「金剛型戦艦」の版間の差分

|前級 = [[鞍馬型巡洋戦艦]]<br/>[[河内型戦艦]]

'''金剛型戦艦'''（こんごうがたせんかん）は、[[大日本帝国海軍]]の[[戦艦]]の艦級。日本初の[[超弩級戦艦|超弩級巡洋戦艦]]であり<ref name="tni19130527p2" /><!-- 日本初の超弩級戦艦は扶桑型戦艦。就役時の金剛型は巡洋戦艦 -->、また[[ネームシップ|1番艦]]の[[金剛 (戦艦)|金剛]]は[[イギリス帝国|英国]]によって最後にで建造され{{Sfn|ポケット海軍年鑑|1935|p=17|ps=戰艦“金剛　こんがう”}}、海外に発注した日本最後の主力艦でもあとなった<ref>{{Cite web |url= https://hojishinbun.hoover.org/en/newspapers/ytn19331016-01.1.3|pages=03|title= 海の生命線を護る我帝國海軍の現勢力|publisher= Yuta Nippō |date=1933-10-16 |accessdate=2023-10-01}}</ref>。

この頃の[[船名#日本|日本艦船の命名慣例]]によれば戦艦には[[旧国名]]が名付けられているが<ref>{{Cite web |url= https://hojishinbun.hoover.org/en/newspapers/ksp19381108-01.1.6|pages=06|title= <small>勇姿は堂々海を壓す</small>　我が軍艦の命名　<small>戰艦は國、巡洋艦は山川の名</small>|publisher= Kawai Shinpō |date=1938-11-08 |accessdate=2023-10-01}}</ref>、本級はまず装甲巡洋艦（一等巡洋艦）として計画されたことから、同型艦全て[[山岳]]名が名付けられている{{Sfn|ポケット海軍年鑑|1937|p=16|ps=戰艦“霧島　きりしま”}}。

特に海軍が着目したのは巡洋戦艦[[ライオン (巡洋戦艦)|ライオン]]であり、海軍は18,000t級で従来進めていた巡洋戦艦の計画を放棄し、英国の進んだ建艦技術を学ぶべく主力艦建造を英国に依頼、その設計を基に日本国内でも建造を行うこととし、当時「伊号装甲巡洋艦」として計画中だった艦の建造を英国[[ヴィッカース]]に発注することとなった<ref name="japanwarship1-213" />。これが1番艦「金剛」で、同型艦はそれぞれ2番艦「比叡」を[[横須賀海軍工廠]]、3番艦「榛名」を神戸[[川崎造船所]]、4番艦「霧島」を[[三菱重工業長崎造船所|三菱長崎造船所]]で建造と、初めて民間に主力艦建造が為され、同型主力艦4隻を同時に建造できる態勢を整えた<ref name="japanwarship1-213" />。「榛名」と「霧島」は、初の民間による戦艦建造ということもあって両社の対抗意識はすさまじく、熾烈な競争となった<ref name="japanwarship1-213" />。榛名の公試運転の時期に、運転をわずか数日延期せねばならなくなり、工事の最高責任者であった川崎造船所造機部長はなすべき処置を全て行なった上で帰宅し、その夜自刃した<ref name="japanwarship1-213" />。なお造機部長の自殺は1914年11月18日<ref name="tni19141205p3">{{Cite web |url= https://hojishinbun.hoover.org/en/newspapers/tnj19141205-01.1.3|pages=03|title=◎川崎造船技師自殺|publisher= Nippu Jiji |date= 1914-12-05 |accessdate=2023-10-01}}</ref>、榛名の竣工は1915年4月19日である。造機部長の自殺に関し<ref>{{Cite web |url= https://hojishinbun.hoover.org/en/newspapers/nao19141210-01.1.2|pages=02|title=●饒舌贅辯|publisher= Nan’yō Shinpō |date= 1914-12-10 |accessdate=2023-10-01}}</ref>、当時の榛名機関長は「機関に故障はなく、技師は神経衰弱のようだった」と語っている<ref name="tni19141205p3" />。榛名の公試は延期になり、起工と進水は吉日を選びかつ進水は大潮前後でなければならないことから前後はしたものの、工事の進捗は全く互角であり、無事に予定通り完成した<ref name="japanwarship1-213" />。

