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== 生涯と俳優業 ==
バーベッジは貧しい家庭に生まれ、20代前半には俳優として名をはせていたことが知られているが、初期の舞台活動に関する詳細を明らかにする文献はあまり残されていない。[[レスター伯一座]]に在籍していたのではないかともいわれるが、明白な証拠は存在しない。[[1590年]]には[[海軍大臣一座]]で、[[1592年]]には[[ストレインジ卿一座]]で、[[1593年]]には[[ペンブローク伯一座]]で活動していたと推測されているが、シェイクスピアと同じ劇団[[宮内大臣一座]]([[1603年]]に新国王[[ジェームズ1世 (イングランド王)|ジェームズ1世]]の即位にともない[[国王一座]]へと改称)に所属する看板俳優であったことが最もよく知られている。バーベッジは多くのシェイクスピア作品の初演時に主役を務め、[[ハムレット]]や[[オセロ (シェイクスピア)|オセロー]]、[[リチャード三世 (シェイクスピア)|リチャード三世]]や[[リア王]]などを演じた。シェイクスピア作品のみならず、[[ベン・ジョンソン (詩人)|ベン・ジョンソン]]作『ヴォルポーネ』 (''"[[:en:Volpone|Volpone]]"'') 『錬金術師』 (''"[[:en:The Alchemist (play)|The Alchemist]]"'') 、[[ジョン・マーストン]]作『不満家』 (''"[[:en:The Malcontent|The Malcontent]]"'') 、[[ジョン・ウェブスター]]作『マルフィ公爵夫人』 (''"[[:en:The Duchess of Malfi|The Duchess of Malfi]]"'') 、[[ボーモント&フレッチャー]]作『乙女の悲劇』 (''"[[:en:The Maid's Tragedy|The Maid's Tragedy]]"'') など、同時代の多くの作家による戯曲で主演俳優として舞台に立った。
 
俳優としてのバーベッジの才能と力量は、バーベッジが演じた役の圧倒的な質と量によって窺い知ることができる。1580年代から1610年代にかけて数百に上る作品と数千に上る登場人物が生み出されているが、1人の登場人物のセリフが800行を超える大作は20本前後にすぎない。イギリスの俳優としてはじめてこうした大役を演じきる実力を備えたのは、[[クリストファー・マーロウ]]の『[[タンバレイン大王]]』 (''"[[:en:Tamburlaine (play)|Tamburlaine]]"'') や『[[マルタ島のユダヤ人]]』 (''"[[:en:The Jew of Malta|The Jew of Malta]]"'') などに主演した[[エドワード・アレン]]である。しかし、こうした大役およそ20のうち、実に13がバーベッジによって演じられたのである<ref>Scott McMillin, ''The Elizabethan Stage and "The Book of Sir Thomas More"'', Ithaca, N.Y., Cornell University Press, 1987; pp. 61-3.</ref>。