「人事異動」の版間の差分

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組織には退職・採用による人の出入りがあるのは当然であるが、それ以外にも定期的または随時、組織内の年齢的・地位的アンバランスを解消するために、組織を構成する職員を適切な位置に配置し直すことが必要になる。
 
同一職場への在籍があまりにも長いと、作業や業務の[[マンネリ化]]・後進育成の停滞・取引先との癒着・何らかの権限の独占による私的利益への誤用といった問題が起こるため、人事異動にはこうした事態を予防・回避する目的もある。また、職場によってはその業務が肉体面・精神面において極端にハードである場合、数年単位で人を入れ替えるという用途もある。
 
たとえば総合[[病院]]の[[看護師]]の場合、新人はまず一般内科で様々な年齢の[[患者]]・様々なレベルの[[疾患]]の看護を経験してから、[[小児科]]・[[外科]]・[[精神科]]といった特殊な科に配属したり、外科が長かった看護師は今度はデリケートな仕事の多い精神科へ、といった形で看護師のオールラウンド的な経験・実務の蓄積のためにという配慮で人事異動をすることもある。大企業や官公庁でも将来の幹部を育てるために、他所の企業や官公庁への派遣・出向を含めて本人の現在の職種とは全く関係のない様々な部署を異動によって経験させるということは決して珍しくない。
 
その一方で、前任者の不祥事について現任者が責任を取る形で処分を受ける事例も多く見られることから、頻繁かつ広範囲な異動は「職務の専門性が薄れることで責任の所在を曖昧にする」という意見もある。この点からその職務に際して非常に高度な専門性が要求される場合は、退職などによる欠員があった場合の補充を除いて意図的に人事異動を行なわない場合もある。
 
同じ病院の現場でも[[医師]]の場合は、[[外科医]]が[[加齢]]によって([[目]]が見えにくくなるなどの理由で)[[内科医]]へ転向する一部のケースを除けば担当する科の異動は殆どない。<br>
[[動物園]]においても、その飼育が誰にでもできるという動物は極めて少なく、希少な動物及び飼育員の上下関係を見抜く動物([[ゾウ]]や[[類人猿]]など)や世界レベルで飼育例の少ない希少な動物などは担当者の異動が殆どない。
 
異動の要素は職員の年齢・階級・在職年数・健康状態だけでなく、異動先の欠員状況・採用及び昇任試験の受験成績・現所属での業績及び賞罰の状況や人間関係・過去数年の[[休暇]]の取得状況や普段の勤務態度・所有する[[資格]]及び[[免許]]・その他の特技など様々な要素が考慮される。
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業績が影響した最も顕著な例として、[[2002年]][[12月]]に[[ノーベル化学賞]]の受賞を機に、一社員から役員待遇にまで昇進した[[島津製作所]]の[[田中耕一]]の例がある。
 
異動に先立ち、その判断材料として、対象となる職員本人が意見を述べる機会を設けている企業・官公庁も多い。しかし、最終的な配置の決定は雇用者側の人事権に基づき行なわれる。判断材料ため、原則として異動する職員本人の[[希望]]及び家庭の状況が考慮されることがあるは無い