「静止形インバータ」の版間の差分

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==概要==
固定電圧・固定周波数を出力する[[インバータ]]装置の一つであるが、[[鉄道車両]]における補助電源装置として用いられる場合、走行用の[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ]]と区別すること、旧来の[[電動発電機]]と異なり駆動部を持たないことから、あえて「静止形」と称することが多い。略称として'''SIV'''(Static InVerter)とも呼ばれる。作動時に「ビー」という独特の[[騒音]]([[磁励音]])が発生する。
なお、"Static InVerter"は、和製英語であるため、海外では通用しないせず、APU(Auxiliary Power Unit)と呼ばれる
以前は[[GTO]]素子によるものであったが、近年では[[IGBT]](Insulated Gate Bipolar Transistor)を主素子とした構成としている。進歩により高耐圧の素子が開発される状況になってきたことから、時期により、3分圧・2分圧・2レベルに分けられる。原理的には[[スイッチング電源]]とほぼ同じもので、[[直流]]にて入力された電圧を、[[PWM]]変調により高速にスイッチングされ、大きな[[リアクトル]](コイル)、[[コンデンサ]]により[[平滑]]され、商用60Hzに近い[[交流電源]]となる。それを、変圧トランス(絶縁を兼ねる)を通し、440V,200V,100Vなどの電圧に変換され、クーラ・列車制御装置などの主電動機以外の電源として供給される。SIVが停止すると電車が運行不能になってしまうことから、2台以上もしくは非常時に[[VVVF]]インバータがSIVとして動作するような構成とする。近年では、複数のSIVを並列につないで制御するもの・IGBT素子などを2つにし信頼性を向上させた待機二重系インバータが登場している。なおAMラジオなどにノイズが乗るのは、[[VVVF]]/SIVによるIGBTのスイッチング限界周波数がAMラジオの周波数帯に極めて近く大電流を流すことから必然的に[[電磁波]]([[電波]])となってしまい妨害されるものである。信号機器などは単純な変調により制御を行っているため妨害し誤動作を起こすとがある。これを[[誘導障害]]と呼ぶが、安全上問題が生じるため各メーカ・電鉄会社にて念入りな試験が行われる。
 
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