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'''お富の方'''（'''おとみのかた'''、生年不詳 - [[文化 (元号)|文化]]14年[[5月8日 (旧暦)|5月8日]]（[[1817年]][[6月22日]]））は[[江戸幕府]]10代将軍・[[徳川家治]]時代の[[大奥]]女中で、[[御三卿]]・[[一橋徳川家]]当主・[[徳川治済]]の側室。父は幕臣・岩本正利。母は大奥の御年寄・梅田の養女。子に11代将軍・[[徳川家斉]]、[[福岡藩]]主・[[黒田斉隆]]がいる。
お於富の方の生家・岩本家は、[[紀伊藩]]の[[紀伊徳川家]]に仕える家臣であったが、時の紀伊藩主・[[徳川吉宗]]が8代将軍及び将軍家継承に随従した紀伊系幕臣の家であった。
お於富は[[明和]]8年（[[1771年]]）頃、大奥で一橋徳川家当主・徳川治済の目にとまり、治済は将軍・家治にお於富を所望して、お於富は治済の側室となった（大奥には将軍以外の男でも[[老中]]や[[御三家]]・御三卿のみ入る事は可能であった）。
[[安永]]2年（[[1773年]]）にお於富は豊千代（後の11代将軍・[[徳川家斉]]）を、[[安永]]6年（[[1777年]]）に雅之助（後の[[福岡藩]]主・[[黒田斉隆]]）生む。後に息子の豊千代が[[天明]]元年（[[1781年]]）5月に10代将軍・家治の養子となり、11代将軍・徳川家斉となるのである。
この養子縁組は治済が、お於富と関係が深い田沼意次や大奥年寄・大崎などを豊千代の将軍家継嗣の擁立を頼み込んだ結果、大奥が豊千代を擁立し、家治との養子縁組が決定したという。
お於富は天明元年（1781年）10月頃に、豊千代とその婚約者・[[広大院|茂姫]]と共に[[江戸城]]西の丸に入る。
天明6年（[[1786年]]）に家治が薨去すると、翌年に家斉（豊千代）が11代将軍となり、お於富や茂姫は西の丸から本丸に移り住む。
お於富は将軍の生母として、大奥にて絶大な権勢を振るうのである。
文化14年（1817年）5月8日に江戸城大奥にて死去。亡骸は上野[[寛永寺]]凌雲院に埋葬される。
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