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{{Otheruses|立松和平の小説|映画化作品|光の雨 (映画)|}}
『'''光の雨'''』(ひかりのあめ)は、[[立松和平]]の小説。[[1998年]]に[[新潮社]]から刊行された。[[連合赤軍事件]]を題材に、その当事者をモデルとする人物が、当時を回想する形で書かれている。
==「盗作」騒動から全面改稿まで==
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作品の性格上、実在のモデルが存在する人物が複数登場するが、プライバシーを考慮し、死刑判決が確定した2名と警察での取調べ中に自殺した1名の記載にとどめる。
;阿南 満也
:予備校生。隣の部屋に住む玉井から、彼が約60年前にかかわった事件について話を聞くことになる。
;高取 美奈▼
▲;高取美奈
:阿南の恋人。玉井の話に興味を抱き、途中から阿南とともに聞き役になる。
;玉井 潔▼
:80歳の老人で元死刑囚。本作の世界では死刑制度が廃止されたため、出獄して暮らしている。かつては「革命共闘」および「革命パルチザン」の幹部で、同志の殺人や山荘への立てこもり事件に関与した。モデルは[[坂口弘]]。▼
▲;玉井潔
▲:80歳の老人で元死刑囚。本作の世界では死刑制度が廃止されたため、出獄して暮らしている。かつては「革命共闘」および「革命パルチザン」の幹部で、同志の殺人や山荘への立てこもり事件に関与した。モデルは[[坂口弘]]。
以下は玉井の回想に登場する人物。
;倉重 鉄太郎
:「赤色パルチザン」のリーダーを経て「革命パルチザン」の幹部になる。「革命戦士になるためには批判と自己批判の相互作用によって今までの自分を「総括」することが必要」と主張する。弁舌が巧みで、組織のメンバーは徐々にかれの意向に逆らえなくなり、やがてはかれの恣意で「総括」という名目のリンチが実行された。モデルは[[森恒夫]]。
;上杉 和枝▼
▲;上杉和枝
:「革命共闘」および「革命パルチザン」の幹部の一人。組織から転向・離脱した元メンバーを殺害、さらに「革命パルチザン」の幹部となってからは「ブルジョア的」な習慣や思想の打破を唱えて倉重とともに他のメンバーに過酷な「総括」を求めるようになる。玉井とは事実婚の関係にあったが、次第に倉重と親密になり、東京のアジトに3人が集まった際に倉重と夫婦になると玉井に告げる。モデルは[[永田洋子]]。
;黒木 利一▼
▲;黒木利一
:「革命共闘」のメンバーであったが、事実上組織から抜けた上、公安の刑事と会って組織の情報を話す。このことが上杉らに伝わり、上杉の仕掛けた計略によって殺される。
;今村 道子▼
▲;今村道子
:同じく「革命共闘」メンバーであったが、組織についていけず、離脱を図る。上杉の意向でやはり薬殺される。
;夏目 洋太▼
▲;夏目洋太
:「革命共闘」の幹部。
;北川 準▼
▲;北川準
:「革命共闘」のメンバー。山岳ベースで、他のメンバーへの「総括」で殴打した際に発した言葉が倉重に咎められ、みずからが「総括」の対象とされる。殴打を受けた末、山岳ベースで最初に死亡する。
;戸張 真▼
▲;戸張真
:「革命共闘」のメンバー。倉重から「総括」を受け、そのあと参加していたメンバーの女性と抱擁したことを見咎められて、さらに激しい殴打が加えられ、死亡。
;戸張 善二▼
▲;戸張善二
:「革命共闘」のメンバーで、戸張真の弟。倉重からは兄に対して「総括」をおこなうことを強要される。
;高田 ゆみ▼
▲;高田ゆみ
:「赤色パルチザン」のメンバー。上杉から態度がブルジョア的だと非難され、「総括」の対象にされる。先に死亡したメンバーの埋葬を命じられるが、そのときの態度をさらに問題にされ、みずから「総括」すると言って自分の顔を殴打した。しかし、それでも「総括」できていないとしてロープで縛られたり殴打された末に死亡。
;大沢 守男▼
▲;大沢守男
:「革命共闘」のメンバーで「革命パルチザン」幹部。他のメンバーへの「総括」の際の態度を問題にされ「総括」の対象にされる。糾弾と殴打の末、倉重から「死刑」を宣告されて、アイスピックで刺されて死亡。
;三橋 信行▼
▲;三橋信行
:「革命共闘」のリーダー。検挙されて獄中にいる。彼を実力で奪取するため、「革命共闘」のメンバーは銃の入手を実行した。
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*回想の部分は、基本的には玉井の言葉で書かれているが、部分的にはそれとは異なる「語り手」の視線が用いられている。上杉和枝の視点、殺された「同志」の視点、襲撃を受けた銃砲店主の供述、さらには奪われた銃そのものが「語る」場面もある。
*『すばる』連載版では「回想」という設定は導入されていなかった。また現行版で玉井に相当する人物は「星利一」という名前になっていた。
==映画化==
本作をベースとして、[[高橋伴明]]監督が[[2001年]]に映画を製作した。詳細は「[[光の雨 (映画)]]」を参照。
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