「投げ技」の版間の差分

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Judointel (会話 | 投稿記録)
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=== 投げ技の有効性 ===
人間同士の闘争の歴史に於いては、相手の頭部や頸椎を地面や己の膝の上に叩き落とすような投げ技も存在する。<br>
これに対し、このような単に相手を頭部から叩きつける技こそ有効だ、とするには若干の疑義もある。むしろ相手をきちんと回転させ、自分の上を相手の重心が通過して行って相手が背から落ちるようにすることにより、巧く自分の体勢が崩れないように勘案されているほうが有効ともいえる。この場合、相手を傷つけずに制するという精神性だけでなく、こういった技術特性も考えに入れておくべきであろう。また、これらの技を禁止してない格闘技も多く、それでも試合の中で出ないということは不意打ちや相手の協力無しに出すことは困難ということある。<br>
また、本来は投げ技はその一挙動で相手を殺害することを必ずしも目的としないことにも留意する必要がある。「立っている状態」から「寝ている」状態に相手を移行せしめることは、眼前の危難を排除することとほぼイコールになる。寝技の攻防などに持ち込むならばまだしも、戦場や日常において自らの命を護る技術としては、それで既に一つの目標を達成していると言える。敵は[[拳銃]]などの道具を使用しない限り寝た姿勢から一瞬での攻撃は行えないし、その間に自分は逃走という選択肢も取れるからである。(マット上の格闘技戦とは、この点で性格を異にする)<br>
無論そこで一段落させるのではなく、より苛烈な選択肢も取れよう。すなわち反撃体勢を失った相手に、拳足ないしは武器を用いてとどめを刺すのである。[[寝技|寝技の項]]にもあるように、戦場の組み討ちにおいては投げ技もまた本来、それ自体を目的とするのではない。基本的には反撃もしくは応戦能力を低めさせ、命を奪い首を獲るための一過程である。日本の[[柔術]]などにおいて、投げ倒した相手の[[喉]]などを必ず[[踵]]でもって痛烈に踏みつけるなどの動作([[型]]稽古においては、頸のすぐ側を踏む)を持つ流派は、その思想を未だ色濃く残しているものと言えよう。