「丹波竜」の版間の差分

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===発見===
'''2006年8月7日'''
[[画像:発掘現場の下流側P1271482.jpg|thumbnail|240px|ティタノサウルスの化石が発見された篠山川川床]]
:長年にわたり、独自に[[生痕化石]]の調査を続けてきたと丹波市在住の元高校教諭の男性とその旧友である男性2人が、山南町上滝の篠山川、川代峡谷川床において地質調査を行っていたところ、重層的な篠山層群の赤茶けた泥岩層の表面付近に、1㎝ほどの灰色がかった石状の突き出した[[楕円形]]の物体を発見。二人は、[[タガネ]]と[[ハンマー]]を使い、2本の切片を掘り出した。当初、二人は[[石灰岩]]や[[生痕化石]](主に[[サンドパイプ]])を探しており、午前中は山側の沢を歩き回り、[[フズリナ]]や[[サンゴ]]の[[化石]]が見つかればよいと考え調査を行っていた。昼食後、旧・上久下村営水力発電所付近の川床の岩盤の[[礫岩]]や[[泥岩]]の層でサンドパイプを探すつもりで、何気なく見回していた彼らの目に前述の物質が飛び込む。さっそく、二人でハンマーを使用し、2時間がかりで約15cmの正体不明の2本の物体を摘出する。元高校教諭の男性は、これまでの知識と経験から断面に[[年輪]]が見当たらないことで[[木]]ではないと直感する。二人は[[動物]]の化石ではないかと推測したものの結論は出せず、持ち帰り[[図鑑]]や参考資料を調べるうちに「どう考えても恐竜以外に考えられない」という結論に達し、翌日以降も発掘を続ける決意をする。
'''2006年8月9日'''
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==第一次発掘調査([[2007年]][[1月25日]]~3月末)==
[[画像:丹波竜の発見された現場・第二次発掘調査P1271475.jpg|thumbnail|240px|発掘調査風景]]
'''試掘調査'''
:[[2006年]][[9月27日]] 『ひとはく』の研究員数名により、十数点の化石が採集される。クリーニング調査の結果、これらの化石は竜脚類であるティタノサウルス類である可能性が高まる。試掘では泥岩層の部分を少し掘り進んだものの、上に重なる砂岩・礫岩層が崩落するおそれがあるため、それ以上掘り進むことはできなかった。
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:2007年[[2月21日]] この日の午後に何本もの血道弓が姿を現し始め、この日を境に大型の[[骨]]が続々と見つかりだした。
 
[[画像:丹波竜化石の一部P1271542.jpg|thumbnail|240px|産出された丹波竜化石の一部]]
 
'''尾の化石発見'''
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===第一次発掘調査の研究成果===
[[画像:丹波竜化石の一部 血道弓・尾椎P1271520.jpg|thumbnail|240px|化石の一部(血道弓・尾椎などが確認できる)]]
 
*これまでに採種され、クリーニングを経て明らかになったもの。
 
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:獣脚類の歯3点(分類上の詳細不明)
==第二次発掘調査(2008年1月11日~2月末頃)==
 
==第二次発掘調査(2008年1月11日~2月末頃)==
[[画像:発掘現場地層断面・丹波竜の発見された現場の第二次発掘調査P1271479.jpg|thumbnail|240px|第二次発掘調査の様子]]
[[2008年]][[1月11日]]より、第二次発掘調査の本調査が開始された。『ひとはく』研究員の指示により、約20名の[[ボランティア]]スタッフも参加し、毎日午前9時~午後5時頃まで悪天候の日を除き行われている。
 
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==地元での反響==
[[画像:丹波竜うどん 丹波製麺所P1271560.jpg|thumbnail|240px|恐竜の発見は町おこしにもなっている(丹波竜うどん)]]
丹波市は、[[1996年]]より[[人口]]が減少し、[[過疎]]化と高齢化が進む町であり、現在約72,000人の人口の65歳以上の高齢化率は[[2015年]]には3割超える見通しである。この降って湧いたような恐竜発見のニュースは、この町に突然、恐竜ブームを巻き起こした。「恐竜ラーメン」「恐竜うどん」「化石巻(巻きずし)」「恐竜たまごっ茶」など恐竜にちなんだ商品が続々登場し周辺の[[土産物店]]や[[食堂]]の[[メニュー]]などに並んだ。また、丹波市は恐竜の愛称である「丹波竜」の商標登録出願を済ませるとともに「'''恐竜を活かしたまちづくり課'''」を発足。2007年[[5月1日]]からは「'''恐竜化石保護条例'''」を施行した。
 
