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しかし、上卿が常に太政官にいるとは限らず、天皇の側が臨時の勅旨を発する事もあり得た。そのため、命令を伝える間に蔵人の誤りその他により天皇の出した命令と上卿が実際に受けた命令が食い違う可能性もあった。そのため、あらかじめ天皇の勅旨を紙に書いてそれを上卿に渡すようになった。これが「口宣」もしくは「宣旨」へと発展する事になる。
 
口宣は最初の行に出された年月日を書いてからその下に一字分を開けて「宣旨」という2文字を書き入れ、次の行以後にその内容を記し、最後の行には勅旨の奉者(受けた者)の位署(蔵人所における官職・その他の兼官職・氏名)の後にその下に小さく「奉」の1文字を据える。この形式は[[11世紀]]に完成されたもので、口宣が行われた初期([[10世紀]]前半)には、宣旨との書式の区別が確立しておらず、年月日が最後の行の位署の上に記載されたものもある。なお、用紙は職事蔵人がいつ勅旨を受けても対応できるように、またあくまでも勅旨伝達は口頭であり口宣は覚書(メモ)として作成されるという性格であるため、製造が簡便である中古紙を再生した[[宿紙]]を用いるのが例とされ、後に書式の一環として定着するようになった。
 
<!-- == 口宣案 == -->
後には文書そのものを上卿に渡すようになり、その書類を口宣案と呼ぶようになった。