「相続廃除」の版間の差分

'''相続廃除'''（そうぞくはいじょ）とは、日本法に基づく[[相続]]における概念の1一つである。

被相続人が、[[民法]][[b:民法第892条|第892条]]の定めるところにより[[相続権]]を持つ人間に著しい非行の事実がある場合に、[[家庭裁判所]]に「推定相続人廃除調停申し立て」をすることにより推定相続人の持っている[[遺留分]]を含む相続権を剥奪する制度である。

ただし、その相続人に子が居いる場合にはその子供に相続権が移行されることになる（代襲相続）。

著しい非行廃除の例理由となる場合としては以下のような物ものがある。

*被相続人を、虐待をした　場合

*被相続人に対して、重大な侮辱を与えた場合

*被推定相続人にその財産他の不当処分著しい非行があった場合

**被相続人の財産の不当処分
**賭博を繰り返して多額の借財を作りこれを被相続人に支払わせた

**浪費、遊興、犯罪行為、異性問題を繰り返す親泣かせの行為

**重大な犯罪行為を行い[[有罪]][[判決]]を受けている（過去の判例からの一般論としては5年以上の[[懲役]]、無期または[[死刑]]に該当するような犯罪行為）

**相続人が[[配偶者]]の場合には[[婚姻]]を継続しがたい重大な事由

***愛人と同棲して家庭を省みないなどの不貞行為

***夫婦関係の事実が存在しない（遺産目当てに戸籍上の夫婦になった場合など）

**相続人が[[養子]]の場合には縁組を継続しがたい重大な事由

***親子関係の事実が存在しない（遺産目当てに戸籍上の養子になった場合など）

家庭裁判所はこの申し立てに対し慎重に審議する傾向にあり、実際に相続廃除が認められた事例は多くない。また、相続廃除は[[遺言]]で行うことも可能であるが（民法893条）、推定相続人が異議申し立てをすると認められない場合がほとんどであり、推定相続人が一切の異議を申し立てないか、重大な犯罪行為で[[刑務所]]に入っている最中でもなければ相続権が剥奪されることは稀である。

[[Category:民家族法|そうそくはいしよ]]