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'''ヴァン神族'''(ヴァンしんぞく、[[古ノルド語]]:Vanr {{small|'''ヴァンル'''}}、複数形:Vanir {{small|'''ヴァニル'''}}、'''ヴァナ神族'''とも)とは、[[北欧神話]]に登場する一群の神々である。豊穣と平和をつかさどる。[[ニヨルド]]、[[フレイ]]、[[フレイヤ]]が所属していた神族である。<!--旧説で、今は支持されていないはずなのでコメントアウト 本来は北欧世界で支配的な神々であったが、古代末期の部族間の武力衝突が頻発する戦乱の中で、戦争と混沌をつかさどる[[アース神族]](エシル神族)への信仰に取って代わられたと考えられている。-->
 
== 概要 ==
神話では美麗な巨人族<ref>H.R.エリス・デイヴィッドソン『北欧神話』(米原まり子、一井知子訳、青土社、1992年)239-240頁において、悪の[[霜の巨人]]族とは異なる美麗な巨人族が、黒妖精と異なる美麗な光の妖精と同じ者たちであったか現在知ることは難しいものの、美麗な巨人族がヴァン神族と結びつけられていた可能性がある、との指摘がある。</ref>としてしばしば[[霜の巨人|巨人族]]と混同される。
 
時に彼らの住む国[[「賢いヴァナヘイム]]ン神族」いわ呼ばている。
『[[古エッダ]]』の『[[シグルドリーヴァの言葉]]』第18節には、彫られた[[ルーン文字]]が削り取られて運ばれ、それを「賢いヴァン神族も持っている」と語られている。
また、同『[[スリュムの歌]]』第15節において、[[アース神族]]の1人[[ヘイムダル]]が「彼はヴァン神族と同じように未来がわかる」と語られている。
 
ヴァン神族の住む国は[[ヴァナヘイム]]といわれている。
 
== 所属する主な神 ==
その住人所属する神々としては、ヴァン神族と[[アース神族]]の抗争終了後に人質として[[アースガルズ]]に送り出されたニヨルド、フレイ、フレイヤ父子がまず挙げられる。
 
また、[[古エッダ]]』の『[[巫女の予言]]』においてこの抗争の原因を作ったとされる女性[[グルヴェイグ]]、おそらくヴァン神族であるが、
ただし彼女はフレイヤと同一人物とも考えられている。
 
アース神族側から人質として送られた二人のうち、[[ヘーニル]]と[[ミーミル]]のうち、ヘーニルについてはそのままヴァナヘイムに留まっているとも思われるが、はっきりしていない。
 
『[[ユングリング家のサガ]]』の記述によると、アース神族が送ってきたもう一人の人質[[ミーミル]]が大変賢い人物であったことから、さらにヴァン神族の賢い神[[クヴァシル]]を先方に送り出している。この文献ではクヴァシルはヴァン神族の一員だったということになる。
 
== アース神族との関係 ==
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また『ユングリング家のサガ』によると、前述のニヨルドらを人質に出すが、交換でアース神族が送ってきた人質のヘーニルが期待したような人物でなかったため不満を感じ、人質のもう一人、ミーミルの頭を切り落としてアース神族の国へ送り返した。オーディンは、首が腐らないように薬草をつけて保存し、ミーミルが話せるようになるまで呪を唱えて、「ミーミルの首」を生成した。
 
アース神族についてはラグナロクでの運命が語られるが、ヴァン神族については、ニヨルドが彼らの元へ帰るという記述が『古エッダ』の『[[ヴァフスルーズニルの言葉|ヴァフスルードニル]]の歌]]』にみられるものの、他の神々がどのような運命をたどったかは不明である。
 
同じ神でありながらアース神族とは名詞の言い方も異なる。『古エッダ』の『[[アルヴィースの歌]]』で、次のような名詞の差異が紹介されている(『エッダ 古代北欧歌謡集』98-102頁 による)
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== 備考 ==
*[[東日本フェリー]]が運航所有しているフェリーの名「VANIR([[ばにあ]](''VANIR'')は「ヴァン神族」に由来している。
 
== 関連項目 ==