「F-22 (戦闘機)」の版間の差分

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| 退役年月日=
| 運用状況=
| ユニットコスト=1億20003750万[[アメリカ合衆国ドル|USドル]](2005(2008年)<!--試作機9900万ドル--><!--わかれば会計年度を書く-->
}}
'''F-22'''は、[[F-15_(戦闘機)|F-15C/D]]の後継機として[[ロッキード・マーティン]]社が開発し、[[アメリカ合衆国空軍]] (USAF) にて[[制式]]化された多用途戦術[[戦闘機]](航空支配戦闘機、[[マルチロール機]]とも呼ばれる)。愛称はラプター(Raptor//[[猛禽類]]の意)。初飛行は1997年(YF-22の初飛行は1990年9月30日)。
 
== 開発の上での要求 ==
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=== 名称の変更 ===
当初F-22は空対空戦闘能力のみを備える予定だったが、後に空対地攻撃能力を付与されることが決定され、2002年9月に[[攻撃機]]という意味のA (Attacker) の文字を加えられ、名称がF-22から'''F/A-22'''へ変更された<ref name="defensenews Operational">[http://www.defensenews.com/story.php?F=1413697&C=america U.S. To Declare F-22 Fighter Operational], www.defensenews.com{{En icon}}</ref>。
 
しかし、2005年12月に初度作戦能力を得る際に、名称を再度F-22Aへと変更している。その理由には諸説あるが、名称変更に伴う要求性能の変更などは特に発表されていない(2006年1月現在)。
 
=== 生産数 ===
F-22はF-15の後継に恥じない高性能機であるが、開発の遅れもあり、製造コストが大きい。当初は750機生産と予定されていたが、[[マルタ会談|冷戦の終結]]で導入の意義が薄れ、2006年現在では183機のみ生産予定で、米空軍はF-15の全機代替はせず、当面は追加されるF-22とともに2025年まで第一線で運用される。

ただし、2007年10月2日に起きたF-15Cの空中崩壊事故の調査の結果、老朽化が進んでいることが判明しており、導入予定の前倒しとF-22の増産が検討されている。[http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200712051805]
 
=== 現在の配備状況 ===
2005年12月15日にアメリカ空軍は[[バージニア州]]の[[ラングレー空軍基地]]にある第1戦闘航空団に初めて実戦配備を完了したと発表した<ref name="defensenews Operational" />。ある軍事専門誌では、同航空団麾下の3個飛行隊のうち2個飛行隊にF-22Aを配備、残り1個飛行隊は F-15C/Dのままで配備機数を増やしてビッグスコードロン化されると報じている。2006年以降は[[グアム]]など[[太平洋]]に展開する可能性も示唆されている。
 
2006年以降は[[グアム]]など[[太平洋]]に展開する可能性も示唆されている。なお、2番目の配備先は[[アラスカ州]]の[[エルメンドルフ空軍基地]]に決定しており、さらに[[2006年]][[3月1日]]に、[[ニューメキシコ州]][[ホロマン空軍基地]]、[[ハワイ州]][[ヒッカム空軍基地]]への配備も発表されている。転換訓練飛行隊・第325戦闘航空団([[フロリダ州]]ティンダル空軍基地)と合わせて、合計6個飛行隊の配備になる見込みである。
 
==== 日本への一時配備 ====
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*この手のマイナートラブルは、新型機の配属初期にはよくあることなので、特に重要視しておらず、また追加のテストを行う予定もない。
 
嘉手納に展開したF-22Aは、「日米の戦術技量と共同対処能力の向上」を目的として、[[4月26日]]・[[4月27日|27日]]に[[航空自衛隊]]の[[F-15 (戦闘機)#日本|F-15J]]・[[F-4 (戦闘機)#日本|F-4EJ改]]戦闘機(各2~4機)、[[E-767 (航空機)|E-767]][[早期警戒管制機]](1機)と共同訓練を行った。訓練には米軍のF-15(2~4機)と[[E-3 (航空機)|E-3早期警戒管制機]](1機)も参加した。
 
