「縅」の版間の差分

[[縅]]（おどし）とは、日本の[[小札]]（こざね）式の[[甲冑]]の製造様式。[[鎧]]ので、小札板を[[革]]や[[糸]]（などの緒で上下に結び合わせること。縅に使う緒を'''縅毛'''（おどしげ、古くは「貫緒」）でと呼ぶ。ちなみに小札を左右に結び合わせること。または、その革'''横縫'''（よこぬい）や糸の'''下縅'''（したがらみ）、'''横綴'''（よことじ）、'''横搦'''（よこがらみ）などと呼ばれ、牛馬の革を用いうる。

基本的縅の主な手法であには、上下の小札を結び合わせる'''毛引縅立'''（けびきおどしだて）やと、毛引縅その省略ともいえる間隔結果小札の上部の札頭（さねがしら）から出た縅毛をおい小札にからめて2本ずつ縅す留める'''素懸縅緘'''（すがけおどしからみ）などの2つがある。

の3種に大きく分けられる。以下、順にその概略を記す。

「絲縅」とも記す。絹糸を組んだ[[組紐]]を用いて縅したもの。その他、少数ながら[[シナノキ|科]]や[[麻]]、[[木綿]]を用いたものもある。またその色により、無地のままの白糸縅や、ある一色に染めた'''赤糸縅'''・'''紅糸縅'''・'''黄糸縅'''・'''紫糸縅'''・'''萌葱糸縅'''・'''縹糸縅'''・'''浅葱糸縅'''・'''紺糸縅'''・'''黒糸縅'''・'''糸緋縅'''（「火縅」とも、緋色）・'''卯の花縅'''（白色）などの名称が存在する。

多色の場合は、'''樫鳥縅'''（かしどりおどし）・'''啄木縅'''（たくぼくおどし）などがある。前者は白・浅葱・紺の組紐で縅したもので、後者は5色近くの多色で縅したもの。

*'''熏韋縅'''（ふすべかわおどし） - [[円筒]]状のものに韋を巻きつけ吊るし、下から[[マツ|松]]葉や[[藁]]の煙で熏いぶして茶色に染めたもの。染韋の一種で、水気による硬直に強くなる。これの色の淡いものを'''柑子韋'''（こうじかわ）と呼ぶ。

*'''伏縄目縅'''（ふしなわめおどし） - 白・浅葱・藍の3色パターンを斜めに染めた縄目韋（なわめがわ）を用いて縅したもの。異説もある。