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竃馬 (会話 | 投稿記録)
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== 語源 ==
元の意味は英語の[[印章]] (seal) 。西洋では文書を封緘する際に溶けた[[蝋]]を糊代わりに使い、その蝋に印章を押すしきたりがあったので、封印することもシールと呼んだ。そこから転じて封じるもの・密閉するものをシールと呼ぶようになった。
 
== シールの始まり ==
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==== 石綿 ====
[[石綿]]は極低温から1000℃1000°Cを越える高温まで非常に広い温度範囲で安定して使用できる特性があり、耐水・耐油・耐薬品性も良好な素材。10%〜20%のゴムまたは合成ゴムを添加し整形した石綿ジョイントシートとして、あるいは金属と組み合わせた渦巻き形ガスケットやメタルジャケット形ガスケットとして、更には耐熱性と耐薬品性を兼ね備えたグランドパッキンの素材として広い範囲で使用されていた。
 
日本において石綿は平成18年9月の[[労働安全衛生法]]の改正により全面製造禁止となったが、代替品が確立していない特定分野のシールについては政令により製造の禁止が猶予されている。
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ガスケットは固定された状態で長期間安定に密閉を保つ必要があるため充分な耐熱性・耐圧性・耐薬品性が要求される。固定といえども温度の上下による締め付けボルトの伸縮などによる締め付け力の強弱変化は不可避なので、締め付け圧ゆるみに対する適性(圧縮復元性能)も重要である。
[[画像:Gasket03.jpg|thumb|200px|ガスケット施工例、ボルトで固定したフランジの間に耳つきのジョイントシートガスケットが装着されている]]
[[画像:Oring_gr.jpg|thumb|200px|Oリング(ガスケットとしてもパッキンとしても使われる]]
 
=== 軟質ガスケット ===
; ゴムガスケット
* ゴムガスケット ゴムの弾性、復元性を利用したガスケットで施工が容易。ゴム板を切り抜いたり、あらかじめ決められた形に打ち抜いて使われる。10気圧までの低圧用で、温度範囲は-20〜100℃
*: ゴムの弾性、復元性を利用したガスケットで施工が容易。ゴム板を切り抜いたり、あらかじめ決められた形に打ち抜いて使われる。10気圧までの低圧用で、温度範囲は-20〜100°C
; ジョイントシートガスケット
: 繊維材料・充填材・ゴムを混合し加熱ロールで圧延して得られたシートを打ち抜き加工したもの。配管用として水・油・酸・アルカリ・蒸気・ガスなどに幅広く使用される。ガスに使う場合10気圧、液体の場合30気圧まで使用可能で、温度範囲は-100〜200℃200°C
; PTFE打ち抜きガスケット
* PTFE打ち抜きガスケット PTFEはポリテトラフルオロエチレンまたは四フッ化エチレン(一般的にはテフロンと呼ぶ)のことで、耐薬品性が非常に優れた素材。使用目的の形に打ち抜いたものを使用する。弾性や高温での強度等機械的な性能にやや難がある。圧力は10気圧まで、温度範囲は-100〜100℃
*: PTFE包みガスケッはポリテ PTFEラフルオロエチレンまたは四フッ化エチレン(一般的にはテフロンと呼ぶ)ことで、耐薬品性とジョイントシートの汎が非常に優れた素材。使性を組み合わせ目的の形に打ち抜いたものを使用するジョイントシートが液体弾性や高温での強度等機械的な性能触れやや難があ側の表面をPTFE膜で包んだ構造。圧力は2010気圧まで、温度範囲は-100〜150℃100°C
; PTFE包みガスケット
[[画像:Oring_gr.jpg|thumb|200px|Oリング(ガスケットとしてもパッキンとしても使われる]]
: PTFEの耐薬品性とジョイントシートの汎用性を組み合わせたもの。ジョイントシートが液体に触れる側の表面をPTFE膜で包んだ構造。圧力は20気圧まで、温度範囲は-100〜150°C
* Oリング Oリングは断面が円形の環状シール。ガスケットとして使用する他、往復運動用のパッキンとしても使われる。素材はニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムが使われる。Oリングは装着用の溝にはめ込んで使用される。シール性が優れている上装着が容易なので油圧・空圧機器や減圧・真空用のシールとして幅広く使われている。素材によって使用温度範囲が定められている。最も温度範囲の広いシリコンゴムの使用範囲は-70〜230℃、安価なニトリルゴムは-15〜120℃。Oリングの耐圧はパッキンとして10気圧、ガスケットとしては100気圧まで。
; Oリング
* Oリング: Oリングは断面が円形の環状シール。ガスケットとして使用する他、往復運動用のパッキンとしても使われる。素材はニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムが使われる。Oリングは装着用の溝にはめ込んで使用される。シール性が優れている上装着が容易なので油圧・空圧機器や減圧・真空用のシールとして幅広く使われている。素材によって使用温度範囲が定められている。最も温度範囲の広いシリコンゴムの使用範囲は-70〜230℃230°C、安価なニトリルゴムは-15〜120℃120°C。Oリングの耐圧はパッキンとして10気圧、ガスケットとしては100気圧まで。
 
