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== 概要 ==
京都における日本人の少年と在日朝鮮人の少女との間に芽生える許されないはずの恋を中心とした青春映画という位置づけがなされており、基本は[[ロミオとジュリエット]]や[[ウェスト・サイド物語]]的なクラシックなストーリーである。ただし青春ドラマでありながら、日本人と朝鮮人にまつわる民族問題が主軸であり、また毛沢東主義に傾倒している教師や学生運動の盛り上がりなど当時の世相も盛り込まれている。他にも性・快楽・暴力とベタな要素をすべて取り入れながらも、重いテーマに笑いの要素をも取り入れたテンポの良い台詞まわしや展開で映画後半まで見る者を飽きさせない作品となっており、それがキネマ旬報をはじめ多くの映画賞を獲得する高い評価につながっている。
 
ラマにおける日本人と韓国人のカップルは、朝鮮の伝統的な男尊女卑思想のため、ほとんどの場合日本人女と韓国人男(韓国が日本を「征服」する)という組み合わせである。この点パッチギ!は例外的といえる。
 
興行面においては決して大成功というものではなかった。しかしヒロイン役を演じた沢尻エリカが女優として注目され始めたことや、韓国に対する日本での関心の高まり(劇中で登場するのは[[朝鮮籍]]である)も追い風となり、多くの映画賞を受賞し映画界において評価を受けた。
 
ちなみに、劇中、あたかも朝鮮人が強制的に日本に連れて来られ、働かせられたような台詞が出てくるが、今では在日韓国人による調査などでも否定されていることであり、この映画の原案にもなった松山猛『少年Mのイムジン河』(木楽舎)にも強制連行を示す描写は出て来ない。何故、日本に朝鮮系の人が暮らしているのか、疑問に思った松山少年が母親にどうしてなのか聞く場面なら出てくる(P19)母親の答えは「日朝(日韓)併合時代、多くの朝鮮人たちが仕事を求めて日本に来たものによる」というもの。また、在日本大韓民国青年会の中央本部が、在日 1世世代に対する聞き取り調査の結果をまとめ1988年に刊行した『アボジ聞かせて あの日のことを -- 我々の歴史を取り戻す運動報告書 -- 』にも、渡日理由のアンケート結果として、「徴兵・徴用13.3%」と明記されており、「その他20.2%」、「不明0.2%」を除いたとしても「経済的理由39.6%」「結婚・親族との同居17.3%」「留学9.5%」と65%以上が自らの意思で渡航してきたことがわかる。尚、このアンケートは渡航時 12歳未満だったものは含まれておらず、これを含めるとさらに徴兵・徴用による渡航者の割合は減ることになる。また「官斡旋」による渡航者が「徴兵・徴用」に含まれている可能性が指摘されている。
 
== スタッフ ==