「ブレアハウス」の版間の差分

[[合衆国旗]]が掲げられた白い[[石灰岩]]の建物が玄関口のある主屋で、1824年に初代合衆国公衆衛生局長官のジョセフ・ローベルの邸宅として建てられた。その後1836年に『ワシントングローブ』紙社主で[[アンドリュー・ジャクソン|ジャクソン大統領]]の側近的存在だった[[:en:Francis Preston Blair|フランシス・プレストン・ブレア]]がこれを買い取り、以後一世紀以上にわたってこれがブレア家の邸宅となった。

ブレアは1959年に主屋の隣に別屋を建て、ここに娘のエリザベスと婿のサミュエル・P・リーを住まわせた。のちにこの二軒は連結され、ペンシルバニア通り1651番地のブレア邸と1653番地のリー邸は合せて「ブレア＝リー・ハウス」と呼ばれるようになる。

ブレアハウスは合衆国大統領が賓客をもてなすための施設であって、合衆国政府の迎賓館ではない。したがって通常は大統領の賓客である外国の[[君主]]や[[元首|国家元首]]が宿泊するが、そのほかにも就任式を控えた大統領当選者や、元大統領の国葬に参列するためワシントン入りした未亡人などを大統領が賓客として宿泊させることもある。また1948年から52年にかけては、ホワイトハウスに大規模な解体改修工事が施さ行なわれた。工事は石積みの外壁のみを残して内部を基礎を含めてすべて造り直すという大掛りなものとなったため、その間大統領府は一時的にブレアハウスに移転した。[[ハリー・S・トルーマン|トルーマン大統領]]は任期後半の五年間をこのこで過ごし、旧ブレアハウスで邸側を居住の場に、旧リー邸側を執務の場としている。

1980年代には、今度はブレアハウスの方に大規模な改修工事が施された。こ旧ブレア邸側と旧リー邸側の際、主屋間に残っていた内部の壁はすべて取り除かれ、また裏手には新たに北棟が増築され、また。さらに隣接するトローブリッジハウスが連結されて、これが元大統領がワシントンを訪問する際にはいつでも使用できる宿泊所として整備された（アメリカでは退任した大統領も儀礼上は生涯大統領として接遇される）。この結果四屋の総部屋数は119室、総床面積は7万平方フィートを超え、ホワイトハウスの本館・[[ホワイトハウス#レジデンスの施設|レジデンス]]よりも規模の大きいもの施設となった。ブレアハウスを初めて訪れた外国元首の多くは、まずそのこじんまりとした入り口と旧ブレア邸の外観に困惑の表情を隠せず、しかし一歩中に立ち入ると今度はその広大さに驚愕の表情を隠せないという。

===姻戚との因縁===

フランシス・プレストン・ブレアの娘・エリザベスの夫となったサミュエル・P・リーは、[[南北戦争]]で南軍（[[アメリカ連合国|アメリカ連合国南軍]]）を率いた[[ロバート・E・リー|ロバート・リー]]将軍の再々従弟にあたる。ところが一方エリザベスの兄で、ブレア家を継いだ[[フランシス・プレストン・ブレア・ジュニア|フランシス・ブレア・ジュニア]]は、南北戦争で北軍（[[アメリカ合衆国|北軍]]）の司令官将校として各地を転戦した歴戦の勇士だった。その南北戦争でリー将軍の好敵手だっとして知られたのが北軍のを率いた[[ユリシーズ・グラント]]将軍だったが、フランシス・ジュニアはこのグラントと折り合いが良くなかった。戦後、1868年の大統領選にグラントが[[共和党 (アメリカ)|共和党]]から立候補すると、南北戦争当時からグラントとは折り合いが悪かったフランシス・ジュニアは[[民主党 (アメリカ)|民主党]]のホレイシオ・シーモア候補の副大統領候補として出馬する。しかしたが、圧倒的な人気を誇るグラントの前にあえなく敗北している。このときもし民主党が勝利してフランシス・ジュニアが副大統領になっていたら、ホワイトハウスに隣接するブレアハウスは後々まで副大統領府となっていたかもしれないかった。現在の副大統領府は、このブレアハウスからペンシルバニア通りを隔てて建つアイゼンハワー行政府ビルの中にある。

[[歴代アメリカ合衆国大統領の一覧|歴代のアメリカ大統領]]の中には暗殺されたり狙撃されて重傷を負ったりした者が少なくなく、い。暗殺計画や未遂事件も枚挙に暇がないが、日本の[[五・一五事件]]や[[二・二六事件]]のように[[世界の官邸|官邸]]であるホワイトハウスが襲撃されて大統領に危害が及んだことだけはこれまでに一度もない。唯一、あわや、という事件が起きたのはこのブレアハウスにおいてであだった。1950年11月1日、[[プエルトリコ]]独立運動の過激分子、グリセリオ・トッレソーラとオスカル・コラーゾは二人組がブレアハウスに居住するトルーマン大統領の暗殺を企て同家屋内に浸入しようとた。しかしこれを察知したホワイ[[シークレットハウサービス]]とたまたま居合わせた警護担当警察官の[[:en:Leslie Coffelt|レスリー・コッフェルト巡査と犯人]]との間で銃撃戦となり、トる。コッレソーラフェルトが犯人の一人を射殺されすることに成功したこともあって大統領は無事だったが、コッフェルト巡査自身も被弾して殉職4時間後病院で死亡した。現在ブレアハウスの玄関脇にはこのコッフェルト巡査の武勇殉職を顕彰する銅製刻板が置かれている。

* [http://www.crblairhouse.nps.gov/nr/travel/washorg/dc25home.htmhtml 公式サイト]（英語）