=== 硬質ガスケット ===
* 渦巻き形ガスケット 渦巻き形ガスケットはV字型の金属薄板の帯と非金属製のクッション材を交互に重ねて渦巻状に巻いた物。高温高圧用ガスケットとして配管や機器に広範囲に使われる。締め付け力を厳密に管理する必要がある。耐圧はガスで200気圧、液体で400気圧。温度は膨張黒鉛テープをクッション材としたタイプでは大気中で450℃、酸素の無いところでは800℃まで使用可能。
* メタルジャケット形ガスケット セラミックファイバーなどの耐熱クッション材を金属薄板でくるんだ構造。外板が平面のものと波状のものがある。熱交換器・圧力容器などの使われる。圧力は60気圧まで。温度は皮膜金属とクッション材によるが、アルミニウムを使用した場合400℃まで、特殊鋼とセラミックファイバーを組み合わせたタイプでは1300℃まで使用可能。
[[画像:cu_gasket.jpg|thumb|right|200px|メタルガスケット(銅ガスケット)]]
; 渦巻き形ガスケット
* メタルガスケット 高温・高圧・高シール性を求められる条件に使用される。[[鋼]]・[[ステンレス鋼]]・[[銅]]・[[アルミニウム]]・[[チタン]]・特殊合金などを使用条件に応じて選定する。装着に際し大きな締め付け力が必要。シール断面が板状の''プレーン型''や円形の''丸型''のほかに三角形の''デルタ型''や凸レンズ状の''レンズ型''など多種の形状がある。使用に際して、材質は接触する本体よりやわらかいものを選ぶ必要がある。耐圧は断面形状、温度は使用する金属の種類による。
* 渦巻き形ガスケット: 渦巻き形ガスケットはV字型の金属薄板の帯と非金属製のクッション材を交互に重ねて渦巻状に巻いた物。高温高圧用ガスケットとして配管や機器に広範囲に使われる。締め付け力を厳密に管理する必要がある。耐圧はガスで200気圧、液体で400気圧。温度は膨張黒鉛テープをクッション材としたタイプでは大気中で450℃450°C、酸素の無いところでは800℃800°Cまで使用可能。
* メタル中空Oリング チューブ状の金属をリング状に整形して両端を溶接したもの。材質はステンレス鋼が多い。高温のエンジン、高圧の射出整形機などに使われる。
; メタルジャケット形ガスケット
* メタルジャケット形ガスケット: セラミックファイバーなどの耐熱クッション材を金属薄板でくるんだ構造。外板が平面のものと波状のものがある。熱交換器・圧力容器などの使われる。圧力は60気圧まで。温度は皮膜金属とクッション材によるが、アルミニウムを使用した場合400℃400°Cまで、特殊鋼とセラミックファイバーを組み合わせたタイプでは1300℃1300°Cまで使用可能。
; メタルガスケット
* メタルガスケット: 高温・高圧・高シール性を求められる条件に使用される。[[鋼]]・[[ステンレス鋼]]・[[銅]]・[[アルミニウム]]・[[チタン]]・特殊合金などを使用条件に応じて選定する。装着に際し大きな締め付け力が必要。シール断面が板状の''プレーン型''や円形の''丸型''のほかに三角形の''デルタ型''や凸レンズ状の''レンズ型''など多種の形状がある。使用に際して、材質は接触する本体よりやわらかいものを選ぶ必要がある。耐圧は断面形状、温度は使用する金属の種類による。
; メタル中空Oリング
* メタル中空Oリング: チューブ状の金属をリング状に整形して両端を溶接したもの。材質はステンレス鋼が多い。高温のエンジン、高圧の射出整形機などに使われる。
 
=== その他のガスケット ===
; シールテープ
* シールテープ: PTFE(四フッ化エチレン樹脂、テフロン樹脂)のテープで、家庭用の水道を含む一般配管のねじ部分のシールに使用される。テープがネジの隙間に充填されることでシールされる機構。
* 液状ガスケット 低圧用配管の漏れ防止に使われる。チューブに入った白い粘い液状のものが市販されている。施工後固化するものが多い。同様のものが家屋外壁のひび割れ補修用にも使われる。
; 液状ガスケット
* 液状ガスケット: 低圧用配管の漏れ防止に使われる。チューブに入った白い粘い液状のものが市販されている。施工後固化するものが多い。同様のものが家屋外壁のひび割れ補修用にも使われる。
 
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