[[5月9日]]に米政府は日本政府に対して、F-22の日本展開を翌日に終了する旨を通告、[[5月10日]]午前3時過ぎから昼前までに全機が嘉手納を去った。
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F-22の対日輸出は、西太平洋の軍事バランスに大きく影響する高度な政治問題である事に違いは無い。実際、中国では「日本がもしF-22Aを100機配備したら[[台湾海峡]]での[[台湾問題|軍事均等]]が一気に崩れるだろう」と報道されている。実際に中国軍の戦闘機ではF-15やF-16に全く歯が立たない(空軍及び海軍で採用されているJ-11([[Su-27 (航空機)|Su-27]]の中国輸出版)ならば互角ではあるが)ため、さらに優秀なF-22に対しては全く無力であり対抗不能であると推測される。したがって、現在も関係諸国の間で日本配備阻止への駆け引きが行われている。
 
政治においては、[[ジョン・トーマス・シーファー|シーファー]]駐日米大使が「日本の次期主力戦闘機が[[F-35 (戦闘機)|F-35統合打撃戦闘機(F-35)]]とF-22の組み合わせで落ち着くことを望む」と発言する一方で、[[2007年]][[5月29日]]米国内の親中派が、F-22Aの日本への輸出を妨害しているという報道があった。中国ロビーの動きと並行して、[[防衛秘密の漏洩|イージス艦情報漏洩事件]]を起こした自衛隊の守秘能力に対する強い疑念が生じており、日本への高度軍事技術の移転に慎重な声も大きい。このためF-22の導入が難航することを予測して、[[防衛省]]では、F-4EJ改の運用期間延長の検討を開始したという。また報道において韓国は、日本のほぼ全土を射程に入れると見られる巡航ミサイルの配備・開発中にもかかわらず、2007年5月2日には韓国の金章洙国防長官が、F-22ラプターの導入について「何のために導入しようとしているのか明確にしてもらいたい」と日本に対し懸念を示している。その他日本の[[左翼]]勢力からも「軍事バランス」が崩れると言った理由で同機の採用に反対している。
 
しかし、近年中国の[[核ミサイル]]やSu-27、韓国の[[巡航ミサイル]]やF-15K([[F-15E (航空機)|F-15E]]の韓国版)等の強力な軍備が進むこれら[[東アジア|極東アジア]]各国の戦力と比較すれば、F-22配備は次期主力戦闘機の選定という当然の行為であって、日本にとって脅威と成り得る核ミサイル・巡航ミサイルを保有している国に批判される筋合いは無い上、日本のF-22配備阻止の妨害行為は一方的な[[内政干渉]]であるとする反発が防衛関係者を中心に根強く存在する。中国・韓国はともに核ミサイル・巡航ミサイルの保有理由を公式に説明したことはない。ただしF-22は対地誘導爆弾を搭載可能であり、[[ミサイル防衛#日本版BMD|BMDシステム]]が導入された結果中国の核ミサイルの圧力が低下しており、それと相まってのF-22の導入は、軍事バランスを日本優位に傾けるのは事実である。しかし、BMDシステムは迎撃成功率に対して疑問の声もある。
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[[Image:F-22 Raptor bottom.jpg|right|270px|thumb|right|兵装内蔵時のウェポンベイ]]
[[Image:APG-77-1A.jpg|right|250px|thumb|right|機首に備わっているAN/APG-77レーダー]]
ステルス性が重視されているため、[[航空機関砲|機関砲]]発射口は普段は閉じられており、発射時のみ開く(発射まで多少のラグが生じる)。また、通常すべての兵装は機内3箇所の[[ウェポンベイ]](兵器庫)に搭載される(内2箇所は短距離[[空対空ミサイル]]専用)。ただしステルス性を犠牲にすれば翼下に600ガロンの燃料タンクを4つと[[AIM-120 (ミサイル)|AIM-120C AMRAAM]]中距離空対空ミサイルを8発装備することが可能である。胴体下のウェポンベイとあわせれば14発のAIM-120C AMRAAM中距離空対空ミサイルとAIM-9X サイドワインダー2発の計16発を搭載できることになり、これは例を見ない数である。
 
ウェポンベイに装備できるものの一例を下に挙げる。