104}}。}}、周囲は森林に覆われている{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=104}}。敷地面積はおよそ82万5000平方メートルと日本のウイスキー蒸溜所としては最大で、世界的に見ても最大級の広さである{{sfn|土屋守|2007|p=256}}{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=104}}{{Sfn|Whisky World|2012-4|p=5}}。ただし、敷地のうち83%は自然環境保護のために未開発であり{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=104}}、森林に囲まれた様子から「森の蒸留所」とも呼ばれている{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=158}}。
=== 生産スタイルの変遷 ===
白州最初の蒸留所(白州西)は1973年の2月に完成し、6対12基の[[単式蒸留器|ポットスチル]]を備えていた。その後1977年には白州西に2つ目の蒸留棟が増設された。当時の白州は2つの蒸留棟を合わせてポットスチルが12対24基、マッシュタン4基、[[ステンレス]]製ウォッシュバック44基を備えた世界最大級のモルトウイスキー蒸留所であった{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=104}}{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=159}}。評論家のドミニク・ロスクロウは、最盛期の白州は年間3000万[[リットル]]のウイスキーを生産する世界最大の蒸留所であったと評している{{Sfn|Dominic Roskrow|2016|p=77}}。この頃の白州は初留器・再留器それぞれサイズおよび形状が統一されており、まったく同じ風味のモルトウイスキーを大量生産する蒸留所であった{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=105}}。
1981年、白州に新たな蒸留棟(白州東)が建設された{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=159}}。この蒸留棟は従来の白州西とは異なり、蒸留器は小さめで形状も多種多様であった。これはサントリーがさまざまな種類の原酒を取り揃える方向に方針転換したためである{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=105}}。白州東の新設に伴い白州西は閉鎖され、1977年建設の蒸留棟は解体、1973年建設の蒸留棟は2018年時点では現存しているものの一切稼働していない{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=105}}。そのため2022年現在に「白州蒸溜所」と呼ばれている建物は1981年に建てられた白州東を指している{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=159}}。1981年の白州東の設立について、2012年当時の白州蒸溜所の工場長である前村久は「より繊細かつ複雑でバラエティ豊かなウイスキーを作るためのこうした取り組みは、ここ白州蒸溜所で成功し、平成元年の山崎蒸留所の大改修につながりました。そういった意味では白州はサントリーのいまのウイスキー造りの原点と言えるかもしれません」と述べている{{Sfn|Whisky World|2012-4|p=5}}。
その後も2005年、2014年に蒸留器の改修・増設が行われており、2022年現在では8対16基の多種多様な蒸留器が稼働している{{sfn|土屋守|2007|p=257}}{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=159}}。
== 製造 ==
=== 製麦・仕込み・発酵 ===
[[File:Hakushu distillery Mash tun.jpg|thumb|right|200px|マッシュタン]][[File:Hakushu distillery Wash back.jpg|thumb|right|200px|木製のウォッシュバック]]
白州で使用する[[大麦]][[麦芽]]はすべて[[イギリス]]から輸入されており{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=106}}、[[スコッチ・ウイスキー#製麦|製麦]]は行っていない<ref name="jwic_hakushu">{{Cite web|url=https://jwic.jp/distillery/hakushu/|title=サントリー白州蒸溜所 - JWIC |publisher=sjwic.jp |date= |accessdate=2023-05-28|lnguage=ja}}</ref>。麦芽の[[スコッチ・ウイスキー#製麦|ピート]]はノンピートから40 ppmまでさまざまなものを使用している{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=106}}{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}。
仕込み水には甲斐駒ケ岳の[[伏流水]]を使用しており{{sfn|土屋守|2007|p=256}}、[[硬度 (水)|硬度]]およそ30の[[軟水]]である<ref name="jwic_hakushu"/>。甲斐駒ケ岳の麓は[[尾白川]]と[[神宮川]]によって形成された[[扇状地|沖積扇状地]]であり、[[花崗岩]]層で磨かれた尾白川の水は[[名水百選]]に選定されている{{sfn|土屋守|2007|p=256}}{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=106}}。なお、サントリーが販売する[[サントリー天然水#南アルプス|南アルプスの天然水]]は白州の敷地内で採水されている{{sfn|土屋守|2007|p=256}}。
