「大番」の版間の差分

こうした常備兵力としての大番は、同様の組織である五番方（[[小姓組]]、[[書院番]]、[[新番]]、大番、[[小十人|小十人組]]）の中で最も古く、文禄1年（[[1592年]]）に編制され、内藤紀伊守信政ら6名が最初の大番頭に就任したという。但しこれには異説もあり、[[石川数正]]が天正13年([[1585年]])に出奔した、翌年天正14年に徳川家が軍制を武田流に変更した際に編制定され、内藤紀伊守信政ら6名が最初の大番頭に就任したとも言われる。文禄1年（こ[[1592年]]）には江戸城改築の一環として、北西に当時任命されあったと6組屋敷地を設けていう大番頭る（現在も内藤信政である）千代田区に。

大番の職務は、戦時にあっ於いては旗本陣部隊の一番先手として各種足軽組等を付属した上で[[備]]において攻撃を任務としたの[[騎馬隊]]として働き、平時には江戸城下および要地の警護を担当する。

大番組の警護する要地は[[二条城]]および[[大坂城]]があり、それぞれに2組が1年交代で在番する。江戸時代初期にはこのほかに[[伏見城]]と[[駿府城]]の警護に当たったが、伏見城在番は廃城により、駿府城は在番は書院番が勤めることになり、それぞれ廃止された。

大番は当初は6組、その後の増強と幕府制度の整備に伴い、全て[[本丸]][[老中]]支配（[[西丸]]には大番は置かれない）のとして12組が存在し、となる。それぞれに[[番頭]]1名、[[組頭]]4名、番士50名、与力10名、同心20名が所属した。番頭は[[足高制|役高]]5000石の[[伺候席|菊間席]]で、しばしば大名が就任した。組頭は役高300石役料100俵の躑躅間席、番士は持ち高勤め（足高制による補填がない）だがだいたい200石高の旗本が就任した。役高に規定される番士の軍役から計算した総兵力は400人強となり、2万石程度の大名の軍役に匹敵した（これとは別に足軽組も付属する）。