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== 概要 ==
[[File:Emblem of the Prime Minister of Japan (Red).png|170px|thumb|記者会見の際に演台に取り付けられる内閣総理大臣章。青色版と赤色版がある]]
戦後は日本国憲法と内閣法によって規定されている。内閣総理大臣は、[[行政|行政権]]の属する[[内閣 (日本)|内閣]]の[[首長]]で([[日本国憲法第66条|憲法第66条]]1項)<ref name="コトバンク世界大百科事典内閣総理大臣"/>、[[三権の長]]の一人であり、その他の[[国務大臣]]を任免し([[日本国憲法第68条|憲法第68条]])、内閣を代表して[[国会 (日本)|国会]]に議案を提出し、一般の国務および[[外交]]関係を報告し、[[日本の行政機関|行政各部]]を指揮監督する([[日本国憲法第72条|憲法第72条]])<ref name="コトバンク世界大百科事典内閣総理大臣"/>。
明治18年(1885年)に[[太政大臣]]・[[右大臣]]・[[左大臣]]の廃止に伴って[[内閣制度]]が始まるとその首班の官職として内閣総理大臣が設置された{{sfn|田中嘉彦|2015|p=57}}。初代内閣総理大臣は[[伊藤博文]]。当初、その権能は[[内閣職権]]によって規定され、[[プロイセン王国|プロイセン]]の[[カール・アウグスト・フォン・ハルデンベルク|ハルデンベルク]]官制を模範とした「大宰相主義」が取られ、内閣総理大臣には各省大臣に対する大きな監督権が付与されている特徴があった{{sfn|田中嘉彦|2015|p=58}}。明治22年(1889年)以降は[[内閣官制]]によって規定されるようになり、「各大臣ノ首班」と位置付けられ、同輩中の首席とされた{{sfn|田中嘉彦|2015|p=58}}。内閣制度は、当初は議会や政党に捕らわれない超然内閣として始まったが、大正時代に本格的な政党内閣が出現した{{sfn|田中嘉彦|2015|p=58}}。
 
戦後は日本国憲法と内閣法によって規定されている。内閣総理大臣は、[[行政|行政権]]の属する[[内閣 (日本)|内閣]]の[[首長]]で([[日本国憲法第66条|憲法第66条]]1項)<ref name="コトバンク世界大百科事典内閣総理大臣"/>、[[三権の長]]の一人であり、その他の[[国務大臣]]を任免し([[日本国憲法第68条|憲法第68条]])、内閣を代表して[[国会 (日本)|国会]]に議案を提出し、一般の国務および[[外交]]関係を報告し、[[日本の行政機関|行政各部]]を指揮監督する([[日本国憲法第72条|憲法第72条]])<ref name="コトバンク世界大百科事典内閣総理大臣"/>。
 
[[議院内閣制]]により、[[日本の国会議員|国会議員]]の中から[[国会 (日本)|国会]]の議決([[内閣総理大臣指名選挙]]/首班指名)により指名され([[日本国憲法第67条|憲法第67条]])、これに基づいて[[天皇]]は形式的な[[国事行為]]として内閣総理大臣を任命する([[日本国憲法第6条|憲法第6条]])<ref name="コトバンク世界大百科事典内閣総理大臣">{{Kotobank|内閣総理大臣|世界大百科事典 第2版}}</ref>。
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=== 元首の地位とその議論 ===
{{See also|日本の元首}}
[[大日本帝国憲法]]とは違い、現行の日本国憲法には[[日本の元首]]に関する規定がない{{Efn|原文:{{Quotation|日本国憲法下でだれが元首かは必ずしも明確ではない。<br>日本国憲法上条約締結権や外交関係を処理する機能は内閣にある (73条2,3号) から,元首は内閣ないし内閣の代表権をもつ内閣総理大臣ともいえるが,<br>天皇も全権委任状,信任状の認証,批准書その他の外交文書の認証および外国の大使・公使の接受をなし (7条5,8,9号) ,その限り国を代表する機能を果しており,諸外国も天皇を元首扱いしている。<ref name="britanica"/>}}}}。このことから日本の元首については[[学説]]上の様々な議論が存在する。
 
元首には[[内政|内治]]、[[外交]]を通じて国を代表し、[[行政権]]を掌握している国家機関、あるいは実質的な[[統治権|国家統治の大権]]を持たなくても国家におけるヘッドの地位にあるもの等、様々な定義がある。誰が元首の資格を持つかは各国法の定める問題であるが、通常、[[君主国]]では[[君主]]、[[共和国]]では[[大統領]]がこれに当たる。旧憲法は明文で[[天皇]]を元首としていた。現行憲法下では、誰を元首と見るか学説上争いがあり、天皇とする説、内閣総理大臣とする説、存在しないとする説などがあり、結局は元首の定義いかんに帰する問題と考えられる{{sfn|法令用語研究会編「有斐閣 法律用語辞典(第3版)|2006|p=374}}。
 
長野和夫によれば、[[国民主権]]下では、国家を代表する資格をもつ国家機関の長で、国内的にも[[統治権]]行使の権限をもつ首相が元首であるべきとの意見が学者の間では強い{{sfn|長野和夫|2006|p=170}}。[[芦部信喜]]によれば、元首の要件で特に重要なのは、外国に対して国家を代表する[[権能]]であるとしている。しかし天皇は外交関係では、形式的・儀礼的行為しか憲法で認められていない{{sfn|芦部信喜|2016|p=47}}。したがって、日本の元首は条約締結や外交使節任免および外交関係処理の権限をもち、国家機関として対外代表資格を有する[[内閣]]または内閣総理大臣とするのが多数説である<ref>渡邉譽『日本国憲法』p.36([[北樹出版]])</ref>{{sfn|芦部信喜|2016|p=47}}。さらに、天皇と内閣総理大臣が元首の役割を分担しているとの見解もある<ref>{{cite book|和書|author=衆議院憲法調査会| title =衆議院憲法調査会報告書| publisher =衆議院事務局 |pages=293| date= 2005-04-15}}</ref>。
 
一方で、元首は対外的に国家を儀礼的に代表する権限をもつだけで十分として、国の象徴の地位にある者は元首的性格をもつとみる学説があり、この場合には天皇が元首とみなされる。国際慣行上は天皇が元首として遇される<ref name="daijirin" /><ref name="britanica">{{Kotobank|元首|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典}}</ref>。1973年(昭和48年)4月17日の[[第71回国会]][[内閣委員会|衆議院内閣委員会]]において[[外務大臣 (日本)|外務大臣]][[大平正芳]]は「内閣総理大臣を日本国の元首としてお迎えするというような国はないと私は思います」と答弁している<ref>{{cite book|和書|author=衆議院内閣委員会| title =第71回国会 衆議院内閣委員会議録| publisher =衆議院事務局 |volume=第16号|pages=40-41| date= 1973-04-17|url=https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=107104889X01619730417&current=11}}</ref>。