「線型方程式」の版間の差分
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以下、特に断らない場合は係数をとる集合 ''K'' を(可換な)体とする。多くの場合 ''K'' は、実数全体の成す集合 '''R''' または複素数全体の成す集合 '''C''' のことと思って差し支えない。
== 一次方程式 ==
''n'' 元の一次(代数)方程式とは、''K''<sup>''n''</sup> の元 '''a''', ''K'' の元 ''b'' および ''K''<sup>''n''</sup> を動く不定元 '''x''' により、<math>(
: <math>a_1 x_1 + a_2 x_2 + \cdots + a_n x_n + b = 0</math>▼
▲:<math>a_1 x_1 + a_2 x_2 + \cdots + a_n x_n + b = 0</math>
と書いても同じことである("一次" 方程式というのは、"一次[[多項式]]" を 0 に等しいとおいて定義される方程式という意味である)。''b'' = 0 のとき斉次または同次形であるという。
の形に整理することが
▲('''a'''<sub>''i''</sub>, '''x''') + ''b''<sub>''i''</sub> = 0 ('''a'''<sub>''i''</sub> = (''a''<sub>''i'' 1</sub>, ''a''<sub>''i'' 2</sub>, ..., ''a''<sub>''in''</sub>), ''i'' = 1, 2, ..., ''m'') で与えられているなら、線型代数学で取り扱われるように、''m'' 行 ''n'' 列の[[行列]](係数行列) ''A'' = (''a''<sub>''ij''</sub>) を用いて、この方程式系を
▲の形に整理することが出来る(ただし、'''b''' = (''b''<sub>1</sub>, ''b''<sub>2</sub>, ..., ''b''<sub>''m''</sub>)<sup>T</sub>: 縦ベクトル)。これも '''b''' = 0 のときには斉次の方程式系であるという。方程式の本数 ''m'' は行列 ''A'' の[[行列の階数|階数]] rank ''A'' まで減らすことが出来る。また、''m'' = rank ''A'' かつ ''m'' > ''n'' のとき、''m'' - ''n'' 個の任意定数を導入する(あるいは ''m'' - ''n'' 個の変数を任意定数と見做す)ことで、議論を ''m'' = ''n'' のときに帰着することが出来る。
== 線型微分方程式 ==▼
▲''f''<sub>''A''</sub>('''x''') = ''A'' '''x''' と置いて得られる写像 ''f''<sub>''A''</sub>: ''K''<sup>''n''</sup> → ''K''<sup>''m''</sup> は '''x''' に関して線型性を持つ。
=== 高階単独型 ===▼
''x'' の関数 ''y'' の高階微分
▲==線型微分方程式==
: <math>\frac{d^n y}{dx^n} + a_{n-1}(x)\frac{d^{n-1}y}{dx^{n-1}} + \cdots + a_1(x)y = b(x)</math>▼
▲===高階単独型===
▲''x'' の関数 ''y'' の高階微分 ''d<sup>i</sup>y''/''dx<sup>i</sup>'' および、可微分関数 ''a''<sub>''i''</sub>(''x'') (1 ≤ ''i'' ≤ ''n''), ''b''(''x'') により
▲:<math>\frac{d^n y}{dx^n} + a_{n-1}(x)\frac{d^{n-1}y}{dx^{n-1}} + \cdots + a_1(x)y = b(x)</math>
で表される微分方程式を'''単独高階型の線型微分方程式'''という。''b'' = 0 であるとき'''斉次'''であるといい、
: <math>\frac{d^n y}{dx^n} + a_{n-1}(x)\frac{d^{n-1}y}{dx^{n-1}} + \cdots + a_1(x)y = 0</math>
を元の方程式に'''属する斉次方程式'''という。
微分作用素
: <math>f(d/dx) = \frac{d^n}{dx^n} + a_{n-1}(x)\frac{d^{n-1}}{dx^{n-1}} + \cdots + a_1(x)</math>
で定めると、未知関数 ''y'' への作用
=== 一階連立型 ===
各成分が変数 ''x'' の(適当な階数の)可微分関数である ''n'' 次元縦ベクトル '''y'''(''x''), ''m'' 次元縦ベクトル '''b'''(''x'') および ''m'' × ''n'' 行列 ''A''(''x'') に対し、
: <math>\frac{d\mathbf{y}}{dx} = A(x)\mathbf{y} + \mathbf{b}</math>
で定義される[[微分方程式]](系)を ''A''(''x'') を'''係数行列'''とする'''一階連立型線型微分方程式'''などとよぶ。<math>\mathbf{b}(x) = 0 \ ( \mbox{for all } x)</math> であるとき、'''斉次'''(または'''同次''')であるといい、
: <math>\frac{d\mathbf{y}}{dx} = A(x)\mathbf{y}</math>
▲:<math>\frac{d\mathbf{y}}{dx} = A(x)\mathbf{y}</math>
▲を元の方程式に'''属する斉次方程式'''という。右辺の ''A''(''x'')'''y''' は '''y''' に関して線型性を持つ。
高階単独型線型微分方程式は、変換
: <math>y_i := \frac{d^{i-1}y}{dx^{i-1}} \ (i = 1, 2, ..., n)</math>
== 重ね合わせの原理 ==
斉次方程式の持つ線型性から、''X'', ''Y'' がその方程式の解ならばその一次結合
▲斉次方程式の持つ線型性から、''X'', ''Y'' がその方程式の解ならばその一次結合 α''X'' + β''Y'' もやはりその方程式の解となる。このことを指して'''重ね合わせの原理'''が成り立つという。
したがって、線型方程式の解の全体は一つのベクトル空間(あるいは[[アフィン空間]])をつくる。これを方程式の'''解空間'''という。
=== 超平面 ===
0 でない ''n'' 変数の ''K'' 係数一次多項式
: <math>a_1 x_1 + a_2 x_2 + \cdots + a_n x_n = b \quad (b \in K)</math>
つまり、一本の一次方程式の解空間として定義される ''K<sup>n</sup>'' の ''n'' - 1 次の[[部分空間|部分線型空間]]を、'''超平面'''と呼ぶ。
== 関連項目 ==
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* [[線型微分方程式]]
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[[Category:代数学|せんけいほうていしき]]
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