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'''プラトーン・システム'''(platoon system)とは、[[野球]]の戦術の一つ。日本では「'''ツー・プラト(ー)ン(システム)'''」とも呼ばれる。
{{改名提案|プラトーン・システム|date=2008年4月}}
'''左右病'''(さゆうびょう)とは、[[野球]]の[[監督]]が相手[[投手]]が右投げか左投げかにこだわって[[スターティングメンバー|スタメン]]や[[代打]]、[[継投]]起用を決めてしまうことを表す皮肉表現である。
 
== 概 ==
選手のオーダーを軍隊の小隊(プラトーン)になぞらえ、投手を除く守備のポジションについて複数の選手を用意し、試合によって複数のオーダーを使用することを指す。
一般的に右打者は左投手に強く、左打者は右投手に強いとされていることから、相手チームの先発投手が左投手の際にはスタメンや代打を[[右打ち]]、右投手の際には[[左打ち]]の選手で固めてしまうこと。スポーツ誌やファンもその観点から采配を批判することが多い。
 
通常は右打ちと左打ちの選手を用意し、相手の先発投手が右投げの場合は左打ちの選手、左投げの場合は右打ちの選手で構成されたオーダーを組む。この背景には、一般に右(左)打者は、右(左)投手よりも左(右)投手と対戦した場合の方が打率がよくなる傾向にあるとされる点が挙げられる。
2005年[[岡田彰布]]監督([[阪神タイガース|阪神]])は、[[右翼手|ライト]]に[[桧山進次郎]]と[[シェーン・スペンサー]]、[[二塁手|セカンド]]に[[藤本敦士]]と[[関本健太郎]]を併用。この起用を1年間守り通し、優勝した。また、[[1998年]]の[[マシンガン打線|横浜ベイスターズ]]も6番打者に[[佐伯貴弘]]、[[中根仁]]を併用し優勝。
 
これ以外の区分によって選手を分けるものもある。たとえば、ホームランバッターと単打主体だがコンスタントなアベレージヒッターとを使用する球場によって使い分けるケースがある。また、リードしている試合の終盤に守備力に優れた選手のオーダーに切り替えるスタイルもプラトーン・システムに含まれる。
[[山本浩二]]([[広島東洋カープ|広島]])、[[長嶋茂雄]]([[読売ジャイアンツ|巨人]])も左右病と言われており、山本は対左打率の低くない[[浅井樹]]、[[森笠繁]]、長嶋は[[清水隆行]]を左投手が出るとスタメンから外し、[[元木大介]]などを起用していた。
 
[[メジャーリーグ・ベースボール|メジャーリーグ]]では、[[アール・ウィーバー]]や[[ケーシー・ステンゲル]]がこのシステムを多用した監督として知られる。
[[2004年]]頃の岡田のインタビューによると、'''「それ以外に平等な方法が無い」'''(相性などをスタメンの指標にする場合チームに不協和音が起こるという理由からで、結果は二の次の場合が多いという。
<br>岡田は強いタイガースを仕上げる使命を背負っており、こうしたチームではファンに左右病と揶揄されることとなっても、こうした起用法によってベテラン・若手、打者の左右を問わず平等な理由付けでチャンスを与える起用法が多くなる。
 
また、プラトーン・システムで起用される選手は、どんなに試合の中で力を発揮しても、毎日フル出場するほどの価値を認められないケースがあるため、しばしば[[ジャーニーマン]]となる。
山本の場合も監督の力量とは関係なく、若いチーム、弱いチームほどこうした起用法が多くなってしまうと思われる(こうした起用法から抜け出るだけの若手が出てこない)。
 
打席の左右との関連で言えば、上記の傾向はあくまで一般論であり、選手個々の相対的な力のバランスによっては必ずしも当てはまらない。このため、プラトーン・システムの適用はそのポジションに突出した力を持つ選手がいない(同等の力を持つ選手が複数いる)場合に多く見られる。
巨人の現監督[[原辰徳]]は、一時期前述の巨人清水をレギュラーに固定したが、彼も監督復帰後には左右病的な傾向を指摘されることが多い。これも[[2007年]]優勝を果たしたものの、現在も世代交代に着手していることを理由としているのだろう。
 
