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{{Otheruses|立松和平の小説|映画化作品|光の雨 (映画)|}}
『'''光の雨'''』(ひかりのあめ)は、[[立松和平]]の小説。[[1998年]]に[[新潮社]]から刊行された。[[連合赤軍事件]]を題材に、その当事者をモデルとする人物が、当時を回想する形で書かれている。
==「盗作」騒動から全面改稿まで==
本作は当初、文芸誌
その後、立松は坂口や[[永田洋子]]ら事件の関係者に謝罪の手紙を送り(坂口への手紙は
中断から5年後の1998年に、全面的に構想を改めた形で雑誌
{{ネタバレ}}
==ストーリー==
死刑制度が廃止された2026年の日本。予備校生の阿南満也は、アパートの隣室の老人が毎夜奇声を発することに抗議したことがきっかけで、逆にその玉井と名乗る老人と知り合う。玉井は元死刑囚で、死刑制度の廃止によって釈放されたのだった。玉井は
玉井が約60年前、新左翼組織「革命共闘」の幹部だったこと。「革命共闘」は反政府運動の武装闘争を
阿南は何度も玉井の部屋に通い、途中からは恋人の高取美奈も誘って玉井の話を聞く。話はやがて、「赤色パルチザン」出身の倉重という男の主導で
==登場人物==
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;倉重鉄太郎
:「赤色パルチザン」のリーダーを経て「連合パルチザン」の幹部になる。「革命戦士になるためには批判と自己批判の相互作用によって今までの自分を「総括」することが必要」と主張する。弁舌が巧みで、組織のメンバーは徐々に
;上杉和枝
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;北川準
:「革命共闘」のメンバー。山岳ベースで、他のメンバーへの「総括」で殴打した際に発した言葉が倉重に咎められ、
;戸張真
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;戸張善二
:「革命共闘」のメンバーで、戸張真の弟。倉重からは兄に対して「総括」を
;高田ゆみ
:「赤色パルチザン」のメンバー。上杉から態度がブルジョア的だと非難され、「総括」の対象にされる。先に死亡したメンバーの埋葬を命じられるが、そのときの態度をさらに問題にされ、
;大沢守男
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==特徴など==
*回想の部分は、基本的には玉井の言葉で書かれているが、部分的にはそれとは異なる「語り手」の視線が用いられている。上杉和枝の視点、殺された「同志」の視点、襲撃を受けた銃砲店主の供述、さらには奪われた銃そのものが「語る」場面もある。
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