[[スコッチ・ウイスキー#仕込み|マッシュタン]](糖化槽)はスレンレス製のフルロイタータンが1基で、容量は13万リットル。一度の仕込みに使う麦芽は10~18トンであり{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=106}}{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=159}}、得られる麦汁量はおよそ5万5000リットル<ref name="jwic_hakushu"/>。
[[スコッチ・ウイスキー#発酵|ウォッシュバック]](発酵槽)はすべて[[ベイマツ]]製の木桶で、容量7万5000リットルのものが18基ある。温度調節機能はない{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=106}}。木製のウォッシュバックは[[乳酸菌]]が棲みつくことでクリーミーな香味につながるとされている{{Sfn|Whisky World|2011-2|p=7}}。過去に白州西で使われていたウォッシュバックはすべてステンレス製だったが、白州東の設立時にすべて木製のものに切り替わった。1981年当時は12基で、2011年に2基、2012年に4基が増設されている{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=106}}。[[発酵]]に用いる[[酵母]]は外部から購入したウイスキー酵母と自社培養のビール酵母を併用している{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}{{sfn|土屋守|2023-4|p=32}}。発酵にかかる時間は65 - 75時間{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}。
===
[[File:Hakushu distillery Pot still.jpg|thumb|right|200px|ポットスチル]]
白州の[[単式蒸留器|ポットスチル]]は初留・再留合わせて全部で16基ある{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=106}}。形状・サイズは様々であり、これほど多様なポットスチルを備えた蒸留所は世界的にも珍しい{{sfn|チャールズ・マクリーン|2017|p=295}}。これらの多彩なポットスチルを使い分けることで多彩な原酒を造り分けている{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=159}}。グレーン用の連続式蒸留器については「[[#白州グレーン]]」を参照のこと。
[[スコッチ・ウイスキー#蒸留|初留器]]はストレートヘッドが5基、ランタンヘッドが3基の合計8基ある。ネックの長さやラインアームの角度はすべて異なり、サイズも9000 - 2万4000リットルと幅広い。加熱方式はすべてガスによる直火加熱で統一されている。冷却装置は、7基がシェル&チューブで1基がワームタブを採用している。蒸留にかかる時間は7 - 8時間{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}。
[[スコッチ・ウイスキー#蒸留|再留器]]はストレートヘッドが6基、ランタンヘッドが2基で、サイズは4000 - 1万4000リットル。すべて蒸気による間接加熱式で、冷却装置はすべてシェル&チューブである。蒸留にかかる時間は7 - 8時間{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}。
=== 熟成・瓶詰め ===
[[File:Barrel burning.jpg|thumb|right|200px|クーパレッジで行われているチャーリング(樽の内側を焦がす工程)]]
白州には[[スコッチ・ウイスキー#熟成|ラック式]]の熟成庫が18棟あり<ref name="jwic_hakushu"/>、2012年時点でおよそ40万樽を熟成していた{{Sfn|Whisky World|2012-4|p=5}}。白州の原酒は必ずしも白州で熟成されるわけではなく、山崎蒸溜所もしくは近江エージングセラーに運ばれる場合もある。なお、過去には白州近くの[[八ヶ岳]]の麓にも熟成庫があったが、これは2008年に取り壊されている{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=107}}。樽詰め時のアルコール度数は63.5度未満で、熟成環境によって適切な度数に調整される。樽は主に[[ホワイトオーク|アメリカンホワイトオーク]]の[[バーボン・ウイスキー|バーボン]]樽もしくは[[樽#サイズ|ホグズヘッド]]樽が使われる{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}。なお、[[ヨーロッパナラ|スパニッシュオーク]]樽や[[樽#サイズ|パンチョン]]といった大型の樽は山崎で熟成させることが多い{{sfn|ウイスキー文化研究所|2022-4|p=43}}。
白州は創設期から敷地内にクーパレッジ(製樽工場)があり、木材を加工して新樽を作るほか、空き樽を再利用するための加工、補修なども自社で行われている{{sfn|土屋守|2007|p=257}}{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}。
=== 白州グレーン ===
2010年12月、白州に[[グレーンウイスキー]]を製造するための設備が導入された{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=108}}。蒸留器には特注の{{仮リンク|カフェ式連続蒸留器|en|Column_still#Aeneas_Coffey}}を導入し、糖化用のクッカー{{Refnest|group="注釈"|[[スコッチ・ウイスキー]]におけるマッシュタン(糖化層)と同じ役割のもので、[[バーボン・ウイスキー]]においてはクッカーと呼ばれることが多い{{Sfn|土屋守|2007|p=96}}。}}および発酵用のステンレス製ファーメンター{{Refnest|group="注釈"|スコッチ・ウイスキーにおけるウォッシュバック(発酵槽)と同じ役割のもので、[[バーボン・ウイスキー]]においてはファーメンターと呼ばれることが多い{{Sfn|土屋守|2007|p=96}}。}}6基もあわせて導入している{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}{{Sfn|Whisky World|2013-8|p=24}}。その後およそ2年のテスト期間を経て、2013年5月に正式にグレーンウイスキーの生産が始まった。2013年は白州の設立40周年の年であった{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=107}}。
