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'''ブレーン・ワールド'''(braneworld)または'''ブレーン宇宙論'''(brane cosmology)とは、近年精力的に研究が進められている宇宙モデルの1つで、『我々の認識している4次元空間(時間+空間3次元)の宇宙は、さらに高次元の時空(バルク、bulk)に埋め込まれた膜(ブレーン、brane)のような[[時空]]なのではないか』と考えるモデルである。動機は、[[超弦理論]]や[[M理論]]における高次元空間での整合的な理論構築である。5次元目以上の次元を[[余剰次元]]とも呼ぶ。単純に時空の次元を増やす理論は、[[カルツァ・クライン理論]]をはじめとして古くからあるが、ブレーン宇宙仮説では,物質や電磁気力は膜上にのみ存在でき、重力だけは余剰次元にも影響しうるとする考えが新しい。ブレーン仮説を考えると、物理学における基本的な4つの力([[相互作用]])のうち、[[重力]]だけが極端に弱い理由という[[階層性問題]]を、「重力だけがバルク中も作用するから」というモデルを考えることによっして説明できる可能性がある。
[[リサ・ランドール]](Lisa Randall)と[[ラマン・サンドラム]](Raman Sundrum)が1999年に2つのモデルを発表し、こ5次元中のよう4次元膜を考える模型では,余剰次元のサイズが最大で0.1mmのものまで、現在の素粒子実験と重力実験に抵触しな時空いことが発見された。以降、彼女らの描像モデルを提案応用して以降、宇宙の初期特異点の解決を試みるモデル、・ビッグバンの起源を複数のブレーンの衝突で説明するモデル([[エキピロティック宇宙論]])、・[[宇宙のインフレーション]]をブレーンの運動で捉えるモデル、・宇宙の[[ダークエネルギー]]問題の解決を試みるモデルなど、宇宙論のさまざまな分野でアイデアが提出され研究されている。また、[[一般相対性理論]]を高次元空間で考える研究も進展し、例えば時空が高次元であるならば、陽子ビームを衝突させる[[LHC]]加速器でミニ・[[ブラックホール]]が生成される可能性も指摘され、近い将来実験検証が開始される予定である。
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