削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
m 名前の由来
1行目:
'''手鑑'''('''てかがみ''')とは、厚手の紙で作られた折帖に、[[古筆]](こひつ)、すなわち古人のすぐれた筆跡の断簡を貼り込んだ作品集。あたかも鏡古筆開くように手軽に鑑賞できるところからこの名で呼ぶが、その形状から、鏡を開くことへの見立ても含んでいるかもしれない。「'''手鏡'''」とも。
 
[[桃山時代]]以降、[[茶の湯]]の流行にしたがって、古筆が鑑賞の対象として愛好されるようになると、経巻や歌書・消息などの巻子本や冊子装からその一部を切り取って「古筆切(こひつきれ)」として収集することが流行した。手鑑は、こうした切(きれ)を台帳に編集したものである。
 
古筆愛好家たちは、数多くの古筆・名筆を鑑賞するために、古筆切を帳面に貼り込んで手鑑を作成した。[[武家]]や[[公家]]においては、手鑑は大切な嫁入り道具ともなったという。
 
また、古筆家、古筆見(こひつみ)、あるいは単に古筆と呼ばれた古筆鑑定の専門家は、鑑定の標準とすべき代表的な古筆切を法帖に押した手鑑を携行し、鑑定の基準とした。