白州の連続式蒸留器は[[知多蒸溜所]]の10分の1以下の生産規模であり、もっぱら多彩な原酒を作るための調査実験に用いられる{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|pp=107-108}}。[[トウモロコシ]]以外にも様々な原料を使うことができるほか、酵母を変えたり、スピリッツのアルコール度数も60%から94%に調整できる。これによって多様なフレーバーの原酒を得られるほか、原料の風味を従来のグレーンウイスキーより強く原酒に反映させることが可能である{{sfn|西田嘉孝|2021|p=27}}{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=108}}。また、2019年には知多蒸溜所にもカフェ式連続蒸留器が導入されているが、これは白州での知見をもとに大型化して設置されたものである。そのため2023年現在では白州のカフェ式蒸留器で実験を行い、その結果を踏まえて知多のカフェ式蒸留器で量産を行う体制を取っている{{sfn|土屋守|2023-4|p=33}}。
評論家のステファン・ヴァン・エイケンは白州グレーンのニューメイク{{Refnest|group="注釈"|name="newmake"|蒸留によって得られる無色透明なスピリッツのこと。ニューポットとも呼ばれる。熟成を経ていないため無色透明で、度数は一般的に70度前後のことが多い{{Sfn|西川大五郎|2022|p=185}}。}}の味わいを「穀物由来のふっくらとした味わいが印象的」だと述べている{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=108}}。
== 製品 ==
[[File:Yamazaki,Hakushu,Hibiki.JPG |thumb|right|250px|一番左が白州。]]
白州の原酒は「[[響 (ウイスキー)|響]]」をはじめとしたサントリーの[[ブレンデッドウイスキー]]に使われるほか{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=161}}、[[シングルモルトウイスキー]]としては1994年に「白州12年」を、2006年に「白州18年」を、2008年に「白州25年」を、2012年に「白州」(ノンエイジ{{Refnest|group="注釈"|熟成年数表記のないボトルのこと{{Sfn|Whisky World|2012-6|p=16}}。}})をそれぞれ発売している<ref name="jwic_hakushu"/>。
{{See also|白州 (ウイスキー)}}
<!-- === 主な限定品 === -->
<!-- WP:NOTCATALOGに則って冗長な列挙を防ぐため、製品スペックや評価について十分な二次出典が見つかるもの以外は掲載していません。記載例としては[[ボウモア蒸溜所]]のブラックボウモア節などを御覧ください。 -->
=== 白州が使用されているブレンデッドウイスキー ===
*[[響 (ウイスキー)|響]]{{sfn|土屋守|2014|p=222}}
*[[スペシャルリザーブ]]:白州のホワイトオーク樽原酒を[[ウイスキー#ブレンデッド・ウイスキー|キーモルト]]としている{{sfn|土屋守|2014|p=219}}。
*[[サントリー角瓶]]{{Sfn|西川大五郎|2022|p=152}}
== 評価 ==
=== 風味 ===
評論家のチャールズ・マクリーンは「白州のシングルモルトには蒸溜所の土地柄が反映されている。優しく軽快で、さわやか」だと述べている{{sfn|チャールズ・マクリーン|2017|p=295}}。ウイスキー文化研究所の西田嘉孝は白州の特徴について「ほのかなスモーキーフレーバーと新緑のようなアロマを持つ」と述べている{{sfn|ウイスキー文化研究所|2022-4|p=43}}。評論家のドミニク・ロスクロウは白州モルトの味わいについて「フレッシュ、クリーン、フルーティー」と評している{{Sfn|Dominic Roskrow|2016|p=80}}。
バーテンダーの谷嶋元宏は2012年発売のシングルモルト白州(ノンエイジ)について下記のようにテイスティングしている{{Sfn|Whisky World|2012-8|p=74}}
{{Quotation|点数:78点{{Refnest|group="注釈"|採点は100点満点で、75点を平均点としている{{Sfn|Whisky World|2012-8|p=71}}。}}
アロマ:全体に穏やかで優しく落ち着いている印象。爽やかな柑橘系やミント、和三盆、シナモン。奥からピート、熟した杏や黄梅。
フレーバー:アタックで熟した果実の甘味をほんのり感じ、その後ややしっかりした酸が全体を引き締めながら広がる。ピートやシェリー、梅の風味が残る。
総合評価:全体に穏やかではあるが、様々なニュアンスが感じられ複雑な印象。}}
=== 受賞歴 ===
出典はすべてサントリーの製品公式HPによる<ref>{{Cite web|url=https://www.suntory.co.jp/whisky/hakushu/lineup/ |title=製品ラインナップ シングルモルトウイスキー白州 サントリー |publisher=suntory.co.jp |date= |accessdate=2023-06-04 |language=ja}}</ref>。
{| class="wikitable" style="vertical-align:bottom;"
|- style="font-weight:bold; text-align:center; background-color:#EAECF0; color:#202122;"
! 年代
! 競技会
! 商品名
! 賞
|-
| 2006年
| [[インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ|ISC]]
