「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」の版間の差分

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同じく、魔物であり魔王軍の幹部であった魔物「地獄の門番(多腕の骸骨剣士)」バルトスを養父に持つ人間の戦士ヒュンケル(バルトスが殺された真相を知り仲間になるが、このエピソードに関しては勧善懲悪の観念が発生している)。
ただ一人愛した人間にしてアルキード王国の王女、妻ソアラを殺され人間を憎んだ竜の騎士バラン。
魔族と人間との混血であり人間である母を裏切り者と蔑まれ人間を憎むようになったラーハルト、獣人でありながら人間を認めるクロコダイン、元魔王でありながら最後には勇者と和解するハドラーなど、重要人物には人の世界と魔の世界の境界の危うさを示す例が極めて多く、他のドラクエを題材とした漫画と比べても顕著である。大魔王バーン自体非常に冷酷で残虐な性格ではあるが、同時に「強さ」という概念の上での異種族に対する非差別、人間側の正義に潜む危うさを示唆した発言もあり、このような正義と悪をめぐる奥の深さも本作品の魅力の一つである。
 
魔族や竜にも仲間を想う慈愛の心や、強敵に対する尊敬の念を示す騎士道精神があったり、逆に人間の心にも裏切りや欲望など醜い感情はいくらでもあるという、漫画を読む主な対象年齢となる小・中学生にも充分に伝わる、教訓を含んだ[[昔話]]の物語のような側面も持っている。また、人間は自分達の暮らす地上を守るため、魔族達は地下深くに追いやられた屈辱を晴らし、地上を消し去って魔界に[[太陽]]の光を呼び込む(バーンも太陽レベルのエネルギーを生み出すことは出来ない)ためなど、人間・魔族のどちらも確固たる理念の元に戦うという、現実社会における国レベルの[[戦争]]の縮図とも言えるテーマが取り入れられている。