「ヌクレオモルフ」の版間の差分

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ヌクレオモルフは[[細胞内共生説]]を強く支持する[[細胞小器官]]であり、その起源は葉緑体として取り込まれた[[真核生物]]の[[細胞核]]であると言われている。葉緑体遺伝子による[[分子系統学|分子系統解析]]の結果から、クリプト藻では[[紅藻]]、クロララクニオン藻では[[緑藻]]がその由来であるとされている。いずれの場合にも、光合成能を持った真核生物が食作用によって宿主細胞内に取り込まれ、そのまま細胞内で保持されるうちに細胞小器官が退化し、萎縮した核(と葉緑体としての光合成能)だけが残ったと考えられている。この複雑な細胞内共生の結果、ヌクレオモルフを持つクリプト藻やクロララクニオン藻では、由来を異にする以下の4種類のゲノムが細胞内に存在する状態となっている。
 
* 細胞核ゲノム(真核)
* ミトコンドリアゲノム(原核)
* 葉緑体ゲノム(原核)
* ヌクレオモルフゲノム(真核)
 
両植物ともヌクレオモルフの[[染色体]]数は3本であり、ゲノムサイズは400~700kb程度と非常に小さい。コードされていた[[遺伝子]]の大部分は既に宿主の核へ移動しており、ヌクレオモルフゲノムに残っているのは[[転写 (生物学)|転写]]、[[スプライシング]]、[[翻訳 (生物学)|翻訳]]といった遺伝子発現自体に関わるものが大部分である。一部の遺伝子は普通の真核遺伝子と同様に[[イントロン]]を含むが、その配列長は18~20bpと極端に短い。また、遺伝子間のスペーサー(非コード)領域も通常の真核ゲノムに比べて非常に短く、コード領域が重複する部分もある。
 
== 参考文献 ==
 
*バイオダイバーシティ・シリーズ(3)藻類の多様性と系統:千原光雄 編 裳華房(1999) ISBN 4-7853-5826-2
 
== 関連項目 ==
 
* [[クリプト藻]]
* [[クロララクニオン藻]]
* [[ピコビリ藻]]
 
[[Category{{DEFAULTSORT:藻類|ぬくれおもるふ]]}}
[[Category:藻類]]
[[Category:細胞生物学]]
 
[[de:Nucleomorph]]