「ピッツィカート」の版間の差分

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m 検索結果からみても「ピチカート」が圧倒的に多いですが、一般的に定着していると言える根拠を提示してください。
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'''ピッツィカート'''(pizzicato)とは[[ヴァイオリン属]]などの本来は[[弓 (楽器)|弓]]でひく[[弦楽器]]([[擦弦楽器]])の弦を指ではじくことによって音を出す[[奏法|演奏技法]]である。外国語の語感が浸透していなかった古い時代の日本において、日本人の語感に合ったカタカナ表記では'''ピチカート'''とも称されたが、より現地の発音に近い表記が好まれる昨今{{要出典}}では「ピッツィカート」のカタカナ表記が一般的に定着している{{要出典}}
 
歴史的に初めてピッツィカートを求めたのは[[バロック]]時代の[[オペラ]][[作曲家]]・[[クラウディオ・モンテヴェルディ|モンテヴェルディ]]だと言われている。しかし当時の演奏者は「ヴァイオリンは弓で弾く楽器として高度に発展しているのに、なぜ[[野蛮]]な民俗楽器のような撥弦奏法をしなければいけないのか」と猛反発したという。同様に彼が開発した[[トレモロ]]奏法も酷評だったという。どちらも今ではヴァイオリン属の弦楽器の基本的な奏法の一つとして欠かせない。
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[[コントラバス]]においては[[ポピュラー音楽|ポップス]]や[[ジャズ]]などでも多用され、特にジャズで曲全体を通して用いられる場合はピッツィカートの指示そのものが略されることも多い。
 
== 左手のピッツィカート ==
ヴァイオリンの場合、ピッツィカートは弓を持つ右手で弦をはじくことが普通である。
 
しかし、[[イタリア]]の[[ヴァイオリニスト]]であり[[作曲家]]の[[ニコロ・パガニーニ|パガニーニ]]は本来は弦を押さえる左手で弦をはじくという「左手のピッツィカート」を導入した。これにより左手のピッツィカートを伴奏に右手で弓で弾くという高度なヴァイオリンの奏法が誕生した。右手のピッツィカートよりも固めの音色である。素早い速さで連続して左手ピッツィカートをしながら滝のように下降するアルペッジョ・ディ・ピッツィカーティと呼ばれる奏法もある。隣接した指ではじくことにより音高は開放弦に限らず自由に得られるが、連続した素早い上行はほぼ不可能である。楽譜上の左手のピッツィカートの記譜はまず「pizz.」を書いた上で[[音符]]の上に+印をつける。
 
== バルトーク・ピッツィカート ==
[[バルトーク・ベーラ|バルトーク]]が好んで書いた奏法の俗称で、弾く際に弦を指板と垂直に強く引っ張って離して弦を指板にぶつけることである。硬質なアタックを伴う「バチン」という音になる。この指示のために専用の記号(日本の[[地図記号]]で果樹園を示すものに酷似)を発明してよく使ったため、以後、他の作曲家によってもこの指示が用いられるようになった。音符の直上または直下にその記号が書かれることが多いが、稀に「bartok pizz.」と書かれることもある。
 
コントラバスにおいては[[スラップ奏法]]と混同されることもあるが厳密には同じではない。ただし、音響的な効果としては似ているため代用されることもある。
 
== 撥弦楽器のピッツィカート ==
[[撥弦楽器]]は、普段よりヴァイオリン属のピッツィカートに相当する奏法をする楽器である。しかし楽器によっては、ピッツィカート的な音が出る特殊奏法をピッツィカートと呼ぶ。
 
=== ===
日本の[[筝]]において、[[大正]]時代以後の[[新日本音楽]]ではピッツィカートと呼ばれる奏法を用いることがある(稀に訛って「ピヂカット」と呼ぶ記述もある)。通常では筝は右手の親指・人差し指・中指に義爪をつけて演奏するが、義爪を嵌めていない薬指(稀に小指)や左手で弦を弾くことを指す。これによりやわらかい音色が得られる。
 
=== ギター、ハープ ===
[[ギター]]や[[ハープ]]では、(右手で弦をはじくとして)左手の指や右手の手のひらで弦に軽く触れた状態で弦をはじくことで、[[余韻]]のない音が出る。これをピッツィカートと呼ぶ。
 
== 関連項目 ==
* [[フィンガー・ピッキング]]
* [[ピツィカート・ポルカ]](全曲がピッツィカートで演奏される曲)
 
[[Category:演奏技法|ひついかあと]]