削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
1行目:
'''証券(しょうけん:securities)'''とは、財産上の[[権利]][[義務]]を表彰した[[紙]]券のことであったが、その紙券が発行されないことが増えている。したがって証券の本質は、財産上の[[権利]][[義務]]そのものと理解されるようになってきている。
 
==概要==
*証券は単に一定の事実を証明する[[証拠証券]]と、その証券の譲渡・保有が証券が表彰する財産権の移転・行使に結びついている[[有価証券]]とに大別される。
*証拠証券としては[[ホテル]]のクロークの預り券とか、クリーニング屋の預り券がある。これらは商品を預っている事実を証明しているが、実は商品の引き取りに必要不可欠とされるものではない。万一紛失しても、受付側が紛失した顧客の説明に納得すれば品物は引き渡される。これに対して、有価証券はそれを持っている人が正式な権利の保有者と推定されるし、それが表す財産権の行使にはこの有価証券の保有が不可欠なものである。証拠証券と有価証券のこの違いは、有価証券では証券の譲渡が前提になっていることが背景になっている。したがって財産権の行使に保有が不可欠な証券であっても、譲渡を前提にしていない証券を有価証券とみるべきかは議論の余地がでてくる。このような議論の余地があるものには、[[乗車券]]、入場券、[[預金通帳]]などがあるが、これらは個人の日常生活に主に関わるものが多い。
 
証券のメリットは以下のとおりである。
13行目:
譲渡を前提している有価証券には、財産権の対象が貨幣、商品、資本のいずれであるかによって貨幣証券、商品証券、資本証券に区分される。これらの有価証券は、いわゆる経済活動に主として関わるものという特徴がある。証券論や証券市場論で問題にする証券は、この中の資本証券である。
*貨幣証券には、[[手形]]や[[小切手]]が含まれる。商品証券には、倉荷証券や船荷証券が含まれる。資本証券には、[[株式]]や[[債券]]が含まれる。貨幣証券や商品証券の名称は、財産権の対象が貨幣あるいは商品であり、分かりやすい。しかし資本証券の名称は分かりにくい。これは資本という言葉が、投資が行われて収益を生み出すという関係であることを意味することが理解しにくいからである。資本証券は、資本という言葉が意味する財産権の内容、すなわち投資収益権請求証券として理解すべきであろう。
*なお様々な分野で電子化が進行しておりペーパーレスとなる動きが進んでいる。手形について[[2008年]]中にも電子化が見込まれるほか、[[上場会社]][[株券]]については[[2009年]][[1月]]からの電子化(ペーパーレス化)が決まっている。
 
*証券はしばしば[[証券会社]]・[[証券市場]]の略語としても使用される。代表的な有価証券に、[[債券]]と[[株式]]がある。どちらも、独特の権利を持つため価値が発生する。証券の価値を知るためには[[割引現在価値]]などの方法がある。
43行目:
*日本証券経済研究所『詳説現代日本の証券市場』日本証券経済研究所, 2006
 
==外部リンク==
*[http://www.jasdec.com/less/less01.html ほふり・株券の電子化(ペーパーレス化)について]
 
[[category:証券市場|しようけん]]