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==丹波竜化石工房==
[[画像:丹波竜化石工房クリーニング作業P1271543.jpg|thumbnail|250px|丹波竜化石工房でのクリーニング作業]]
山南住民センター内 1階に2007年[[12月1日]]に開設された、丹波竜のクリーニング作業を見学できる施設で、丹波竜の資料なども多数展示されている。特に、第1次発掘調査で産出された化石の[[レプリカ]]や、篠山層群より産出した恐竜化石を含む泥岩、生痕化石のほか、丹波竜の解説パネルなども展示されている。
 
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:[[年末年始]]は、12月29日~1月3日まで休館
:開館時間:午前10時~午後3時
 
==ギャラリー==
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画像:丹波竜の発見された現場すぐそばの篠山川の旧・上久下村営水力発電所P1271464.jpg|現場は旧・上久下村営水力発電所のすぐ下の川床である
画像:丹波竜ティタノサウルスの描かれた櫓P1271461.jpg|発見現場すぐそばに立つ恐竜の絵の描かれた櫓
画像:丹波竜発掘現場付近の田に作られた、恐竜を模した藁細工P1271458.jpg|場付近の田に作られた恐竜を模した藁細工
画像:掲示板・丹波竜の発見された現場P1271499.jpg|発掘現場に立つ掲示板
画像:山南住民センター内丹波竜化石工房P1271516.jpg|丹波竜化石工房(山南住民センター内)
画像:山南住民センター内丹波竜化石工房・展示室入り口P1271518.jpg|丹波竜化石工房・展示室入り口
画像:丹波竜化石工房設備P1271550.jpg|丹波竜化石工房室内
 
 
</gallery>
 
== 関連項目 ==
 
* [[恐竜の一覧]]
* [[リチャード・オーウェン]] - 恐竜(類)「Dinosauria」の命名者
* [[オスニエル・チャールズ・マーシュ]] - コープ(後述)との「化石戦争」において新種の恐竜を次々発見し古生物学に大きく貢献。
* [[エドワード・ドリンカー・コープ]] - マーシュ(前述)との「化石戦争」において新種の恐竜を次々発見し古生物学に大きく貢献。
* [[鳥類]]
* [[ワニ]]
* [[主竜類]]
* [[鳥頸類]]
* [[:Category:化石の画像|化石の画像一覧]]
* [[考古学]]
* [[古生物学]]
* [[地質学]]
* [[古生物]]: [[マンモス]] - [[恐竜]] - [[始祖鳥]] - [[アンモナイト]] - [[アノマロカリス]]など
* [[生きている化石]]: [[シーラカンス]] - [[カブトガニ]] - [[メタセコイア]]など
* [[ミッシングリンク]]
* [[エディアカラ生物群]]
* [[バージェス動物群]] - [[バージェス頁岩]]
* [[澄江生物群]]
* [[年代測定]] - [[示準化石]]
* [[生痕化石]]
* [[微化石]]
* [[進化]]
* [[系統学]]
* [[分類学]]
* [[地球史年表]]
* [[化石燃料]]
* [[偽化石]]
 
==外部リンク==
*[http://www.city.tamba.hyogo.jp/ 丹波市公式ホームページ]
*[http://www.city.tamba.hyogo.jp/view.rbz?cd=2772 丹波竜化石工房]
*[http://www.tambacity-kankou.jp/ 丹波市観光協会]
*[http://www.tambaryu.com/images/shuttlebus.pdf 無料シャトルバス]
*[http://local.google.co.jp/maps/ms?ie=UTF8&hl=ja&msa=0&om=1&msid=104601293263590811603.00044187bfcec760a2cc7&ll=35.085325,135.100379&spn=0.012291,0.018239&z=15&source=embed 発掘現場地図]
*[http://watchizu.gsi.go.jp/ 国土地理院地形図閲覧システム]
 
{{DEFAULTSORT:たんはりゆう}}
[[Category:恐竜]]
[[Category:地球史]]
[[category:古生物|*かせき]]
[[Category:古生物学]]
[[Category:分類学]]
[[Category:地質学]]
[[Category:資料学]]
[[Category:石]]
[[Category:丹波市]]