「ローマ字論」の版間の差分

上記のような主張は[[明治時代]]初頭からあり、それを推進する団体として「羅馬字会」が[[1885年]]（明治18年）創立された。羅馬字会はローマ字綴りとして[[ヘボン式ローマ字]]を採用したが、会員の一人で物理学者・[[田中館愛橘]]が[[五十音図]]に基づくローマ字綴り（のちの「日本式ローマ字」）を提唱した案。結局会では採用に至らず、田中館は羅馬字会を離れた。ヘボン式と日本式との長い対立は、ここから始まっている。

日本ローマ字会は、先立日本式ローマ字の普及・推進活動を行って設立したほか、その出版部門「[[日本のローマ字社]]」（NRS、[[1909年]]設立）とあわせ、日本式で会の機関誌『Rômazi Sekai（ローマ字の普及活動世界）』や、[[寺田寅彦]]著『Umi no Buturigaku（海の物理学）』などのローマ字書き書籍や雑誌『Rômazi Sekai（ローマ字世界）』のを出版活動を展開するなどした。田中館の弟子で、田中館とともに日本ローマ字会の中心人物となった物理学者・[[田丸卓郎]]の著した『ローマ字国字論』は、戦前・戦後を通じて「ローマ字論者のバイブル」と言われる。