「西ノ海嘉治郎 (初代)」の版間の差分

[[薩摩国]]高城郡（現・[[鹿児島県]][[薩摩川内市]]）出身。本名小園嘉次郎。明治8年（[[1875年]]）、京都相撲に入り[[小結]]まで昇進する。明治14年（[[1881年]]）東京に出て[[高砂部屋]]に入門。明治15年（[[1882年]]）1月、西の海として幕内格付け出しで初土俵。同年6月場所より西ノ海嘉治郎を名乗る。明治18年（[[1885年]]）1月新[[大関]]。2場所勤めて陥落し、明治20年5月には小結まで落ちる。負け越してはいないため、この降格はまったく興行上の都合と考えられる。そこから復活し明治23年（[[1890年]]）1月場所大関復帰。場所後横綱免許を受ける。新横綱の5月場所は、成績では[[張出]]大関に相当するものだったが、横綱免許を受けたものが張出となることに不満を表明したために、'''横綱'''を明記して張出となることで妥協が成立した。その結果相撲史上初めて明治23年（[[1890年]]）5月、横綱が番付に明記（東方に張出、西ノ海は引退する明治29年（[[1896年]]）1月まで12場所、番付上は全て張出されている）され、この後横綱は名誉ではなく地位とみなされていくようになる。明治29年（1896年）1月場所後に引退。幕内通算成績は29場所127勝37敗25分4預97休、勝率.774。優勝相当成績2回。

豪放磊落な性格で知られ、強豪との取組を前にしても支度部屋で高いびきをかいていたとされる。泉川(両腕で相手の腕を押さえ、挟みつけながら片方の肘を前方へ張って極める技)を得意とした。

引退後は年寄7代[[井筒]]を襲名。独立して[[井筒部屋]]を興し、横綱[[西ノ海嘉治郎 (2代)|西ノ海（2代）]]、大関[[駒ヶ嶽國力]]、大関大江山、関脇逆鉾を育成した。鹿児島出身だったことから、同県出身の若者の多くがその後も井筒部屋の門を叩いている。