金剛型の設計は[[ヴィッカース]]の軍艦設計部長の[[サー]]・{{仮リンク|ジョージ・サーストン|en|George Thurston|label=}}により詳細設計が進められていた、[[オスマン帝国海軍]]向けの{{仮リンク|レシャディエ級戦艦|en|Reşadiye-class_battleship}}[[エリン (戦艦)|レシャド5世（エリン）]]を基に巡洋戦艦化することで行われた。当時英海軍最新鋭にして世界最大最強の巡洋戦艦であった[[ライオン級巡洋戦艦]]を基に行われたとする説もある<ref name="kongougata-71" />が、サーストン自身が「『金剛』は『エリン』の巡洋艦版」と述べている点等から誤りとされる<ref>『歴史群像太平洋戦史シリーズ65 決定版 金剛型戦艦』pp.111-112</ref>。

日本海軍に限った話ではなく、各国とも[[ユトランド沖海戦]]を戦訓とした戦艦、すなわちポスト・ジュットランド艦の建造に踏み切った。金剛型巡戦の代艦が、[[八八艦隊]]の[[天城型巡洋戦艦]]である<ref>{{Cite web |url= https://hojishinbun.hoover.org/en/newspapers/buj19190711-01.1.3|pages=03|title= ●八八艦隊充實期　<small>＝或は英國に注文を發せん＝</small>|publisher= Burajiru Jihō |date=1919-07-11 |accessdate=2023-10-01}}</ref>。一方で、終戦後戦勝国の間で激化し始めた[[建艦競争]]を沈静化すべく[[1922年]]に[[ワシントン海軍軍縮条約]]が締結された。その結果、本級の後継上位艦種として期待されていた[[天城型巡洋戦艦]]が建造できなくなったため、金剛型を改装してポスト・ジュットランド型戦艦とすることとした。

戦争が進み[[ガダルカナルで島の戦い]]で苦戦が続くようになると、敵航空基地を砲撃粉砕することが[[大日本帝国陸軍|陸軍]]により求められた。当初は[[巡洋艦]]・[[駆逐艦]]を主体とした作戦を実行していた海軍だったが、敵艦隊との遭遇戦が起きたり、砲撃に成功しても大きなダメージを与えられず早期に復旧されてしまうため、戦艦の大口径砲による撃砕が考えられた。

この[[ヘンダーソン基地艦砲射撃]]は艦砲射撃による被害は少なかったものの、一式陸攻による爆撃もあって敵航空機、燃料、弾薬に大きな被害を与え、一度は成功に終わったかに見えた。しかし、戦略目標である滑走路破壊に関しては戦闘機用の第二滑走路が事前偵察で発見できておらず無傷のままであり、第一滑走路自体も1日で使用可能な状態に修復されてしまった。その結果、[[第三次ソロモン海戦]]が勃発し、比叡・は[[ニューオーリンズ級重巡洋艦]]などと交戦して操舵不能となり、自沈に追い込まれた。霧島を喪失しは[[ノースカロライナ級戦艦|新世代戦艦]]「[[ワシントン_(BB-56)|ワシントン]]」によって撃沈されたが。1943年は、残る金剛・と榛名はその後も数々の温存された。1944年になると[[マリアナ沖海戦い]]や[[レイテ沖海戦]]に参加し投入された。なお榛名のみが終戦時に残った。

**3月7日 - 「榛名」「金剛」<!-- 比叡と霧島は機動部隊護衛続行 -->が[[クリスマス島 (オーストラリア)|クリスマス島]][[日本軍のクリスマス島占領#南雲機動部隊別働隊の砲撃|砲撃]]。

**11月13日 - 「比叡」「霧島」[[第三次ソロモン海戦]]に参加、「比叡」被は重巡洋艦の8インチ砲弾が艦後尾に命中し舵機故障<ref name="kongougata-orikomi" />。

**11月14日 - 「比叡」、空襲で被害拡大し応急修理失敗、自沈処分<ref name="kongougata-orikomi" />。

**11月15日 - 「霧島」、第三次ソロモン海戦にて米16インチ砲搭載のアメリカ新世代戦艦2隻によると交戦、ワシントンの砲撃で撃沈される<ref name="kongougata-orikomi" />。

== 脚注出典 ==