| 白州18年
| 金賞
|-
| 2007年
| [[インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション|IWSC]]
| 白州18年
| 金賞(ベスト・イン・クラス)
|-
| 2008年
| ISC
| 白州25年
| 金賞
|-
| 2009年
| IWSC
| 白州12年
| 金賞(ベスト・イン・クラス)
|-
|
| ISC
| 白州18年
| 金賞
|-
|
| IWSC
| 白州25年
| 金賞(ベスト・イン・クラス)
|-
| 2010年
| IWSC
| 白州12年
| 金賞(ベスト・イン・クラス)
|-
|
| ISC
| 白州18年
| 金賞(ベスト・イン・クラス)
|-
|
| IWSC
| 白州18年
| 最高賞(トロフィー)
|-
|
| ISC
| 白州25年
| 金賞
|-
| 2011年
| {{仮リンク|サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション|en|San Francisco World Spirits Competition|label=SWSC}}
| 白州12年
| 最優秀金賞
|-
|
| IWSC
| 白州25年
| 金賞
|-
| 2012年
| SWSC
| 白州12年
| 金賞
|-
|
| ISC
| 白州12年
| 金賞
|-
|
| ISC
| 白州25年
| 最高賞(トロフィー)
|-
| 2013年
| SWSC
| 白州12年
| 最優秀金賞
|-
|
| ISC
| 白州18年
| 金賞
|-
|
| ISC
| 白州25年
| 金賞
|-
| 2014年
| SWSC
| 白州12年
| 金賞
|-
|
| ISC
| 白州18年
| 金賞
|-
|
| ISC
| 白州25年
| 金賞
|-
| 2015年
| SWSC
| 白州18年
| 金賞
|-
|
| ISC
| 白州25年
| 金賞
|-
| 2016年
| SWSC
| 白州12年
| 最優秀金賞
|-
|
| ISC
| 白州18年
| 金賞
|-
|
| SWSC
| 白州18年
| 最優秀金賞
|-
|
| ISC
| 白州25年
| 金賞
|-
| 2017年
| ISC
| 白州18年
| 金賞
|-
|
| ISC
| 白州25年
| 金賞
|-
| 2018年
| ISC
| 白州25年
| 最高賞(トロフィー)
|-
|
| [[ワールド・ウイスキー・アワード|WWA]]
| 白州25年
| ワールドベスト・シングルモルトウイスキー
|}
== 付属施設 ==
[[File:Hakushu distillery museum.jpg|thumb|right|200px|ウイスキー博物館]]
; [[バードサンクチュアリ]]
: 蒸溜所を含む一帯の森林は[[ユネスコエコパーク]]に指定されており、およそ60種の野鳥の保護区となっている{{sfn|土屋守|2007|p=256}}{{Sfn|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022|p=160}}。サントリーはこのことについて「野鳥は地域の水質の変化に非常に繊細で、それ故によいバロメーターになる」と述べている{{sfn|ステファン・ヴァン・エイケン|2018|p=104}}。
; ウイスキー博物館
: 1979年に寿屋創立80周年を記念してオープンした。山崎蒸留所にかつて存在しキルンを模した建物であり{{sfn|土屋守|2007|p=257}}、ウイスキーの歴史にまつわる資料が展示されている<ref name="jwic_hakushu"/>。
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
{{
=== 出典 ===
{{Reflist|3}}
==
* {{Cite |和書
| author = 土屋守
| author2 = ウイスキー文化研究所
| title = ジャパニーズウイスキー イヤーブック 2023
| date = 2022
| publisher = ウイスキー文化研究所
| isbn = 978-4-909432-40-7
| ref = {{SfnRef|土屋守|ウイスキー文化研究所|2022}}
}}
* {{Cite book|和書
|author = 土屋守
|authorlink = 土屋守
|year = 2014
|title = ブレンデッドウィスキー大全
|publisher = [[小学館]]
|isbn = 978-4093883177
|ref = {{SfnRef|土屋守|2014}}
}}
* {{Cite book|和書
|author = 土屋守
|authorlink = 土屋守
|year = 2007
|title = ウイスキー通
|publisher = [[新潮社]]
|isbn = 978-4106035937
|ref = {{SfnRef|土屋守|2007}}
}}
*{{Cite book|和書
|author = ステファン・ヴァン・エイケン
|translator = 山岡秀雄
|translator2 = 住吉祐一郎
|title = ウイスキー・ライジング ジャパニーズ・ウイスキーと蒸溜所ガイド決定版
|date = 2018
|publisher = [[小学館]]
|isbn = 978-4-09-388631-4
|ref = {{sfnref|ステファン・ヴァン・エイケン|2018}}
}}
* {{Cite |和書
| author = チャールズ・マクリーン
| coauthors = デイヴ・ブルーム,トム・ブルース・ガーダイン,イアン・バクストン,ピーター・マルライアン,ハンス・オフリンガ,ギャヴィン・D・スミス
| translator = 清宮真理,平林祥
| title = 改訂 世界ウイスキー大図鑑
| date = 2017
| publisher = 柴田書店
| isbn = 978-4388353507
| ref = {{SfnRef|チャールズ・マクリーン|2017}}
}}
* {{Cite book
| author = Dominic Roskrow
| title = Whisky Japan : the essential guide to the world's most exotic whisky
