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=== あらすじ ===
 
昔、[[幼なじみ]]の男女が、丸い井戸の竹垣(=筒井筒)の周りで、たけくらべをしたりして遊んでいたが、
二人は長ずるにつれて互いに顔を合わせるのが恥ずかしく感じ疎遠となったしまったが、
だが、二人とも相手を忘れられず、女は親の持ってくる縁談も断って独身のままでいた。
その女のもとに、隣の男から歌が届く。二人は歌を取り交わして契りを結ぶ。
:「井戸の縁の高さにも足りなかった自分の背丈が伸びて縁をこしたようですよ、貴女を見ない間に」
:「貴方と比べていたおかっぱの髪ももう肩より伸びましたよ、貴方以外の誰が髪上げ(=成人することの印)できるものですか」
念願かなっこうして夫婦となった二人であったが、やがて妻の親が死に、暮しが貧しくなり、夫は他の女のもとに足しげく通うようになる。
ところが、夫を送り出す時も妻は怒りの素振りも見せない。不審に思った夫が隠れて見ていると、綺麗に化粧をして道中の安全を祈願する妻の姿があった。彼女はこう歌を読む。
: 「風が吹くと沖の白波が立つ竜田山を、夜中に貴方は一人で越えているのでしょうか」
その心根にうたれた夫は再び妻の元へと帰るのであった。