== 日本での適用 ==
長嶋にしても数回の優勝経験を持ちながら迷監督というイメージを植えつけられ、[[古葉竹識]]や[[野村克也]]と対比させられた監督である。彼らも実際には「左右病的な起用」をしていたと思われるが(野村などは実際に顕著である)、積み重ねられた既成事実などからファンは気にならなかったのかもしれない。
日本のプロ野球においては、投手以外のすべてのポジションに2人以上のレギュラーオーダーを併用するような形でペナントレースを行ったケースはほとんどなく、いくつかの守備位置に複数のレギュラークラスの選手を併用することを「ツープラトン」と呼ぶケースが大部分である。[[近藤貞雄]]が[[中日ドラゴンズ]]の監督を務めた際に、試合前半を攻撃力重視、後半を守備力重視のオーダーで切り替えるプラトーン・システムを試行した例がある。
 
近年の日本では、打席や投手起用に関するプラトーン・システムについて「'''左右病'''」という揶揄表現がマスコミやファンの間でしばしば用いられる。これは、「相対的な力量の差を無視して、形式的に左右の傾向を当てはめて選手起用をしている」という批判的な意味合いである(打者だけではなく、投手起用に関しても使われる)。
いずれにせよ、ここにあげた全ての監督の'''中軸打者は不動である'''([[ボビー・バレンタイン]]のように、「猫の目打線」で右打者を9人並べる戦術をとるような監督も存在する)。
 
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[[Category:野球用語|ふらとおんしすてむ]]
[[category:打線|ふらとおんしすてむ]]
 
 
[[en:Platoon system]]
== 投手起用と左右病 ==
ランナーを抱えた状態での投手交代において、例えば打者が右打ちで先発投手が左投げだった場合に右投げ投手に交代する事がある。しかし投手の調子や相性を充分見極めずに左右の相性ばかりを先行させた投手起用をした結果として、交代した投手がヒットを浴びる事も少なくない。こうした場合に、ファンからベンチ陣の投手起用を非難する言葉として『左右病』と言う言葉が用いられる事がある。上記の山本や[[野村克也]]はワンポイント起用を乱発する傾向があるが、広島在籍時は78試合登板という当時のタイ記録を樹立したとはいえ、実際の防御率は5点台に近かった左のワンポイント投手[[菊地原毅]]が、オリックス故[[仰木彬]]に見出され、現在は[[テリー・コリンズ]]監督の下で1イニングを任されセットアッパー的な立場で活躍をしている。<br>たしかに細かな継投が結果的に成功すると、ライトな視聴者にはまるで策略が成功したような印象を与えるのだろうが、こういった継投は前時代的になってきているという考え方が主流である。
 
<!---== マスコミと左右病 ==
*[[2007年]]、巨人と中日とのクライマックスシリーズ(CS)第2ステージ第1戦、巨人は先発メンバーに清水(前述)と中日との天王山と呼べる試合でホームランを放った脇谷亮太と、'''2人の左打者'''を起用。中日の先発投手は[[山井大介]]と思われたが、左投手[[小笠原孝]]が先発。巨人はこの試合に大敗しているが、マスコミは申し合わせたように中日監督「[[落合博満|落合]]の奇襲」などと賛美し、原を寸劇の間抜けな敵役のように誹謗することでCSを盛り上げている。<br>中日で先発出来る投手は投手のアクシデントなどで山井・小笠原しかおらず、事実は小笠原先発の可能性が高まっていたからこそ清水が起用され、実際にこの試合で清水は小笠原からヒットを放っている。また結局巨人は3連敗したものの、CS終了後に巨人の選手5人が手術を受けており、一部選手は走ることも困難だったことなど、さらに落合自身すら「あれは正攻法の範囲だった」と語っているなど、事実はほとんど語られていない。
*阪神の『[[JFK (阪神タイガース)|JFK]]』など左のワンポイント投手を使わず1イニングを1人の投手に任せる継投も主流となっているにもかかわらず、コントロールミスや相性でなく'''右投手が左打者に打たれた'''と批判する新聞社(ファンもではあるが)が未だに多い。--->
 
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