「シャリーア」の版間の差分

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YODAFON (会話 | 投稿記録)
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かつてムスリムの間ではシャリーアは人間ではなく神が定めた絶対の掟であり、人間としての正しい生き方を具体的に示すものと広く見做された。したがって現在でも保守派ムスリムの間ではシャリーアは全てのムスリムが守るべき普遍的[[規範]]であり、その意味でシャリーアへの服従はイスラームへの信仰と同義であるという主張が強い。しかし今日に於いてはトルコを含む東欧、そしてその他の地域の移民ムスリムを中心にシャリーアの人権侵害性などを批判し、世俗法を擁護する者も少なくない。
 
近代以前のイスラーム世界では建前としてはシャリーアが法体系の根幹とされたが、現実には支配者の定めた世俗法([[カーヌーン(イスラーム法)|カーヌーン]])や地方的慣習([[アーダ]]、またはウルフ)も広く併用されていた。近代に入ると西洋法系の流入によりシャリーアの運用範囲が狭められ、その権威は大きく低下した。

現在イスラム圏でも[[アルバニア]]や[[トルコ]]などでは[[政教分離]]が確立し、シャリーアは廃止された。他のイスラム圏でもレバノン、シリアなど比較的リベラルな国では家族法などの一部に名残を留めているだけである。

しかしサウディアラビア、イラン、アフガニスタンを初めとする国では未だにシャリーア、若しくはシャリーアの強い影響下にある世俗法・憲法による統治が行われており、人権侵害が厳しく批判されている。また、エジプトなどのように政治・法制で一定程度の世俗化が進んでいるが、シャリーアを憲法で主要法源とするなど、イスラーム国家的な側面をも保持している中間的な国家も少なくない
 
==シャリーアにおける人権侵害==