「歴史小説」の版間の差分

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一般的には、歴史小説と [[時代小説]]とは、ほぼ同じ意味に用いられているが、文学の上では、かなり明確な区別がある。
 
歴史小説は、主要な登場人物は、歴史上実在した人物で、主要な部分はほぼ史実の通りに進められる。著者がその主人公の生き方や思想に感動したことによって物語が生まれ、主人公の行動あるいは言動に、著者が訴えたいモチーフが込められており、純文学的な趣が強い。[[山岡荘八]]の[[徳川家康 (山岡荘八)|德川家康]]や[[丹羽文雄]]の[[親鸞]]、[[蓮如]]などは典型的な歴史小説といえる。
 
一方、時代小説は、「[[銭形平次]]」のような架空の人物を登場させるか、実在の人物を使っても、史実と違った展開をする。[[徳川光圀]](水戸黄門)は、実在の人物であるが、助さん・格さんの二人の子分を従え、諸国を巡り歩いて裁きをするなどというのは、史実と照らし合わせるとかなり荒唐無稽である。いくら天下の副将軍でも、大名が勝手にほかの殿様の領地にはいることは禁止されていたからである。つまり、史実や著者の訴えよりも、おもしろさ、いわゆるエンターテインメント性を重要視したのが時代小説である。[[吉川英治]]の一連の作品や[[池波正太郎]]の[[鬼平犯科帳]]などは時代小説である。かつて「チャンバラ」と呼ばれた劇を「[[時代劇]]」というが、その小説版と見てもいい。