| date = 2016
| publisher = Kodansha USA
| isbn = 978-1568365756
| ref = {{SfnRef|Dominic Roskrow|2016}}
}}
* {{Cite |和書
| author = 西川大五郎
| title = ウイスキー図鑑 世界のウイスキー218本とウイスキーを楽しむための基礎知識
| date = 2022
| publisher = マイナビ出版
| isbn = 978-4-83998-100-6
| ref = {{SfnRef|西川大五郎|2022}}
}}
* {{Cite journal |和書
|author =
|title = [記念インタビュー]ジャパニーズウイスキーの次なる100年へ 未来を見据えたビームサントリーの挑戦
|journal = Whisky Galore(ウイスキーガロア)
|volume = 37
|publisher = ウイスキー文化研究所
|date = 2023-4
|pages = 30-35
|asin = B0BTSHY52S
|ref = {{SfnRef|土屋守|2023-4}}
}}
* {{Cite journal |和書
|author =
|title = ジャパニーズウイスキー最前線 第三弾
|journal = Whisky Galore(ウイスキーガロア)
|volume = 31
|publisher = ウイスキー文化研究所
|date = 2022-4
|pages = 4-69
|asin = B09TMSBL1K
|ref = {{SfnRef|ウイスキー文化研究所|2022-4}}
}}
* {{Cite journal |和書
|author =
|title = ビームサントリー大研究
|journal = Whisky World(ウイスキーワールド)
|volume = 29
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|date = 2015-8
|pages = 2-47
|isbn = 978-4-905131-86-1
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* {{Cite journal |和書
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|title = 日本の蒸留所 その1
|journal = Whisky World(ウイスキーワールド)
|volume = 17
|publisher = ゆめディア
|date = 2013-8
|pages = 20-37
|isbn = 978-4-905131-46-5
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* {{Cite journal |和書
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|title = The Tasting 話題のボトルを飲む
|journal = Whisky World(ウイスキーワールド)
|volume = 11
|publisher = ゆめディア
|date = 2012-8
|pages = 70-74
|isbn = 978-4-905131-30-4
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* {{Cite journal |和書
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|title = 新しい山崎、白州 驚きのノンエイジ
|journal = Whisky World(ウイスキーワールド)
|volume = 10
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|date = 2012-6
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* {{Cite journal |和書
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|title = ニッポンの蒸溜所 日本のウイスキー
|journal = Whisky World(ウイスキーワールド)
|volume = 9
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|date = 2012-4
|pages = 2-45
|isbn = 978-4-905131-25-0
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}}
* {{Cite journal |和書
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|title = ジャパニーズウイスキーの行方
|journal = Whisky World(ウイスキーワールド)
|volume = 2
|publisher = ゆめディア
|date = 2011-2
|pages = 2-19
|isbn = 978-4-905131-06-9
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== 関連項目 ==
* [[ジャパニーズ・ウイスキー]]
== 外部リンク ==
* [https://www.suntory.co.jp/factory/hakushu/ サントリー白州蒸溜所 (公式サイト)]
* [https://www.suntory.co.jp/whisky/hakushu/ シングルモルトウイスキー白州 (公式サイト)]
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[[Category:日本のウイスキー蒸留所]]
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[[Category:山梨県の酒]]
[[Category:山梨県の工場]]
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