「トマス・ルイス・デ・ビクトリア」の版間の差分
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ビクトリアは[[対抗改革]]期のスペインで最も重要な作曲家であり、後期[[ルネサンス]] においては最もすぐれた宗教音楽の作曲家である。ビクトリアの作品は[[20世紀]]に復活を遂げ、近年たくさんの録音が制作されている。数多くの評者がビクトリア作品に、神秘的な烈しさと、直接に感情に訴えかけてくることを認めている。これらの特徴は、見方によっては、ビクトリアの偉大な同時代のイタリア人、[[パレストリーナ]]の作品には見当たらない。パレストリーナ作品は、技術的には申し分ないが、情緒的には超然としているからである。
様式的に見るとビクトリア作品は、多くの同時代の作曲家と同様の凝った対位法は遠ざけて、単純な旋律線とホモフォニックなテクスチュアを好んでいるが、それでもなお多種多彩なリズムの変化や、時に驚くほどの明暗の対比を内に秘めている。旋律の書法や不協和音の扱いはパレストリーナよりもずっと自由である。ビクトリアは随所で、[[16世紀]]の厳格対位法では禁則とされていた音程、たとえば上行する長6度音程を用いた。あるいは[[モテット]]《聖なるマリアよ、顧みたまえ Sancta Maria, succurre
ビクトリアの最も美しく、かつ最も洗練された作品の一つが、かの偉大な[[レクイエム|死者のためのミサ曲]]である。この作品は、[[1586年]]以来ビクトリアの主人であった皇太后マリアの葬礼のために作曲された。
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