「手榴弾」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
8行目:
手榴弾は、[[小銃]]と共に平均的な[[歩兵]]の装備として利用されている。構造は、現代の手榴弾は球状や筒状のものが多いが、旧式では棒状の柄の先に円筒状の爆発物が付いた物もある。共に[[信管]]と[[爆薬]]を内部に収めた構造をしており、ピンやキャップなどの[[安全装置]]が取り付けられている。安全装置を解除し、レバーを外したり紐を引く事によって[[信管]]に点火すると、数秒(下記)程度で爆発する。大抵は防水・密閉構造となっており、雨で濡れても使用でき、水中でも爆発する。
 
材質は、古い物では[[鋳物]]によって本体(炸薬が詰められている部分)が形成されているが、近代の物では炸薬の性能向上もあって圧延加工の鉄板で作られている物が多い。[[大日本帝国陸軍|旧日本陸軍]]では[[鉄]]不足から、[[陶器]]([[備前焼]]など)による手投げ弾も製造され、[[マークII手榴弾]]あるいはミルズ手榴弾をモデルにしたと推定される、パイナップル形の京焼・清水焼・[[備前焼]]が存在する。備前焼では[[山本陶秀]]([[人間国宝]])も制作した。また、[[大日本帝国海軍|旧日本海軍]]では丸い形状のものを開発した。[[沖縄]]の[[自衛隊]]資料では「[[四式陶製手榴弾]]」とある。確実な生産地としては[[瀬戸焼]]、[[有田焼]]、[[波佐見焼]]、[[信楽焼]]などが確認されており、他に[[益子焼]]、[[九谷焼]]、[[萬古焼]]、[[伊賀焼]]などで製造していたとも言われている。焼夷弾による空襲が激しくなるとこれを転用して消火弾と呼ばれる火災用のものもつくられた。(しかし、消火効果はほとんど期待できなかったといわれている)
 
使用方法としては、目標に投げて(投擲という)爆散による破片で相手を倒すほか、ワイヤーや針金を利用して、仕掛け爆弾として[[罠]]に用いることもある。「投げ込む」という動作が可能であるため、障害物の向こうに投擲したり、[[銃弾]]が通じない[[戦車]]や[[装甲車]]などの内部に放り込むといった戦法に用いられる。手榴弾を[[罠]]として用いる場合、[[信管]]を点火と同時に爆発するものに取り替えることがある。これらは[[地雷]]同様、触れると非常に危険なものである。[[太平洋戦争]]中の日本などで、[[自決]]用として用いられた例もある。また、[[レーション|補給]]が断たれた緊急時には水中に投擲・爆発させ、[[魚]]を圧力で麻痺させて捕まえる事も可能で、[[食糧]]を得るために利用されたケースもある。