「ルキウス・ユニウス・ブルトゥス」の版間の差分
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==経歴==
ブルートゥス家はタルクィニウス王家に対して憎悪を抱いており、[[元老院 (ローマ)|元老院]]で強力な指導力を発揮し始めたルキウスの兄弟が殺害されるなど深刻な対立関係にあった。王家による危険分子への粛清の嵐が吹き荒れる状況の中、ルキウスはわざと愚鈍な人間を装い、王家の粛清を逃れる事に成功した。国王タルクィニウスはルキウスを無能だと侮り、彼なら自分の王位への脅威にはならないと判断して自らの側近に取り立てた。彼の名「ブルートゥス」は「阿呆」の意味であり、これは彼がいかに軽く見られていたかを物語っている。
王の信任を得たルキウスは王家の人間と[[ギリシア]]の[[デルフィ]]に神託を伺いに赴いたり、ローマ周辺の部族へ軍を率いて出征したりとローマを離れる事が多かったという。 そのルキウスの近辺に大事件が起こる。彼がローマから離れていた間、近親の既婚女性ルクレティアが国王タルクィニウスの息子セクストゥスに[[強姦|暴行]]され、一族の者が辱めを受けたという事でブルートゥス家の名誉が傷付けられてしまったのである。また辱めを受けたルクレティアが自らの胸を短刀で貫いて自死してしまうという悲劇も同時に起きた。伝説ではこの報を聞いたルキウスが息絶えたルクレティアの胸に刺さった小刀を手に取り、「ただちにタルクィニウスの一族を追放させよ」とローマの民衆を煽動したと伝えられている。そして彼はすぐさま国王タルクィニウスとその一族を[[エトルリア]]へと追放させる事に成功、ローマに共和政府を発足させ権力を本来は王の諮問機関であった'''[[元老院 (ローマ)|元老院]]'''に集中させ、元老院の代表として２人の定員で『'''[[プラエトル]]'''』という役職を設置（当時のプラエトルは共和政ローマの最高の地位にあった。後にプラエトルの行う職務は[[コンスル]]に代わられるようになる。）、亡きルクレティアの夫[[ルキウス・タルキニウス・コッラティヌス]]と共に自ら就任した。
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