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'''正規化'''(せいきか)とは、正規形(比較・演算などの操作のために望ましい性質を持った一定の形のこと)でないものを正規形に変形することをいう。
 
normalizationの訳語であり、多くの場合、'''規格化'''と訳しても同義である。
 
 データを一定のルールに従って変形し、利用しやすくすること。非常に多くの分野で使われている言葉で、分野によって意味も大きく異なるため、頻度が高い分野についてそれぞれ個別に説明する。
 
==ベクトル==
* [[データベース]]の正規化 - 一般に[[リレーショナルデータベース]]における[[リレーションの正規化]]を指す
[[ノルム]]が定義された[[ベクトル空間]]のベクトル '''''v''''' に対し、それにノルムの逆数 || '''''v''''' ||<sup>-1</sup> を掛けてノルムを1のベクトルにすることを、正規化という。
* [[指数表記]]の正規化
 
* [[確率分布関数]]の正規化
なお、数学的なベクトルでなく、[[情報科学]]分野で[[数列]]を意味するベクトルの場合は、この意味での正規化ではなく、後で述べる数量の正規化と同じになる。
* [[ベクトル (物理)|ベクトル]]の正規化
 
* [[Unicode]]の正規化 ⇒ [[Unicode正規化]]
===波動関数===
{{main|規格化#量子力学での規格化}}
 
==数量==
数量を、[[代表値]]で割るなどして[[無次元量]]化し、互いに比較できるようにすることを、正規化という。
 
正規化した結果は[[単位系]]によらない。そのため、正規化することで、たとえば[[身長]]と[[体重]]など、[[次元]]が違いそのままでは比較できない数量を比較できる。次元が同じでも、[[夏]]と[[冬]]の1日の気温変化のように、条件が違うデータも正規化により比較しやすくなる。
 
正規化の方法はさまざまなものがあるが、
#[[2乗平均]]が1になるよう、[[比例]]変換する
#[[平均]]が0、[[分散]]が1になるよう、[[線形変換]]する
の2つが基本的な正規化である。どちらが適しているかはどんなデータをどんな解析のために正規化するかによるが、[[多変量解析]]の前処理などには2.が使われる。この用途の正規化を'''特徴軸の正規化'''と言う。
 
用途によっては、同じように比例変換や線形変換をするのでも、最大値を1、最小値を0(あるいは-1)のような正規化をすることもある。また、[[べき乗]]して[[歪度]]を0にする、あらかじめ与えられた分布に一致させるなど、もっと強い正規化が使われることもある。
 
===パターン認識===
[[パターン認識]]の[[前処理]]として、対象の特徴をあらかじめ決められた基準に沿うように加工することを、正規化という。
 
[[文字]]など2次元情報の場合、[[平行移動]]で位置をそろえる'''位置の正規化'''と、[[伸縮]]で大きさをそろえる'''大きさの正規化'''(縦の伸縮と横の伸縮は別個に調整する)が、最も基本的な正規化である。これは、X軸とY軸に「特徴軸の正規化」を施したことに相当する。
 
===確率分布===
[[確率分布関数]]については、横軸を線形変換し平均を0、分散を1にすることを正規化という。正規化することで、[[標準正規分布関数]]との、あるいは確率分布関数同士の比較が容易になる。
 
==Unicode==
{{main|Unicode正規化}}
 
==リレーショナルデータベース==
{{main|リレーションの正規化}}
 
==指数表記==
* [[{{main|指数表記]]の#正規化}}
 
===浮動小数点実数===
コンピュータの[[浮動小数点実数]]表現の正規化は、通常の指数表記の正規化に似るが、実部を1以上基数未満(2進数なら1以上2未満)にするかわりに、0.5以上1未満にするという違いがある。
 
==関連項目==
*[[規格化]]
 
{{DEFAULTSORT:せいきか}}
[[Category:線型代数学]]
[[Category:統計学]]
[[Category:情報処理]]
{{aimai}}