「ハムレット (チャイコフスキー)」の版間の差分

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'''幻想序曲 '''『'''ハムレット 作品67a'''』作品67aは、[[ピョートル・チャイコフスキー]]が作曲した管弦楽作品[[演奏会用序曲]]。[[ウィリアム・シェイクスピア|シェイクスピア]]の作品戯曲『[[ハムレット]]』を題材としている。
 
'''幻想序曲 ハムレット 作品67a'''は、[[ピョートル・チャイコフスキー]]が作曲した管弦楽作品。[[ウィリアム・シェイクスピア|シェイクスピア]]の作品を題材としている。
 
==概要==
[[交響曲第5番 (チャイコフスキー)|交響曲第5番]]とほぼ同じ年の[[1888年]]にフローロフスコエにて作曲された。順番としては、8月に交響曲第5番が完成され、その後直ちにこのハムレットに着手しようとしたが、チャイコフスキーの頭の中では、両者が併存していた時期もあったと思われる。ハムレットのスケッチは6月22日に一応完成したが、この後チャイコフスキーは交響曲第5番の[[管弦楽法|オーケストレーション]]に専念し、交響曲の完成後に再びハムレットの浄書に取りかかったといわている。
 
チャイコフスキーのシェイクスピアを題材とした、いずれも《幻想序曲》と銘打たれた作品は、初期の幻想序曲「[[ロメオとジュリエット (チャイコフスキー)|ロメオとジュリエット]]([[1869年]])が有名で、他に幻想序曲「[[テンペスト (チャイコフスキー)|テンペスト]]([[1873年]])がある。このハムレットは、[[1888年]][[11月24日]]に[[サンクトペテルブルク|ペテルブルク]]で、作曲者自身の指揮によって初演された。また、当日は交響曲第5番も再演されている。
 
なおこの曲は[[エドヴァルド・グリーグ|グリーグ]]に献呈された。チャイコフスキーは1888年の1月に[[ライプツィヒ]]でグリーグに逢い、のちに2人は深い共感で結ばれた。
 
==劇付随音楽==
チャイコフスキーは1891年に『ハムレット』の上演のための[[付随音楽]](作品67b)を作曲した。作曲の依頼は作品67aの作曲以前から受けていたのであるが、その仕事が滞っている間に、先に[[演奏会用序曲]]として作品が成立することになった。しかし、付随音楽の序曲には作品67aの短縮版を作って転用している。なお、この付随音楽には他にも、[[交響曲第2番 (チャイコフスキー)|交響曲第2番]]第2楽章の行進曲、[[弦楽のためのエレジー (チャイコフスキー)|弦楽のためのエレジー]]などの旧作が転用されている。
 
==編成==
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*[[打楽器]]
:[[ティンパニ]]、[[スネアドラム]]、[[バスドラム]]、[[タムタム]]、[[シンバル]]
*[[弦楽器五部]]
:[[弦楽合奏|弦五部]]
 
==演奏時間==
作品67a:約18分(原典版)、作品67bの序曲:約10分。
これに対して初演が長ったらしいと不評なので演奏時間を短くした1890年版の編曲版がある。
作品67b:約10分。
 
 
==構成==
楽曲全体には様々な動機が出てくるが、重要なのは冒頭の主題(ハムレット自身を暗示する)と、3分の1ほど進んでから出てくる[[オーボエ]]によるロシア民謡風のもの(オフェリアを表す)、そして木管が表情豊かに出す「愛の主題」の3つで、最後は原典版のみfffffのクライマックスがありその後に幻想序曲『ロメオとジュリエット』のように[[葬送行進曲]]ふうになる。ロメオとジュリエットほどのものではないが、このハムレットは、チャイコフスキー特有のオーケストレーションの巧みさとメロディの美しさで、聴き手に感銘を与える。
 
==関連作品==
*チャイコフスキーの《幻想序曲
*[[ロメオとジュリエット (チャイコフスキー)|ロメオとジュリエット]]
*幻想序曲「[[テンペスト (チャイコフスキー)|テンペスト]]
 
{{DEFAULTSORT:はむれつと}}
[[Category:序曲]]
[[Category:チャイコフスキーの楽曲]]
[[Category:シェイクスピア]]
[[Category:劇付随音楽]]
 
[[fr:Hamlet (Tchaïkovski)]]