「赤の女王仮説」の版間の差分

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サイエンスライターの[[マット・リドレー]]は、『赤の女王』の中で、多くの種で見られる[[有性生殖]]の適応的な利点について論じた。種やその他の集団レベルにおける進化を認めてきた伝統的な理論とは対照的に、赤の女王効果は遺伝子レベルでの有性生殖の利点を説明することが可能である。寄生者との間で周期的な軍拡競争を行っている生物では、性が寄生者に対する抵抗性を維持するための仕組みであると考えられる。
 
有性生殖の有利さは、常に変化するような環境に棲む生物で発揮される。[[寄生虫|寄生者]]と[[宿主]]の間での恒常的な軍拡競争において、この具体例が確認できる。一般に寄生者はその寿命の短さにより、より速く進化する。そのような寄生者の進化は、宿主に対する攻撃方法の多様化を招く(つまり、宿主にとって環境が変化する)。このような場合、有性生殖による[[組み替え]]で常に遺伝子を混ぜ合わせ続けることは、寄生者の大規模な侵略を止める効果を果たすと考えられる。[[ボトルネック効果]]などによって[[遺伝的多様性]]が失われた個体群は感染症に弱いことがわかっている。しかし通常[[分裂]](無性生殖の一つ)を行う生物([[ゾウリムシ]]や[[大腸菌]]など)でも環境によっては[[接合]](有性生殖の一つ)によって遺伝子を混ぜ合わせることは可能であり、る。赤の女王仮説は性の存在を説明する理論ではなく、性のメリットの一つを説明する理論である。
 
== 関連項目 ==